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鈴木(義)
委員 ありがとうございました。
続いて、安倍総理はこういうふうに述べられています。経営マインドを持ったやる気のある担い手があすの
農業を切り開きます、彼らが安心と希望を持って活躍できる
環境を整えることこそ、
農業、農村全体の所得倍増を実現する道だと信じています、
農林水産業を、若者に魅力ある、地方の
農山漁村を支える成長産業とするため、食料・
農業・農村
基本計画を見直し、農政の大改革を進めていきますと。ここに全部が集約されているのかなと思っています。
先日、私は実際に、コマツナをつくっている地元の
農家の人と
お話をしてきて、今の私たち国
会議員に何を求めますかという話で幾つか羅列をしてありますので、お聞きをいただきたいと
思います。
農業生産法人を組織しても、メリットが余り感じられないと。
済みません。前段で、そのコマツナをつくっている
農家の人は、年に五作から六作つくります。大田の市場に出して、五本指に入るぐらい高値で取引してくれる
農家、十年、二十年、コマツナを一生懸命つくっている
農家の四十代ぐらいの
生産者です。
今申し上げましたように、組織化しても、メリットが余り感じられないと。法人組織をやろうとしても、人件費が高くて合わない。安いと、逆に人が集まらない。観光農園をやったらと私が投げかけたら、ロケーションがよくないと成り立たない。当たり前の話だと
思います。認定
農業者のメリットがない。JAの女性部等の団体をつくるが、メリットが感じられない。家族経営で、奥様も働いているんだと思うんですけれ
ども、それがその団体のいろいろな事業に駆り出されてしまうと、人手が足らなくて、稼ぎが減る。団体を組織するのに、行政の勝手で、
農業者はメリットが薄い。
農業資材が高過ぎて、施設費に食われてしまう。市町村によっては、防災の視点から、今御答弁いただいたように、施設整備に
補助金を出しているところもある。江戸川区なんかは、農地が少ないものですから、施設をつくりたいというと、区で二分の一補助をするんだそうです。一千万かかれば五百万出す、そういったところもあるというふうに聞いています。
消費者のニーズに合わせるため、ビニール袋や箱代が高騰している。肥料が高い。利益を圧迫している。
大
規模に人を雇っているという
生産法人があるんです。世間的には先進的にやっているように見えるけれ
ども、できた野菜の評価が低く、ブランド化にならない。市場の取引でも、
生産者の信用によりブランド化がなされているがために、今申し上げた、五本指に入るというのはそういうことだと思うんです、でも、五本指に入るのに、黙って十年かかりましたと。
一つのコマツナという品種をつくるだけでですね。
地域性があり、お互いさまの相互扶助が醸成されていない。意外と
農家の方って、隣がもうかっているとやきもちをやくんです。だから、うちは幾らで売ったというのをなるべく教えてくれないし、何か障害があったときに、教えてよと言ったら、種をまいておけば芽は出るんだよと。そういう話なんですね。
現実の話です。
情報の共有化がおくれていて、
生産性の向上と質の評価になる
価格に反映されない。そこの
農家の人はスーパーにも卸しているんですけれ
ども、売る先の店のコンセプトで、よいものを高く売りたいというスーパーもあれば、安くて大量に売りたいという売り先もあるんだそうです。ということは、販路に差が出てきてしまう。
それが、都市近郊でコマツナをつくっている
農家の人の弁だったんです。
そこから、幾つかお尋ねをしたいと
思います。
過去に、
農業生産法人だとか認定
農業者など、国が主導してきて幾つもの制度をつくってきたんだと思うんです。確かに、組織化した方が管理もしやすいし、国が組織化された団体を管理した方がコストもかからないでしょうし、コントロールもしやすいんだと思うんです。でも、実際に働いている
農業者の方は、大きなお世話だということなんですね。
先ほど申し上げましたように、認定
農業者の資格を得たからといって、高値で市場でコマツナを買ってくれるわけじゃないんです。所得倍増というふうにかけ声だけをかけて、いろいろな制度を
農水省がつくろうとしているんですけれ
ども、実際にそれが
価格にはね返るんだったら、一生懸命そこに力を注ごうとするんでしょうけれ
ども、そういう制度とは違うところで実際は
価格が確定されちゃっているのが
現実だと思うんですね。仕事以外のことを、あれやってくれ、これやってくれというふうに行政の側の理論でいろいろやったとしても、
農家は全然メリットがないということであります。
いろいろな制度をつくってきましたが、今までそれによってメリットがありますかとお尋ねすれば、こういうメリットがありますというふうに
お答えになられるんだと思うんですね。でも、そういったメリット、デメリットを、つくった制度だからずっと続けるんじゃなくて、やはり検証して、統廃合するとか、廃止をしていってもいいんじゃないかというような
思い切ったことをやらなければ、
農家のための
農業、そういうふうな考え方に立つのであれば、余り制度をいじくり過ぎない方がいいんじゃないかと思うんですけれ
ども、その点、
大臣にお尋ねしたいと思うんです。