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藤巻健史君
日本は経済的格差が広がっているという御発言がありましたが、この点については私は非常に疑問に思っておりますので、これは今日の
議論じゃないんで、これ以上、まあちょっとだけ
お話させていただくだけで、それ以上は
議論いたしませんけれども、確かにジニ係数とか、そういうことで言えば格差は広がっているかと思うんですが。私は昔からアメリカの銀行におりましたけれども、私の部下で欧米人が
日本に来て、
日本は一番世界で格差がない国だと言って大体帰ります。それはかなり
日本にいる外国人の間ではコモンセンスと、常識であるというふうに私は
理解しております。
それがゆえに、私、いつも若者
たちを海外に留学させろというのはそういうことなんですけれども、目で見ていただければ、
日本がいかに平等な世界かということは分かると思うんですよね。だから、そういう面でも留学というのは必要だと思うんですが、今日のタイトルは経済格差があるかないかではないので、
議論はここでやめておきます。
私が申し上げたいのは、今日の
議論をいろいろ聞いていますと、ちょっと違和感がある。
質問に対しても回答に対しても、皆さんの、
委員の
質問、疑問に対して違和感があるんですが。それは何かというと、効率的な運用とか、運用というか配分とか、
財源があればということなんですけれども、確かに
財務省から文部省が
財源を持ってきたのは分かるんですが、そこであるかないかじゃなくて、そもそも国に
財源がないんですよね。そういう
財源がないときにお金をここまで使っていていいのかというのが、私の根本的疑問なんです。
私自身は、
日本の財政、極めて危険だと思っていて、大丈夫だという方もいらっしゃいますけれども、学者の先生いらっしゃいますけれども、大丈夫だと言っている先生方も、今日は破綻しないということだけであって、解決策は何ら明示されていないんですね。日ごとに財政は悪くなっている。私は悲観論者として割と世間では有名なので極端なのかもしれませんけれども、私は、財政はすぐにおかしくなるような
状況にあると思っているんです。そういうときに、この四千億をこういうところに掛けておいていいのかなという疑問あるんですね。
別に、私は幸か不幸か文科省、この
委員会にいるので、この四千億を責めていますけれども、私は全省庁にもうばさっと切らない限り
日本の将来はないということを言いたいわけです。今日はここにいるからそういうことを言っているわけで、もし、
日本が破綻したり、破綻を避ける
意味でハイパーインフレが起これば、それこそ若者の未来はないんですよ。
そういう
意味で、若者のためには少しでも切り詰められるところは切り詰めておかないと、将来の若者の未来はないということで、今日
議論を聞いていて、確かに
高校無償化、極めてすばらしいことだと思います。でも、それはお金があればという話であって、国に今、現状お金がないという事実、それを
理解した上で
高校無償化、四千億、皆さんが払うべきだというんだったら、私はそれは賛成します。
ただ、私が思うに、
日本の財政の
状況を皆さんが分かっているのかどうか、それが疑問なんですね。いかにひどいかということは、ちょっとこれから少し、この
委員会とは離れるかもしれないんですけれども、ちょっと申し上げたいと思います。その
日本の財政、ひどい
状況が分かっていて、それでもまだ四千億ここに使いたいというのであれば、それは私も納得します。
そういうことで、
日本の財政について
お話ししたいと思うんですが、昨日ちょっと私、決算
委員会で
お話ししたんですけれども、実は、突然言おうと思ったんで数字の点にはちょっとチェックしていません。うろ覚えの数字で全部
議論させていただきますけれども。
一九九七年に橋本前首相が財政構造改革
法案というのを出しました。そのときの借金というのは、三百六十九兆円なんですね。その財政構造改革
法案というのは、第二条に、財政は危機的だと言ったんです、既に、九七年、三百六十九兆円です。そのときは、九七年というのは
日本は極めて大変な
状況で、そのときは山一証券が潰れたり、三洋証券が潰れたり、北海道拓殖銀行が潰れたりして
日本の経済自身が大変だということで、財政再建どころじゃないということでその
法案は骨抜きになって、その後、小渕内閣で破綻しちゃったんですね、実質、骨抜きになってしまったんです。でも、そのときの借金は三百六十九兆円だったんです。でも借金は増え続けて、今、千十一兆円ですね、去年の九月、三倍弱になってきたんです。
確かに体力が三倍になっていれば借金が三倍になってもおかしくないんですけれども、今の
日本の体力というのは、名目GDPで比べればいいと思うんですけれども、かなり下がってきちゃっているんです。要するに、九七年に五百十五兆円ぐらいだったかな、五百二十三兆円であったんですけれども、今は四百八十五兆円ということで体力は下がっている。それにもかかわらず借金は三倍強になっているんですね。
そのように、財政というのは極めておかしい。要するに、橋本さんがあのときに、三分の一しかない借金のときに危機的だと言った
状況が今、三倍になっているんですね。なぜ、今、財政が破綻しなかったかというと、私はひとえに景気が今悪かったからにすぎないと思っていますけれども、そういう
状況。
これは、どうしてこういうふうになったかというと、四十七兆円の税収に対して九十三兆円使っているんですね。これは、
平成二十五年の
予算ですけれども、四十六兆円の赤字なんですよ。四十六兆円の赤字だと、これ物すごい赤字ですね、毎年の四十六兆円。例えば、法人税は大体八兆円、ちょっとうろ覚えですが、八兆円とか九兆円ですから、大企業からふんだくれとか、それから税率を二倍にしろと言ったって、あと八兆から九兆、二倍にしたって八兆から九兆です、単純計算で。それしか減らないんです、四十六兆円が。
それから、もう
一つ言えば、じゃ所得税二倍にするか。二〇%払っている方が四〇%。今、千八百万円以上の収入の方は地方税と所得税合わせて五〇%ですから、千八百万円以上、全部没収にしたって十三兆が二十六兆にしかならない、要するに十三兆しか生まないんです。その四十六兆円という赤字はべらぼうな大きい赤字で、その大きい赤字をバブル以降ずっと積み上げてしまったから千十一兆円の借金なんです。千十一兆円の借金、これ、どでかいです。
例えば、この前、復興債、三・一一の復興債出ましたけれども、十一・五兆円の復興債です。十一・五兆円の復興債、これは最初どうやって
財源見付けるかといったら、最初に出てきたのは、たしか所得税と法人税を合わせて五年間一〇%上げるという話でしたね、今二十五年になりましたけれども。
ということで、十一・五兆円を調達するだけでも物すごい大変なんです。これは一回だけです。そのほかに、毎年毎年四十数兆円の借金がたまっていっているわけです。これ、どこに
財源があるのという話です。たまりにたまっちゃった千十一兆円、これ十兆円ずつ返しても百年掛かる借金なんですよ。
これ、例えば百年で返すために十兆円を返そうとすると、今四十七兆円の歳入ですから、三十七兆円に支出を抑えなくちゃ、それでも十兆円ずつで百年掛かるんですけれども、三十七兆円に支出を抑えなきゃいけないところ、九十七兆使っているんです。今年なんか今度九十九兆とかその辺ぐらいの
予算が出てくるわけですから、そういうことを考えると、もう二百年たったって三百年たったって返せない借金がたまっているんです。
かつ、問題は、今金利がゼロだからいいですけど、金利が一%も上がったら、千十一兆円というのは、借金というのは一%当たり十兆円も金利上がっていっちゃうんですね、支払金利。五%も上がったら五十兆円ですよ、すぐにじゃないですけど。ということで、四十七兆円の収入しかないのに五十兆円を支払うと、これどう考えても、
日本の財政、もたないんです。
よく
政府の方で、二〇二〇年にプライマリーバランスが黒字化すると。これ、プライマリーバランスが黒字化するというと皆さんすぐ安心しちゃうんですけれども、プライマリーバランスというのは国債費を除いているんですね。要するに、国債の金利と元本の支払を除いた数字なんです。
それで、昨日、ちょっと決算
委員会で私は甘利
大臣に聞きました。二〇二〇年、プライマリーバランスが達成してどのくらいの国債費が残るのと聞きましたら、四十三兆円と
お答えいただいたんです。二〇二〇年でプライマリーバランスが達成されても、四十三兆円まだ赤字なんですよ。赤字があるということは、累積赤字が、千十一兆がどんどんどんどん未来永劫に膨れ上がっていっちゃうんですね。財政再建というのは、その累積赤字が下がり始めて初めて財政が再建されていくんです。こういう状態に今あるんですね。
これどうなるかというと、なかなか難しいんですよ。消費税をかなり上げる。これ、消費税だけ上げようと思うと、きっと三〇%にあした消費税を上げれば黒字化して百年で返せます。そうすればこの
高校無償化もできると思います。でも、皆さんが三〇%、その消費税を受け入れますかという話ですね。若しくは、例えば歳入歳出をバランス取らせるためには、例えば年金を三分の一にしちゃうとかね。それを受け入れて、四千億円のこれを浮かせますかという話だと思います。