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柏倉委員 みんなの党の
柏倉でございます。よろしくお願いいたします。
補正でこの大事な
ImPACTというのを入れていくというものに関しては、今、
鈴木委員からも
説明を多く求めていたように、我々としてもそこが納得いかないという部分が根幹にございます。先ほどの
予算委の締め総で私は麻生
大臣から懇切丁寧に
説明を受けたものですから、この件に関して私は、もうこれ以上は質問はいたしません。
ただ、
FIRSTというのは、私も
研究者でしたからわかるんですけれども、どちらかというと、ボトムアップを
中心にいろいろなものを
開発していこうという
趣旨だったと思います。今回の
ImPACTというのは、ハイリスク・ハイリターンという
研究スキーム、スキームといいますか目的でございます。新しいやり方をやる、その上で、
プログラムマネジャーをしっかり選定していくというのは、これはやはりDARPAで一番大事なところだとも言われておりますので、そこのところをしっかり時間をかけていくべきであるということだけ述べさせていただきたいと思います。
それでは早速中身に入らせていただきたいんですが、お手元の資料を見ていただきたいんですが、これはSCHAFTという、
日本の、東大発のロボットベンチャーです、人型ロボット。このSCHAFTという非常に優秀な
日本発のロボットベンチャーの記事です。
非常に優秀で、
ImPACTが目指すところのDARPA主催のロボコンで一位になったんです、ぶっちぎりで一位になった。車の運転から、はしご登り、瓦れき除去、ホースつなぎ、バルブ締め、壁破り、ドアあけ、でこぼこ歩きというようなものを非常に見事にやってのけるということで、物すごい高い
評価を得て、断トツでトップになった。ところが、これがグーグルに買収されてしまったんです。
外国資本に持っていかれた、語弊がありますけれども、そういう形になったというのがこの記事でございます。
せっかく頑張っても、
開発しても、
外国資本に持っていかれてしまう。これはやはり、
日本の国力に資するべく
研究につぎ込んだお金が無駄になるとは言いませんが、非常にゆゆしき事態であるということは間違いのないことだと思うんです。
この経緯がどういうものだったかといいますと、SCHAFT、このロボットベンチャーのCEOが、ロボコンに出場するために
日本の企業を歩いて回った。しかし、どこの企業も投資をしてくれなかったんです。それで、たどり着いた先がグーグルだった。グーグルは、そのコンセプトを聞いて、十年という長期投資であればこれは元が取れる
可能性がある、もっと飛躍する
可能性があるということで買収を決定したということでございます。
なぜ
日本の企業がそこで触手を伸ばさなかったのか。これは私は、
一つ、
出口戦略なんですけれども、やはり
日本の大きな問題だと思います。なぜリスクをとれないのか、
日本の企業がどうしてベンチャースピリッツとコラボレーションできないのか。この状況を是正しなければ、幾らいい
開発をしても
産業化には結びついていかないわけでございます。
某大手メーカー、介護ロボットをつくっている
日本の大手メーカーに、なぜリスクをとれないのかというところを聞いたという記事がございます。その
研究所長の話ですと、
イノベーションを起こす
可能性を追求しても、もし事故が起きたら責任は誰がとるのかという守りの発想に入ってチャレンジできないというふうに言っています。
この守りの発想、これが問題なんです。
資金、目きき、そういったものがあっても、やはり精神的に縮みに入っている。最初から事故のない完璧なものをつくらなければいけない、こういう強迫観念がある以上、
日本の企業が
日本のベンチャーとコラボすることはなかなか難しいんじゃないでしょうか。
やはり
日本では、基礎科学からの
産業化、民生転用、活用、経済成長に直接結びつけるこういう道をしっかりつくっていかなきゃいけない。どうやって
出口戦略を描いていくのか、どうやって
日本企業の野心に火をつけリスクをとらせていくのか、その辺の
政府のお
考えをお聞かせいただければと思います。