○真山
勇一君 みんなの党の真山
勇一です。よろしくお願いします。
私、この
法務委員会での仕事を始めてから感じていることがあるんです。それは、やはり社会がいろいろ変わってきたり、それから社会が求めていても、立法府がそれにこたえるような
法律の改正ですとか新しい
法律作るということがなかなか難しい、進まないというようなことを感じているわけです。ですから、もう既に時代遅れになってしまっていたり、あるいは憲法違反という判断が出ていてもなかなか変えていくまでに時間が掛かるなという、そういう思いがしております。もちろん、
法律を変えたり、作る、これはもう慎重にやっていかなければならないということもありますけれ
ども、やはり速やかに対応していくということは私たちの仕事ではないかというふうに思っているんですけれ
ども。
そんな中で、
交通事故関係のこの今回の
法案というんですが、多少、危険で重大な
事故が起きてからその後追いという感じも否めませんけれ
ども、でも、それでもやはり少しずつでもこうやって変えていくその
効果というか、成果を出しているというふうな感じが私はしております。それは、取りも直さず、やはり
交通事故ということは人の命にかかわること、命という問題があるので、そういう
観点からひとつやはり問題のあるところはどんどんどんどん改め、新しいものを作らなくちゃいけないということがあるでしょうし、それからもう一つは、愛する人を亡くしたその
家族の悲しみとか苦しみというものがやはり目の前にある。やっぱりこれを何とかしなくちゃいけないという思いというのもその法改正の大きな大きな原動力に私はなっているというふうに思います。
ちょっと私事なんですけれ
ども、実は
交通事故というと、私は現役の仕事をしていたときに巡り合った大きな
事故を思い出します。それは、一九九九年のあの東名高速の東京インターチェンジで、行楽、楽しい楽しい
家族旅行から帰ってきた一家の乗用車が渋滞で最後尾に止まっていたところへ後ろから来たトラックに追突されたと。そして燃え上がって、後ろの座席に幼い女の子二人いたんですけれ
ども、お父さん、お母さん、助けることもできず、何もできずにその場にいなければならなかったということ。そして、その現場には大量のお酒を飲んだトラックの
運転手がふらふらと歩いている姿、これたまたま偶然テレビクルーが取材をしておりまして、映像がありました。本当に衝撃的な映像だったと思います。私もそのニュースを伝えて、本当にこういう
事故が起きることが信じられないというふうに思いましたし、そして何よりもこの
事故の罪が業務上過失致死という、そういうことでしたね。
結局これが原因になって
交通関係のこの危険
運転罪というのが出てきたわけですけれ
ども、実はこの御
家族、井上さんとおっしゃいます。今日、傍聴に来ておられます。井上さん、お久しぶりでございます。
実は、この
事故現場には私は行けなかったけれ
ども、その後、千葉の井上さんのお宅をお訪ねして、二人の幼いお嬢さんを亡くしたそのときの苦しみ、そして悲しみというものを
お話を聞かせていただきました。本当にそのとき、井上さん、奥様、一緒に何とかこういう
交通の犠牲者を救ってほしいという、そういう思いがあったと思います。
私はやっぱりそういうことで、今回の
法律というのは非常にそういう
意味では
被害者の立場に立って改正が進められてきたというふうに私は認識をしています。ただ、残念ながら危険で重大な
交通事故というのはその後も起きていて、それに合わせてやっぱり
法律が変えてこられてきているということも、またそれも一つの評価するべきことであるというふうに思っています。
今回、この
法案で、一つ飲酒のところで、お酒を飲んだけれ
ども、
事故を起こしたとき、お酒を飲んでいることを少しでも隠すために現場から逃走してしまう、そして、さめたころ、あるいは少し何か飲んでアルコール濃度が薄くなったところで出てきて罪を認めるというふうなことがあって、その部分、つまりいわゆる逃げ得というふうな言葉で表現されておりますけれ
ども、そういうものをひとつ網をかぶせるということと、それから、これまで無
免許運転も、やはり一つは
免許を持っていないで
事故を起こしたのになぜこのぐらいの罪なんだろうか、このぐらいの犯罪なんだろうかということがありましたけれ
ども、これについても今回は網をかぶせてきているということだと思います。
伺いたいのは、まず、今回のこの
法案の意図するところによって、
飲酒運転による
事故のいわゆる現場から一回逃げてしまう逃げ得ということと、それから無
免許もこれも罪を重くしているわけですけれ
ども、この辺りで、やはりこれでこうした危険、重大な
事故を防ぐ
抑止力というのは出てくるのかどうか、この辺りの
効果というのをどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。