○有田芳生君 民主党の有田芳生です。
今日与えられた時間の中で、いわゆるヘイトスピーチ、差別扇動の問題と、さらには、今大きな政治問題にもなりつつある
特定秘密保護法案、この二つのテーマについてお聞きをしたいと思います。しかし、与えられた時間が三十分ですので、先ほど
小川委員に話をしまして十分更にいただけることになりましたので、そうはいっても四十分の時間の中で大きな二つのテーマをお聞きする、開高健の言い方で言えば悠々と急げというような気持ちでお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いします。
先日、新宿の駅を歩いておりましたら、女優の宮崎あおいさんの大きなポスターが張ってありました。非常に目立つポスターなんですけれ
ども、その横に文字が記されておりまして、何て書いてあるのかなと見ましたら、ヘイトスピーチって何ですかとありました。これはアパレルメーカーの宣伝なんですけれ
ども、そういう若い女優さん、若い
人たちに人気のある方を使ってヘイトスピーチって何と、そういう広告があったんですよね。
さらには、十一月の八日に締切りですけれ
ども、NHKが元AKB48のメンバーである篠田麻里子さん、篠田麻里子さんが番組を持っていらして、「麻里子さまのおりこうさま」というのがありまして、夜中に報じられている短い番組なんですけれ
ども、そこで今の日本
社会の中で様々な関心を呼んでいるテーマ、例えば和食とは何だというようなことが短い時間の中で報告をされるんですが、先ほど言いましたように、十一月八日締切りで視聴者の
方々から意見を下さいということで、これまたヘイトスピーチというテーマが取り上げられております。
このように、若い
人たちもこのヘイトスピーチ、差別扇動の問題についてやはり関心を持たなければいけない。NHKのこの番組は、
社会に出る前に一般常識として覚えておくテーマなんだと。そこで取り上げられているということは、非常に
意味があるだろうと私は判断をしました。
実は、
谷垣大臣も私にとっても思い出の青春の地である京都で昨日デモがありました。午後三時半に京都市
役所を出発して四条河原町、そして南座の前、そして八坂神社、円山公園、そしてまたUターンをして四条河原町から烏丸の方に向かっていったデモですが、そのデモが何だったかというと、司法による偏向判決を許すなと、自分
たちがやってきたのはヘイトスピーチではないんだと、そして昨日シュプレヒコールなんかを聞いておりましても、朝鮮人は出ていけ、こういうことを繰り返し繰り返し語っているデモでした。
何でこういうデモが昨日京都であったかというと、御承知のように、十月七日に京都地裁の判決がありました。この京都地裁の判決は何かといえば、振り返って二〇〇九年の十二月から翌年にかけて三回にわたって、在特会、在日特権を許さない市民の会というそのメンバーを
中心にして、京都朝鮮第一初級学校に対して、授業中であるにもかかわらず、この初級学校というのは幼稚園児から小学校の子供
たちが授業をやっているところに、大きなマイクを持って、非常に紹介するのもはばかられるような差別的な行為を行った。その判決が十月七日にありました。
大臣御承知のとおりのことで、彼らの行動については、人種差別撤廃条約に基づいて、著しく侮蔑的で人種差別に当たると。そういうことで、学校周辺の街宣
活動は禁止をされて、さらには、彼らに対して一千二百万円を超える賠償が求められました。
民事上の不法行為に当たると、そういう判決が出ました。
その翌日の十月八日、
大臣は会見の中で記者の
方々に質問をされたと思います。この十月八日というのは、十月七日に判決ですけど、十月七日の夕刊各紙見ましても、ヘイトスピーチは差別だと、これは朝日新聞の一面トップ記事、あるいは毎日新聞を始めとして各紙がその日の夕刊で大きく報じ、テレビでもトップニュースとして関西では報じられました。
翌日、東京な
ども含めて
全国各紙の社説を見ても、例えば毎日新聞、差別許さぬ当然の判決。あるいは東京新聞、言論の自由守るには、これは結果的に表現の自由を守ったんだという社説でした。あるいは朝日新聞、司法からの強い戒め。日本経済新聞、山下さんいらしたところですが、ヘイトスピーチいさめた判決と。産経新聞などにもそういう記事が出ました。あるいは地方紙なんかを見ますと、徳島新聞だと、ヘイトスピーチというのは言葉の暴力だから、それを断ち切ろうという社説。あるいは高知新聞、表現の自由を越えているなどなど、もう、やはりそういうことは日本
社会として、東京オリンピック迎えるんですからやめなければいけないんじゃないかというような論調が広がりました。
そこで
大臣にお聞きをしたいんですが、十月八日の記者会見の中で、この判決に直接触れられているわけではありませんけれ
ども、この間の一連の動きについて述べていらっしゃいましたが、今簡単に報告をしましたけれ
ども、そういう流れについて、
大臣、どのようにとらえていらっしゃるでしょうか。