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黒木政府参考人 PAZ、UPZ、それぞれ英語の翻訳をいろいろ試みたんですけれども、ちょうどいい翻訳がありませんで、もうPAZ、UPZというふうに言いならわしておりますが、PAZの圏内というのは、基本的には、原子炉の要するにいろいろな事象の進展が急速に展開する場合に備えて、予防的にそこの
住民の方については即時
避難していただくといったような建前で設定しております。
したがいまして、そういうふうな緊急の迅速な要するに
避難を実現するため、即時
避難と言っておりますけれども、どうしてもその場合には、
原子力規制委員会が緊急事態と
判断した場合には、速やかに
避難を開始していただく。
また、
避難の
実施によりかえってリスクが高まるような要援護者の方については屋内退避の
実施を優先していただく、こういう建前ですけれども、そういった場合、やはりそういった速やかな
避難を実現するためには、あらかじめ、例えば病院に入院されている方でしたら、特定の病院にすぐに移れるような形で事前に一つ線を結んでおくといったような対応をいたしております。
そして、あと、そうではない在宅の方もいらっしゃいます。そういった人につきましては、当然のことながら、屋内退避施設でございますので、今、御予算をお認めいただきまして、いわゆる非常用というような形で、使えるような形で防護措置を施した施設がございますので、そちらに移っていただく。そして、ある程度
状況が整った段階で、そこからまた移っていただくことも考えるというふうな
状況を考えております。
全て、PAZについては今申しましたように、即時に移転しなきゃいけないというような事情があるからでございます。
UPZにつきましても、実は、一般の
避難される方についても、どこに逃げるのかということについては一応全て決めております。ただ、その中の、要するに今申し上げました病院に関しましてはいろいろな事情がございまして、それを果たして事前に全部決められるのかというのが一個あります。
もちろん、決めることも可能な部分もありましょうけれども、そもそも、UPZのうちどの部分が
避難するかというのは、今申し上げましたPAZとは違いまして、現実に屋内退避をしている、そしてプルームが通過する、通過した、そして沈着を起こす、そのときの要するにさまざまな空間線量をはかって、この部分はもうまずいね、二十マイクロシーベルトというふうな基準を立てておりますけれども、その部分については一時移転をしてもらう形になっておりますので、一帯、三十キロメートル圏内の全ての病院が移転するとか、そういう
状況では全くございません。
そういった中で、どこの病院が要するに行くかわからないというような
状況もございますので、そういったことを考えた場合には、発災後に、事前の計画に従って、いわゆるひもつけというんですけれども、どこの病院に行く、そういったことを決めていくことで足りるだろうというふうな
判断でございます。
繰り返しますけれども、UPZについては、今申し上げましたように、プルームの通過はとりあえず屋内退避で一回やり過ごすといったところが一番のコンセプトでございます。それから沈着を起こしてということになりますので、二十マイクロシーベルトを超える場合には、約一週間程度で
避難をしていただければと思います。
特に、病院に関しましては、
福島の反省がありまして、ばたばたと慌ててやると、いろいろなまたマイナスの作用がありますので、その点については気をつけてやっていかなきゃいけないということでございます。
以上でございます。