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田沼委員 妥協があったということで、私は、非常に、そのあり方自体に大変残念というか、やはりそれでいいのかという思いが強うございます。
皆さん、お手元にこの私の
資料は行っていますかね、参考
資料で。評論家の福田恒存さんの書籍からちょっと抜粋いたしましたけれども、表面で「祝祭日1」とありますが、これでも「戦後の祝日の名称はまつたくでたらめで、抽象的な浅薄さをもつてゐる。」ということで、それぞれ、成人の日とか挙げながら、非常に消極的防御姿勢だというふうに言っております。
裏面が特に私がお伝えしたいことなんですが、「紀元節」とありますけれども、そこで傍線を引かせていただきましたが、「戦後の「祝日」と称するものは殆どすべて「休日」に過ぎない。」と。それだったら、もう全部、全廃して毎週土日連休にした方がよいと書いていますけれども、これは当時、土曜はまだあったころですから、あれなんですけれども、まあ、今そうなっていますけれども。
その次の行が一番核心でありまして、「祝祭日が休日と違ふのは、それに儀式や行事が伴ひ、それを通して
国民、或は集団が連帯感を
確認する事にある。」ということで、
国民みんなが覚えている、例えば、東京オリンピックの開会式が体育の日になったとか、儀式として、建国記念の日で、さっき第一条ありましたけれども、
国民こぞってお祝いする、そういう行事ですとか儀式ですとか、そういったものを通じての連帯感の
確認が極めて大事だと思っております。
一方、この山の日は、問題が非常に多い。
まず、いろいろ、るる申し上げますが、八月の十一日である、この十一日の日付である理由、根拠がないんですね。もともとは十二日を
考えていた、十三から十五のお盆につなげる、その発想自体もあれですけれども、それで、航空機事故があったから十二を十一にする。そんないいかげんな決め方で本当に
国民に定着するかという非常に強い疑問がございます。もともと、山岳会は六月ぐらいがいいと言っていたんですよね。なのに、何で八月十一なのかわかりません。それがまず一点。
それから、これはちょっと時間があればあれなんですが、
日本は休日が多い国ですね。今も十五、今回山の日が通れば十六です。例えば、
アメリカだと十、イギリスは八、ドイツは十、フランスは十一ということで、これは今
日本がアベノミクスで景気回復しなくちゃというときに、また祝日がふえちゃったら、
官房長官、お尋ねしませんけれども、経済団体も反対していますね。ですので、私としても、今、意義の薄い祝日、意義があるならわかりますけれども、意義が薄い祝日をふやすことに非常に反発がある。それが二点目です。
それから、三点目が、何で山なのかわからないですね。私は千葉市出身で、山がないからというわけじゃないんですけれども、海の日があって山の日というふうに始まったと聞いているので、これもそんな安易な発想でいいのかと。だったら、沼の日も必要だろう、太陽の日も大地の日も必要だろうと。
要は、これは冗談で言っているんじゃなくて、
田沼の沼で沼なんですけれども、それはいいんですけれども、やはりきちんとした理由がないと定着しないんですよ。だから、今、
日本の祝日のほとんどは、戦後、休日になっちゃっている。やはりしっかりとした理由、背景がないと、
国民は、ああ、また一日祝日ふえた、よし、休日ふえたと思って、ただ遊びに、だから、ハッピーマンデー、私は反対なんです。そういう、なぜ山なのかが不明、これが三点目。
それから、四点目、これは先ほども申しましたが、この福田恒存の
資料にありますけれども、「連帯感を
確認する事にある。」と、この連帯感を
確認していこうという一貫した文化政策がやはり必要だと思うんですね。かつては、宮中祭祀と一緒だったわけです。春分の日、秋分の日だって、春季皇霊祭、秋季皇霊祭だったわけです。勤労感謝の日が一番大切な新嘗祭だったわけで、非常に宮中祭祀と一体化して、君民一体での
国づくりをしていた、
委員長もうなずいているんですけれども、その大事な節目だと思うんです。だから、一貫した文化政策がやはり背景にあってこそ祝日ですよ、祝う日ですから。そこがどうかなと。山の日が何で山なのか、まだやはりその背景がわかりません。なので、そこに対してどうしても私は納得がいかないわけでありまして、それが四点目。
五点目が、山の日の祝日より先に、いろいろ直すべきことがあると思うんです。先日も
官房長官にお尋ねした、例えば明治の日とか、文化の日は何かよくわからない、あれは明治天皇陛下の誕生日でしたから、明治の日にするべきだとか、先ほど言った、勤労感謝の日は、もともと一番大事な新嘗祭でしたから、新嘗祭に直した方がいいんじゃないかとか、建国記念の日も紀元節に戻すべきじゃないかとか、そんないろいろな議論を、もっと先にすべきことがあって、今やるべきとはどうしても思えない、先にやることがある、これが五点目ですね。
以上五点ありまして、さまざまな反対の理由を挙げさせていただいたんですけれども、ちょっと時間もあれなので、最後に
官房長官、この山の日に関しての御見解があれば、お尋ねしたいと思います。