○清水(鴻)
委員 日本維新の会の
清水鴻一郎です。
きょうは、まず、いよいよ先日からの
医療介護の
法案ですね、十九
法案。本
会議でも申し上げましたけれども、どれも、
一つ一つ見ても、この間の難病の
法案と同じぐらい重い
法案がいっぱい並んでいて、十九を一遍にやるのかと。少し趣旨の違うものも含めて、これからの日本の社会保障、特に
医療、
介護を見詰めるにしては、ちょっと余りにも多い、てんこ盛りの
法案ということで、本
会議でも申し上げたとおりでございます。
だから、
一つ一つ、本来は丁寧にやって、将来に禍根を残さないようにするためにも、審議時間も十分とって、場合によっては、やはりこれは分割しないとできないような
法案もあるのかなというふうに感じている次第であります。
この間ももう申し上げたとおりでありますから、これ以上重ねて言いませんけれども、ぜひ、地方公聴会も早々とセットされるようでありますけれども、まだこの
委員会ででも、十九の
法案をそれぞれにちゃんと丁寧にやるとすれば、十分な時間をとってやっていきたい。
そして、将来に禍根を残して、また、以前あったように、五年か六年で、これはまた多過ぎた、少な過ぎたということで、
病院の開廃をしたり、方向を変える。もちろん、
医療機関や
現場の人間も当然そうでありますけれども、そのたびに
患者さんたちも、
自分たちが今入院している
介護療養病床がなくなるのか、
介護難民になるのか、そういうことも含めて大変御心配をなさる。
そういうことでありますから、今回は、ぜひ、そんなことのないようにしっかりと審議をしていただいて、そして、間違いのない方向性を定めていきたいなというふうに思っている次第でございます。
きょうは、
資料には示しませんけれども、まず、日本のこれからの将来を本当にどうしていくのか。
今、日本の総人口は、二〇〇八年の十二月をピークにして減少傾向にある。二〇一三年の四月一日現在で一億二千七百三十五万人。二〇六〇年には、総人口は約八千七百万人。推計でありますから、もちろん高位推計、低位推計ありますけれども、一番中位の推計でも、二〇六〇年には、今からもう四十五年後には八千七百万人になるだろう。そして、二・五人に一人が六十五歳以上になる、超高齢社会が到来すると予測されているわけですね。
だから、これは必ずしも、今の二〇二五年問題、団塊の世代の方たちが、私も含めてそうなんですけれども、七十五歳の後期
高齢者になる、そこを乗り切ればということではなくて、これからも、人口は減るけれども、高齢化率、つまり
高齢者の比率は一層高まる、そういうことであります。
そういう中で、お配りしました
資料一でありますけれども、社会保障の給付費というのはやはりどんどん上がっている。今、これはもう百十兆を超えたということであります。国民所得からいうと約三一%に達している。
厚生労働省の
資料をそのまま使わせていただきました。こういう状況にある。
さらに、その次の
資料二を見ていただきますと、これも、財務省の出しておられる
資料をそのまま使わせていただきました。国際比較でありますけれども、日本の国民
負担率というのは、国民所得比で今四一・六%まで来た。そういう中で、もちろん、これがどうかといいますと、ヨーロッパ先進諸国から比べれば、まだ
負担率は若干、そういう
意味では少ないかもしれない。しかし、実際の潜在的な国民
負担率というのは、実はもう五一・九、つまり五二%まで達しているわけであります。
この中でも、見ると、いろいろな
負担の仕方があるんですけれども、日本の場合は決して、いわゆる直接的な社会保障
負担率というのはそんなに低くないんですよね。結構、やはりそういう目的のための
負担はしている。
例えば、アメリカは特別な国ですから違いますけれども、社会保障
負担率ということでいえば、イギリスの一〇・七とか、あるいはドイツでも二一・七、スウェーデンなんかは逆に一〇・七。だから、我々日本も、ある
意味で社会保障のための
負担というのは十分、まあ、十分ではないかもしれませんけれども、それなりにしている。あとは、税がどこまで社会保障等に向けられるのかということになるかと思います。
こういう数字を見て、日本がこれから超高齢社会を迎えるに当たって、今、消費税がまさにこの四月から五%が八%に上がりました。しかし、もちろん社会保障に全てを使うということでありますけれども、現実的には、日本が今抱える財政の
負担というものがありますので、財政健全化に向けても使われていく。一〇%になった予測でも、いわばかなりの
部分は、実際に現実的に今の社会保障がよくなるというよりは、やはり財政健全化のために多くが使われていくという現実があるわけであります。
そして、その
資料の三ページを見ていただきますと、
医療費の動向でありますけれども、
医療費というのはもちろん伸び続けています。これはもちろん、一番の原因は、二つあるというふうに僕自身は思っています。
一つは、やはり
医療のイノベーションだと思います。
私が大学を卒業した昭和四十八年のときは、実はCTもMRIもない。私は脳神経外科の医者ですけれども、頭の中がしっかり見えるという状況ではない間接的なデータ、いわば検査で、どこに脳腫瘍がある、あるいはどこに出血があるんだということを想定して
手術をしていた時代から、ちょうど私が研修医を終わった昭和五十年ぐらいから、CTが初めてイギリスのEMI社で開発されて、今から思えば粗い画像でありましたけれども、当時はもうびっくりしました、頭の中が見える、本当に革命的なことだなと。
それからどんどん改良されて、さらにはMRIが出て、脳溝、いわゆる脳のしわ、それまでが見える、どこに何センチの腫瘍がある、そこまでわかるようになってきた。これは大変ありがたいことだし、
患者さんの苦痛も、一々血管撮影をしなくても、そういう病態がはっきりする。そして、
医療もどんどんそれに向けて、マイクロサージェリー、いわゆる顕微鏡で
手術をするというようなことも発達してきて、内視鏡も発達してきました。
だけれども、そのためにはやはり大きなイノベーションの費用がかかっている。
では、MRIの機械を一億円で買いました、何年使えるか。十年、二十年使えないんですね。せいぜい五年か六年。今、皆様が携帯電話をお持ちになっていると思いますけれども、五年前、六年前の携帯ではかなり機能が古い。どんどん技術革新していく、画像もよくなる。だけれども、その機械はますます高くなる。
そういう中で、どうしても、
患者さんの苦痛やあるいは命を長らえるためには大いに貢献はしているけれども、
医療費はかかってしまう。だけれども、人間の一番の願いであります、苦痛がない、痛みがない、そして命を大切にする、健康を維持するというためには、これは必要不可欠な費用だと私は思います。
さらにもう
一つは、そのおかげでありますけれども、結果としてやはり高齢になる、高齢化率が高まる、長生きできる。
がんになる前に、前は脳卒中で亡くなっていた方が、血圧のコントロールがうまくいく、そのために長生きをされる、そうすると
がんが発生する。つまり、二人に一人は
がんに罹患する、そういう時代にもなってきました。これまた費用がかかる話であります。
だから、ある
意味で、しかし何が大切か。今、
医療費抑制というのはよく言われますけれども、しかし、本当に一番人間にとって大事なのは何だろう。
もちろん道路が立派になることも大切でありますし、それもある
意味では、アクセスで、遠い村の方がいい道路を通って救急
病院に早く運ばれる、これは命のための道路だということはもちろん言えると思います。だから、何がとは難しい問題でありますけれども、しかしながら、やはり
医療やそして人間の尊厳を守る
介護、そういうものに費用をかけることを渋っては、あるいはそこを抑制しては、本当の先進国、あるいは文明国としての
現状はないのではないかという私自身の思いはあります。
その中で、
医療費が、今ここでは、直接的な
医療費は八・二%まで来ました。総保健
医療支出の対GDP比というのも
参考として出ていますけれども、これはどこまでが含まれているのか、ちょっとお聞きしたいなと思います。その次のページの国際比較を見てみますと、これだけ日本は、ある
意味で皆保険
制度で、どんな皆様にも日本のいわば今できる最高の
医療を
提供できる、世界に冠たる皆保険
制度を守りながら、この
資料でも、今、OECDの中で十二番目ということになっています。
でも、九・六%というのは、この
参考資料の方のデータがここに書かれているんですけれども、現実に国際比較している
医療費、総
医療費のあれは、むしろ八・二%を引用すべきではないのかなというふうに思うんですよね。そうすると、今度は、ずっと来ると二十四番目、つまり、スロベニアの八・九%、スロバキアの七・九の間ぐらいが実際の日本の現実的な
医療費じゃないのかなというふうに思います。
どちらにしても、中位もしくはそれほど費用をかけない中で、今、日本の
医療は随分いい
医療を頑張っている。だけれども、これがいつまで続くかということについては、大変厳しいものがあるだろうというふうに思います。
八%に今消費税が上がった、そしてこの後一〇%を見据えているわけでありますけれども、
田村大臣におかれましては、今後の社会保障の中で
医療、
介護の先行きについて、どんなふうに未来を見通しておられるか、ちょっとお聞きしたいと思います。