○橋下
参考人 大阪市長の橋下徹です。よろしくお願いします。
僕は、今回の自治法改正について、
都道府県と政令市の
調整会議と、それから
総合区についての規定、ここに絞って
意見を述べさせていただきたいと思っております。
まず第一に、いわゆる
制度を
改革する、今までのやり方を変えていくというその
法律の意味なんですけれども、これは、
行政マンは非常に優秀です。
大阪府庁の職員も市役所の職員も優秀です。恐らく霞が関の職員も優秀なんでしょうけれども、ほっておいても仕事をやる、やってくれるという
部分については、あえて
法律なんかつくる必要はないと思うんですね。でも、
行政の職員では動かせない、
解決できないというところについて、まさに政治が、国
会議員の皆さんが
法律をつくって
行政の
改革を進めていく。ほっておいたら
改革が進まないけれども、
法律をつくって
改革を進めていくというところに本来の
法律の意味があると思います。
ところが、今回のこの自治法改正案、特に
都道府県の
調整会議の規定と
総合区の規定は、この
法律がなくてもこんなことはできます。やろうと思ったらできるんです。それが今の
大阪市の状況でありまして、
大阪府、
大阪市の府市統合本部という
会議体、これがいわゆる
調整会議の
先行事例で、もう進めているんですが、こういうことをやろうと思ったらできますし、もうやっていますし、また、
大阪市においては、
区長を公募
区長制にしまして、民間人を大量に導入し、そして、今の
法律の範囲内で目いっぱいこの
区長に
権限と財源を与えております。
ですから、今回の自治法改正で
都道府県と政令市の
調整会議と
総合区という規定を置きましたけれども、申しわけないですけれども、こんな規定はなくても、やる気のある
都道府県と政令市であればできるんです。
ただ、一点、
法律がなければできないこと、これが
区長の
公選制です。これは、
法律がなければ、今の
大阪府と
大阪市がどれだけ頑張っても、この
区長公選制というものを導入することができません。ですから、国
会議員の皆さんにおかれましては、
制度改革ということをやるにおいて、
法律がなければ進まないことにあえて力点を置いて
法律というものを考えていただきたいと思っております。その問題意識がまず一つ。
もう一つは、政令市というものは非常に多種多様です。これは一くくりにできません。配付しております、お手元の資料の五ページのところに、政令市を分類した図表を載せております。これは北村亘さんの「政令
指定都市」の文献から引用しました。政令市を分類するやり方はいろいろあります。これは、
面積だったり人口集積、事業所集積、農地の
面積割合、いろいろな分類の仕方があるんですが、このように座標軸を
二つに整理しまして、中枢性と能力供給性、この言葉の意味は横に書いておりますが、このような形で座標軸で分類をしても、二十ある政令市は多種多様で、一くくりにはできません。
ですから、僕からのお願いは、政令市、いわゆる役所の
あり方について今いろいろ
議論をしていただいておりますけれども、
選択肢をできる限りふやしてほしい。論理的に、また、その法体系上絶対に無理だというようなものでない限りは、できる限り
選択肢をふやしていただきたい。そして、その
選択肢をふやすことが
国会の
役割ではないかと思っております。
今、各政令市は、服のサイズの合わない子供のような状況でありまして、とにかく合っていないんですよ、その服のサイズが。
大阪市も、窮屈でしようがない政令市の枠をはめられております。ですから、僕は、二十の政令市がある以上は、最低でも二十の
選択肢、もっと言えば四十でも五十でも
選択肢をふやしてもらって、そしてその中から各
地方が最適なものを選ぶんだ、
選択できるような状況にする、このような
仕組みにしていただきたいなと思っております。
くどくど言って申しわけないんですけれども、洋服屋でも、サイズが一つ
二つしか並べていない洋服屋はすぐに潰れてしまいます。幾つもの多種多様な洋服を並べておく、そういう店がはやるわけでありまして、ぜひ、この政令市
制度につきましては、今回の自治法改正で一定の前進は見られるかと思うんですけれども、さらに、
区長公選制というところがまさに政令市
改革の一番の重要なポイント、もっと言えば、
区長公選制が導入されますと、後々には、大
都市改革が
全国に波及し、僕は、その先に、道州制につながっていくと考えております。
道州制に賛同する国
会議員の皆さんはさきの衆議院選挙で圧倒的多数、議席を得たと思うんですが、道州制なんというのは役所の再編、役所を一からつくり直すという話でありまして、今までの
市町村の枠組み、
都道府県の枠組みを
前提としているような
議論では道州制なんというものには結びつきません。
区長公選制というものを
全国の政令市全部に適用してくださいと言うつもりはありません。ただ、そういうものを望んでいる
地域、
大阪なんというのは特にそうなんですけれども、そうであれば、そこが
選択できるような、
選択肢を広げていただいて、
区長公選制が採択、そういう規定ができますと、もちろんこれは
大阪府
議会、
大阪市議会での
議論、そして議決というものが必要になりますけれども、もしこの
区長公選制というものが導入されますと、
大阪の姿形は今までにないような姿になるものと確信をしております。
以上、まず、ほっておいても
改革が進むようなものについてあえて
法律というものを規定する必要はない。今回の
都道府県の
調整会議、また
総合区長という
制度は、こんな
法律はなくても、やる気のある
都道府県と政令市であればこんなことはできます。そしてもう一つは、政令市の
実情に合わせた
選択肢というものを可能な限り探っていただきたいというのが、僕からの要望の主要な二点であります。
そして、今回、政令市の
改革において、よく言われている二重
行政解消の話と、そして
住民自治を充実させていくという話、大
都市というものは
住民自治が不足しているということを言われていますが、この二点のうち、僕は、
住民自治を充足させていくという点に特に力点を置いて
意見を述べさせていただきたいと思います。
その前に、二重
行政についてなんですけれども、
都道府県の
調整会議についての一番の欠点は、これは日本の
法律、日本の統治機構の一番の欠点にも共通するんですが、結局、
協議、
会議というものを設けてそれで終わり。決定権をどこが持つんだというところが一番重要であるにもかかわらず、今回の自治法改正では、
都道府県と政令市の
調整会議において決定権は定められておりません。これは教育
委員会制度でも今
議論されているかと思いますけれども、結局、決定権とその責任の所在が不明という、これは日本の統治機構に共通する
問題点だと思いますが、今回の
都道府県と政令市の
調整会議についても、この決定権の所在がはっきりしておりません。
全国各地の
都道府県と政令市にはさまざまな
調整会議があります。これは、これまでの
大阪府や
大阪市にも調整連絡
会議はたくさんありました。この調整連絡
会議というものは、結局、
協議をして、合意を得て進めていこうというものなんですが、冒頭言いましたとおり、ほっておいても、
行政マンに任せておいても進むような案件は進んでいくんです。
調整会議や連絡
会議でこれは進んでいきます。ただ、その
改革は、
行政上できる範囲ということですから、本当に今の日本にとって必要な大胆な
改革はできません。
全国の
調整会議、連絡
会議、例えば信用保証協会で
連携をしましょうとか、各公衆衛生研究所で
連携をしましょう、こんな
連携なんというのはどこでもやっています。ただ、今、
大阪市で、
大阪府でやっているものは、例えばこの間決定したのは、消防学校を統合させました。これは
全国初です。
大阪府の消防学校と
大阪市の消防学校を一つにまとめました。これから五月の下旬に向けて正式に認可がおりますけれども、信用保証協会、これも、
大阪府のものと
大阪市のものを統合
合併させました。これも
全国初です。今、
議会で、
市議会の方でなかなか賛同を得られなくて、進んでいないものとして、例えば
大阪府立大学と市立大学の統合。また、
大阪府立病院、市立病院の統合、こういう問題も、今までの連絡
調整会議ではもう絶対できないような話を今
大阪府、
大阪市は進めています。
なぜこれが進んでいるかといえば、決定権、これをきちっと定めているからなんですね。松井知事と僕の間で
協議をして、
協議持ち越しにはしない、必ず決定をする。ただ、消防学校の統合も病院の統合も大学の統合も、これらの問題は、やろうと思えばどちらかの
自治体が損をします。
大阪府庁なのか、
大阪市役所なのか、必ず損をどちらかがしますので、だから今まで
行政マンでは
解決できなかったんですね。それを僕と松井知事の間で、持ち越さないということで、全て決定ということをやっていますので、
行政の案としては全て統合案はできています、ところが残念なことに、府
議会、
市議会で否決ということで進んでいない、そういう案件が多々あるんです。
この
都道府県と政令市の
調整会議の
問題点はここにあります。決定権がありませんので、結局、ほっておいてもできるようなこと、
行政マンでできるようなことは進むんでしょうけれども、政治が決断をしてやらなければいけないことは、この
調整会議では決まりません。仮に
調整会議で決まったとしても、今度は、この
調整会議で決まったことの拘束性について全く今回の自治法には規定がありません。いわゆる
調整会議で決まったことがそれぞれの府県や政令市の
議会をどの程度拘束するのか、ここについて全く規定がありませんから、今の
大阪府と市の状況のようになるのではないか。いわゆる
調整会議で決まったことも、それぞれの府
議会、
市議会で否決をされて、結局もとのもくあみということになってしまうのではないか。
ですから、この
都道府県と政令市の
調整会議については、決定権を誰が持つのか、そしてそこで決定されたことがそれぞれの府
議会、
市議会をどう拘束するのか、ここをしっかり定めないと、結局この
法律があってもなくても一緒だということになるのではないかと僕は
懸念をしております。これが
調整会議についての問題意識です。
次に、
住民自治の問題について
意見をさせてもらいたいと思います。
お手元の資料の十ページをごらんになっていただきたいんですが、僕は、
大阪府知事を三年八カ月務めまして、その後、今、
大阪市長を二年六月ほど務めております。大
都市の知事と大
都市の政令
市長を同時期に務めているというそういう存在は、なかなか
全国でもいないかと自負しております。そういう意味においては、
大都市制度や府県の
問題点は僕が一番よく知り尽くしていると自信を持っております。
そこでの
問題点は、この十ページに書いてあること、簡単に言えば、こういうことです。
大阪市、人口二百六十七万人。
都道府県での人口でいいますと、これは上から十二番目、広島県や京都府と同じような人口を
大阪市は擁しております。その
大阪市において
公選の首長が何名いるかということなんですが、例えば広島県や京都府の場合には、この二百六十万人の人口を擁している
自治体で、県知事とそれから
市町村長、これだけの
公選の首長がいます。広島県の場合には二十三人、京都府の場合には二十六人。ところが、
大阪市の場合には、二百六十七万人の人口がいて、
公選の首長が一人しかいません。僕だけです。
正直に言いますけれども、
大阪市長の仕事、全くもう回りません。例えて言うならば、
大阪の二十四区というものは東京二十三区のうち大きな区の五区か六区分ぐらいですけれども、要は、東京都知事、舛添知事が、知事の仕事に加えて、東京の大きな区、特別区五つほど全部所管する、そんな状況だと想像していただきたいと思います。
先ほどの五ページのその図表のように、政令市は多種多様でありまして、地下鉄を持っている政令市、持っていないところ、それから、大型の病院を持っているところ、持っていないところ、大学を持っているところ、持っていないところ、さまざまありますけれども、特に
大阪市の場合には、中枢性というところが非常に高く、地下鉄も、これは阪急電鉄と同じぐらいの
規模の地下鉄の事業体を一つ持っておりますし、港においては、京浜港と同じぐらいの、東京の港と同じぐらいの港、
大阪港はありますし、
都市開発についても、今、うめきた初めさまざまな
都市開発、大
規模な
都市開発、ほかの政令市にないぐらいの
都市開発、これも所管をしております。
そういう状況の中に加えて、二十四区、いわゆる
基礎自治体としてこの二十四区、それぞれ十万人以上の
行政区を抱えているんですけれども、
全国千七百ある
市町村のうち大体八五%が十万人未満ですから、僕は二十四の
市町村長の
役割もしなければいけない、こういう状況であります。
ですから、大
都市において、特に
大阪市においては、大
都市経営の仕事とそれから
基礎自治体の仕事をきちっと分けてもらって、二百六十万人の人口がいるのであれば、広島県や京都府と同じように、いわゆる大
都市を所管する知事の
役割とそれから
市町村長の
役割、
基礎自治体の長である
市町村長と同じような
基礎自治体の長というものを
複数やはり
大阪市内に置かなければいけないというふうに僕は痛感しております。
その事情は十一ページに書いておりますが、例えば
大阪市、学校五百二十校を所管しております。とてもではありませんけれども、これは一つの教育
委員会と一人の首長では
対応できません。
新しく
国会の方でいじめ対策法が制定をされまして、首長に対する報告案件という、首長に対して報告できるというような規定ができました。最近になって、僕に対してどんどんいじめ案件の報告が上がってきますけれども、五百二十校の学校からこれから一件一件上がってきたときにどう
対応するのか、非常に悩ましいところです。
ですから、この五百二十校を抱えている
大阪市長と、学校数が十校、二十校、もっと言えば五校、六校抱えている
市長を同じように扱うというのは、これはもう大問題だと思っております。
そして、知事のときには、学校は百六十四校、高校百六十四校だったんですけれども、
市長になったら、小中学校に高校が加わって五百二十校になってしまいました。
大阪市の管理道路も、見てください、
大阪府のときには、知事のときには千五百二十九キロの府県道路だったのが、
市長になった途端、三千八百五十三キロの管理道路になりました。これに対して、
住民が、ここは穴があいているとか、ここをもうちょっと何とか広げてくれとか、一斉に来ます。これはとてもじゃありませんけれども
市長として
対応できませんので、結局
区長に全部
対応させているような状況なんですね。
さらに、
基礎自治体の長として仕事ができていない
実情として一つ実例を挙げさせてもらいたいんですが、皆さん、西成のあいりん地区というところを御存じかと思います。高度成長時代のいわゆる労働者が今集まっている、いろいろ
課題のある
地域ではあるんですが、こちらの小学校、中学校の通学路に不法投棄のごみが山のようにたまっていたわけなんですね。それも、通学路のある特定箇所です。しかし、僕はそんなところを見切れておりません。
そして、
住民の皆さんは、
区長に対して、何とかこのごみを撤去してほしい、せめて子供たちが通学するまでの間、七時半までに撤去してほしいということを、かれこれ二年も三年も
区長に要望していました。しかし、
区長には決定権がありませんから、この
区長は、僕のいる本庁のところの局にお願いに行くわけですね。本当に
市町村長や知事が霞が関に要望に行くのと同じような形で、
区長が本庁に要望に行くわけです。
そうすると、
大阪市役所としましては、職員の出勤時間は八時からだから八時半からしか回収できないという、その回答でずっと二年三年終わっていました。ところが、この話が僕の耳に来まして、そんなのは
解決しろよ、三十分ぐらい早めることはどうってことないだろうと。そうしますと、局の方が、いや、これは三十分早めると
大阪市全体で超過勤務手当がこれぐらいかかりますと。いや、そんなもの、
大阪市全体でやる必要はないんだから、この区域だけ例外的に七時半からやれと。いや、予算が幾らと。予算なんて、そんなもの、一人か二人、余っている職員の人件費を削れば何とかなるんだから進めろという話をしたら、そのまま進むことができたんです。今、七時半からごみの回収ができています。
これがやはり
公選首長のある意味
役割でありまして、
行政マンでできないことに関して指示を出す。これが
公選の首長の
役割だと思っていますが、
大阪市内にはやはり
公選の首長の数が著しく不足していますから、このような
住民の皆さんの要望、特に
行政の一律的なルールを変えるような決定というものが、
大阪市内ではできない状況になっております。
そして、
大阪市の
改革として、十二ページ、十三ページに記載しておりますが、
大阪市の
区長は公募
区長にしまして、民間人も内部の
行政マンも同じ土俵で審査をして
区長にしております。そして、局長よりも上のポジションに位置づけまして、
区長が扱える経費をそれまでの五十億から二百十九億までふやしております。
恐らく、今回の自治法改正をやっても、ここまでの
改革はほかの政令市はやらないと思うし、これ以上の
改革をやろうと思うと、今度は
区長公選制が必要になる。要するに、今の自治法改正がなくても、先ほども言いました
都道府県と政令市の
調整会議をしっかりつくって、府市統合本部できちっとつくって、二重
行政の
解消をやってきております。そして、
区長に
権限と財源を渡して、
区長に裁量権を渡している。それは自治法改正がなくてもできております。
そして、これを突破しようと思えば、さらにもう一段、
区長に
権限と財源を渡す。
区長にいわゆる裁量権を渡そうと思えば、民主的な正当性が必要ですから、そうなれば
公選というものが絶対に必要になるかと思っております。
十四ページ。今の
現行制度と自治法改正案、そしてさらにもう一つの
選択肢、もう一つの洋服をつくってくださいというのがこの
区長公選制なんです。
いわゆる特別区
設置法案、
大阪都
構想法案についてはもう制定していただきましたので、こうなると、
公選区長制ということで洋服が一つふえます。これは自治法改正案と決定的に違います。
区長と
市長との
関係、これが
役割分担が明確化しますし、
公選区長というものは実質的に執行機関になります。
ところが、今の自治法改正案であれば、
特別職といえども補助職的な位置づけですから、
市長の部下ですね。ここは乗り越えなければいけない壁がありまして、自治法改正案の
総合区の
区長は
特別職、これはあくまでも
市長の部下ですけれども、
公選にすることによって、この
市長の部下という位置づけから一つ踏み出すことができると思っております。
そして
最後に、この
区長公選制をやった場合に、いろいろ
懸念されていることがありますが、一つは、三重構造になるのではないか、
区長公選制にして、
区長とそれから政令市の
市長、そして
大阪府知事、府県知事ですね、この三重構造になるのではないかということが言われています。
僕は、これは、先ほども冒頭に言いましたけれども、
都市の
実情に合わせて洋服をつくっていただければいいというふうに思っておりまして、もし仮に
大阪に、三重構造の方がふさわしいんだということであれば、三重構造をやらせていただきたい。僕は、
大阪都
構想というものが一番ベストだと思っていますけれども、
議会でなかなかその賛同を得られません。そうであれば、この三重構造というところも模索していきたいと思っております。
ただ、今の自治法改正での
特別職という規定では、今の
大阪市役所の状態から何一つ進みませんから、この
大阪の状況を打破するためにも、もう一つの洋服を用意していただいて、
公選区長という規定を用意していただければ、あとは府
議会、
市議会の
議論でこの
選択を模索していきたい。いわゆる三重構造になったとしても、きちっと知事と
市長と
区長の仕事の
役割分担ができていれば、何ら問題がないと考えております。
そのイメージ図が十七ページです。
区長公選案になりますと、
市長と知事の間で
調整会議が設けられる、これが自治法の改正
部分です。そして、
市長がこの真ん中の
部分、十七ページの右の図で真ん中の
部分が
市長の
役割になります。そして、
区長の
役割がこの三層構造の一番下の
役割になる。きちっと
役割分担すれば、何ら問題ありません。
そして、これは、
西尾先生から先ほど御
意見がありましたけれども、
地制調での
議論では、
市長と
区長が見解が対立した場合にどうなるんだということですけれども、でもそれは、仕事の
役割分担があれば、別にそこで見解の対立があっても問題ありませんし、それは
住民が選んだ
区長ですから。そして、よほどの場合には、どうしてもこれは問題だということになれば、もう一度、
住民投票に付した
区長の解任ということも、そういう
制度もつくれるんじゃないかと思っております。
そして、それぞれの区にはそれぞれ区
議会を置く必要もなく、政令市を残す以上は、もともと
地制調の規定にありました
常任委員会というものを必置義務にしまして、政令市の議員がそれぞれの区の
常任委員会に入っていくというようなことで、十分これは統治ができるのではないかと思っています。
そして、十八ページがこの
仕組みの変わりようなんですけれども、自治法改正の案の前、いわゆる
大阪市でいうところの公募
区長制度の前は、
住民は
区長に対していろいろな
意見を言います、先ほどのごみの不法投棄の問題もいろいろあります、
区長に言いますが、
区長は決定権はありませんので、本庁の方の各部局に相談をしに行く、そして各部局はまた
市長と相談をする、これが今の政令市の状態です。
これを、自治法改正案、いわゆる
大阪市でいうところの公募
区長制なんですけれども、自治法改正案になりますと、いわゆる
総合区長が各部局と直接このように相談をするような
仕組みになってきます。ここまでが自治法改正案です。
さらにもう一つ、
区長公選制を、服を用意していただくと、この下の
区長公選制のような形で、
住民は
公選区長と一緒になって区政運営ができるということになります。
以上、
区長公選制ということで、そういう服の
選択肢を、洋服のサイズを広げてほしい。
そして、法人格がなくても
区長公選制はできます。これは、参考資料二十二ページにあるとおり、ニューヨークやパリでは、それぞれの区に法人格はありませんが、
区長公選制だったり、議院
内閣制というものをやっておりますので、法人格がない区でも
区長公選制はできる。
そして、戦後、一時定められた特別市
制度は、これは政令市ができて廃止になりましたが、
区長公選制を規定されておりました。ということは、大
都市において、
行政区において
区長公選制はできるということが、戦後間もなくの時期ですけれども、そういう一定の結論に至っておりますので、もう一度、特別市
制度というものを復活させてもらって、
区長公選制というものを復活させてもらって、後は
地方の
選択に委ねるというような
制度の
仕組みにしていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。(拍手)