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田沼委員 御紹介にあずかりました、
日本維新の会の
田沼隆志でございます。
別にきついことはございませんので、私も、
下村大臣は本当に尊敬する先輩、同志でありまして、昨年もお話しさせていただきましたけれども、安倍内閣で入閣されて本当によかったと、今でも本当に思っております。
この
採択の改革、この
無償措置法の
改正も私個人としては非常に大賛成でありまして、ぜひ推進をしていただきたいと思っておりますし、
竹富町の問題もぜひ改善をしなくちゃいけないと本当に思っております。
ただ、ちょっと画竜点睛を欠くというか、もう一息欲しい
部分もなきにしもあらずなものですから、そこの
部分をぜひ
議論させていただきたいと思っておりまして、文章でいうと第十五条
関係の、特に
採択理由の公表の
部分について主に
議論をしていきたいと思います。
私、千葉市議会でもずっとこの
教科書問題をやってきて、
教科書の
田沼と言われていましたので、もう二回に一回は
教科書問題を扱う、
採択がない時期でも扱うぐらいに熱心にやってきたんです。その
意味で、この第十五条、
採択理由の公表をするようにというのは大変画期的であると思っておりまして、これはブラックボックスになりやすいんです。もちろん、
無償措置しているわけですからその
採択理由を公表するということは当然でもあり、非常に筋の通った
改正であると思うんですけれども、
実態的にはなかなか厳しいかなと思っています。
この
法案としても、
採択結果及び
理由等を「公表するよう努めるものとする。」になっているんですよ。皆さんのお手元にあるでしょうか。この「努める」という努力
規定になってしまっていることにちょっと心配をしております。もっと言うと、
現場はやらない
可能性も多分にあるのではないかというふうに感じます。
いただいた今までの資料だと、県の
教育委員会は結構きちんと、結果はもちろん
採択の
理由も公表している。四十七都道府県の
うち三十五県は結果をすぐに公表している。
理由の方も十九県はすぐに公表している。請求に応じて公表するというのも入れればほぼ全部がちゃんと。県はやっているんですけれども、私は千葉市出身ですが、
政令市の千葉市でも実は大変でした、この公表をさせることに。もっと小さな一般市はもっと厳しいですという
実態をぜひお伝えしたいんです。
お手元の資料で、ちょっと1234の順番がそのとおりでなくて申しわけないんですが、3の「
平成二十三年千葉県内全
市町村教育委員会の、
教科書採択についての
教育委員会会議録公開状況」、これはそのままでして、全県、千葉県は五十四市あるんですけれども、たまたま私は千葉市ですから千葉県を調べたんですが、県教委にまず公開状況を確認したら、資料がないと。もうしようがないから、
一つ一つの市に当たっていきました。
そうすると、五段階あって、この黄色い
部分、上の
部分を見ていただくと、議事録をきちんと公開しているのは五十四市の
うち十市なんですね。だけれども、
教科書の
部分は非公開というのが2です、十七市あるんです。概要のみでそもそも議事録はありません、もちろん
理由もありませんは3、五市。ホームページはあるけれども議事録はないというのも六市。そもそもホームページはなくて、市教委に聞いてもよくわからないというのが十六市。つまり、左側の1しかきちんと公表はしていません。だから、一八・五%しかしていない。
この2のところも、きちんと公表をしているかもしれないなと思ったものですから、連絡、聞き取りができた
自治体をその十七市の
うちから、下の表ですね、九市ほど直接電話したんです。
そうすると、傍聴人、要は、その
会議の場で傍聴ができるかどうかですね、そうすれば状況がわかりますから、
採択の
理由も。その傍聴ができるかというと、全部だめなんです。この網かけで黒くなっていますけれども。
真ん中の、議会という
部分です。議会にこの
採択の
理由を、議事録を公開しているかというと、していないところが多いんですよ。これはほとんど黒い網かけがかかっていますね、この真ん中の列。
それから、情報公開請求とか申請があればするというところは、白いのだと五個です。でも、しないというのは四つあって、この2の列の十七の
自治体でも非常に手ごわいです。その3以降はもう全然手ごわい。
これは、小さい
自治体というのももちろんあるんですけれども、
教育委員会のスタッフとして機能が十分ではない、だから
共同採択というのもあるんでしょうが。というのはあるんですけれども、
基本的に、この
会議録の公開、
教科書採択理由を公表するというのは、非常に
現場は嫌がります。
これは、
大臣も本当に
教科書問題のプロフェッショナルなので御存じと思うんですが、
一つに、手間がかかります。全科目の
採択理由を、何でこの会社の
教科書を選んだんだというのは大変だと。
それからもう
一つは、静ひつな環境です。この静ひつな環境というのが、過去この国会でも何度も
議論になったと思うんですけれども、この静ひつな環境を非常に求めています、今でも。なので、
理由を公表するのを嫌がる
教育委員さんたち、
教育委員会としても、右から左からいろいろやんややんやと言われて、何でそんな
教科書を選ぶんだということでファクスが百枚、千枚送られてきたりとか、そういうのがもう嫌でしようがないというのがあって、なかなか
採択理由の公表というのはされてきませんでした。
これは、多くの、特に保守系の自民党さんとか皆さんも大体おわかりと思うんですが、そういう
現状にある中で、この今回の
法案で
採択結果及び
理由を公表するように努めるというのは、大きな前進だと思います。ただ、「努める」だと逃げられるかもしれないという思いがあって、これはもう率直に言って、義務にした方がいいんじゃないかと思っております。
もう
一つ、お手元の資料だと4の方なんですが、これは先ほど宮川
委員も同じような御質問をされたようですけれども、私は、さらに半世紀ぐらいの過去の千葉市の
採択の結果を持ってきました。これは内部資料だったんですけれども、もらったものを持ってきました。これを見ていただくと、「
中学校教科書採択一覧表 千葉市」とありますが、大体十五科目ぐらいですかね、ほとんど変わらないんです、これを見ていただくとわかると思いますけれども。
例えば、よく
議論になる社会の歴史、地理、公民は東京書籍、東書と書いて、これは四十年ぐらい続いていますね。ごめんなさい、左側のは昭和と
平成です。
採択期間は四十一から始まっていますが、これは昭和四十一年から。一番下の列が二十七です、これは
平成二十七年。
採択期間の四年間のことを出しております。
これを見ていただくとおわかりと思うんですが、社会にかかわらず、どの科目もほとんど全然変わらない。一番左の国語は光村です。光村さんは
平成九年から変わりましたけれども、そのほか、書道ですとか社会、地図帳は帝国書院、数学は
平成十八年に啓林館に変わりましたけれども、理科は記録が残っているときからずっと大
日本図書です。それから、音楽もそう、器楽もそうですね、美術もそう、みんな同じ会社です。英語だけ
最後に三省堂に変わっていますけれども、ずっとこんな感じなんですよ。
本当に
大臣には釈迦に説法なんですが、ほとんど変わりません。これは皆さんのほとんどの
自治体も同じと思います。ずっと安倍総理もこの
教科書問題に非常に詳しい方で、安倍総理の地元の下関もこの状況ですよ、私が調べた限りですと。
ですので、この
採択というのは非常に硬直化している
現状があり、その大きな原因として、やはり
採択理由の公表というのがない、だから検証もできない、PDCAもできないという原因があると思っています。
ですので、先ほど言いましたが、やはり努力
規定ではなくて、これは必ず義務として
採択理由を公表するというふうにすべきでないかなと思うんです。あるいは、せめてそういう通知を出すべきでないか。手段はお任せしますが、
大臣、ちょっと御見解をお答えいただければと思います。