○石川
博崇君 今
外務大臣からおっしゃっていただきましたけれ
ども、少なからず両国、今の
日本の国内の動きに対して懸念の声、あるいは様々な場所での発信なんかもございます。恐らく誤解に基づいた発信というものも多いのではないかというふうに思っておりますので、両国を含め、国際社会に対して今後とも丁寧に、様々な
外交ルートを通じて御
説明をしていっていただきたいというふうに思う次第でございます。
残された時間で、少しシリア情勢についての御
質問をさせていただきたいというふうに
思います。
この臨時
国会開催前、私は、公明党の現地
調査を行えとの命を受けまして、シリアの近隣諸国を訪問させていただきまして、今シリア国外に二百万人の避難民が出ているという状況下、近隣国でありますヨルダンそしてイラクに行かせていただきまして、
外務大臣も訪問されたザータリ・キャンプですとか、また国連
関係者との
意見交換、現地
政府関係者との
意見交換を行わせていただきました。
九月には、シリアへの武力
攻撃が起こる可能性、予見性というものが非常に高まっていた状況がございましたが、その後、国連安保理での動き、米ロの合意も受けて、当面、そうしたシリアに対する直接的な武力
攻撃という可能性は今遠のいているのではないかという状況と
認識をしております。今、最大に注目されておりますのは、いわゆるジュネーブ2、シリアの和平を
議論する国際
会議の開催が果たして行われるのかどうなのかという、そして、そこにシリア
政府側そして反シリア
政府側が、参加が得ることができるのかどうかということが注目点でございます。
私
自身、シリアという国に五年間勤務、在勤をさせていただいた経験を有しておりまして、二十代の半分はシリアで過ごさせていただいた。当時、本当に平和そのものの地域、国であったことに鑑みますと、今の状況は大変胸が痛む
思いがいたします。
そうした現地の状況を肌感覚である程度分かる人間として、このシリア反
政府勢力側というものをどういうふうに分析していくのかということが非常に重要なのではないかと思っております。いわゆるアラブの春ということが二年前から取りざたされ、エジプト、チュニジアあるいはイエメン等々でいわゆる民主化の動きというものが見られました。しかし、今のシリア反
政府勢力という勢力、様々な勢力が、まあ何百とも言われておりますが、そういった勢力が果たしてシリアにおける
民主主義を
求める勢力なのかと、一概に断定できない状況ではないかというふうに思っております。
様々な見解があるわけでございますが、アルカイダ系などイスラム過激派勢力がこうしたシリアの動乱に乗じてシリア反
政府勢力側という側に多く入っているのではないか、あるいは今シリアの治安が悪化している最大の要因はこうしたイスラム原理主義勢力による暴力が相次いでいることにあるのではないかという、そういった勢力が非常に伸長しているというふうに言われて久しいわけでございます。
こうしたシリア反
政府勢力側の状況を踏まえて、
日本政府として、シリア和平あるいはシリアの難民の人道支援に当たっていく必要があろうかと
思います。前
政権下、
民主党政権下におきましては、今のシリア
政権側、いわゆるアサド
政権側に対して退陣をすべきということを欧米側と歩調を合わせて宣言をいたしました。
安倍内閣として、こうしたことはまだ言っていないといいますか、きちんと軌道
修正をしていただいているなと私は思っております。
シリアの情勢、中東の情勢を
考えるときには、当然、欧米諸国との連携というものも
日本の国益として重要でございますが、地域の安定、そして現地中東地域の
国民、大衆からの
日本への信頼ということも
考えて対応する必要があると
思います。
こうしたことを踏まえて、
外務大臣、シリア情勢に対して、もう時間が来てしまいましたので一言で結構でございますが、今後、御決意を伺って、
質問を終わらせていただきます。