○遠山
委員 ありがとうございます。
もちろん私も、
高度人材として受け入れた外国の方が、永住許可を取った瞬間に、何か今想定しているようなことをされる方というのはほとんどいないとは思うんですね。ただ、
法律の
規定上それは不可能ではないということは行政
当局で意識をしていただいて、先ほど副
大臣もおっしゃっていましたけれども、定期的に、入国をし、かつ永住許可を取った方々についても、余り規制をかけてはいけないと思います、
外国人にとってディスインセンティブになりますから。他方で、少し
状況を把握できる仕組みというか体制は持っておられた方がいいのかなと思います。
さて、
大臣が戻られましたので、
大臣にお聞きしたい
質問、ちょっと今法案の流れとは無
関係でございますが、きょうは、お手元に資料をお配りしている問題一点について御
質問をさせていただきたいと思います。
先日、私の事務所に、在日韓国人良心囚の名誉回復を求める会という在日
外国人の方々が来られました。
資料の一にありますが、これはどういう意味かというと、名前は英文字にしてありますけれども、十七名の方のリストなんですね。
一言で言うとどういうことかというと、一九七〇年代から八〇年代にかけて、在日韓国人の方が韓国に留学とか仕事で行った際に、当時、朝鮮半島の南北
関係が緊迫していた中、北朝鮮のスパイとして逮捕、投獄をされて、短い人で二年四カ月、長い方は十四年十カ月も韓国の刑務所で服役をしていた方々でございます。後でも申し上げますが、ここで挙げた十七名の方々は全員、今日まで無罪が韓国の方で確定をしているわけでございます。
ところが、何できょう私、
委員会で取り上げているかといいますと、長い期間韓国で服役をした、しかも、今は無罪とわかっていますから冤罪です。冤罪で服役をした結果、当時は
日本に帰国できませんでしたから、いわゆる
日本における特別永住資格を失ってしまったんですね。端的に彼らの要望を言うと、資格を回復できないか、特別永住者としての資格を回復できないかという要望でございます。
実は、これについてもう一枚の資料を見ていただきたいと思います。
法務省入国管理局参事官室のクレジットがついて、これは民主党政権のころですかね、
平成二十四年七月に、要望しているある方にこういう
通知を出しております。時間の
関係もありますので全部読むことはいたしませんが、結論から言うと、なかなか資格を回復するのは困難だということを言っています。ただし、段落の二番目の最後のところで、「当面は、韓国における再審を含めた
手続の進捗を見守ることとし、全体が決着した段階で、
日本側の
対応を検討することが適当と考えている。」つまり、一言で言うと、今は見守りますとこの時点では言っているわけでございます。
そして三番の方は、では、どういう
対応があり得るのかということを少し詳し目に示唆しているわけですが、最後の三行を見ていただきたいんですけれども、「この附則第六十条第三項全体の検討を進める中で、これらの
人たちについて、
事情に応じてどう対処していくのかということについても、これからの課題として検討してまいりたい」と。「検討」が二つ続いております。ただ、この時点では、待ちになっています。
大臣、資料一に戻っていただきたいんですね。実は、この参事官室の紙が出たのは、このリストで無罪が確定した日付のところを見ていただきますと、ちょうど、数字で言うと七番目の方、七番目の方と八番目の方の間のときに出た
通知なんです。二〇一二年の七月にこの
通知が出ております。私がきょう申し上げたいのは、この八番から十七番までの方々が、実は、この
通知が出た後に韓国で無罪が全部確定をしている。
私、ちょっと韓国の外交、政府筋にも
確認をしたんですが、国家として、こういう無罪が確定した方々については、これは謝罪をし、そして、在日韓国人でございますから、この方々の特別永住者としてもともと持っていた資格の回復についても、ぜひ
日本政府の配慮をいただきたいというふうに言っているわけです。もちろん韓国の側で勝手に捕まえたわけですから、これは我々の方で考慮すべき
事情じゃないかもしれませんが、ただ、捕まって投獄をされた在日韓国人の方々は、一人として自分の
意思でそういう
状況になったわけではないということでございます。
よって、要望のような、
質問のようなお話になりますが、
大臣、そろそろ、この通達が出てからもうこれだけの方々が無罪が確定をし、そして、私、このリストに載っている全ての方を個人的に存じ上げているわけではありませんが、
日本で生まれ、
日本で暮らし、納税もし、社会貢献もされている方も多いわけでございまして、ぜひ、この参事官室の通達で言っていた、彼らの特別永住者としての資格回復に向けた検討を
法務省として始めていただけないかと要望申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。