○大島(敦)
委員 民主党衆議院議員の大島です。
これから四十分間の時間をいただきまして、今回の豪雪
災害を中心に
質問をさせていただきます。
私は、埼玉県選出の国
会議員でして、五十七年間生きてきまして、これだけ多くの雪が降った経験はございません。群馬県も、空っ風の群馬県と言われているとおり、三国峠で湿った雪は、申しわけないんですけれ
ども新潟県で雪となって、そして群馬、埼玉県は非常に乾燥した地域です。ですから、その地域、ふだんは雪が降らないところで多くの雪が降ったこと、それも、雪ですから、局地的ではなくて平面的に、全地域が降っていることが今回の
災害の大きな特徴だと思っています。
甲府盆地もそうだと思います。甲府盆地も、ふだんは雪が降らないところに平面的に多くの雪が降ったことによって、これから、私の埼玉県でも多くの
被害があります。さらに雪が多い地域は
被害が拡大するおそれが多分にあると考えておりまして、その点について、私が気にしている点、私も地元の農家の皆さんのところに伺って、一軒一軒お話を伺いながら、そして昨日は深谷まで出向きまして、これは埼玉県でも北部です、深谷の農家の皆さんのお話も伺いながら、何点か
質問をさせていただきたいと考えております。
農家といってもさまざまな農家がありまして、それぞれの考え方が違います。米農家についても、十町歩以上、二十町歩以上の大きな米農家もあるかと思えば、一町歩未満の小さな農家もありまして、大きな農家の考え方と小さな農家の考え方は違います。また、果樹ですね。キウイとか梨とか桃とかブドウとかプラムとか、果樹のそれぞれの農家の考え方。そして花卉、花です。野菜についても、施設園芸をしているところ、これはハウス農家です。あるいは、露地物を栽培されているところ、酪農もあれば肥育農家もあります。それぞれの考え方、農家といっても、一概にこういう考え方だということは言えない。私たちは、一概に一つの考え方でくくるということは難しいと思います。
ですが、私が歩いてみて、果樹あるいはお花、野菜、酪農、そして肥育農家については、あるいは米農家についても、大きな
取り組みをしているところについては後継者がいらっしゃることも確かなんです。ですから、今回の豪雪
被害、これから雪が解け、その
被害状況が明らかになる中で、できるだけ農家の皆さんに対して支援を送って、今悩んでいるんですよ、どうしようかと。結構な設備投資が必要です。
ハウスといっても、さまざまなハウスがあります。一概には、よく言われている
ビニールハウスという、ごく普通のハウス、これはパイプハウスというんですけれ
ども、そういうハウスもあれば、エコノミークラスの鉄骨ハウスというのもあって、一番ちゃんとしているのが、ガラス張りの温室のようなしっかりとしたハウスもございまして、それぞれの設備投資の金額が違うわけです。
農家はどのくらいの収入が、十アール、一反当たりあるかということをまず念頭に置かなければいけないなと思っています。
施設園芸農家ですから、トマト、キュウリ、イチゴ、あるいはお花をつくっていらっしゃる農家さんの一反当たり、三百坪当たりの売上金額は、キュウリだと大体五百万ぐらいだと思います。そこから
燃料代を引いたり、あるいは種とか苗の費用を引いたり、そしてロープとか資材の費用、肥料の費用を引いたりして、人件費を除いた一反当たりの残りの金額は、大体百万から二百万ぐらいです。これはレンジがあります。しっかり取り組んでいるところ、その品種によります。そして、私がヒアリングすると、人件費も含んで大体百万から二百万の範囲内かなと。
ですから、一反で百万から二百万。百万とすれば、三反やれば三百万ぐらいの収入。これが農家の一つの基準として、私たちとしては、念頭に置かなければいけないなと考えております。
そして、官房
長官、今回は、特に、一つのハウスをつくるときにどのくらいの金額がかかるかというと、先ほどのパイプハウス、一番よく言われている
ビニールハウスというもので坪二万円ぐらいです。ですから、二万円掛ける三百坪ですから、一反分のハウスをつくるとすれば、大体六百万ぐらいの設備投資金額です。そこには暖房機の費用も入ります。そして、中間のエコノミークラスの鉄骨ハウスですと、四万から五万。ちゃんとしたガラスの鉄骨のしっかりとしたものだと七万ぐらいかかりますから、一反当たりでも二千百万ぐらいの投資規模になるわけです。
ですから、それを前提に考えると、今悩んでいらっしゃるのは、本当に設備投資をして農家としてやり抜くかどうかということにまず悩まれているんです。あとは、後継者がいるかどうかの問題、御自身の年齢の問題です。六十五歳、七十歳になって、今回、自分のハウスが豪雪によって潰れてしまって、それをやるかどうかという判断を今悩まれていると思います。
そして、一番最初に必要なのが、当座の運転資金も必要だということです。今、埼玉県ですと、十一月ぐらいからボイラーをたき始めて、十一月、十二月、一月とボイラーをたいて、ようやくこれから、この二月から出荷、イチゴとかあるいはトマトとか、ちょうど出荷のタイミングに来たときにハウスが潰れてしまって、その後、要は、イチゴだと大体一つの苗で五月ぐらいまでは収穫が可能です。トマトですと、トマトは何本も房が出てきまして、二十数回、房が出ますので、八月ぐらいまで、長いと九月ぐらいまでは収穫が可能だと思います。
そこの利益が全く出ないまま、今回は、ボイラーのA重油の費用とそして購入した苗の費用等がかさんで、ここで今後得べかりし利益がないまま
災害に遭ったわけですから、結構、皆さん、茫然としているというのが今の実態だと考えていただきたいと思います。
それで、官房
長官に一つお伺いしたいのは、今回の農業
災害、特にこれまで雪が降らなかった地域の農業
災害にぜひ
政府として全体での
取り組みをしてほしいと考えています。農水省、もちろん国交省もあれば、環境省もあります。そして、きょうは
金融庁からも福岡
大臣政務官に来ていただいているんですけれ
ども、
金融庁の
取り組みをやりまして、農業について
政府全体としての
取り組みをまずお願いしたい。その点についての御所見をいただければ幸いと存じます。