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吉川(元)
委員 問題発覚が二〇〇四年といいますか、世間に知られたのは二〇〇四年なわけでして、どの段階でいろいろな
措置をとれるようになるのか。もう際の際まで来ていろいろやったとしても、できるだけ早い段階で、未然に大きな問題にならないように
措置をするというのが大切だろうというふうに思います。
今ちょっとお話を聞くと、どの段階でというのが少しはっきりとはしなかったんですが、できる限り最悪の
事態になる前に、できるだけ早い段階での手当てというのが必要なんだろうというふうに思います。
次に、具体的な内容についてお聞きしようと思ったのですけれども、もうほかの
委員の先生方からも御
質問がありましたので、ここでは、
行政の裁量が際限なく拡大していくということがないように、そこのところだけ
指摘をさせていただきまして、次の
質問に入りたいというふうに思います。
私立学校の
自主性や独立性を保障するために、今も言いましたが、
行政が過度に介入するということは好ましいことではないというふうには思います。他方、これだけ多くの
学生や園児が
私立の
学校法人で学んでいる現状の中で、放漫
経営などの不祥事による被害が生徒や園児あるいは
教職員に及ぶことがないような、実効性のある
措置が必要だろうと思います。
実は、
前回の
私立学校法の
改正、二〇〇四年に行われましたけれども、その際にも、不祥事を防止するために、通知や
行政指導ではなくて、
法律で定めて遵守させることが必要なのではないかというような
質問も多くの
委員から出されたというふうに聞いております。その際、文科省の方としては、法案の修正を行わず、法
改正の
趣旨を徹底していく、そういう答弁を一貫して続けられました。
ちょうどその時期に
堀越学園でのいわゆる不祥事というものが表面化したわけで、結果的に言うと、二〇〇四年の
改正では不十分だったということではなかったかというふうにも思います。
この点からしまして、国や自治体から
助成を受けている
私立学校の
経営については、
公共性の維持という観点から、一般社団
法人あるいは一般財団
法人に準じた
措置を整備する
必要性があるのではないでしょうか。
私立学校を一般社団、一般財団
法人等と比較をいたしますと、
経営側である
理事長や
理事の
権限、裁量権が非常に強いような気がいたします。
今回、法
改正で、
理事の忠実義務
規定を置き、
所轄庁による役員解任勧告
規定を置きましたが、実効性という観点からは果たしてどうなのかという疑問もあります。
堀越学園の問題にとどまらず、
私立学校の不祥事は後を絶たないという
状況でありますし、
理事らの
学校経営側の無自覚や無
責任さから生じているということも考えますと、
法律で
理事の選任のあり方や
責任を明確化してもいいのではないかというふうにも思います。
その立場から二点ほど
指摘をさせていただきます。
まず一点目ですけれども、
私立学校法では、
理事の選任は、校長と評議員から選任された者に加え、
寄附行為の定めによって選任された者となっております。一般社団・財団
法人法では、
理事の選任は社員総会か評議員会で行うことが
規定されていますから、
私立学校法においても、原則は評議員会によって選出するとした方が、恣意的な
理事の選任を防げるのではないでしょうか。
それから二点目としては、
学校法人の役員、すなわち
理事や監事の
責任についてです。
二〇〇四年に、先ほども触れましたが、
私立学校法は大幅に
改正をされましたが、その後、二〇〇八年のリーマン・ショックの際に表面化したわけですけれども、少なからぬ
私立大学で、デリバティブ取引などによって巨額の損失が発生をいたしました。生徒からの授業料や、あるいは国、自治体の補助金をもって運用されているそういう
学校が、リスクを伴う投機活動を行うこと自体が果たして適正なのかという問題がありますが、
現行の
私立学校法では、
学校運営に巨額の損失を与えた際に、
経営側に
責任を問う
仕組みが十分ではありません。
これに対して、例えば一般社団・財団
法人法の第百十一条では、「
理事、監事又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、一般社団
法人に対し、これによって生じた
損害を賠償する
責任を負う。」ということが明記をされております。
私立学校法でもこのような
規定を整備することが必要ではないかと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。