○今井
委員 そういう類いの
取り組みをされているのも承知しておりますけれども、人口移動を見ながら、またここのところは小まめにやっていただきたいと思うんですね。
今回の
予算を見ても、公共
事業の金額が、補正も入れるとかなりふえています。もちろん、地方の公共
事業、建設業界というのは雇用の大きな柱の
一つでありますから、そういう人たちを守るという意味で、しかも、今回、雪の被害もあったりして、やはりそういう意味においては建設業界というのは大事なんです。ただ、建設業界を維持することは大事ですけれども、実際にそこで雇用をふやしていくのは、もうこれからは限界があるんですね。
ですから、それはそれとしながらも、やはり新しい
産業をつくっていってもらわないと、どうしても公共
事業にかかわる雇用に依存して、地方がそこから脱却できないと、ますます地方は疲弊する。だから、私は、そこのところは大きく考え方を変えないと、道だけできて人がいなくなっちゃうということになりかねないという本当に危機感がありまして、ぜひまた議論させていただきたいんですが、そこのところをぜひこれからも御
認識いただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
次に、先ほど近藤
委員が少しお話をされていましたが、
日本の
産業構造について
大臣の御見解をいただきたいんです。
御案内のとおり、去年一年間で経常収支は三兆二千億という黒字でしたけれども、十年前は十八兆円黒字でありましたから、急激な減り方をしております。それで、ことし一月の貿易収支がこの間出ていました、二兆八千億円ぐらいの赤字でしたけれども。今のペースでいきますと、二〇一四年は経常収支が赤字になる
可能性が非常に高いです。
これは
予算委員会でもいろいろ議論がありまして、甘利
大臣も答弁されていましたけれども、
一つは、価格が向こうで下がっていない、つまりJカーブ効果がきいていないということなんです。でも、一年たっていますから、そういう意味においては、Jカーブ効果は半年ぐらいで起きるというのが今まで定説でしたので、それが依然として起きていないということは、これはもう少し分析する必要があると思っています。
みずほ総研がレポートを出していますけれども、みずほ総研が計算したら一年半ぐらいかかると。なので、Jカーブ効果はこれから出てくるという楽観的な見方も実はあるんですが、でも、ここの部分はこれからよく分析しておかないといけない。
もう
一つ、これはちょっと違和感がありまして、
海外の景気が余り伸びていないので伸びないんですとおっしゃっていました。ちょうど同じときに、黒田総裁も、そうなんです、東南アジアが伸びていないので、そこへの
輸出が伸びていないのでこういう現象が起きているというふうにおっしゃっていました。
東南アジアの成長率も確かに前年よりは多少落ちています。全体でいうと〇・二、三%ぐらい落ちていますが、成長率の幅でいったらほとんど同じなんですね。ですから、前年からそんなに大きく下がっているわけではありませんし、事前予想とも余り変わっていないんです。だから、それを伸びない理由にしてしまうのは、これはちょっと無理があります。
安倍総理が、参議院の本
会議の代表質問に対する討議で、この現象をどう思われますかと問われましたけれども、これは一時的な現象だと捉えているというふうにおっしゃられました。私は、この問題意識は、ちょっと危機感が弱過ぎるんじゃないかなと思っているんですね。
先ほど申し上げたように、十年前は十八兆円の経常収支の黒字でした。当時の為替レートは今よりも円安です。今、この一年間で円安になったことによって貿易収支が赤字になっていったということも言われていますけれども、もちろん
輸出の数量が余り伸びていないという問題もありますが、そもそもは、やはり
自動車なんかはもう三分の二が
海外でつくっているわけですね、こういう
産業構造に変わってしまったことによって、円安になればなるほど実は
日本は交易条件が悪くなるし、あるところから円安というのは
日本にとって非常に悪い効果を出してくる。
私は、ずっと為替相場をいじっていましたので、為替が
経済に与える影響というのはある程度わかっているつもりですけれども、ここまではいい影響でありましたが、恐らくここからは、この
産業構造を変えない限り、ここから極端な円安になっていきますと、
日本にとっては実はマイナスになるんじゃないかなと思っているんです。
さらにまずいと思っていますのは国債
市場なんですが、トレジャリーの話です。今
日本は、国債の消化が、
日本人の保有率が大体九割を超えていますし、日銀がほとんど買ってくれているので安泰であります。しかも、
日本はホームバイアスが強い国ですから、お金を国内で投資する、こういうこともありますけれども、もう
一つ、
日本の国債が安定している理由は、経常収支が黒字だからなんですよ。これで
日本の信用があって、国債というのは非常に安定しているわけです。
ですから、これから経常収支が赤字になっていくということが常態化すると、
日本の国債
市場が壊れてしまうリスクが顕在化しかねないということになるんですね。これはマクロにとって非常に危険な状態でありまして、この状態は回避しなきゃいけないと思っているんです。済みません、僕ばかりしゃべっていて。自分の問題意識なんですけれども。
そうすると、今後、景気が落ちたときに、景気を浮揚させようと思ってさらなる金融政策に頼ると、円安が
加速して、しかも最終的には国債
市場に影響を及ぼすということが回り回って起きかねないというふうに思っていまして、だからこそ、ここからは余り金融政策に頼るべきではないというふうに考えておるんですね。
この辺も含めて、今の
日本の
産業構造、それと為替相場が
日本に与える影響、今後円安になっていくことへの懸念。この辺について
大臣はどうお考えか、お答えをいただきたいと思います。