○椎名
委員 こんにちは。お疲れさまでございます。結いの党の椎名毅でございます。
本日、一時間も質疑時間をいただきまして、大変身に余る光栄でございます。一時間ということで、割と細かく
議論をしていこうかなというふうに思っておりまして、そういった
意味で、余り
大臣に登場していただく機会もないかと
思いますけれども、引き続きよろしくお願いできればというふうに
思います。
午前中からずっと
社外取締役に関する
議論というのが行われてまいりました。
論点も大分詰まってきたのかなというふうに思っておりますので、私自身は
社外取締役の
論点ではないところについて聞いていこうかと
思います。
その前に、ちょっと
社外取締役について私自身も思うところを
一つ申し述べてまいりたいというふうに
思います。
先ほど
松田先生が、リスクテークをする
取締役を、リスクテークをする
経営者をという話をおっしゃっておりましたが、私自身もそれは本当にそのとおりだというふうに思っています。
今回、
社外取締役というものを法
制度化することの最大の
意味は、
内外の
投資家からの見た目というところが大きいかというふうに
思います。グローバルに見て、スタンダードに沿った形で
コーポレートガバナンスの
形態がそろっているということによって、正直、
日本の
コーポレートガバナンスに対する特に
外国投資家の不信感というものを少しでも解消できればという程度のものだというふうに思っています。
というのはなぜかというと、最後、
松田先生もおっしゃっておりましたが、結局、
制度をつくっておしまいじゃないんですよね。そうじゃなくて、
社外取締役に
法律上期待されている役割をきちんと実現できる
経営者の
人材プールをつくることの方がずっと重要かなというふうに思っています。その
意味で、今回の法
制度として、
義務化をするか、それとも事実上
義務化に近い
状況に置くかというのは、私自身は
論点としては割と小さいと思っています。
それよりも、これからの十年、二十年の間に、実際に、
社外取締役ですと言って非常勤で
取締役会が開かれるときに訪れていって、
会社の
状況が余りよくわかっていないにもかかわらず、
会社の
経営に関して、特に
経営の妥当性についてきちんと
意見を述べることができる、そういう
社外取締役になり得る
人材プールをつくっていくこと、これが今後の
日本の経済でやっていかなければならないことかなというふうに思っています。
以上です。
意見だけを申し述べさせていただきました。
本論に入りたいというふうに
思います。
私自身は、今回、
会社法の
改正ということで、大きな
論点から事務方からいろいろ御
説明をいただきましたが、主に、
企業統治、
コーポレートガバナンスの部分と親子
会社法制というところで、特に多重代表訴訟の部分について強く御
説明をいただきましたけれども、実は、御
説明を事務方からいただいたところではないところにも結構重要な問題があるんじゃないかなというふうに
思い、本日、俗にキャッシュアウトと呼ばれる部分、それから親子
会社法制と呼ばれるところについて、幾つか伺ってまいりたいというふうに
思います。
先週の与党側の質疑の中で小田原先生が聞かれていた部分と幾つか重なる部分もあろうかというふうに
思いますが、御容赦いただければというふうに
思います。
キャッシュアウトというのは、いわゆる長期的な視野に立った柔軟な
経営、株主総会対応の簡略化などによる迅速な
意思決定とか、有価証券報告書の
提出義務の簡略化とか、株主管理コストの削減といった観点から、少数株主をお金で排除する、そういうために行われるものでございます。
具体的には、いわゆるマネジメント・バイアウト、MBOと呼ばれるもの、
会社の
経営を株主から委託されている
経営陣がみずからその
会社を買収してオーナー
企業にしていくというマネジメント・バイアウトということ、それから、上場
子会社、これのゴーイングプライベート、いわゆる完全
子会社化というような場面で使われたりするものかなというふうに思っています。
基本的には、第一段階として、
上場会社であるところの上場されている市場で公開買い付けをして、それで買い付け者が支配株主になって、その上で、支配株主が主導して、少数株主に対して現金を払って対象
会社から締め出すということだというふうに思っています。
こういう関係上、少数株主の保護ということを物すごく重要に考えていかなければいけない部分だというふうに思っております。今回の
法改正が少数株主の保護という観点からどの程度配慮されているのかというところを確認していく
意味で、私自身、幾つか伺っていきたいというふうに思っています。
現行法でも既に、このキャッシュアウトというのは幾つかテクニカルな方法で使われております。大きく分けて、三つ方法があり得ると論理的には言われています。株式併合という手段を使うのと、それから現金対価の組織再編、株式交換と合併ですけれども、三つ目が全部取得条項つき株式というものを使う、この三つの手段があると言われています。種々の
理由により、実は、実務的には三つ目の方法しか今現状使われていないというのが正直なところかなというふうに
思います。
これに加えて、今回
議論となっている
会社法の百七十九条以下で、特別支配株主になった、いわゆる九〇%の株式を占めた人が、少数株主に対して株式売り渡し請求というものをできるようになるというふうに言われています。株式売り渡し請求というものをすると、手続上、この百七十九条の三というところには、対象
会社であるところの
会社の
取締役または
取締役会が承認をするということが一応条件になっています。
この承認の
内容について、一番
最初に伺っていきたいというふうに
思います。
この少数株主の保護という観点からすると、株式売り渡し請求というものをされたときに、対象
会社の
取締役会になるべく適正な価格で買い取ってもらうということを気にしているというふうに
思います。少数株主がその株価、要するに買い取り価格を気にしているということが前提としてある中で、承認をする際に
取締役会は何をしなければならないのかということだというふうに思っています。
取締役は、善管注意義務というものを
会社法三百三十条、それからそれの準用する民法六百四十四条、そして忠実義務というのを
会社法三百五十五条でそれぞれ
会社に対して負っています。それを前提として、
会社に対して善管注意義務、それから忠実義務というものを負っているわけですけれども、それを超えて少数株主の利益を保護するために何らかの義務を負うんじゃないかというふうに思う次第でございます。
こういったところで、
取締役は、こういった場面において、少数株主の保護という観点から、最善の価格を引き出すために特別支配株主と交渉する最高価格の引き出し義務みたいなものがあるんじゃないか、これはいわゆるレブロン義務というふうに表現されたりもしますけれども、こういった考え方もある中で、今回の法
制度の中ではどういう対応をされるのか教えてください。