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伊藤(渉)
委員 では、最後の
質問をさせていただきます。
きょうは日経新聞電子版のコピーを資料として配付させていただきましたが、いわゆる日本で唯一の
財政再建団体であり、私ども
公明党も、総務部会の方で現地に訪問をし、鈴木市長に直接伺ってきたこともございます。この方が
まちづくりについて触れられておりますので、これを少し御紹介させていただきたいと思います。
人口減少に対応した
まちづくりの計画。「市長に就任してすぐ、私は
人口減少に対応した
コンパクトシティーを進める計画を策定しました。これは、今後二十年で夕張の
人口が半減することを前提とした
全国初のプランです。」
ちょっと、線が引いてあるところが、資料では何となくグレーでわかると思うのですが、一ページ目の下に飛びまして、「「
全国初のプラン」と書きましたが、
人口減少社会に突入している今日において、なぜ今まで、どこの
地域でも作られてこなかったのでしょうか。」
次に行きまして、「人気投票、すなわち選挙で落ちてしまうからです。」まあ、この辺はいろいろ意見があると思いますが。「多くの
住民が市長にやってほしいことは、
人口が増えるような対策をすることです。企業を誘致し、
観光に力を入れ、定住
人口と交流
人口を増やしてください。夕張であれば、最盛期の
人口十二万の頃に戻してください、という願いがある」、これも事実だと思います。
「ところが、逆に
人口は半減しますよ、申し訳ないけどあなたの住んでいるところはなくなってしまうのでこっちへ引っ越してください」と。「そうすると、あなたにそんなことはお願いしていません、それよりも
人口が増えるように努力しなさい。もしくは、
自分の住んできた場所がなくなるってどういうことですか、と責められてしまいます。」
時間が来ましたので、ずっと飛ばしまして、四ページ目ぐらいに、「
住民移転、「総論」では賛成でも各論になると「反対」」というところがあって、「大半の人は「夕張を次の世代につなぐため、市街地を集約し効率化を図る」という「総論」には賛成してくれます。ところが、「それでは、あなたの住んでいる場所が移転の対象なので、引っ越しをお願いします」と各論になると「俺の住んでいる
地域だなんて」と反対になる。」
また二枚ほどめくっていただいて、「感情がとても大切」というところがありまして、「移転を進めるにあたって、忘れてはいけない一番大切なことは「感情」です。四十年前に建てられた
老朽化した
住宅に住んでいる人に対して、「バリアフリーでピカピカの家を用意したので移ってください。十四万円の移転補償も出ます」などと言ったら、もしかしたら「それは良い条件だね」と思う人もいるかもしれません。けれど、例えば市営
住宅で一人暮らしをしている高齢の女性に移転をお願いすることになったとしましょう。話を聞いてみると、彼女はかつて炭鉱で起きた事故で夫を亡くし、厳しい経済
状況のなかで息子や娘を育て、札幌に送り出し、いま一人で暮らしている。長く住んでいるので、家族との思い出が部屋にたくさん残っている。「私も年を取ってあと少しで夫のもとへ行ける。私が亡くなるまではここで過ごさせてほしいんです。あと何年生きるかわからない、そんな私から思い出の場所まで奪うのですか」この気持ちに対して「十四万円払うんだし、きれいな家なんだし我慢して移動しなさい」と簡単に言い放つことがどうしてできるでしょうか。」
最後に、一番下のところで、「以前、
国土交通省の審議官の方が、「夕張のマスタープランについて知りたい」と来道されたことがありました。私は「私の説明を聞くより、市職員とともに現場へ行き直接交渉を見た方が厳しさはわかりますよ」とお伝えしました。移転は、机の上でやるパズルではないのです。三人いれば三人のそれぞれの思い、人生があります。この「思い」があることを、まずは制度を作る皆さんにも分かってほしい。心からそう願っています。」というような記事でしたので、少し紹介をさせていただきました。
大臣に、御
決意も含めて最後にお伺いをしたいと思いますが、今これから国が取り組もうとしていることは、
人口減少社会の中で
都市が活力を失わないために、何としても実現をしていかなければならない大きな取り組みでございます。一方で、そこには一人一人住まう人のドラマもあり、簡単なことではない。そういう
意味では、きめ細かな対応を、国がリーダーシップをとって実現していかなければならない大きな
国土交通行政の
課題でございます。
大臣の実現に向けての御
決意をお伺いして、私の
質問を終わります。