○松沢成文君
政治参加教育の
重要性、
大臣も大変重く
認識しているということで、私も大変力強く思っています。
私もいろいろとこの問題興味を持ちまして、世界の国々調べてはいるんですけれども、
政治参加教育が最も進んだ国は恐らく中米のコスタリカだと思います。この国では大統領選挙四年に一回ありますけれども、ほとんどが、七〇%から八〇%行っています。
その最大の原因は、模擬投票にあるんですね。四年に一回の大統領選挙は、これもう全国民が
参加するんです。要するに、十八歳以上の有権者は選挙権がありますが、十八歳以下の
子供たちにも投票権があるんです。したがって、全ての大統領選挙の政党の大会にも親は
子供を連れていきますし、何と投票に行くときに
子供がいる親は
子供も一緒に連れていかなければならないんですね。それで、親は本物の選挙権者用の投票箱に入れて、
子供は
子供用の投票権を行使する模擬投票箱に入れるわけですね。こうやって、選挙のときに
子供を様々な政治
活動にも、あるいは投票行為にも
参加させて選挙の
重要性というのを教えていくということをやっております。
それで、驚いたことに、この結果も公表するんです。
子供たち、十八歳以下の投票のカウントも全部公表して、十八歳以上の本物のカウントと比べ合ってまた
議論するんですね。こういうこともやらせているんです。
実は、民主政治の先輩国アメリカは、モックエレクションと呼ばれていますけれども、大統領選挙に大体六百万人から八百万人の
高校生が模擬投票で
参加をいたします。これも結果発表がありまして、驚くことに本物の選挙の二、三日前に結果が発表されるんです。ですから、その結果も見て親も、おっと、十八歳以下はこんな結果かよと
考えるわけですね。
こうやって、カナダでも、ドイツでも、イギリスでも、フランスでも、民主政治の先進国はみんな
学校教育の中というよりも、
学校、家庭、地域
社会が連携して、公職選挙に
子供も
参加させて選挙の
重要性を教えているんです。それが一つの仕組みとしてでき上がっているんですよね。本当に驚くべきことだと思います。
実は、アメリカの選挙
支援委員会、連邦
政府の中にありますけれども、日本でいうと選挙管理
委員会ですね、ここが大統領選挙のときには三十万ドルの補助金を、まあ三千万ぐらいですけれども、民間団体に出しています。その民間団体、NPO団体みたいなものですが、そこが様々な模擬投票の仕組みをつくって、各
学校はそれを使って
子供たちに選挙をやらせるんです。これは
高校生だけじゃないです。もう中学生、小学生までやっているところもあります。実は、コスタリカでは最年少の投票は二歳の子が投票していますからね。ここまで行くとちょっと選挙のことは分かっていないかもしれませんが。そうやって、本当にもう
学校、地域
社会、家庭が連携してやっているんです。
よく言われるのは、政治家が堂々と
学校の中に入っていきます。日本の場合は、政治家が
学校の中に入っていくと、いろいろ政党も見られて、何であんな人を呼んだんだなんていって
学校で問題になるんですね。そうやって政治というのをシャットアウトする
傾向にあるんです。ですから、我々議員も
学校視察は行けますけれども、なかなか
学校の授業の中に入っていったりできない
部分があるんですけれども。
アメリカの場合は、これはカナダの事例ですけれども、大統領選挙の候補者を小
学校が招いて、そこでディベートをしてもらって小学生からの
質問を受けるんです。親も全部聞いています。そういう、小学生に対して、未来の有権者に対しても易しく分かりやすく自分の主張を伝えられるか、こういう
能力も見られるし、そして政治家の側もみんな協力して小
学校の
現場、中
学校の
現場に入っていって、それで
子供たちと対話をして今の
政策の
重要性だとか選挙の
重要性を教えていくわけですね。
それで、驚くべきことに、先生は生徒に宿題を出すんです。この問題についてはすごく重要な問題だから、家に帰ってお父さん、お母さんと相談していらっしゃい、
意見交換をしていらっしゃい。例えば、今だったら消費税増税について、いい
部分、悪い
部分あるでしょう。それを
子供が家庭の中で
議論をする、これを奨励しているんですね。そうやってまた
子供たちはお父さん、お母さんの意見も持って帰ってきて、それでまた教室で
議論をする。教室でも政党別に分かれてロールプレーでディベートをやったりしています。これは本物の選挙に合わせてですよ。だから、アメリカだったら共和党チーム、民主党チーム、併せて、じゃ、みんなもどう
考えるか
意見交換してみなさい、やっているんですね。
つまり、投票行為だけじゃなくて、公職選挙を利用して家庭、
学校、地域、
社会それぞれで、みんなで政治の
議論をして、それで政治的に成熟した国民になっていこうと。
つまり、自分で情報を集めよう、自分の
考えをしっかり持とう、そして相手の意見も聞こう、そしてディベートをしてみよう、それで最終的に自分の判断をして、しっかり投票に行って意思表示をしよう。これがいかに民主政治をつくっていくために重要なのかというのを
教育の中でというか、もう
社会の中でしっかりと教えているんですね。まあアメリカの投票率がそこまで高くはないのは残念ですが。
ただ、私は、こういう何か仕組み、制度というのが日本にも求められていると思いますけれども、
大臣、いかがでしょうか。