○高橋(み)
委員 ありがとうございます。
ただ、今の御
答弁は、実際は全くなっていないというような判断をせざるを得ないと思います。
なぜならば、
司法解剖、例えば、和歌山県は一四・一%もあるんですよね。ほかが、
司法解剖で低いところではやはり四%とか、そういうところがあるんですけれども、そうすると、和歌山県では一四・一%も犯罪の嫌疑があるから
解剖をしなければいけない
死体が転がっているかということになってしまって、それは和歌山県の人にとても申しわけないというような気がしてしまいます。
犯罪の
可能性のある
死体というのがそんなに
地域的にばらばらにあるということは、どう考えても考えられないと思いますので、もう少しそこら辺はちゃんとしっかりと対処していただきたい、そのように考えております。
これだけ
解剖率が低いということは、やはり、代替手段というものを考えていかなければいけないというのは明白だと私は思っております。
近年、
Ai、オートプシーイメージング、
死亡時
画像診断を利用するということが行われているようです。
Aiは、病院で通常使われています
CTやMRIを用いて遺体を撮影し、得られた
CT画像などを医師が読影するということから成っているということになっております。
Aiは
画像診断ですので、遺体を損壊しない、これがとても長所だというふうに言われております。確かに、
自分の親とかが亡くなったとき、どういう原因かはわからないけれども
解剖しますかと言われたときに、ちょっと
解剖まではというふうに思われる方というのは大変多いと思いますので、この
Aiというシステムはとてもいいんじゃないかと私は考えました。
それでまた、この
Aiというのは、撮影時間というものがかなり短くなるというふうにも伺っております。
CTでは数十秒、MRIでは一時間未満、
解剖は半日ぐらいかかって結果の確定が半年以上もかかるというようなことも伺っております。そうすると、
死因究明にかかる労力というのはかなり違うというようなイメージを持ちました。
それでまた、
Aiというのは、よく
皆さん歯医者に行かれたときに
画像を見るかと思うんですけれども、それになれておりますので、それほどグロテスクではないので、亡くなった方の
遺族の人もそれほど恐怖感を得ることはないというような利点もありますし、最近では、遠隔
資料などでコンサルトをすることによって中立的な診断が可能になるという
Ai情報センターというのもできているということを伺っております。
私は、これを伺ったときに、例えば医療過誤のような場合、担当のお医者さんにたとえ非がなくても、やはりその
遺族としましては、医療に過誤があったのかな、どうなのかなというような不安を持つかと思います。それを考えますと、
画像で撮った場合、それを第三者にすぐに見てもらう。それは、それを見てもらったときに、いや犯罪でも医療過誤でも何でもなかった、単にこういう
理由によって亡くなったんだよということを言うことというのは、
遺族の方にとっても、そしてまた医療関係者にとってもいいことではないかと私は思いました。
また、検査費用というのも、
Aiというのはかなり安いと伺っております。概算なんですけれども、大体、
CTでは五万円、MRIは十万円、
解剖では二十五万円ぐらいかかるというふうに言われているそうです。
よく、何で
解剖率が上がらないかというときに、マンパワーが不足しているということも言われていると思うんですけれども、放射線医は現在四千人ぐらい、一般の臨床医も二十八万、放射線技師に至っては四万人いるので、数としては不足していない。逆に、法医学者百二十人、病理医は千八百人ぐらいで、やはり
解剖をする人がいないということから考えますと、この
Aiというのはかなり強力に進めていくべきじゃないかなというような気がします。
ただ、
Aiにつきましては、
死因の判明率が低いということも言われているそうです。ただ、私は、この本、「
死因不明社会2 なぜ
Aiが必要なのか」というところからちょっと
数字をとらせていただいているんですけれども、この方によりますと、
CTでは三〇%、MRIでは五〇から六〇%の
死因が判明することということでしたので、
解剖では七五から八〇%ぐらいの判明率と言われておりますので、確かに少し
死因の解明率、犯罪の判明率というのは下がるとは思うんですけれども、
解剖でも一〇〇%ではないということ、そして、この
解剖率が余りにもお寒い
状況ということに鑑みますと、やはり
Aiというものはかなり強力に推進していくべきではないかというふうに思っております。
そこで、
所管する官庁がばらばらで統一性がなく、全体としても
解剖率が低い現在、
Aiの導入を強力に進めていくべきだと思うんですけれども、
谷垣法務大臣、いかがお思いでしょうか。