○大島(敦)
委員 衆議院議員の大島です。
きょうは三十分間の時間をいただきまして、何点か、山本
大臣そして稲田
大臣に
質問させていただきます。
前回の近藤洋介議員が配付した
資料の中に研究開発法人制度の概念図というのがありまして、多分、これから
政府として
閣議決定をし
法案を
提出されるであろう、
一つには独法通則法、もう
一つは特定国立研究開発法人の
法案が出てくるかと思いますので、それに関連した
質問をさせていただきたいと思います。
私は、国の研究機関とか民間の研究機関、工場を訪問することに結構時間を割いておりまして、どちらかといえば好きなものですから、ことしに入ってからも、JAXAさんの、宇宙航空研究開発機構の中の東大の旧宇宙研、宇宙科学研究所を訪問させていただいて、ここは「はやぶさ」を打ち上げたところかな、研究者の皆さんと終日、午前中だけだったかな、
意見交換をさせていただいたり、あるいは、久しぶりに産業技術総合研究所、産総研も訪問したいなと考えておりまして、民間でも、NTTの研究所があったり、富士通の研究所があったり、あるいは私が行ったところだと、NECの研究所は行っていたかな、日立は行っていたと思いますけれども。研究所に行って、どこに日本の最先端があるのかというのをいつも見きわめたいと思っているんです、どこに日本の最先端があるのかと。
私が、一九八三年、今からもう三十年ぐらい前になってしまうんですけれども、たまたま会社の都合でドイツ・デュッセルドルフの駐在員をしていたときに、他社の所長から一冊の本を勧められまして、「テクノクラシー」という本でした。
一九七九年にビジネスウイークの記者が書かれた本でして、どういう
内容かというと、オイルショック後にビジネスウイークの記者が世界じゅうの取材をしていたら、スイスの銀行家が妙な投資をしているという書き出しで始まっているんです。一九七〇年代の中盤以降、スイスの銀行家がどこに投資していたかというと、日本のNECとか東芝とか富士通とか、そういう会社に投資していたという書き出しから始まっているんです。そこのシナリオが
一つあって、七九年に英語で出版されて、読んだのが八三年。テクノロジーの進歩によってソ連が崩壊するだろうということが書いてあって、ドイツが中立化して統合するということまで書いてあったかなと思うんです。
ですから、テクノロジーというのは、経済を決め、政治を決めると思っていまして、私たちの政治というのは、景気がいいとか悪いとか、あるいは今後どうなるか、経済によって大きく左右されるとともに、経済を決めているのはテクノロジーが決めているわけです。
ですから、このテクノロジーの全体像をどうやって描き、そして将来的な展望を持つかというのは、結構、政治家にとって必要だと思っていて、それで、あえて、山本
大臣にも前に
質問させていただいた科学技術・イノベーション
特別委員会にも所属をして、できるだけ多くの民間及び
政府の研究所に行って、最先端の技術者と
意見交換したいと思っておりまして、理化学研究所もなかなかのものだと思います。
私は、和光と
横浜の研究所、科学技術・イノベーション
特別委員会で一旦神戸の生命科学の分野の研究所に行ったかと思うんですけれども、ここの研究をされている方はやはり民間とは大分違うと思っていて、ですから、どうしても、ここの分野の研究者の充実を図りたいという思いがありまして、日本の
国家予算の中ですと、科研費については、これは文科省が所管ですけれども、下がることなく、若干微増しながら、政治の力で一定量は確保している。
ただ、研究者の話を聞きますと、科研費の中でも、今ですと、結構補正予算の割合がふえてきている。科学技術の予算の中で、宇宙の関連の予算だと、結構補正予算で前年比を維持しているところがあって、何か、
海外の研究者の方と共同研究を組むときに、やはりしっかり向こうの方も見ていらっしゃるらしくて、補正予算の割合が多いと、本当に五年後、十年後、コミットメントできるのかという領域になってくるわけですよ。
ですから、科研費についても、常に一定額を日本として本予算の中で計上しておかないと、他国からの信頼
関係が失われてしまうのではないのかなという危惧も持っているところなんです。
ちょっと話はずれるんですけれども、今から二年前ですか、私も、例えば、通説も大切なんですけれども、通説じゃない
意見についても、しっかりとした認識は私たちは持たなければいけないなと思っていて、二〇一二年の四月二十日の新聞記事を読んでいましたら、太陽の磁場が変異を起こしているという記事を読みました。
これはおもしろいな、非常に興味深いなと思って、当時の国立天文台の常田教授にお会いさせていただいて、この人は日本の太陽観測衛星「ひので」の総責任者で、この「ひので」という衛星が非常に精度が高くて、本来であればもうとまっていていい衛星なんですけれども、日本の科学技術もあって、非常に寿命が延びている。
この衛星、太陽の球面を見たときに、解像度が高くないと上と下がなかなか見えないわけです。この「ひので」衛星は非常に解像度が高いので、この上と下の磁場をよく見ると、今、太陽の磁場は、数年前から、普通太陽というのは十一年ごとにS極とN極が上下逆転していくんですけれども、今回の場合には、上と下がN極ですからプラス極になって、赤道直下にもう二極S極があって、四極体制になっているというお話。
それと、太陽の周期が、この間は十一年から今十二・六年かな、伸びてくると、今の太陽は減衰しているんです。太陽の動きというのが、徐々に黒点の数が少なくなってきて減衰をしていて、そうすると、こういうのが続いてくると、過去の統計データの中からだと、地球というのは寒冷化するというのが物理学者のこれまでの統計。正しいかどうかというのは、これは統計データとしてはそういうふうになっているというお話を聞いたときに、通説としてはCO2が地球温暖化の原因だと思います。
国際的な交渉事も、通説に基づいて国際的な交渉を行わなければいけないんだけれども、こういう今までの通説とは違う客観的な事実が出てきたときには、それも否定することなく、しっかりと政治の中ですと
検討を加え、あるいは片隅には置きながら政策
決定をしていた方がいいと思っていて、たまたまこの常田教授が、今、先ほど申し上げましたJAXAの宇宙科学研究所の所長になっているものですから、そういうところも含めて、今の科学技術、宇宙に関してどうなっているかというところをちょっと伺いに行かせていただいたんです。
ですから、科学の分野というのは、余り私たちの政治が、こちらの
方向と決めたいんだけれども、ある程度緩くしておいた方がいいかなというのもあって、なかなかこの辺のかじ取りというのは難しいところだなと考えておるところなんです。
それで、きょうは、先ほど申し上げました
二つの独立
行政法人あるいは特定国立研究開発法人を、これから
法案を
提出されるということなので、まずは山本
大臣にお伺いしたいのは、科学技術
特別委員会ではないんですけれども、科学技術の御担当ということで、特に今後の、山本
大臣が気にされている予算については各省が持っているんですけれども、その政策を統括しているものですから、その予算についてのもしも御所見があったら、その中に書いていないかもしれないんですけれども、御自由に御発言していただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。