○松本(剛)
委員 よろしく
お願いをいたします。
御通告を申し上げておりませんが、
大臣、昨日あった
拉致問題について、中身については、私もお聞きをしたいことは先ほど玄葉
委員からありましたので、
お願いだけしておきたいと思います。
何人かのスタッフは、私のときから部下であった者も含めて、大きな
努力をして、
一つのステップを上がったんだろうというふうに思いますが、御家族の
方々の思いなどを思えば、ぜひ大きな前進をかち取っていただきたいというふうに思いますし、このことは、党派を超えて、全ての人の一致する思いでもあると思います。受けとめる重みは大変大きいと思いますが、御尽力をいただきますように、冒頭に
お願いを申し上げておきたいと思います。
それでは、
安全保障の
議論に入りたいと思いますが、ここまでの当
委員会そして各
委員会での
議論を聞いている中で、ぜひ丁寧な
議論を
お願いいたしたいというふうに思っております。
今回は、幾つかの事例が挙げられて、こういった事例にどう対処するのかという形で
議論が行われてきているわけでありますが、やはり
国民にとっても、その事例というのはどんな事例なのか、今、玄葉さんからも、なかなか外交上のこともあって、特定の国を挙げるわけにはいかないとはいいながら、そこは丁寧にぜひ説明をしていただきたいと思います。
委員会などでも、こういった事例が本当に起こるのかというような
議論が何度か行われているときに、大変残念ですが、
総理初め
政府の方から、では起こらないと言えるんですか、そういう切り返しをされることがよくありますが、それではなかなか
議論は建設的には進まないと思います。やはりこういうことが考えられるのではないかということを丁寧に説明をいただきたいというふうに思っております。
一昨日の予算
委員会だったかと思いますが、ではそういう事例は起こらないと言えるんですかと、正確な
文言はちょっと私も覚えていませんが、それでは危険な
状況が
発生をしたときに頭を砂に突っ込むダチョウのようではありませんかといったような表現があったように記憶をいたしておりますが、念のため申し上げておくと、ダチョウは大変耳がよくて、敵が近づくと頭を砂に突っ込むのは、むしろ
情報収集をするためだということもあります。
英語では確かにそういう言葉もあるようでありますが、私も大事な国だと思いますし、
内閣も大事な国だと思っているオーストラリアの国鳥はエミューというダチョウ科の鳥でもありますので、いわば余りこきおろすような表現をとらずに、丁寧に説明をしていただきたいと思うのがまずこの
議論の
一つであります。
二つ目は、ここでの御説明でも、
政府側から、今与党で
協議をしておりますというお話がよく出てまいります。与党で
協議をいただくのは、もちろん、政党政治、議院
内閣制ですから、ぜひ御
議論をいただいたらいいと思いますが、これだけ重要な話を、しかも国会という
国民の皆さんが聞いている場でされるわけですから、与党で
協議をされているので答えられませんという形は、やはりそれでは説明にならないのではないかというふうに思います。
ましてや、先ほども与党の側の方からもお話がありましたし、私は、きちっと
安全保障上の要請に応えるべきだという
立場から、しかし、
国民の皆さんの理解も必要だという
立場からあえて申し上げますが、
内閣だけで決めていいのかというような批判がある中で、さらに言うと、与党の
協議だけで決めていいのかという批判にもつながりかねないところがありますので、与党の
協議を理由にして説明を回避するということはぜひ避けていただきたいということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
その上で、きょうは、今皆さんのお手元にも資料を配らせていただきました。個別具体的な事例があって、それに
安全保障上の要請があって、これにどう応えるかという視点が必要だということは、当然、我々
国民の
生命財産を預かる者としては考えなければいけないところだと思います。同時に、これは
憲法にかかわることでありますから、
憲法の論理性、整合性との
関係が必要だというのが先ほどの
法制局長官のお話でもありましたし、法的安定性も含めて、このことも必要だということもよくわかります。
その
憲法の論理的、整合的な説明を、少しきょうは概念的な話になると思いますが、
議論をしていきたいと思っております。
先ほど、玄葉さんとの
議論でも、
議論の結論から言えば、結論が変わるなら当然今までの結論とは変わるんだ、そういう御説明でありましたが、スタートがもし一緒だとしても、結論が変わるなら、どこかでプロセスが変わらなければ当然結論は変わらないわけでありますから、どこでそういう
議論になったのかということをきちっと見る必要があると思っております。その意味では、私は幾つかの点で論理の組み立てを再
構築する必要があるところもあるのではないかなという視点でお話を申し上げていきたいと思います。
それからもう
一つ、同時に、この
委員会で私は何度かお聞きをさせていただきましたが、
国際法から見た視点ということもこの
議論をしていただくのに大変重要ではないかというふうに思っております。
当然、
国際法との
関係で整合的でなければいけないという法の
立場からもそうでありますし、また、政治的、外交的にも、例えば個別的
自衛権の範囲であるとか
集団的自衛権の範囲であるとか、
武力の行使に当たるとか当たらないとかいったものについても、
我が国の
解釈では
武力の行使に当たらないんだ、
我が国の
解釈ではこれは個別的
自衛権なんだ、こういうふうに言ったとしても、一般的に
国際法から見れば、いやいや、それは
集団的自衛権でしょう、いや、それは
武力の行使に当たるのではないですかと評価をされる。
それは、紛争当事国なのか、
関係国なのか、同盟国かも含めて、そこで理解がずれると、私たちはこう思っているのにということだけでは説明がつかなくなってくるわけですから、やはり
国際法との整合性ということもぜひお聞きをしていきたいというふうに思っております。
何度か
議論をさせていただきましたが、長官がかわられたもとでの新たな
法制局の体制ということなので、ちょっと念のため確認をしていきたいと思いますが、お手元に色刷りの表を配らせていただいたんですが、この箱のところで、
武力行使は
国際法上も禁じられている、そして、
我が国の
憲法も
武力の行使を認めていない。この青線で引いた大きな箱をイメージしてください。この境界線に何があるかということを
議論し出すと、またかなりいろいろ出てきますのであれですが。
しかし、
武力の行使は禁止されているけれども、この右下にあるように、
自衛権は、その中で、
国際法上は行使をすることができるというふうに、2の分野も3の分野も4の分野もできるというふうに考えられている。しかし、
我が国の
憲法では今のところはこの4しかできないというふうに考えているのが
我が国の今の
憲法解釈だというふうに私は理解をしております。
そこで、
法制局にお聞きをしたいと思うんですが、
我が国の
憲法では、前文、十三条を引かれて個別的
自衛権というのを認めているわけでありますが、十三条、前文を引いてきて、個別的
自衛権が認められるということはわかります。しかし、個別的
自衛権しか認められない。つまり、
憲法の要請からくる、前文、九条、十三条を総合的に考えて、この3と4の間に線があるんだとこれまで言ってこられました。しかし、ひょっとしたら、その線は2と3の間ではないのかというのが今研究をしていることではないかというふうに思うんです。
九条、十三条、前文を合わせて、なぜ3と4の個別的
自衛権しか認められないという論理になるのかということが、何度か私はここで
議論をさせていただきましたが、そこは、いやいや、もうそもそも
憲法は個別的
自衛権しか認めていないんだと論理の飛躍があるように私は思っているんですけれども、もう一度、
法制局の御説明をいただきたいと思います。