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2014-05-27 第186回国会 衆議院 国土交通委員会 第19号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十六年五月二十七日(火曜日) 午後一時三十分
開議
出席委員
委員長
梶山
弘志君
理事
赤澤
亮正
君
理事
秋元 司君
理事
大塚 高司君
理事
西村 明宏君
理事
望月 義夫君
理事
若井 康彦君
理事
井上
英孝君
理事
伊藤 渉君 秋本 真利君 井林
辰憲
君 泉原 保二君 岩田 和親君 大西 英男君 門 博文君
菅野さちこ
君
國場幸之助
君
佐田玄一郎
君 斎藤 洋明君
坂井
学君 桜井 宏君
清水
誠一
君
白須賀貴樹
君 谷川 弥一君
土井
亨君 中村 裕之君 林 幹雄君 原田 憲治君 ふくだ峰之君 前田 一男君 宮澤 博行君
務台
俊介
君 泉
健太
君 川端 達夫君 後藤 祐一君 寺島 義幸君 岩永 裕貴君 坂元 大輔君 西岡 新君 松田 学君 村岡 敏英君 北側 一雄君 佐藤
英道
君
杉本かずみ
君 穀田 恵二君 …………………………………
参議院国土交通委員長
藤本 祐司君
参議院議員
渡辺 猛之君
国土交通大臣
太田
昭宏君
国土交通
副
大臣
高木 毅君
国土交通大臣政務官
土井
亨君
国土交通大臣政務官
坂井
学君
政府参考人
(
警察庁刑事局組織犯罪対策部長
)
室城
信之
君
政府参考人
(
総務省自治行政局長
) 門山
泰明
君
政府参考人
(
厚生労働省労働基準局安全衛生部長
)
半田
有通
君
政府参考人
(
国土交通省大臣官房技術審議官
) 森
昌文
君
政府参考人
(
国土交通省総合政策局長
)
西脇
隆俊
君
政府参考人
(
国土交通省土地
・
建設産業局長
)
毛利
信二
君
政府参考人
(
国土交通省住宅局長
)
井上
俊之
君
国土交通委員会専門員
宮部 光君 ―――――――――――――
委員
の異動 五月二十七日
辞任
補欠選任
長坂
康正
君
清水
誠一
君
務台
俊介
君
菅野さちこ
君 同日
辞任
補欠選任
菅野さちこ
君
務台
俊介
君
清水
誠一
君
長坂
康正
君 ――――――――――――― 本日の
会議
に付した案件
政府参考人出頭要求
に関する件
建設業法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第六一号)(
参議院送付
)
建築基準法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第六二号)(
参議院送付
)
公共工事
の
品質確保
の促進に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
参議院提出
、
参法
第八号) ――――◇―――――
梶山弘志
1
○
梶山委員長
これより
会議
を開きます。
内閣提出
、
参議院送付
、
建設業法等
の一部を改正する
法律案
及び
建築基準法
の一部を改正する
法律案
の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両
案審査
のため、本日、
政府参考人
として
国土交通省大臣官房技術審議官森昌文
君、
総合政策局長西脇隆俊
君、
土地
・
建設産業局長毛利信二
君、
住宅局長井上俊之
君、
警察庁刑事局組織犯罪対策部長室城信之
君、
総務省自治行政局長門
山
泰明
君及び
厚生労働省労働基準局安全衛生部長半田有通
君の
出席
を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
梶山弘志
2
○
梶山委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
梶山弘志
3
○
梶山委員長
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
泉健太
君。
泉健太
4
○
泉委員
民主党の
泉健太
でございます。 本日も、
大臣
初め
答弁
をいただけますこと、感謝申し上げます。 私からは、この
建設業法そのもの
については、今回の改正は
必要性
があって改正されるものでございますので、基本的にはそれは問題ないと思っておりますが、幾つか
確認
をしたい点と、
建設
に関する法案ですので、この機会に現在の
建設
における
問題点
、課題を少し
大臣
にお
伺い
をしたい、また
国土交通省
にお
伺い
をしたいというふうに思っております。 まず
最初
に、昨年の三月に一度取り上げさせていただきましたけれ
ども
、
大臣
も大変御関心のあった、
建設現場
における
仮設
の
足場
の問題であります。 日本は
世界
に比べて、
建設業労働災害
の
死亡率
が、ある
団体
に言わせれば、ドイツの三倍、そしてイギリスの五倍ということで、
事故
の件数が多いというふうに
指摘
もされているところであります。
死亡事故
が多いということも言われているわけですが、例えば、
建設現場
における
墜落事故
というものについては、さまざまな分類があるかもしれませんが、百五十七名という
数字
が
平成
二十四年の時点で出ております。これは
労災保険加入者
の
データ
に基づくということで、一人
親方
は入っていない
データ
だということも言われておりますので、恐らく、純粋に
現場
における
墜落事故
という
意味
では、もう少し多い
数字
が出てくるのであろうというふうに思います。 そういった中で、これまで
国土交通省
でも、
安全対策
というものは進められてきておりますし、一方で、
厚生労働省
の
世界
では、
労働安全衛生
という形で
取り組み
も進んでいるというふうに思います。 しかしながら、現在もなおこういった形で、
労災保険加入者
そして未加入者含めて数多くの
方々
が、
現場
で
墜落事故
、
転落事故
を起こしているという
状況
がございます。これについての
大臣
の御認識をまずお
伺い
したいと思います。
太田昭宏
5
○
太田国務大臣
建設業
において、
労働死亡災害
のうちで、
転落
、
墜落
が最も多い。百五十七件とおっしゃいましたが、
平成
二十五年
死亡災害
が三百四十二件、
うち墜落
、
転落
によるものが百六十件、二番が崩壊、
倒壊
、三位が
交通事故
というような形になっています。 私は、去年三月ですか、
泉先生
からあって、私もかなり前からそのことについて一生懸命やってきたという
答弁
をしたことを記憶しておりますが、
足場
の
安全確保
を含めて、
建設現場
における
墜落
、
転落災害対策
の
必要性
を本当に痛感しています。 この間、
国土交通省直轄工事
におきましては、
平成
十五年度より、
足場
について申し上げますと、
足場工事
の
安全確保
に資するために、
厚生労働省
の
手すり先行工法等
に関する
ガイドライン
に基づいて
施工
を条件づけるということをいたしております。
足場
には、
墜落
、
転落
を
防止
するために、二段
手すり
及び
幅木
を
設置
すること、そして
工事
の
現場ごと
に定期的に安全に関する研修、
訓練等
を実施することなど、
建設現場
の
安全性向上
に取り組んでいるところでございます。 また、
厚生労働省
においても、
平成
二十一年に
労働安全衛生規則
を改正し、
足場
からの
墜落
、
転落災害防止措置
が強化されているところでもございます。 しかし、なかなか、減ってはいるものの、依然として
墜落
、
転落災害
が極めて多く、
年間
でいいますと六千件
発生
していて、百六十名が亡くなっているという
現状
にございまして、こうした
建設現場
の
墜落
、
転落災害
の
防止
に力を注いでいかなくちゃならぬと強く思っているところでございます。
泉健太
6
○
泉委員
大臣
、ありがとうございます。 今
大臣
がおっしゃっていただいたように、六千件です。
年間
六千件の
方々
が
転落
、
墜落
の
事故
を起こしている。一人一人働く者が気をつければいいんだというレベルを超えているというふうに私は思いますし、この
実態
が改善をしていないということについて、やはりもう一度、
現行法
で行われていることで果たして十分と言えるのかということはお考えいただきたいと思うんです。 この質問をさせていただく際に、役所からも
いろいろ話
を
伺い
ましたけれ
ども
、私たちは一生懸命やっています、あるいは、現在のところの
安全対策
というのは、例えば
安全帯
という、腰に命綱を巻くような、そういうものでやられていますということで、あとの
転落
については、さまざまな本来やってはいけないような
行為
を行って、例えば
足場
に
外側
から上っているときに落ちるだとか、あるいは
外側
で受け渡しをしているときに落ちてしまうとかいうことでの
事故
ですから仕方がありません、仕方がありませんと言うかどうかは別にして、そういうような形で、やれることはやっていますというわけですが、しかし、
大臣
がおっしゃったように、
転落
、
墜落
が六千件ですよ。 これは、そういう
行為
すらさせないというようなことも含めて、やはり抜本的に数を減らしていかなければ、本当にこの
工事現場
における、
建設現場
における
墜落
、
転落
というのは、なかなか今のままだと数は減らないというふうに思います。 そして、前回も
指摘
をさせていただいたんですが、きょうおられる
委員
の皆さんにも聞いていただきたいんですけれ
ども
、
厚生労働省
、お越しをいただいていると思いますが、
労働安全衛生法
、これが一人
親方
に適用されるのかどうか、まず御
答弁
ください。
半田有通
7
○
半田政府参考人
一人
親方
の問題でございますけれ
ども
、私
ども
、昨年七月一日から十二月三十一日までの半
年間
での
死亡災害等
について
調査
をしてございます。これによりますと、一人
親方
の方で亡くなっている方が二十六名でございました。こういう
現状
でございます。 それから、
災害
の
発生率
というような
観点
で少し見てみますと、
建設業
に従事する
労働者
の
死亡災害
の
発生率
が百万人
当たり
九十八人ということでございます。一人
親方
の
死亡災害
の
発生率
を試算しますと、百万人
当たり
約九十一人となってございまして、やはり同程度、こういう
発生状況
であると認識してございます。 それで、先ほど御
指摘
のございました、
安全衛生法
の適用があるかないかということでございますと、基本的には、
安全衛生法
は、
事業者
の方の
責任
において
労働者
の安全を
確保
していただくという
法律
でございますので、一人
親方
の方に対するものとはなってございません。 ただ、私
ども
も、そもそも
建設業
において多くの
方々
が
墜落
、
転落
によって命を落とされているということは非常に重大な問題だと受けとめてございます。 このため、私
ども
、第十二次
労働災害防止計画
というのを策定してございまして、中でも
建設業
は特に重点の
業種
として位置づけて取り組んでございます。
足場
などからの
墜落
、
転落対策
にも力を入れているところでございます。 ただいま申し上げましたように、一人
親方
というのは
事業者
でございまして、
安全衛生法
上の
労働者
には
当たり
ませんが、この
安全衛生法
では
安全管理
の義務を、
元方事業者
、こういった
方々
にも課してございまして、必要な
安全対策
を講じることを義務づけてございます。 こういった
対策
を講じていただくことによりまして、
労働者
とともに、一人
親方
の方の
労働災害
も減少していくものと考えているところでございます。
泉健太
8
○
泉委員
ありがとうございます。 今聞いていただいたように、
労働安全衛生規則
にはさまざまな
安全対策
が書いてあります。例えば
足場
に関して言えば、
足場
の
材料
、第五百五十九条、「
事業者
は、
足場
の
材料
については、著しい損傷、変形又は腐食のあるものを使用してはならない。」
当たり
前のような話ですけれ
ども
、そういうものを初めとしてそれぞれ細かく書かれているわけですが、極端に言えば、こういうものは、
労働
ですから
事業者
が
労働者
に対して守るべきものであって、一人
親方
は
労働者
ではないというふうにされてしまう。 ですから、極端に言うと、
建設現場
で一人
親方
が
転落事故
を起こした、そうすると、
最初
は
事故
が起きたといって
監督署
が見に来るんだけれ
ども
、あっ、これは
労災
の
対象外
ですねと言って帰っていってしまう、そういうようなことが過去にあったというふうに伺っております。 しかし、昨年三月に質問させていただいたわけで、その後、
大臣
もいろいろと動いていただいたこともありまして、今ほど
厚生労働省
から
お話
があったように、七月からは、まずは
事故
の統計というか
実態
を
調査
していただいているということで、この七月から十二月においても二十六名の方が亡くなられたというような
調査
結果が出ているように、私は、これは一人
親方
と
一般
の
労働者
の
事故率
が高いから低いからという次元ではないと思います。やはり
事故
は減らさなきゃいけないということであって、二十六名も亡くなられているのであって、そういうものを防がなければいけないということでありますから、一人
親方
にどうやって
安全対策
を講じていくのかということを、ぜひとも
厚生労働省
、そして
国土交通省双方
の
アプローチ
からお考えいただきたいというのが私の趣旨であります。 その
意味
では、
厚生労働省
は、今ほど
お話
のあった
安全衛生責任者
というものがあって、
元方安全衛生管理者
というものも置いて
作業一般
の
安全管理
をしていただいているということなんですが、それもしっかりと一人
親方
に徹底されているかという
観点
をぜひ持っていただいて、一人
親方自身
が、ある
意味
、
衛生管理者
になるべきなのかどうかというか、
自分自身
を管理するという
意味
で、安全を守っていくとすれば、一人
親方
にもそれなりの
講習
ですとか
安全対策
の徹底ですとか、
工事現場
の特性ということは説明していただくような
環境
をつくらなければいけない。 要は、
建設現場
というのは、長い
工期
の間にいろいろな人が入れかわり立ちかわりで入るわけでして、一人
親方
が
工期
の
最初
から最後までその
現場
に携わっているわけではないわけですね。
足場
がどういうふうに組まれているか、あるいは
現場
でどういう危険があるのか、風がどれぐらい吹くのか、そういうことも、まさにその日初めて行ってわかる
ケース
もあると思います。 そういった
意味
では、やはり、ほかの長く働いている
建設現場
の
方々
よりは
情報
も少ない、
意思疎通
も少ない中で一人
親方
が
作業
するということはあり得るわけですから、そういったところの
情報
の共有なり、
危険性
の共有というものが図られるようにぜひしていただきたいと思います。 そして、
国土交通省側
の
アプローチ
でちょっと
提案
をさせていただきますと、ショベルカーですとかクレーンの
関係
の
事故
も結構多いんですね。
重機
が倒れて死亡するとかいう
ケース
が結構あるということで、
国土交通省
では、
重点的安全対策
というものを毎年公表されています。その中では、
建設機械
の
施工
の安全について、
建設機械施工安全技術指針
というものをつくられている、あるいは
マニュアル
をつくられているわけですね。 これは大変すばらしいことでありまして、
建設機械
でこういった
国土交通省側
の
アプローチ
として、誰がその
重機
を運転しようが、そこには、恐らく
国土交通省側
の
アプローチ
というのは一人
親方
であろうがなかろうが
関係
ないという話でありまして、
重機
を運転する者の安全と周囲にいる者の安全を守るために、
建設機械施工安全技術指針
、そして
マニュアル
というものができております。 そういった
意味
でいいますと、この
重点的安全対策
の中には
足場
の
事故防止
というものも項目としては入っておりますが、今、
厚生労働省
に
確認
をとったように、
労働安全衛生法
を幾ら厳しくしても、基本的には
使用者
のもとで働く
労働者
の
安全対策
というところから抜け切れないところがありますし、そして
情報
が一人
親方
に完全に共有されているかということでいえば、まだまだ足りないというところもあるでしょうから、
国土交通省
として、ぜひ、
現場
の
安全対策
として、
転落
という
事故
が多いということに鑑みて、
重点的安全対策
、そして
安全技術指針
や
マニュアル
というところを、例えば
仮設
の
足場
についても、より明確につくっていただいて、
現場
で
作業
する人誰しもにとって安全な
環境
をつくっていただく、こういうことも私は
提案
をさせていただきたいと思います。 具体的にはこういう
提案
については事前に
お話
をしておりませんので、
提案
ということでお聞きをいただいて、
大臣
もうなずいていただいておりますので、ぜひ御配慮をいただきたいというふうに思います。 さて、もう少し細かいところでいきますと、
安全衛生規則
というのがありまして、その中で、
仮設
の
足場
を思い浮かべていただくと、我々が小さいころには、木をひもでくくったり針金でくくったりしながら、本当に簡素な、全て木造の
足場
もよくありましたし、何の
筋交い
ですとか
転落防止措置
もないような
足場
も、当時はちっちゃい
工事現場
あるいは
建設現場
であったと思いますが、今は徐々に、さまざまな新しい安全な
足場
というものが出てきております。 そして、先ほど
厚生労働省
からも
お話
のあった
手すり先行工法
、
手すり
が先にどんどんつくられていく、ですから、
現場
で
作業
する
方々
は大変安全だということ。そして、二段
手すり
なり
幅木
の
設置
ということで、もし体勢を崩しても転げ落ちない、落ちる空間を塞いでいく、こういうことが、すばらしい実例として挙げられているわけです。 端的に
国土交通省
にお
伺い
したいんですけれ
ども
、
手すり先行工法等
、二段
手すり
あるいは
幅木
の
設置
ということについて、これは
国土交通省直轄事業
においては採用されて、まさに
成果
が上がっているわけですね。
死亡事故
が三
年間
起きていないという
成果
が上がっている。しかし、先ほど
大臣
おっしゃられたように、
建設業
全体でいえば
転落事故
が六千件起きているということでいうと、ぜひとも、
国土交通省直轄事業
だけじゃない広がりを見せていただきたいと思いますけれ
ども
、そこにどんな障害というかハードルがあって現在も
国土交通省直轄事業
にとどまっているのか、
国土交通省
、御説明ください。
厚生労働省
ですかね。どちらでも構いません。
半田有通
9
○
半田政府参考人
足場
の
対策
でございますけれ
ども
、
安全衛生規則
五百六十四条一項四号におきまして、五メートル以上の構造の
足場
の組み立てあるいは
解体
、変更といった
作業
に限定されてはございますが、これらの場合には、
労働者
に
安全帯
を使用させるなどの
墜落防止措置
が義務づけられてございます。 このほか、同じく同
規則
五百六十三条におきまして、高さ二メートル以上の
足場
については、
手すり
などの
墜落防止措置
が義務づけられてございます。 こういった
状況
でございまして、私
ども
としましては、このほかに、
交差筋交い
を使った
枠組み足場
での
基準
ですとか、いわゆる
枠組み足場
での
手すり
、
枠組み
を使ったときの
基準
といったようなことも定めてございまして、こういったものにつきましては、法令で定めるとともに、さらに望ましい
基準
などについては
ガイドライン
などで指導しているところでございます。 こういった
取り組み
につきまして、なおこのままでいいのかどうかということも含めまして、現在、
専門家
の
関係者
の皆様にお集まりいただきまして、
検討
をやっていただいているところでございます。
泉健太
10
○
泉委員
今
お話
ありました、例えば
安全衛生規則
五百六十三条では、いわゆるバッテンの形をした
筋交い
、
交差筋交い
のことが書かれているわけですけれ
ども
、改めて
確認
なんですが、この
交差筋交い
というのは
手すり
なのか
手すり
ではないのか、お答えください。
半田有通
11
○
半田政府参考人
交差筋交い
を
手すり
であるかどうかということで申し上げますと、もちろん
手すり
とは考えてございません。 ただ、私
ども
は、ただいま
先生
の御
指摘
ありました五百六十三条では、
墜落防止措置
を義務づけているところでございまして、
枠組み足場
につきましても、
交差筋交い
と高さ十五センチ以上四十センチ以下の桟を設ける、もしくは
手すり枠
を設ける、このいずれかをやっていただくということでやっておるところでございます。 ですので、
手すり
とはみなしてございませんが、必要な
墜落防止対策
は義務づけて、取り組んでいるところでございます。
泉健太
12
○
泉委員
わかりました。 かつて昭和四十三年当時の見解では、
枠組み足場
に使用されている
筋交い
を
手すり等
とみなしてよいかというと、貴見のとおりという答えが当時はあったというふうに伺っていますが、現在は
手すり
とはみなさないということであります。 しかし、こういった
手すり先行工法
ですとか、二段
手すり
、そして
幅木
の
設置
、そういったものがちゃんとなされなければやはり転げ落ちてしまう。そして、決して人間の頭というのは丈夫じゃありませんし、体も丈夫じゃありませんので、
お話
があったように、二メートルより上に上がっていれば、どんな人でも大きな
事故
、傷害に至る
可能性
があるということからも、私はもう少し、
転落事故
が六千件ですから、やはりそれだけの
方々
が
事故
に遭っているということを考えますと、
手すり
の
基準
というものについては強化をしていただくべきではないかなというふうに思います。ぜひともそういった形での
検討
をお願いしたいというふうに思っております。 さて、今回の
建設業法
について、
解体業者
が
業種区分
に入ったわけですけれ
ども
、
足場工事そのもの
が
業種区分
には入っておりません。このことについての
理由
をお聞かせください。
毛利信二
13
○
毛利政府参考人
御
指摘
ありましたように、このたび
業種区分
に追加いたします
解体工事
につきましては、
一つ
は、これまでのストックの積み上がりによりまして、今後、その
解体
ということで
工事量
の増加が見込まれるということ、それから、市民を巻き込むような重大な
事故
の
発生
などが起こっている、こういうことに鑑みまして、必要な経験と
技術者
を備えた
事業者
による適正な
施工
の
確保
を図ろうとするものでございます。 一方で、御
指摘
ありました
解体工事
以外に要望のあった
業種
につきましても、
検討
の過程では、
関係
する
業界団体
から
意見
を聞きながら
検討
を進めてきたところでございます。
足場工事
に
関係
する複数の
団体
とも
意見交換
をさせていただいたところでございますけれ
ども
、
一つ
は、
関係
する
業界
内の調整が引き続き必要であったということ、それから、
対象
となる
工事範囲
の
区分
の仕方につきましてまだまだ整理が必要であるということ、こういった
理由
によりまして、引き続き
検討
を行うことというふうにしたところでございます。 今後も、
関係方面
の
取り組み
や
施工実態等
を踏まえながら、
検討
の
熟度
が高まったものからさらなる
業種区分
の見直しなどの対応を図っていく予定としておりますけれ
ども
、なお、あわせまして、先ほど来御
指摘
もありますけれ
ども
、その
検討
とあわせて、
足場工事
における
安全性
の
確保
につきましても、一定の
安全性
の高い
足場
の
仮設
の
普及等
を図ってまいるなど、
国交省
としてもできることはやっていきたいと考えております。
泉健太
14
○
泉委員
ありがとうございます。
仮設
の
足場工事
の
業界
においても、
仮設安全監理者
というような形での
講習
や資格ということもできつつあると伺っております。ぜひ、
業種区分
として今後なっていくよう期待もしておりますし、積極的な
検討
をお願いしたいというふうに思います。 さて、具体的に、
兵庫
県で
足場
が
倒壊
をして、
一般
の
方々
がけがをするという
事故
がありました。
二業者
がこの
工事
に携わっていたということでありますが、新聞で見ていますと、そのうちの一
業者
は
許可
を届けていない
業者
だったということでありました。あるいは、この
業者
における
工事
について言うと、
足場
の
施工計画
が提出されていたのかどうかということも問題になっているようですが、この二つ、
許可業者
か、そして
足場
の
施工計画
は提出されていたか、
確認
をしたいと思います。
毛利信二
15
○
毛利政府参考人
まず、御
指摘
がありました
事故
でございますけれ
ども
、四月三日、神戸市
JR三ノ宮
駅付近の五階建てのビルの
解体工事現場
で
足場
が
倒壊
して、通行されていた二名の方が負傷するという
事故
でございました。
事故
の
原因等
が、現在、
警察当局
と
労働基準監督署
で詳細に捜査中でございますので、細かい点を私
ども
で説明することはできませんけれ
ども
、御
指摘
ありましたように、
事故
を起こした元請
業者
は、
兵庫県知事
の
許可業者
で、
土木一式
、とび・
土工等
の
建設業
の
許可
をとっておりましたが、下請に入っておりました神戸市の
業者
につきましては、
建設業
の
許可
も
建設
リサイクル法の
解体工事
業の登録も受けていなかったということは把握いたしております。ただ、そのこと自体が、どういう問題が
発生
するかは、下請契約の内容が現在警察に資料として押収されておりますので、
許可
、登録義務違反なのかまでは判断ができていないところでございます。 まず、届け出につきましては、私
ども
としては、
建設
リサイクル法の方を所管しておりますので申し上げますと、ことしの一月にリサイクル法の
工事
の届け出がなされていたというふうに神戸市から聞いております。
半田有通
16
○
半田政府参考人
足場
の計画届が出されていたかどうかというお尋ねでございますが、大変申しわけございません、ちょっとこの件に関しまして、こういった個別の事案につきましては、私
ども
、司法警察機関ということでございますので、
答弁
を差し控えさせていただきたいと思います。
泉健太
17
○
泉委員
そうしますと、厚労省に一点だけ
確認
は、
安全衛生法
の第八十八条でいうと、
足場
の
施工計画
の届け出というのは、
足場
が十メートル以上になるもの、そして組み立てから
解体
まで六十日以上の場合は計画を届けるということになっているわけですね。 しかし、今の時代、やはり安全ということは大変重要なものでありまして、しかも
足場
の場合は、
工事現場
のエリア内での
事故
にとどまるのであればともかく、それが高い高さになっていると、普通の
一般
の道路や歩道にまで、あるいは隣の家にまで倒れてくる
可能性
があるものであります。そういった
意味
では、
足場
は
一般
の
事故
にもつながりやすい、公衆
災害
にもつながりやすいものだという認識を持っていただいていると思います。 その
意味
では、
解体
まで六十日以上というこの計画の届け出を短くしていただくということも考えていただくべきじゃないか。例えば三十日以上という形にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
半田有通
18
○
半田政府参考人
まず、御理解をぜひいただきたいと思っておりますのは、
足場
について、
事業者
に対する義務として
安全衛生規則
に定めてございますのは、
労働災害
防止
という
観点
から、先ほど
先生
は、十メートル以上、
解体
まで六十日以上ということをおっしゃいましたけれ
ども
、
足場
に関しましてはもう少し幅広く規制をかけてございまして、
倒壊
防止
措置、
足場
からの
墜落防止措置
といたしまして、
設置
期間にかかわらず、
足場
の高さが二メートル以上の場合には適用されてございます。その他、
事業者
に対しましても、組み立て等の
作業
主任者の選任義務ですとか
足場
の点検義務などを定めているところでございます。 御
指摘
のように、計画届の
対象
となっておりますのは、高さ十メートル以上、
設置
期間六十日以上といったものになってございますが、これは特に
倒壊
のリスクが高いということから、
足場
の強度などを事前に
確認
するということでございます。ですから、先ほど申し上げました
基準
はそれ以下のものでも全部適用があるわけでございますが、特に、十メートル以上、六十日以上のものに関しましては、
監督署
でもって強度等を事前に
確認
させていただくという趣旨で義務づけているものでございます。この点はぜひ御理解いただきたいと思います。 このように
足場
を
設置
する
事業者
が法定の
倒壊
防止
措置を実施することが第一と考えてございまして、届け出の範囲を拡大することについては少し慎重に
検討
していくべきではないかと考えているところでございます。
泉健太
19
○
泉委員
きょうは時間も余りありませんので
指摘
にとどまらせていただきますが、かように私がやはり質疑を通じて感じるのは、
労働安全衛生
の
世界
でこれまで
工事現場
の
安全対策
を見てきたんだけれ
ども
、
一つ
は一人
親方
の問題ですね。これが抜けているものを今後どうしていくか。これは今御努力いただいているところですが。 もう
一つ
は、やはり公衆
災害
ですね。これは、
国土交通省
の方では公衆
災害
も減らそうということで
取り組み
をしていただいておりますけれ
ども
、今の
お話
だと、
足場
の
施工計画
はあくまで
労働
現場
というか、
工事現場
の中の
労働者
のためのものということで、
施工計画
ということで、確かに
厚生労働省
の
世界
なんですね。 しかし、公衆
災害
ということにもなりますので、やはりそこは両面から、いかにして
一般
の
方々
への被害を防いでいくのかということについてお考えをいただきたい、挟み打ちをしていただきたいということをお願いしたいと思います。 さて、続いて、これは少しちいちゃな話ですけれ
ども
、この質問をするに当たっていろいろ調べていましたら、
国土交通省
がすばらしい
取り組み
をされていて、例えば道路
工事
の
公共工事
ですね。
現場
で標識というか、
工事現場
にいろいろと、何をやっているかがわかるように、
工事
中とかいう標識を立てるわけですけれ
ども
、それをよりわかりやすい表現に変えていこうという御努力をされていて、あるいは看板の色合いまで調和するものにしていこう等々、見える化プロジェクトというのをやっている。大変すばらしいことだと思います。 一方で、私は、今回
提案
だけさせていただきたいのは、道路
工事
のみならず、やはり、民間の例えば
建設
工事
においても、
一般
の御家庭にまで完成予定図を外に張り出してくださいとは言いませんけれ
ども
、例えばある一定の大型の建築物については、いわゆる完成予定図みたいなものが外に張り出されると、非常に通行する
方々
もイメージが湧きやすい。 ここは、今現在は多分義務にはなっていないと思うんですね。現在義務になっているものは、なかなか
一般
の
方々
が読んでもわかりにくいような、
工事
監理者とか、商号または名称とか、代表者氏名とか、資格者証交付番号とか、行政的に理解をできるものを張っている。ごめんなさい、これは
建設業
の
許可
票の話です。済みません、ちょっと混同しましたけれ
ども
。 要は、
工事現場
において、できるだけ通行人でも理解をしやすいような表示というものをぜひ御
検討
いただきたいということだけ申し述べておきたいというふうに思います。 さて、三つ目の最後の問題ですけれ
ども
、本法案でもあります暴力団
対策
についてであります。 今回、「役員等」ということで少し幅広になったということは評価できるわけです。そして、今回は、一度
許可
を与えた
建設業
者でも、
許可
の付与後に役員であることが判明した場合に、その
業者
を排除できると規定をしておるわけですけれ
ども
、そもそも、今回この法改正に当たって、そういった
業者
の事例があったのかどうか、まずお答えいただきたいと思います。
毛利信二
20
○
毛利政府参考人
現在の制度におきましては、御
指摘
ありましたように、
許可
の段階で、警察も連携しながら、暴力団かどうかということを
確認
することができるという中でありまして、
許可
後の中でこれが暴力団かどうかというのは把握できない仕組みになっているものですから、例えば何社あったかということは残念ながら困難でございます。
泉健太
21
○
泉委員
わかりました。 東京都の墨田区で、何かスカイツリーの関連でなんですけれ
ども
、かつて数年前に、
建設
会社の社長が外部の暴力団幹部にコントロールをされて公共事業を落札し、暴力団に資金が流れたとされる事案がありました。こういったものの場合、現在では
許可
は失わないし欠格事由にもならないけれ
ども
、今後は、こういった会社、
業者
は
許可
を失い、あるいは、あるいはというか、
許可
を失うとともに数
年間
の欠格となるという理解でよろしいでしょうか。
毛利信二
22
○
毛利政府参考人
御
指摘
ありましたような事案につきまして、
一般
論でお答えさせていただきますと、暴力団幹部にコントロールされた
建設業
者から暴力団に資金が流れるような事案、こういった事案につきましては、今回の改正によって追加されました「暴力団員等がその事業活動を支配する者」との欠格要件に該当すると考えられますので、改正法の施行後は、業の
許可
が当然取り消されるということになります。 また、現時点でも、公共事業につきまして、これは、
公共工事
等からの暴力団の排除のために、発注者と警察との間で交わされている合意書に基づきまして、暴力団員が実質的に経営を支配する者またはこれに準ずる者というのについては入札から排除するという
取り組み
が行われているところでございます。
泉健太
23
○
泉委員
一方で、きょう、警察庁にもお越しをいただいているわけですが、犯罪
対策
閣僚
会議
というのが各省庁またがって構成されていまして、ここでは、暴力団排除の
取り組み
として、暴力団員等や暴力団員等によりその事業活動を支配された者、あるいは暴力団員を不当に利用している者、そして暴力団員に便宜を供与するなど暴力団の維持運営に協力している者については、排除すべき
対象
としているわけですね。 今回のこの
法律
では、今私が
お話
しさせていただいた三つの分類について、これは犯罪
対策
閣僚
会議
で言われているものですが、それのいずれかに該当する場合は
許可
が取り消しになる、あるいは欠格事由になるというふうに理解してよろしいでしょうか。
毛利信二
24
○
毛利政府参考人
御
指摘
ありました犯罪
対策
閣僚
会議
の三つの
ケース
でございますけれ
ども
、今回の改正につきましては、そのうちの
一つ
である暴力団員等や暴力団員等によりその事業活動を支配された者ということにつきましては、明らかに
許可
の際に欠格要件に、そして
許可
の付与後においてはその取り消し事由に該当するということでございます。 また、あとの二つの類型でございますけれ
ども
、暴力団員を不当に利用している者、または暴力団員に便宜を供与するなど暴力団の維持運営に協力している者につきましては、直ちに欠格要件等に該当するかは、これは個別事案において判断をしなければいけないと考えますが、例えば、暴力団員を反復的に利用したり、便宜供与等を通じまして暴力団と一体であるとみなせる場合につきましては、今回の要件に入れました「暴力団員等がその事業活動を支配する者」に該当するというふうに認められまして、欠格要件または
許可
の取り消し事由に該当すると判断することも十分可能ではないかと考えております。
泉健太
25
○
泉委員
きょう、警察庁にお越しいただいていますので
確認
をしたいんですが、そもそも暴力団員が
一般
企業で働くことはどう解釈されているのかというか、警察庁としては、例えばその企業に、こちらで働いている誰々さんは暴力団員ですよというようなことを通報したりされるのかどうか、そして、そもそも警察としては暴力団員が
一般
企業で働くことそのものはとめることはできないのか、この二点、
確認
したいと思います。
室城信之
26
○
室城
政府参考人
お答え申し上げます。 行政機関等が要綱などで
建設業
者が暴力団員が実質的に経営を支配する者またはこれに準ずる者等である場合に
公共工事
等から排除する旨を定め、当該行政機関等が警察との間で
情報
提供のための合意書を交わしているという場合におきましては、事件捜査の過程等でそのような事実が判明したときは、合意書に基づき通報をしているところでございます。
建設業
者に対する通報につきましてですが、その通報が全く行われないということではありませんが、原則として、
建設業
の
許可
を行う行政機関等に通報を行うことで暴力団排除の目的が達成されるものと考えております。
泉健太
27
○
泉委員
今回、私がこの法案を見て少し気になったのは、これまでの旧法では「役員」ということでありました。今回、「役員等」になりました。しかし、そこには、経営者レベルというか役員クラスの支配力を有すると認められる者について
許可
を出さないということであって、例えば社員に複数の暴力団員がいることは許容されてしまう
可能性
もあるということであります。 そういったところが果たしてちゃんと徹底されるのかどうかというか、先ほどの
毛利
さんの御
答弁
だと、
状況
によっては、これは暴力団員に便宜を供与する、暴力団の維持運営に協力しているということに当たる
可能性
もあるということかなと理解をしておりますので、経営者は暴力団員じゃないけれ
ども
、多くの暴力団員が仮にでもそこで働いているような
建設
会社があったときに、それを健全な会社と呼ぶべきかどうかというところについては、ぜひ注意深く、警察庁とそして
国土交通省
、各行政連携をとりながら、全体的にそれが暴力団の利益になっていないかどうかというところをしっかりと見ていただきたいというところが私の願いであります。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
梶山弘志
28
○
梶山委員長
次に、
杉本かずみ
君。
杉本かずみ
29
○杉本
委員
みんなの党の
杉本かずみ
と申します。きょうもよろしくお願い申し上げます。 きょうは、建築業法、
内閣提出
第六一号、それと、
基準
法の方が六二号という両
法律案
について、細かい部分も含めて質問させていただきますが、質問数がまた多岐にわたっておりまして、できない部分についてはまた
一般
質疑等でということを、ちょっと事前に
お話
をさせていただきます。 それでは、まず、
建設業法
に関連する質問ということで、
現状
認識、
建設
にかかわる全体というところで把握をさせていただきたいんです。
建設業
界、政府の投資もあれば民間投資もあって、その総額が国内の需要をつくっていると思いますけれ
ども
、三年前の震災もあり、そして今後の南海トラフ等の、あるいは東京直下、こういったことに対する防災・減災、そして、六年後ですか、東京オリンピックの需要、こういったものが複合的にある中で、
平成
二十二年あたりを底に、この
建設
需要といったものが底を打って増加傾向にあるという認識を持っております。 しかし、一方で、御案内のとおり、我が国の借財は国と地方を合わせて一千兆を超えるような
状況
で、大きな財政制約を抱えているということも事実であり、また、財政破綻の懸念も率直に言って拭い去れない
現状
にあるということで私は考えております。 景気回復による民需が昨今増勢の勢いにもあると思いますけれ
ども
、こういったいろいろな要因がございますけれ
ども
、そういった要因、あるいは景気の循環の流れの中で、
建設業
界の需要といったものが今後も続く見通しかどうか。 そしてまた、あわせて、ちょっと
数字
的なところで、就
業者
数と
業者
の数といった
意味
で、
平成
二十四年ベースで見ますと、就
業者
が五百三万人、そして
業者
数が約四十七万という数値がございますけれ
ども
、こういった数値を含めて、今後の見通しをどうお考えになっておられるか、教えていただければと思います。
太田昭宏
30
○
太田国務大臣
これは非常に大事な問題で、まず、二〇五〇年の国土のグランドデザインを考える。そして、グランドデザインの中に、危機管理としての防災・減災という、特に南海トラフや首都直下の地震というもの、そして老朽化
対策
という、この
委員
会でも随分論議になりましたことを考える。そして、財政制約というものを考えますと、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックということで急に
建設
需要が増すというふうには逆にしたくはない。二〇二〇年をゴールに絶対にしてはならない。そして、二〇二〇年をマイルストーンとして考えて、
建設
需要ということであれば、これは努力をして、ずっと平準化し、そして恒常化していくというような、そういうものにする必要があるというふうに考えています。 どうなるかという角度では、いわゆる民間の投資という点においては、民間投資はもちろん景気に
関係
しますものですから、これは景気をよくしていくという流れをそのまま続けるということを前提にするんですが、ここは上がったり下がったりということは時によってはあり得る。しかし、政府投資の総額ということにおいては、ずっと公共事業は縮減をされてきまして、ことしやっととまった、そして実質的には横ばいという予算組みをさせていただいている。これを私は、急にまた景気
対策
というところをふやすべきではないし、二〇二〇年ということにおいても必要なことは当然やらなくてはいけないんですけれ
ども
、そこで、何か景気がよくなるようにというような気合いでもって二〇二〇年というものにしてはいけないというふうに考えています。 国の公共投資ということでいうならば、昨年来、私が担当してきましてから、防災・減災、老朽化
対策
、メンテナンス、耐震化という部門に力を入れなくてはいけないということで、四回、補正と本予算、補正と本予算ということをさせていただいているんですが、大体、従来とは違って半分以上、五〇%以上はその部門にということにしています。ますますこれから、そうした防災・減災、老朽化
対策
、メンテナンス、耐震化、こういうところに公共投資としてのメーンストリームはあるというふうに考えているところです。
建設
産業の従事者は、私たちは、もう長年携わっていますと、大体六百万人と五十五万
業者
というふうに思ってきましたが、今、杉本
先生
御
指摘
のように五百三万人、そして
建設
の
業者
が六十万がピークであったんですが、今は四十七万という形になっています。 この数が多いかどうかということ以上に一番注目していかなくてはならないのは、いわゆる職人さん、
現場
の技能
労働者
がしっかり
確保
されるかどうかということが私は一番大事だというふうに思っていまして、できるだけ予算とか投資規模が恒常的に平準化し、安定していく上に、そこに若手の方も含めて
現場
の技能
労働者
が
確保
されて、それで防災・減災、老朽化
対策
等をしっかりやっていただくという
業界
というものの基本というものは今打ち立てていかなくてはならないのではないかというふうに思っているところでございます。
杉本かずみ
31
○杉本
委員
大臣
、まことにありがとうございます。 非常に全体観がよくわかる
お話
だったと思います。決して、この需要といったものが一時的に二〇二〇年をピークにということであってはならなくて、平準化、恒常化が必要だという
お話
を承ったと理解させていただきますし、また、補正と本予算、四回あった中で、防災・減災、老朽化、メンテナンス、耐震化というところに五〇%以上力点を置かれたという点は、党派を超えて、非常にいい政策を打っていただいているなと思っております。 また、
大臣
が言われた六百万人、私の場合は六十万社というイメージがずっと残っていたんですけれ
ども
、今回質問させていただくに当たって、やはり五百三万で四十七万にむしろ減っているのか、あるいはピークが多かったのかわかりませんけれ
ども
、そういった変化の中で、いわゆる職人と言われる
技術者
を
確保
していくということが、これは日本が特に大事でもありますけれ
ども
、
世界
共有で、最近
建設
が盛んになっている中東あたりでも、あるいは逆にちょっと
建設
がとまっている中国を初めとするアジアの一部なんかでも、やはり専門化した鉄筋工、溶接工、こういった
専門家
の方が、あるいは土木の
専門家
も必要かと思いますが、極めて重要な人材だという認識を私は持っておりますので、そういった
方々
を、しっかり若い方を中心にふやしていくように協力させていただければと思っております。 ちょっと関連する質問になるかもしれないんですが、今
お話
しの中で、平準化、恒常化が大切だというお言葉もありましたけれ
ども
、一方で、やはり景気というのは、循環して、そして、ポリシーミックスと言われる金融政策と財政政策、この両方が相まって、日本なり
世界
それぞれの経済をうまく運営していかなきゃならないという
観点
から、ちょっと質問させていただきたいんです。 メンテナンス元年ではなくて二年目に入っているわけでありますけれ
ども
、こういった中で、メンテナンスをする地域だとかあるいは具体的な場所だとか、こういった内容をできるだけ中長期的に開示していただくということが、ある
意味
で、
建設業
界が安定的にゴーイングコンサーンとして企業体が存続できることにつながるんではないかと思っています。 中長期、五年、十年、こういった長さで、メンテナンス計画を、路線名だとかあるいはメンテナンス箇所、メンテナンス時期、こういったことをできる限り具体的に開示していただくことが重要かと思いますけれ
ども
、こういったことを今後開示していく、予測
可能性
といったものを示していくおつもりがあるか、あるいは、今後の研究課題だけれ
ども
考えていかなければいけないのか、このあたりを教えていただければと思います。
高木毅
32
○高木副
大臣
高度経済成長期、どんどんインフラ整備が進んだわけでありますけれ
ども
、それがこれから急速に老朽化するということで、このメンテナンスというのを戦略的に行うということが必要だと考えております。 このため、昨年十一月に、インフラ長寿命化基本計画というのを政府がつくりまして、それに基づきまして、つい先日でございますけれ
ども
、五月の二十一日に、
国交省
のインフラ長寿命化計画、いわゆる行動計画というのを作成いたしました。 今後は、これに基づきまして、個々の施設ごとに、点検や修繕、更新といった
対策
とその時期等を記載した個別施設計画を策定していく、それを示していく、そして計画的に実施していくということが重要だと考えておりまして、それが、すなわち
委員
御
指摘
の予測
可能性
につながるものだというふうに考えているところでございます。 さらに、国が管理する施設ばかりではなくて、地方公共
団体
等に対しても、策定手続等の技術的支援や交付金等の財政的支援を実施することによりまして、地方でも個別施設計画の策定が進んでいくように、
国交省
としても指導をしていきたいというふうに考えているところでございます。
杉本かずみ
33
○杉本
委員
高木副
大臣
、ありがとうございます。 インフラの長寿命化計画、行動計画、こういったものをできる限り細やかに、前広にオープンにしていただくことによって、
建設業
界がゴーイングコンサーンとして経営しやすいような
環境
を引き続きつくっていただいて、役所と、あるいは国と、あるいは地域の行政と企業体がうまくかみ合うということをお願いしたく申し上げます。 さて、次に、
建設業法
の細かな内容についてちょっと伺っていきたいんですけれ
ども
、
提案
理由
説明でも「いわゆるダンピング受注」という表現があったんです。法文上はダンピングという言葉を定義して使ってはいないんですけれ
ども
、あえて使っていない
理由
、使った方がわかりやすいような気もいたしますし、いや、誤解を生むのかなという懸念もあるんですけれ
ども
、この
理由
をお聞かせいただきたいのと、ちょっと次の質問とあわせて
伺い
ますけれ
ども
、今回の改正によって制限されるダンピングと、入札者が個別に競争力を高めるために企業努力をしているといった部分をいかに峻別、区別していくのか、このあたりを教えていただければと思います。
毛利信二
34
○
毛利政府参考人
まず、私の方から、ダンピングという言葉を
法律
で今回使わなかった
理由
について、初めて御
指摘
をいただいたことではございますけれ
ども
、ダンピングという用語自体は、
委員
御承知のとおり、
建設業
界ですとか入札契約制度の中では既に相当人口に膾炙した用語ではないかと考えておりますし、これまでの入契法適正化指針におきましても既に「いわゆるダンピング」というふうに記載をいたしてきたところでございます。 しかし、今回、
法律
の中では、これが法令用語としてなじむかどうかということが一点、もう
一つ
は、ダンピングという言葉自体よりも、その具体的な、実質的な内容を初めてあらわすことに
意味
がある、すなわち、その請負代金の額によりましては
公共工事
の適正な
施工
が通常見込まれない契約の
防止
を図るということが一番大事だということから、入札契約適正化の柱として追加しておりまして、そういう
理由
から、言葉よりも内容にこだわったということでございます。
杉本かずみ
35
○杉本
委員
わかりました。 ちょっと二つ目の質問は御
答弁
がなかったんですけれ
ども
、飛ばさせて、次へ行かせていただきます。いいですか。御
答弁
いただけるのであれば、ぜひ。
土井亨
36
○
土井
大臣
政務官 申しわけありません。御質問をいただきました。 改正案におきましては、入札契約適正化の基本的な事項といたしまして、その請負代金の額によっては
公共工事
の適正な
施工
が通常見込まれない契約の締結
防止
を図ることといたしております。 具体的には、低入札価格
調査
制度を活用いたしまして、
基準
価格を下回る額の応札があった場合には、ダンピングのおそれがあるものとして、適正な
施工
が可能かどうかの
観点
から
調査
を行い、不適当な受注を排除するなどという措置をとっているところでございます。 その上で、御
指摘
がありました、ダンピングではない応札の中から、企業努力の
成果
として提出をされる技術
提案
等を踏まえ、価格と品質を総合的に評価した上で発注先を選定いたしているところでもございます。
杉本かずみ
37
○杉本
委員
御
答弁
どうもありがとうございます。
土井
政務官、御無礼いたしました。 次に、今
お話
のあった低入札価格
調査
制度等についてなんですけれ
ども
、発注者において、この低入札価格
調査
制度あるいは最低制限価格制度を活用してダンピング受注排除を図るということになっていますけれ
ども
、いただいている資料等で、二百三十二市区町村においてはいずれの制度も導入していない、これは二十四年の九月一日現在の
数字
です。 今次、ダンピング
対策
強化をするに当たって、この導入していない
現状
をいかに見たらいいのか。この二百三十二市区町村は、うまくいっているので大丈夫なんだということなのか、それとも、ぜひとも導入していただきたいんだけれ
ども
導入がおくれている、していないんだ、こういう理解をした方がいいのか、そしてまた、もし導入をお願いする場合に、国や都道府県はいかなる協力や支援ができるのか、この点を
確認
させてください。
毛利信二
38
○
毛利政府参考人
最低制限価格制度と低入札価格
調査
制度は、ダンピング受注の
防止
等に重要な役割を果たしておりまして、総務省と連携した要請などを通じまして、これまで、その導入、活用の推進に努めてきております。 このため、この制度のいずれも導入していない発注者は毎年減少しておりまして、
平成
二十年からの五カ年を見ましても、三百五十九市区町村から
委員
御
指摘
のありました二百三十二市区町村へと百二十七市区町村減少したわけでありますが、まだこれだけ残っているという認識でございます。 こうした中、今般の入契法の改正案におきまして、基本となるべき事項にダンピング
防止
を追加させていただいておりますし、また、品確法の改正案におきまして、低入札価格
調査
基準
あるいは最低制限価格、こういったものの適切な設定が発注者の責務として追加されるというふうに承知をいたしております。
国交省
としましては、これらの法改正を踏まえまして、運用指針への明記、あるいは、総務省と連携した文書による要請、自治体へのきめ細かな説明などを通じまして働きかけを一層強化しまして、全ての発注者でこれらの制度の導入、活用が進むように取り組んでまいる考えです。
杉本かずみ
39
○杉本
委員
毛利
局長、どうもありがとうございます。 次に、入札の内訳書の提出義務化ということをするということで今次法改正がございますけれ
ども
、この内訳書のひな形、共通フォーマット化といったことは図られるのかどうかの
確認
と、そこに当たっての必須項目は一体何なのかということ、そして、この義務づけに当たって罰則規定は設けるのか設けないのかの
確認
もさせていただければと思います。
毛利信二
40
○
毛利政府参考人
御承知と存じますが、入札金額の内訳書の提出につきましては、既に多くの発注者が求めている
実態
がございまして、発注者によりましては、必要に応じてみずから様式を定めているということでございます。 このため、今回の
法律
に基づく義務化に
当たり
ましても、
工事
規模等に応じ、また必要に応じて各発注者が様式を定めることを想定しております。国としても、今後、各発注者が活用できるひな形は作成したいというふうに考えているところでございます。 また、項目につきましては、
一般
的には、直接
工事
費、共通
仮設
費、
現場
管理費、
一般
管理費の大項目の内訳ぐらいは必要になるというふうに考えております。 罰則の点でございますけれ
ども
、内訳書を提出しなかった場合の罰則は本法案で規定しておりません。しかしながら、
建設業
者が入札の際にこの内訳書を提出しなかった場合におきましては、発注者は入契法第十三条の「必要な措置」を講じるということで、具体的には、入札を失格にする等の対応をとることを想定しておりまして、この失格でもってかなり大きなペナルティーだという理解でございます。
杉本かずみ
41
○杉本
委員
ありがとうございます。 その関連で、内訳書の提出義務づけに当たって、見積もり能力のない
業者
を排除するということかと思いますけれ
ども
、発注者側なのかな、見積もり能力の有無を見抜く目ききする人間が発注者側の能力として必要だと思いますけれ
ども
、この目きき項目、目ききとして必要な項目、学歴は
関係
ないと思いますけれ
ども
、どういった能力を要求、想定しておられるかも
確認
させてください。
土井亨
42
○
土井
大臣
政務官 提出されました内訳書につきましては、その内容が
施工
実態
を反映したものかどうかの
確認
が必要と考えておりまして、
工事
の積算経験などの発注
関係
事務に従事した経験等が求められると考えております。 なお、必要な人数につきましては、
工事
の内容等によって異なり、一概には言えませんが、職員が不足する場合には、補助的な業務を外部委託することな
ども
必要と考えております。
杉本かずみ
43
○杉本
委員
ありがとうございます。 次に、ダンピングと社会保険の未加入の問題でちょっと
数字
をお
伺い
しようと思ったんですけれ
ども
、適当な資料が見つかりましたので、この質問はちょっと割愛させていただければと思います。 次に、手抜き
工事
防止
、不当な中間搾取
防止
の
観点
から、
施工
体制台帳というものがあって、これが三千万円以下の小規模
工事
にも適用拡大ということになるというのが今次法改正かと思いますが、この台帳の存在とその提出の意義も非常に大きなものだというふうに私も考えておりますけれ
ども
、先ほどと共通の質問になるかもしれませんが、ひな形であったり共通フォーマット化はこの
施工
体制台帳についても図られているのかどうか。 先ほど、
毛利
局長からは、内訳書のひな形をつくっていきたいというお言葉をいただきました。やはり政策当局が範を示すというか方向感を出すということは極めて重要だと思いますので、そういったことを
施工
体制台帳についても多分行われるというふうに私は思っておりますけれ
ども
、そういったことを当局がしっかりやっているんだということを広く国民に知っていただくことによって、ダンピング
防止
あるいはこういった
公共工事
等の透明化といったものが図られると思うんです。 この周知徹底、広く国民に知ってもらう、こういう姿勢をぜひとっていただきたいんですけれ
ども
、ホームページの開示、あるいはその他の方法等、いかなる
状況
になっているかを含めて、共通フォーマット化、ひな形化、この
施工
体制台帳についてあわせて
答弁
いただければと思います。
毛利信二
44
○
毛利政府参考人
このたびの
施工
体制台帳につきまして、一定の御評価をいただきました。 お尋ねのありました
施工
体制台帳のフォーマットでございますけれ
ども
、現時点では法令上統一したものは定めておりませんが、実は、
建設業
団体
におきまして標準様式が定められ、これがかなり普及しているところでございますので、
国土交通省
としましては、この様式をベースに作成例を定めまして、既に下請指導
ガイドライン
という形で周知を図ってきているところでございます。その活用を図ってまいりたいということがございます。 また一方で、御
指摘
ありました、広くその
取り組み
を周知していく上でのホームページの活用でございますが、このたびの改正によりまして、全ての
公共工事
に
施工
体制台帳の義務づけの
対象
が拡大しまして、いわばその裾野が広がるということでございますので、よりわかりやすくすることが重要だと考え、
法律
が成立しまして、施行されるまでの間に、
国交省
のホームページ等に作成例、記載事項を明示することなどを考えてまいりたいと思います。
杉本かずみ
45
○杉本
委員
局長、ありがとうございます。 次に、談合
防止
策といった点について。 今次法改正、談合
防止
につながるというような表記が幾つか説明資料にあったんですけれ
ども
、ダンピング
対策
とともに、談合
防止
策という点で、今回の法改正がどういう効果を生むのかが具体的にちょっと見えてこない部分があるので、改めて、談合
防止
という点で今回の法改正が意義ある点を御説明を
伺い
たいと思いますが、いかがでしょうか。
土井亨
46
○
土井
大臣
政務官 入札契約適正化法におきましても、全ての発注者に対して、入札契約の
情報
の公表、談合
情報
の公正取引
委員
会への通知等を義務づけるなど、不正
行為
の
防止
のための制度を整備してきております。 改正案におきましては、入札の際に入札金額の内訳書の提出を義務づけるとともに、発注者は、談合等の不正
行為
の
防止
の
観点
からも、当該内訳書を
確認
することといたしておりますし、これらによりまして、談合
情報
が寄せられた場合など、談合の
可能性
が疑われるときに、内訳書を比較するなどにより、入札手続を中止、
関係
機関に内訳書を提出するといった対応とすることも可能となります。より一層の談合の
防止
、排除につながる効果が得られるものと見込まれております。
杉本かずみ
47
○杉本
委員
内訳書を比較してみたりする、こういうようなことの効果ということでございました。ありがとうございます。 次に、
大臣
の御
答弁
でもありましたけれ
ども
、いわゆる職人さんという
意味
で、労務単価について質問したいんですけれ
ども
、先ほどの全体の
数字
ともリンクするかもしれませんが、ここ二
年間
の労務単価は増勢傾向にあるというふうに見てとれるかと思います。鉄筋工、型枠工、それぞれ二十五年度比でプラス七・八、プラス七・九とありますけれ
ども
、このいわゆる職人さんというか専門性を持った
方々
の労務単価について、今後上がっていくと、これはデフレ脱却ともリンクするかとも思うんですけれ
ども
、その見通し、あるいは政府が期待する傾向、この辺を教えていただければと思います。
高木毅
48
○高木副
大臣
これまで十六
年間
下がり続けていたわけでありますけれ
ども
、昨年度、設計労務単価一五・一%引き上げ、そしてまた、さらに賃金の上昇傾向を踏まえまして、本年二月にも七・一%引き上げました。 優秀な技能
労働者
がしっかりとこの
業界
に入ってきていただけるためには、しっかりと賃金を上げていくということ。そのためには、まず適切に
公共工事
の、今申し上げた労務単価を設定するということ、そしてそれがしっかりと賃金に反映するということ、この二点が重要だというふうに考えておりまして、
公共工事
予定価格を適切に積算するために、実勢を反映するということが必要だと考えております。 このため、毎年十月に、
公共工事
に従事する技能
労働者
約十六万人について、賃金台帳等により賃金の支払い
実態
の
調査
を行いまして、
労働
市場の実勢価格をもとに適切な設計労務単価の設定を行うということが、先ほど申し上げたようにまず大事なこと。 そして、次に
業界
の方たちがしっかりとその労務単価を賃金に反映していただくというようなことで、昨年四月には
大臣
から、そしてまた昨年の十月、さらにことし一月には、私、今、
国交省
におきまして
建設
産業活性化
会議
というのを主宰しておりますけれ
ども
、座長である私から
建設業
団体
に対して、繰り返し、適正な水準の賃金を支払うように要請をしているところでございます。こうした
取り組み
の
成果
や最近の
労働
需給の逼迫により、
建設業
の技能
労働者
等の賃金は現在上昇傾向にあるというふうに考えております。 今後についての予測でございますけれ
ども
、これは
労働
需給等の影響に左右されますので確たることは申し上げられませんけれ
ども
、現在の賃金の上昇傾向が、下請も含めた技能
労働者
にも確実に行き届くよう、引き続き、適切な賃金水準の
確保
の
取り組み
を進めていくというふうに考えているところでございます。
杉本かずみ
49
○杉本
委員
ちょっと関連で、デフレ脱却に向けて賃金水準
確保
という中で、最低制限価格が入札前に公表されるというようなことがあって、入札参加者の多くが受注を優先させるために最低制限価格で入札を一生懸命して、その結果、複数の入札参加者が横並びに出てきて、結局くじ引きで落札される。安値受注した余波が
労働者
の賃金にはね返って、そしてまた、翌年の
公共工事
設計労務単価にまた反映されるというような負のスパイラルというのが、具体的には石川県七尾市の事例なんかで見られておりますけれ
ども
、こういった最低制限価格の事前公表、これは会計法上、地方自治法上の改善が必要と考えますけれ
ども
、この
問題点
というか
現状
認識、改善策、この辺についてだけ、ちょっと最後、御
答弁
いただければと思います。
門山泰明
50
○門山
政府参考人
お答えいたします。 最低制限価格制度を採用しております
団体
は、二十四年九月一日時点におきまして千四百十五
団体
ございますけれ
ども
、そのうち二百二十九
団体
が最低制限価格の全部あるいは一部を事前公表しているということで承知いたしております。 この最低制限価格の公表に関しましては、適正化指針におきまして、
建設業
者の真の技術力、経営力による競争を損ねる弊害が生じることから、入札の前には公表しないこととされているわけでございますが、この適正化指針に定められた事項、まさに入札契約適正化法において一律に発注者に義務づけられております事項と異なりまして、各発注者の多様性に配慮しつつ、各発注者が措置を講ずるよう努力すべきものとして定められているというものでございます。 事前公表を行っております地方
団体
に
伺い
ますと、やはり発注者による
情報
漏えいという不正
行為
を根絶するために最低制限価格等の事前公表を行っているというふうにおっしゃっているわけでございまして、こうした側面がありますことから、直ちに否定ということはできないというふうに考えております。 ただ、総務省といたしましても、
情報
の公開性を柱としております入札契約適正化法の体系の中で、適正化指針の内容が徹底されますように、引き続き、
国土交通省
と連携いたしまして、地方公共
団体
に対して丁寧に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
杉本かずみ
51
○杉本
委員
時間となりました。終了いたします。ありがとうございました。
梶山弘志
52
○
梶山委員長
次に、穀田恵二君。
穀田恵二
53
○穀田
委員
きょうは、まず
建築基準法
について質問します。 仮使用承認制度について聞きます。 これまで特定行政庁しか審査承認できなかったけれ
ども
、今回、これを民間検査機関でもできるようにしようというものです。なぜ特定行政庁しかできないとしたのかということになるわけですけれ
ども
、仮使用の審査承認を民間
確認
検査機関ができるようにすることによって、
事故
など
発生
した場合の
責任
はどうなるのか。 また、私は、この間ずっと姉歯事件以来やってきましたけれ
ども
、民間
確認
検査機関といえば、耐震偽装事件、それから今言った姉歯事件のときに、建築物の安全を守るべき建築
確認
を営利目的の民間会社に任せた規制緩和が背景にあったんじゃないかという問題がありました。安全が、一部悪質
業者
による圧力や買収によりゆがめられることがないのか、その担保はどうなっているのかについて、簡潔にお答えください。
坂井学
54
○
坂井
大臣
政務官 仮使用を認めるこの制度につきましては、今までは特定行政庁のみが個別に裁量性のある判断を行ってまいりましたけれ
ども
、今回の改正は、指定
確認
検査機関が仮使用を認定することができることとするものでございます。 このため、指定
確認
検査機関に裁量の余地を残さないように、客観的に判断ができて、かつ十分な
安全性
を
確保
し、発災を
防止
する認定
基準
というものを
国土交通省
においてまず定めてまいります。 そして、指定
確認
検査機関に全て委ねるというわけではございませんで、特定行政庁が報告の中身を
確認
いたしまして、認定
基準
に適合しないと認めるときはその効力を失わせることができるということにしておりますし、また、指定
確認
検査機関が認定
基準
に適合しない建築物の仮使用を認定したというような、ある
意味
、やってはいけないことが出てきた場合は、当該機関を行政処分の
対象
といたします。 こうした措置によりまして、今回の改正を原因とした
安全性
を損なうというような問題は起こらないのではないか、こう考えておりますけれ
ども
、今後とも、特定行政庁と連携をし、指定
確認
検査機関等に対して十分な周知を行うことによりまして、制度を適切に運用できるよう取り組んでまいりたいと思っております。
穀田恵二
55
○穀田
委員
今ありました、起こらないのではないかということでは困るわけで、起こらないと言ってもらわないと困るわけで、もちろんそういうことについて言えば、私、何でこんなことを言っているかというと、民間
確認
検査機関については営利目的で競争を認めたままということと、それと、特定行政庁が建築
確認
検査の
責任
を持つ仕組みについて、やはり曖昧では困るわけですから、そこを言っているんだということを御理解願いたいと思います。 次に、容積率制限の合理化について少し聞きます。 この改正で、地下室の床面積を延べ床面積に算入しない特例を老人ホーム等についても適用するとしています。かつての改正で、マンション等にこの特例で、傾斜地に巨大地下室マンションが
建設
され、社会問題になりました。お年寄りの
方々
が住む老人ホームでは、こうしたことが起こらないという保証はあるのでしょうか。
坂井学
56
○
坂井
大臣
政務官 地下室マンションの問題等々、以前ございまして、
平成
十六年に法改正を行って、地方公共
団体
の条例により対応してきたところでございます。 今回も、この不算入の
対象
に追加される老人ホーム等について、住宅と同様の問題の
発生
が懸念をされます。なので、この条例により同様に制限できるよう措置していきたいと考えておりまして、地方公共
団体
が条例を準備する期間も考慮いたしまして、本特例の施行期日を法令の公布日から一年以内としております。
国土交通省
におきましては、地方公共
団体
において条例の制定や改正が適切に行えるよう周知徹底をし、連携をして取り組んでまいりたいと思っております。
穀田恵二
57
○穀田
委員
これも、何でこんなことを言っているかというと、実は九四年六月の法改正時に、我が党の議員の質問で、地下に二階とか三階とか、敷地で広大な地下面積をつくる、こういうことになるんじゃないか、この質問に対して、居室を地下につくってはいけないという規定がございますので、それで実際上はそういうものはつくってこないだろう、利用されないだろうというふうに思っている、こう
答弁
しているんですよね。ところが、今ありましたように、社会問題にまでなった経過があるので
確認
をしたと。やはり今までの経過がありますから、こういう点を
確認
しておきたいと思ったわけであります。 次に、
建設業法
改正案について質問します。 まず、入札不調、不落急増の要因をどう認識しているかということであります。 各地で入札不調、不落が増加し、生活に身近な事業が影響を受けている事態も生まれています。四月に共同通信がアンケート
調査
した内容を見ますと、都道府県が
平成
二十五年四月から十二月に実施した
公共工事
の入札のうち、受注
業者
の決まらない入札不調などが占める割合は平均七・八%で、例年の二から三%に比べ急増している。宮城が最大の二五・七%、仙台は
大臣
がどこかで
答弁
していますけれ
ども
四八%、沖縄で二二・三、岩手で二一・八が続いて、住宅の高台移転など震災復興が本格化した影響が大きい、沖縄は以前から離島の
工事
で不調が目立つ、こういうふうに書いています。 生活に身近な
工事
の例では、尼崎公害訴訟の
環境
対策
工事
、尼崎市の国道四十三号沿いに住む公害患者らのための歩道橋のエレベーター
設置
工事
が、昨年八月に公告したけれ
ども
入札が不調となっていた例もあります。 被災地を初め、全国的な入札不調、不落の原因が何なのか、背景は何なのか、そういう点の認識をお
伺い
します。
土井亨
58
○
土井
大臣
政務官
先生
御
指摘
いただきましたように、入札の不調の
現状
、原因というものは、被災地と全国で
状況
が異なると認識をいたしております。 まず、被災地の入札不調につきましては、発注
工事
の増加に伴い、条件の悪い
工事
を中心に
発生
しておりますけれ
ども
、
平成
二十五年度は、二十四年度に比較すると、おおむね減少傾向であります。一方、不調となった
工事
につきましても、再発注時にロットの大型化など工夫を行うことにより、ほぼ契約に至っている
状況
であり、
工事
は着実に進んでいると考えております。 全国的には、現在、入札不調が起こっているのは、土木
工事
よりもむしろ建築
工事
が中心でございまして、特に公共
団体
が発注する大型建築
工事
におきましては、繰り返し入札不調となるものが多く見られております。この一番の原因は、やはり、予定価格が
実態
の価格に合っていないことが原因になっているというふうに考えております。
穀田恵二
59
○穀田
委員
今の
土井
政務官によると、入札不調の原因として、予定価格が
実態
価格、実勢価格に合っていないということなんですね、
お話
がありましたけれ
ども
。
国交省
は、大体、労務単価の引き上げだとか自治体による歩切りの根絶など、予定価格の引き上げなどを行って一定の効果が上がっている、こう見ているわけですね。私は、資材だとか人件費だとかというのが上がって、それに見合って予定価格を引き上げるのは当然のことだと思うんですね。ただ、不調、不落の原因、背景について、発注価格、予定価格の設定だけが問題ではないと私は考えます。 私の住む京都の、地元の
建設現場
の話を聞きますと、
公共工事
を中心に仕事がふえているのは確かだ、しかし、これまでコスト削減を強いられ、ぎりぎりまで人員を整理してきた、突然に発注がふえても人を
確保
するのが困難で、発注されても受注できない。十人、二十人で仕事をやってきたところに三十人が必要な仕事があっても、人員を
確保
ができないから対応できないなど、入札参加するにも受けられないという声もありました。 やはり、不調、不落の原因として、地域
業者
自身が疲弊していること、それから、技能
労働者
の不足があることをきちんと見ておくべきではないかと私は思うんですね。したがって、入札不調を抜本的に改善するには、
工事
を請け負う
業者
の経営基盤の改善と技能
労働者
の
確保
、育成が不可欠であります。 そこで聞きたい。今回の
建設業法等
の改正案及び議員立法として予定されている品確法によって、この不調、不落問題についてどのような効果が発揮できると考えているのか、お答えいただきたい。
高木毅
60
○高木副
大臣
御
指摘
のとおり、
業界
全体が疲弊している、これまで
公共工事
をどんどん減らしてきたという中で厳しい
状況
にあると思いますが、そうした中で、不調、不落の今の御質問でございます。 先ほど
土井
政務官も、入札不調の原因というのは予定価格が
実態
の価格に合っていないことと認識しているという
答弁
をしましたけれ
ども
、おっしゃるとおり、人材の
確保
に非常に苦労しているという声も聞きます。 それで、しっかりと総合的にいろいろな
対策
をしていかなきゃならぬというような思いでございまして、
一つ
挙げますと、まさに国と地方が統合した形で発注見通しを公表していく。そうすると、
事業者
も、次はどんな
工事
が国から出る、地方から出るというのがわかりやすくなって、しっかり対応しやすくなるのではないか。あるいはまた、
技術者
等の不足
状況
に応じて発注ロットを大型化するという点、それから主任
技術者
の兼任要件の緩和、そういったようなところもやっているところでございます。 また、
現場
の技能
労働者
の高齢化や、若年入職者の減少といった構造的な問題が生じておりますので、このたびの
建設業法
の改正案には、中長期的な視野から、こうした
状況
に歯どめをかけることを目的としておりまして、まず、技能
労働者
に適切な賃金が支払われるよう、先ほどから議論されておりますけれ
ども
、ダンピング
対策
の強化を図るということにいたしました。ダンピング
防止
を
公共工事
の入札契約において基本とすべき事項に追加する、これにより、地方自治体も含めた発注者に対し、ダンピング
対策
の強化を要請することが可能になります。 さらに、入札の際に、入札金額の内訳を提出することにします。これによって、見積もり能力のない
業者
を排除するということが可能になります。 また、
事業者
団体
等が、
技術者
、技能者の育成についてすぐれた
取り組み
を行っているという場合には、国が積極的な支援を行うということにしております。 中長期的な担い手の
確保
に向けて、現在、議員立法として品確法改正案が提出されておりますけれ
ども
、一体となって改正法の的確な運用を図ることによりまして、担い手の
確保
のための
取り組み
を一層強化していきたいというふうに考えているところでございます。
穀田恵二
61
○穀田
委員
それはそのとおり。私、言っていることが全部悪いと言っているんじゃないんですね。ただ、そう簡単にいくかという話をしているんですよね。 賃金の問題は後で言いますけれ
ども
、私は、この間の
問題点
を洗い出して、今副
大臣
からありましたように、見通しの公表というようなことを言っていましたけれ
ども
、確かに、先の見える形で
業者
対策
、技能
労働者
の育成、若年
労働者
対策
の充実が必要だと思うんですね。 先ほど私は京都と言いましたけれ
ども
、京都府内でもこの間、
建設業
者が倒産、廃業に追い込まれて、
業者
数は、ピーク時の、九九年度だと思うんですけれ
ども
、約七割で、京都でいいますと一万一千六百六十五社に落ち込んでいます。京都府
建設業
協会会長の岡野益巳さんも、地域の
建設業
は、地域の経済、雇用を支え、インフラ整備や住民生活の安心、安全を守る上でなくてはならぬ産業、地元の
業界
の維持、育成のために、後継者、若者のためにも行政が手を打つべきだということで、府議会で参考人としてこの
実態
を発言しているほどなんですね。そういうことを踏まえて、私
ども
としては今、育成その他についてきちんと方向性を持ってやるべきだということを言っているわけですね。 そこで次に、政府は、大型開発事業はこの間、国際競争力の強化ということで熱心にやっているわけですけれ
ども
、そこの点について少し聞きたいと思うんですね。 消費税増税がありましたから、それの景気の腰折れを
防止
するために、政府は、二月に成立した補正予算の公共事業費は九月までに九〇%執行を指示するなど、公共事業予算の消化を先にありきとばかりに進めています。しかし、入札不調が続いている
状況
下で、一定の地域内で大規模
工事
が発注されると、
業者
や技能
労働者
が集中し、小規模
工事
での不調割合が高まるおそれがあります。 だから、当面、
業者
と技能
労働者
の絶対的不足を考慮して、東日本大震災被災地の復旧復興事業や全国の防災事業、老朽化
対策
など、住民生活に直結する身近なインフラの整備、住民生活に欠かせない事業を最優先して実施するようにすべきじゃないかと思うんですが、その辺、いかがですか。
土井亨
62
○
土井
大臣
政務官 今御
指摘
いただきましたように、住民生活に密着している小規模な
公共工事
を優先してやるべきだという御
指摘
をいただきました。 新設
工事
や大規模
工事
に比べますと、手間がかかることや効率性が悪い
ケース
があるなどにより、
業者
が受注を敬遠するという
指摘
もございます。このため、主任
技術者
が兼任できる範囲の拡大を図るなど、橋梁補修などの維持修繕
工事
についても四月より新たな歩掛かりを設けるなど、
施工
実態
を反映した積算
基準
の見直しを行ったところでもございます。 とにかく、地元で頑張っていただいている
建設
産業の皆さん方が、地域の守り手ということで事業に積極的に取り組んでいただくこと、このことが一番大切だと思っておりますので、入札時には地域要件の設定など、地元
建設
企業の受注機会の
確保
などを図ることにいたしておりますし、複数年契約の導入や共同受注などを通じて、地元に精通した企業が地域のインフラ維持管理等の業務を計画的、安定的に受注できるよう配慮をしながら進めております。今後とも、バランスのとれた
公共工事
の推進を図ってまいりたいと思っております。
穀田恵二
63
○穀田
委員
土井
さん、仕掛けはわかるんですよ。だけれ
ども
、そのことが
実態
として下でそうなっているのかという話をやはり見ないと、かけ声はいつもそれで割と調子ええねんけど、どうしても現実はそうなっていないということで、地方紙などは、それぞれの保育所だとか小学校の跡地利用だとか病院の問題だとかというのが、ずっと後回しになっているということを全部言っているわけですよね。それは、大型事業にどんととられると、実際にはそういうものがいないという現実があるわけでして、だから、優先的なそういうやり方というのをきちんとしないとだめなんじゃないか。 だから、そういう
意味
でいうと、国際競争力強化、国土強靱化という名のもとに、大型
工事
を事実上優先するというやり方自体を直さないと、先ほどの話が、何というんですかね、実際にやられないという結果になりますぜという話をしているんですよね。そこはよく御理解いただきたいと思います。 そこで、
労働者
の賃上げの問題であります。技能
労働者
の育成、若者就労増へ賃上げは不可欠で、労務単価の引き上げなどが反映しているかどうかという問題について聞きます。
公共工事
設計労務単価の引き上げが
現場
の
労働者
の賃上げにどう反映しているか、その進捗
状況
について聞きたいと思います。 労務単価は、二
年間
で二三%引き上げられました。
現場
の
労働者
の賃金はどれだけ上がったか、把握していますか。
毛利信二
64
○
毛利政府参考人
建設業
の担い手を将来にわたって
確保
していく上では、賃金を含めて処遇の改善を図っていくということが重要でございます。 御
指摘
ありましたように、昨年四月には、十六年ぶりに設計労務単価を一五・一%と大幅に引き上げましたが、その後、十月時点の
調査
結果におきまして、さらなる賃金の上昇傾向が認められましたので、これを反映するために、本年二月、全国平均で七・一%の再引き上げを行いました。 さらに、この設計労務単価の引き上げが実際の賃金の引き上げにつながるように、
建設業
団体
に対しまして、
大臣
、副
大臣
から直接、繰り返し、適正な水準の賃金を支払うように要請をいたしております。 これを受けまして、各
建設業
団体
におきましても、適切な賃金
確保
について決議を行うなどの
取り組み
を進めていただいておるところでございまして、昨年六月末時点で、賃金支払い
実態
について
国交省
が行いました
調査
によりますと、賃金を引き上げると回答した企業はまだ三七%でございましたが、本年二月に再度
調査
いたしましたところ、これが五一%と拡大をしておりましたし、この五一%の
数字
は、元請から二次下請まで見ても、ほぼ同様の傾向にありました。 また、技能
労働者
に限りませんけれ
ども
、毎月勤労統計
調査
による、いわゆる職別
工事
業の賃金水準で見ましても、
建設業
の場合、全産業を上回った上昇率というのが
確認
されております。 私
ども
としましては、引き続き、下請取引
実態
調査
等の結果を受けまして、適切な賃金支払いの要請をしてまいりますし、また、例年十月の公共事業労務費
調査
に加えまして、サンプル数を絞って、ボーナスも把握する形で七月に
調査
をするなどを通じまして、賃金上昇の動きが下請を含めた技能
労働者
に確実に行き渡るように努めてまいりたいと考えます。
穀田恵二
65
○穀田
委員
努めてまいりたいと。 何ぼ上がったかという話を聞いているわけで、要するに、まだわからぬということですわな。上げると言っている。上げると言っていることと、上がった、何ぼ上がったかという話は別やねんね。だから、それを聞いているわけですやん。 それで、私、全京都建築
労働
組合、略称は京建労ですが、その
方々
から、
現場
の
労働者
の話を聞きました。 まず、京都市発注
工事現場
に行って、そこで、なぜそういうことを言っているかというと、
毛利
さんも京都にいはったから。京都の
現場
ではどうか、設計労務単価は知っているかと十五人にアンケート
調査
をやって、
現場
へ入っていると、知っている人は四人。労務単価が上がったことは知っているか、二人。こういうふうに、
現場
の
労働者
のところでいうと、やはりそういう認識が確実に、着実に浸透していないという現実があります。 さらに、京建労は全建総連傘下ですから、重層下請構造のもとで頂点に立つ元請企業が
現場
の
実態
を知り、要求に耳を傾けることが必要だということで、企業側、組合側の共通認識のもとに、一九八三年から企業交渉を行っているんですね。この四月に行った交渉の中で、法定福利費は従来から込み、それから別枠記載のつもりはないという認識の会社があるわ、それから、協力会社二百社のうち標準見積書を活用しているのは八社という回答が見られているんですね。だから、賃金の
現状
、そういう事実認識、今言っている下請構造のもとでの
実態
、こういったことからしますと、まだまだ
現場
の
労働者
まで賃上げは反映していないということが見てとれます。 中にはこういうのもありまして、受注額が引き上げられているわけですけれ
ども
、元請
業者
の中には、これまでの受注で出た赤字を取り戻すということで賃金の引き上げに反映させないところもあるし、やはりそういう
意味
で、先ほどありましたが、私は、
現場
の賃金がどうなっているかということを含めて、
労働者
の賃金を直接引き上げるために公契約法などの制度が必要だということが改めて浮き彫りになったと思うんですが、いかがですか。
太田昭宏
66
○
太田国務大臣
最後に公契約法の
お話
がありましたが、前半の
お話
は、とにかく労務単価の引き上げが最前線のところまでいかなくちゃいけない、そして社会保険も入ってもらわなくちゃならないということについては、さらに我々としては努力して、徹底してまいりたいというふうに思っています。 公契約については、
建設業
は技能
労働者
の処遇改善や若手入職者の増加を図るためにも技能
労働者
の適切な賃金水準を
確保
する必要がありますが、賃金等の
労働
条件は、
労働
基準
法等の
関係
法令に反しない限りにおいて労使が自主的に決定するとされています。 公契約法によって賃金等の
基準
を新たに設けることについては、既に条例を運用している九つの地方自治体の
状況
等を注視する必要がありますが、今後も幅広い
観点
からの慎重な
検討
が必要ではないかというふうに考えております。
穀田恵二
67
○穀田
委員
これもいつも私は言うんですけれ
ども
、大体平行線でいるので、それはそれとして承っておきますけれ
ども
、やはり、行政が交渉や話し合いの場を
確保
するイニシアチブを発揮することが大事じゃないか。労使間と言うんだけれ
ども
、現実は一人
親方
で相手にもされない
状況
が広く存在しているのがこの
業界
ですよね。だから、私は、技能
労働者
の組織する
労働
組合が対等に交渉できるように、行政、政治が役割を果たすべきじゃないかということを一貫して主張しているということを記録しておいていただきたいと思います。 あと、品確法について聞きます。 この法改正に、
労働者
の賃金その他の
労働
条件、安全衛生その他の
労働
環境
の改善を加えた意義について聞きます。
公共工事
品確法の改正案では、このことが新たに規定されましたけれ
ども
、私は、品確法制定時に、この規定をきちんと明記すべきだと当時申し入れたんですね。残念ながら、かなわなかったわけですけれ
ども
、今回規定されたことについて、
大臣
はどういう感想を持っておられますか。
太田昭宏
68
○
太田国務大臣
建設業
の置かれている
状況
を考えますと、技能
労働者
の処遇改善というのは非常に大事なことだというふうに思います。 このたびの品確法改正案におきまして、
公共工事
の品質を現在及び将来にわたって
確保
する上で、賃金その他の
労働
条件、安全衛生その他の
労働
環境
が改善されるよう配慮されなければならないという旨が盛り込まれたということは重要な
意味
があるというふうに考えています。
建設
投資の急激な減少やダンピングの横行など競争の激化によりまして、
建設
企業の疲弊や下請へのしわ寄せ、
現場
の技能
労働者
の就労
環境
の悪化により離職者の増大などを招きました。こうしたことが起こらないように、今般の
建設業法等
の改正法案とあわせまして、引き続き技能
労働者
の
労働
環境
の改善に向けて強力に取り組んでいきたいと思います。
穀田恵二
69
○穀田
委員
ちゃんと取り組んでいただきたいと思うんですね。 私は当時、
公共工事
の品質を
確保
するに当たっては、
建設
産業の特徴である元請と下請という重層的な
関係
を考慮し、直接
公共工事
を
施工
する
事業者
の対価及び
作業
に従事する
労働者
の賃金、
労働
時間等の
労働
条件を適正に
確保
すること、こういうことが必要じゃないかということを当時
提案
しました。 実は、もう一点、そのとき私は提起しているんですね。それは、
労働
条件、
労働
環境
の改善の責務は発注者も同様と違うのかということを私は提起したんですね。せっかく
公共工事
品確法の理念と
事業者
の責務に加えられたけれ
ども
、発注者の責務には規定されていないように見える。発注者こそ
労働者
の
労働
条件や
労働
環境
の
実態
を把握して改善させるべきだと思うけれ
ども
、
国交省
としてどのようにこの点は具体化するおつもりか、聞きたいと思います。
太田昭宏
70
○
太田国務大臣
よい品質のものをつくるためには、一部の発注者の、安ければいい、この数年そうした傾向があって、逆に、受ける方も仕事がないものですから赤字覚悟でとっていくというようなことの、悪い方向へのスパイラルが働いたということがあったと思います。このため、発注者において、市場における取引価格等を的確に反映した予定価格を適正に定めることが重要であります。 また、ダンピング受注が行われると、下請企業、
現場
の技能
労働者
へのしわ寄せによりまして、技能
労働者
等の就労
環境
が悪化するという
可能性
がございます。今回、低入札価格
調査
基準
の設定等のダンピング
対策
の強化を、この法改正ということの上で図ってまいりたいというふうに思っています。 これらの発注
関係
事務が適切に運用されるように、今後、国としてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
穀田恵二
71
○穀田
委員
法案では、発注者の責務の中に、基本理念にのっとりという項目が書いてはあるんですね。だけれ
ども
、少なくとも〇五年の当時、私は、こういうものを書くべきじゃないかと言ったわけですよね。やはり今回も、発注者の責務というところにはっきり書く必要がある、
労働
条件、
労働
環境
の改善の責務があるんだ、そういう具体的な項目を書かなきゃならぬ、そういうことが必ず必要だという時期が私はまた再び来ると思います。そのことを述べて、終わります。
梶山弘志
72
○
梶山委員長
これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
梶山弘志
73
○
梶山委員長
これより両案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、
内閣提出
、
参議院送付
、
建設業法等
の一部を改正する
法律案
について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
梶山弘志
74
○
梶山委員長
起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
梶山弘志
75
○
梶山委員長
ただいま議決いたしました
法律案
に対し、望月義夫君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の五会派共同
提案
による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。
泉健太
君。
泉健太
76
○
泉委員
ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。
建設業法等
の一部を改正する
法律案
に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。 一
建設
工事
の適正な
施工
とその中長期的な担い手
確保
を図るため、低入札価格
調査
制度などの導入が進んでいない市町村において導入を促進することなどのダンピング受注
対策
の更なる強化を図ること。 二
公共工事
設計労務単価の引上げが一次下請以下の全ての
建設
労働者
の賃金上昇につながるよう、賃金の支払い
状況
の把握を含め所要の
対策
を講ずるとともに、最近の技能
労働者
の不足等の市場
実態
を反映した
公共工事
設計労務単価の適宜適切な見直しを行うこと。 三
建設業
許可
に係る
業種区分
の見直しによって新設される
解体工事
業の
許可
に当たっては、混乱のないように円滑な施行に努めるとともに、
解体工事
に伴う重大
事故
が絶えないことに鑑み、公衆
災害
の
防止
に万全を期すこと。 四
公共工事
における
施工
体制台帳の作成及び提出の義務付けに当たっては、一次下請以下の
施工
体制の的確な把握により、手抜き
工事
や不当な中間搾取などの
防止
、安全な
労働
環境
の
確保
などの適切な
施工
体制の確立を図ること。 五
建設
労働者
の社会保険の加入が早急かつ確実に実現されるよう、適正な額の請負代金での下請契約の締結を含め指導監督を強化するとともに、所要の
対策
を講ずること。 以上であります。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
梶山弘志
77
○
梶山委員長
これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
梶山弘志
78
○
梶山委員長
起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、
国土交通大臣
から発言を求められておりますので、これを許します。
国土交通大臣
太田
昭宏君。
太田昭宏
79
○
太田国務大臣
建設業法等
の一部を改正する
法律案
につきましては、本
委員
会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における
委員
各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、
委員長
を初め
理事
の皆様、また
委員
の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。 まことにありがとうございました。(拍手) ―――――――――――――
梶山弘志
80
○
梶山委員長
次に、
内閣提出
、
参議院送付
、
建築基準法
の一部を改正する
法律案
について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
梶山弘志
81
○
梶山委員長
起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
梶山弘志
82
○
梶山委員長
ただいま議決いたしました
法律案
に対し、望月義夫君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の五会派共同
提案
による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。
泉健太
君。
泉健太
83
○
泉委員
ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。
建築基準法
の一部を改正する
法律案
に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。 一 木造建築関連
基準
の見直しにより、国産木材の利用促進や十分な
安全性
が
確保
された大規模な木造建築物の一層の普及が図られるよう、地方公共
団体
や
関係
団体
等と連携し、改正内容等の周知に万全を期すこと。また、伝統的工法による木造建築物についても
一般
的に建築が可能となるよう、
基準
の策定等に向けた
検討
を行うこと。 二 構造計算適合性判定の申請が建築主による直接申請になることに伴い、その
必要性
等の判断や申請手続等に支障が生じることのないよう、建築主等に向けた十分な
情報
提供や相談体制の整備について地方公共
団体
に対し助言を行うこと。 三 本法による定期
調査
・検査報告制度の見直しに合わせ、
調査
・検査結果の報告率の一層の向上が図られるよう、地方公共
団体
等と連携し、適切な施策を講じること。 四 高齢者等の入居する施設等において火災に対する十分な
安全性
の
確保
が図られるよう、本法により強化される防火設備等に対する定期検査の確実な実施及び報告結果を踏まえた適切な是正指導等の実施について地方公共
団体
に対し助言を行うこと。 五 建築物やエレベーター等の建築設備に関する
事故
等の
発生
に際しては、本法により創設される
調査
権限を十分活用し、地方公共
団体
や
関係
団体
等と連携して、迅速な原因解明や
対策
の実施に努めること。また、国における建築物等の
事故
等に対する
調査
体制の充実に努めること。 六 建築物における省エネルギー化を抜本的に進める
観点
からの
基準
の見直し、人の健康に悪影響を与えるおそれのある建築
材料
の使用抑制など、
基準
の在り方について幅広い
観点
から
検討
を行うこと。また、既存建築物の長寿命化のための新たな設備の付加や減築に関わる技術指針を示し、
基準
の在り方について
検討
すること。 以上であります。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願いいたします。
梶山弘志
84
○
梶山委員長
これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
梶山弘志
85
○
梶山委員長
起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、
国土交通大臣
から発言を求められておりますので、これを許します。
国土交通大臣
太田
昭宏君。
太田昭宏
86
○
太田国務大臣
建築基準法
の一部を改正する
法律案
につきましては、本
委員
会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における
委員
各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、
委員長
を初め
理事
の皆様、また
委員
の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。 まことにありがとうございました。(拍手) ―――――――――――――
梶山弘志
87
○
梶山委員長
お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両
法律案
に関する
委員
会報告書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
梶山弘志
88
○
梶山委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
梶山弘志
89
○
梶山委員長
次に、
参議院提出
、
公共工事
の
品質確保
の促進に関する
法律
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。
参議院国土交通委員長
藤本祐司君。 ―――――――――――――
公共工事
の
品質確保
の促進に関する
法律
の一部を改正する
法律案
〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
藤本祐司
90
○藤本
参議院議員
ただいま議題となりました
公共工事
の
品質確保
の促進に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
建設
産業においては、近年の
建設
投資の急激な減少や受注競争の激化により、いわゆるダンピング受注などが生じています。そのため、地域の
建設
企業の疲弊、下請企業へのしわ寄せ、
現場
の技能
労働者
等の賃金の低下を初めとする就労
環境
の悪化に伴う若手入職者の減少、さらには、
建設
生産を支える技術、技能が承継されないという深刻な問題が
発生
しています。このような
状況
のもと、今後、
公共工事
の
品質確保
の担い手や将来にわたる
公共工事
の品質の
確保
に大きな懸念が生じています。既に地域においては、
災害
対応を含む地域の維持管理を担う
建設業
者が不足し、地域の安全、安心の維持に支障が生じていることが
指摘
されています。 また、
公共工事
の発注者側においても、発注
関係
事務に携わる職員が年々減少し、一部の発注者においては、発注
関係
事務を適切に実施できていないのではないかとの懸念も生じています。 さらに、現在の入札契約方式が、時代のニーズや政策目的に対応し切れていないこと、民間の技術やノウハウを必ずしも最大限活用できていないこと、受注競争の激化による地域の
建設
産業の疲弊や担い手不足等の構造的な問題に十分な対応ができていないことなどの課題が
指摘
されています。 本
法律案
は、東日本大震災からの一日も早い復興、防災・減災、インフラの適切な維持管理などの重要性が増す中、これらの課題に対応するため、所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、目的規定において、
公共工事
の
品質確保
の担い手の中長期的な育成及び
確保
の促進について明記するとともに、将来の
公共工事
の
品質確保
の促進を図ることを明記することとしています。 第二に、基本理念において、
施工
技術の維持向上及びそれを有する者の中長期的な育成及び
確保
、完成後の適切な維持管理、地域の担い手の育成及び
確保
への配慮、ダンピング受注の
防止
、適正な額での契約の締結と
公共工事
に従事する者の
労働
環境
の改善への配慮、点検、診断を含む
調査
設計の
品質確保
などについて明記することとしています。 第三に、発注者の責務として、担い手の中長期的な育成及び
確保
に配慮しつつ、予定価格の適正な設定、不調、不落による再度入札等の場合の速やかな契約の締結、ダンピング受注の
防止
措置、計画的な発注及び適切な
工期
の設定を行うことなどについて定めることとしています。 第四に、受注者の責務として、現在及び将来の
公共工事
の適正な実施のために必要な技術的能力の向上、技能
労働者
等の育成及び
確保
と
労働
環境
の改善、適正な額での下請契約の締結に努めることを定めることとしています。 第五に、発注者は、競争参加者の中長期的な技術的能力の
確保
に関する審査等に努めるとともに、段階的選抜方式、技術
提案
の審査及び価格等の交渉による方式、複数年契約や共同受注など地域における社会資本の維持管理に資する方式など、多様な入札契約方法の中から適切な方法を選択することができることとしています。 第六に、国と地方公共
団体
は連携協力することとし、国は、発注者を支援するため、地方公共
団体
や民間
事業者
等の
意見
を聞いて、発注
関係
事務の運用に関する指針を定めるものとするとともに、地方公共
団体
が講ずる施策に関し、必要な援助を行うよう努めなければならないこととしています。 第七に、
調査
及び設計の発注者は、
公共工事
に準じ、その品質の
確保
に努めなければならないこととするとともに、国は、
調査
及び設計に関し、これらに係る資格等の評価のあり方などを
検討
し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとしています。 以上が、本
法律案
の趣旨及び内容の概要であります。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願いいたします。
梶山弘志
91
○
梶山委員長
これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
梶山弘志
92
○
梶山委員長
本案につきましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
参議院提出
、
公共工事
の
品質確保
の促進に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
梶山弘志
93
○
梶山委員長
起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
梶山弘志
94
○
梶山委員長
ただいま議決いたしました
法律案
に対し、望月義夫君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の五会派共同
提案
による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。寺島義幸君。
寺島義幸
95
○寺島
委員
ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。
公共工事
の
品質確保
の促進に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。 一 発注者の予定価格の設定に当たっては、経済社会情勢の変化の反映、
公共工事
に従事する者の
労働
環境
の改善、
公共工事
の
品質確保
の担い手が中長期的に育成され及び
確保
されるための適正な利潤の
確保
という目的を超えた不当な引上げが行われないよう、
関係
機関にその趣旨を徹底すること。 二
公共工事
の入札不調等の
発生
の増加に鑑み、予定価格と実勢価格の乖離の
対策
として、本法に基づく見積徴収方式が発注者において活用されるよう促進するとともに、見積価格の妥当性を適切に
確認
し、適正な予定価格の設定を図ること。 三 多様な入札及び契約の方法の導入に当たっては、談合などの弊害が生ずることのないよう、その
防止
について十分配慮するとともに、入札契約における透明性、公正性、必要かつ十分な競争性を
確保
するなど必要な措置を講ずること。 四 段階的選抜方式の実施に当たっては、恣意的な選抜が行われることのないよう、案件ごとに事前明示された
基準
にのっとり、透明性をもって選抜を行うこと等その運用について十分な配慮を行うこと。 五 発注者を含む
関係者
が連携し、
公共工事
の受注者が、適正な額の請負代金での下請契約の締結、
公共工事
の適正な実施のために必要な技術的能力の向上、
技術者
、技能
労働者
等の育成及び
確保
、これらの者に係る賃金その他の
労働
条件、安全衛生その他の
労働
環境
の改善に努めるよう適切な措置が講じられること。 以上であります。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
梶山弘志
96
○
梶山委員長
これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
梶山弘志
97
○
梶山委員長
起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、
国土交通大臣
から発言を求められておりますので、これを許します。
国土交通大臣
太田
昭宏君。
太田昭宏
98
○
太田国務大臣
ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。 ―――――――――――――
梶山弘志
99
○
梶山委員長
お諮りいたします。 ただいま議決いたしました
法律案
に関する
委員
会報告書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
梶山弘志
100
○
梶山委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
梶山弘志
101
○
梶山委員長
次回は、来る三十日金曜日午前八時五十分
理事
会、午前九時
委員
会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十分散会