○
若井委員 私も、例の
奄美の特措法の
議論の際に、島の方に勉強させていただきに参りました。もしかすると、
大臣と同じ女性に会っているかもしれません。この方は、要するに
ITの
仕事をよい環境のところでしたいということで、
奄美大島の、それも
大変外れの田舎でそういう
仕事をしている人ですが、その方が大変におもしろい
お話をしてくれました。
どこでも
ITの
仕事はできる。私は
日本じゅうにそういう
顧客がいて、それで今の
暮らしが成り立っている。だが、今の関心は私はそこにはありません、こういうことでした。
この
ネットワークを使って別のことができるんじゃないかと思い始めている。それは何かというと、
奄美大島でなければつくれない
種類の
蜂蜜がある。つまり、あそこにしか生えていない
種類の植物があって、それを
ベースにした
蜂蜜を
近所が生産している。しかし、今まで店頭に並べても
お客が全然来ない。要するに、
奄美大島だけでそんなものが成り立つ、そういう
マーケットにはなっていない。しかし、これを一旦
ネット通販の上に載せると、これがとんでもないことになって、もう
日本じゅう、見えないところにたくさんの
顧客がいて、その
方々から注文がどんどん集まってくる、だから、むしろ、地元の
集落の
方々にそれをどうやってつくっていただくかということが、今、私の
課題になってきている、こういう
お話を聞きました。
私は、ですから、恐らく、この
ダイバーシティーというところでおっしゃっている
位置とか比較優位というのは、実はそのことを言っているんじゃないかというふうに思うんですよね。そういうふうに、
全国にあって、散らばっていて、まさに、集積していなければ成り立たない
マーケットではなくて、広く分散をしているけれども、それが
ITでつながっており、あるいは、今でいうと
宅急便だと思うんですが、そうしたものでつながっている。だから、
宅急便の
値段、船で運ぶ
値段を安くしてちょうだいねという陳情を受けましたけれども、まさにそういう
ベースをつくっていくということによって、この小さい、
地方に分散しているコミュニティーを生かしていけるんじゃないか。そのことを、ぜひ今回は、この
グランドデザインの中で大きく提起していただきたい、そんなことで、きょうはこの
質問をさせていただきました。
「中
山間地域は
規模が小さいため
住民が共同して
工夫すれば何とかなるが、」という
記述があるんですが、どういう
工夫をして、どう何とかなるのかということは書いてありません。しかし、そのことをもう少しこれから掘り下げていくことによって、私は、
国土の九割を占めるかもしれない、この青い点がドットしてある
地域を活性化することができるのではないか、そんなふうに思うわけであります。
この話はまだまだこれからも重ねて申し上げたいんですが、時間もありますので、
国土政策に関連して、
幾つかこのほかにおもしろいことを見てまいりましたので、そのことについて、ぜひ教えていただきたい。
資料の二であります。
先般、五月の十一日に、JR北海道の
江差線という
鉄道が
廃止になりました。まさにローカルな、右の下に
輸送密度の推移が書いてありますけれども、
お客さんの乗らない、ある
意味でいうと、経営が大変に厳しい
鉄道だったんですけれども、これがとうとう
廃止になりました。その一方で、この
鉄道の起点であります木古内というところでは、今、
北海道新幹線の新しい駅舎がどんどん
整備をされているという
状況です。
北海道新幹線は、来年度中には新函館まで開通をし、
東京から線路で結ばれる、こういう
状況の中にあって、一方では、この
江差線という
鉄道が
廃止になっていっている。私は、
新幹線ができれば、この
江差線を
ベースにして、もう一回別の
使い方ができたのではないかというふうに想像もしたりしております。
JR九州などでは、
新幹線ができた以後、非常に活性化をしているローカル線のケースも少なくありません。
この
江差線の
鉄道の
廃止問題、この間の経緯、それから、これが
廃止された後のこの
地域の展望、この辺について、
鉄道局の方から御
説明いただければありがたいです。