○
中根(康)
委員 今の
大臣の御
答弁は、私は、
大臣の苦しいお立場の中での本音がかいま見えた、本音というか本当の気持ちがかいま見えたような気がいたします。本当はというふうに強調しておられたわけでありますし、お互いに我慢し合いながらというようなことでありますけれども、本当はというところでいえば、これは、担当の局長さんであっても、あるいは課長さんであっても、そういう
厚生労働省の担当の職員の
皆様方の方が、むしろ我々よりも場合によっては
当事者の
方々から切実な声を聞いておられる、受けとめておられるというふうに思います。
ですから、本当は救いたいんだ、だから、それは役所だけではできない、例えば、財務省がお金をつけない、ほかの
制度との公平性だということを言い張るのであれば、そこは
大臣が
政治家として闘ってもらいたいと局長さんや課長さんだって本当は思っておられるんじゃないかと私は推測をいたします。
お互いに我慢をし合ってということでいえば、
政治家が、あるいは行政が我慢をするのは、これはしなきゃいけないと思います。例えば、月額千円の負担で千人の
人工呼吸器をつけた
方々の負担を計算すれば、年間で一千万円ちょっと。これは、
国会議員を一人減らせば、
厚労省の役人一人減らせば、全くそれとイコールとは言いませんけれども、
考え方、物の見方としてそういう額であるわけであります。
そのことによって救える命があるとするならば、そのことを理由に
国会議員の定数を削減したっていいじゃないですか。
大臣にここで闘ってもらうということを国民は期待しているし、私は、
厚労省の職員の
皆さんだって、
大臣はまさに我々よりももっとこの厚労分野で働いてきた、活躍してきた経歴の長い
大臣なわけでありますので、そこを、財務省と闘ってもらえるということを期待しての一年半ということであったんだろうと思います。
次に、これまでの
答弁でも、根治に至る新薬の開発はそう簡単にはいかない、今も
大臣は、ここが大事なところだし、そこにこれから力を注いでいくというような御
答弁もあったわけでありますけれども、それぞれの
難病ごとの
専門医を養成することも実際にはかなり難しい、容易なことではないというふうに思います。
その
意味でも、
難病患者さんの生活の支援を
医療だけではなく
介護や福祉の観点から行うということが、これまでも多くの
議員からたびたび指摘をされてまいりましたが、極めて重要だということは明らかであります。しかし、法案は必ずしもそうはなっておりません。
資料四を御参照いただければと思います。神経
難病ジストニアの方から教えていただいたものでありますけれども、「
患者の悩みは?」というところで線が引っ張ってあるところをごらんいただければいいわけなんですが、神経
難病ジストニアの
方々の生活ぶり、
医療以外にも、先ほどのALSの方と同じです、生活に大変さまざまな負担を強いられている。しかし、障害福祉サービスは利用できない。
また、例えば、これまでの話にもありましたけれども、慢性疲労症候群の方は、原因不明、治療法未確立、診断
基準はある。しかし、
患者数が〇・一%を超えるため
医療費助成は受けられないし、障害福祉サービスも利用できないという現状となっております。
資料五、二〇一一年改正の
障害者基本法では、「その他の心身の機能の障害」ということで、
難病の
方々が含まれることになりました。二〇一三年の
障害者総合支援法の成立で、
難病が障害福祉サービスの
対象となりました。ただし、このとき、今もそうなんですが、
難病ヘルパー
事業と同じ範囲ということで、百三十だけが
対象になっているということでございます。そして、今回は見直しを図り、
対象範囲を拡大する。
病気の人は
皆さんそうだと思いますけれども、特に
難病の方は、自力で病院に行くこと自体が大変な負担である。場合によっては、医者に行った後、寝込んでしまうということにもなりかねない。
日常生活の、入浴だとか、掃除だとか、洗濯とか、ごみ出しだとか、料理、こういう普通の家事でさえ、困難や苦痛を伴うこともある。
資料六、これは
前回も指摘をさせていただいて、
厚労省につくってもらったものでございますけれども、ここにありますように、
難病の方で
介護保険の要支援認定を受けている人もいらっしゃる。こういう
介護が必要な状況に備えて、これは
介護保険の話になりますけれども、
介護保険料を国民の
皆さんは払ってきたということでございます。
こういう
日常生活を支える要支援、ホームヘルプサービスなど、これを、保険料を納めてこられた国民の
皆様方の期待に反する形で保険の
対象外にしてしまう、いわゆる要支援切りが、今回の
介護保険の見直し法案の中で提示をされているわけでありますが、これは私は、国民との契約違反だと考えさせていただいております。特に
難病の
方々なんかはそうだと思いますが、専門的なケアが受けられるとして
介護保険料を払ってきた。しかし、それが受けられなくなる。特に
難病の
方々は、そういった病気を十分理解した上での専門的なケアが必要で、とてもボランティアの
方々では対応しかねるということになるんだろうと思います。
医療費助成がない人でも、せめて専門的で適切な福祉や
介護で対応してもらいたいと願っている国民の皆様に対して、
大臣はどうお考えになるかということでありますけれども、資料七、これは、今までの
大臣の御
答弁の議事録を添付させていただきました。
七の一のところで、
大臣は、まず、指定
難病、
難病指定されているもの、これと、今福祉サービスを受けられる範囲というものは、連動しているわけではありませんとお答えになっております。ただ、ただということで、その検討の過程において、指定
難病が決まれば、それを検討した上で福祉サービスの多寡といいますか
必要性、これに応じて受けられる範囲を決めていくわけでありますが、自動的に連動しているわけではありませんと、重ねて、連動しているわけではないということをまず御
答弁いただいております。
しかし、
質疑を重ねていくと、下の段の方になりますが、五十六
疾患、これを今回三百ぐらいに広げるわけですね、
医療支援という
意味からすると、これが決まることがまず前提です、やはり決まったものを見て、それから、どれぐらいのところなのかなということを検討するということでございますと、だんだん連動というトーンが強くなってきているわけであります。
七の二の方に行くと、客観的な診断
基準が確立されていませんと、そもそも
難病という中において範囲を決められませんから、それは絶対外せないわけでありますと。
その後は、診断
基準もない、しかし、どうも状態は不安定だ、これはサービスを受けざるを得ないというものは、さすがにこの範囲には入ってこれない、まずは客観的な診断
基準というものをしっかり確立していただいたものが
対象となるということになると。
下の段ですが、病名がなきゃ決まらない、そこは外せないわけでありまして、病名がなきゃ決まりませんが、その病名で決まった人の中で入る人と入らない人がいる、病名がないのに状態だけで入るということはまずあり得ないということでありまして、病名があった上で、その状態を見させていただいて、福祉サービスの範囲に入る、入らないということは決めるというようなことであります。
一番最初に聞いた
大臣の
答弁では、おっ、これは期待が持てるというふうに一瞬思ったわけでありますが、やはり
大臣の御
答弁は
医療費助成と福祉の
対象は連動するというもので、これはまさに
難病患者さんの実態に応えていないということだと思います。
資料八、これは新聞
記事になりますけれども、ここで線を引いたところをまたごらんいただければと思います。
障害者総合支援法は、今後、程度区分から支援区分へと見直されていくわけであります。つまりは
医療モデルから
社会モデルへと転換をして、年齢とか病態とか重篤度とか、こういったものにかかわらず支援の
必要性が
判断をされていくという方向に変わっていくわけでありますので、この
障害者総合支援法の見直しの方向性と、今回の
難病法案における福祉サービスの範囲ということに、すれ違いといいますかギャップが生じないようにしていただきたいと思います。
これは重ねてということになりますけれども、
難病の障害福祉サービスの利用できる
対象範囲というものは、病名にかかわらず、支援の
必要性に応じてその範囲を決めていくと御
答弁をいただくことはできませんでしょうか。