○柏倉
委員 ありがとうございます。
大臣みずからそういうマインドを涵養していくというお言葉もいただきましたので、非常に頼もしい限りだと思っております。
我々、実は、この問題を党の中で話したときに、競わせたらいいんじゃないかというような話も出てまいりました。今いろいろなプログラム、研究拠点づくりですとかそういったところで
予算をつけていただいておりますけれ
ども、どうやって、いかにして、そしてどれだけ多く寄附を集めてこれるか、そういうスキームづくりというのを募集して、拠点拠点をつくって試行錯誤していく、そして、日本の最適なドネーション収集機構といいますか、そういうシステムをトライ・アンド・エラーで、コンペティションでつくってもらうのもいいんじゃないかという意見も出ました。
そういったところもぜひ、もし機会がありましたら勘案していただければと
思います。
次は、
奨学金返還に係る
質問でございます。
最近、
奨学金のニュース、新聞記事をよく目にしますけれ
ども、日本学生
支援機構によると、貸与総額はこれまで累計で一兆円を超えている、しかし、
奨学金を返せない人は三十三万人に上り、未返済額は八百七十六億円に達するということでございます。長引く不況の中で
大学の
授業料だけが高くなる。親はデフレで収入が上がってきませんからなかなか払えない。やっと卒業しても、
奨学金で借金が七百万、八百万ある、そういう人もざらだということなんです。
新聞には、「
有利子奨学金の場合、金利は上限三%、延滞料は年一〇%と高い。
奨学金というより、
学生ローンと言った方がぴったりする。」といった、いわゆる
奨学金たたきの論調もかなり目立つわけではございます。
政府が何らかの
財源手当てをして徳政令を出せというような意図が背後に見てとれるわけでございます。
ただしかし、一部の例外を除いて、病気の人であるとか母子
家庭だとか、どうしても返せない、返したくても返せない人を除いて、やはり借りたものはしっかり返すというのが、これは若い人にとどまらず、人の持つべき倫理観だと私は思っております。そして、何よりも、
政府が安易に徳政令を出してしまうと、今まで真面目に歯を食いしばって
奨学金を返してきた
人たち、こういった
人たちがばかを見る
制度になりますので、やはり安易な徳政令は出すべきじゃない。
でも、現行、やはりかなり不況になっていて、返したくても返せない、職にもつけない。一部の市町村では、そういった
人たちの負債をもういいよといって圧縮する向きもあるようでございます。それは後の
質問をしますけれ
ども、まあ、それは例外的な措置としていたし方ないんですが、ではどうやって、
奨学金を返せない人、働いている人に返してもらうのかというスキームづくりをやはり官民一体となって私は進めるべきだと思うんです。
給付型の
奨学金と言われるものは、もう各企業企業がかなりお金を出していますよね。調べただけでも、大きな会社で十六個、二十個ありました。三菱UFJ信託銀行、JT、電通、竹中工務店。中には、自分
たちで寮をつくって、そこに無料で住まわせて学費も上げるよというようなところもございます。
給付型のサービスといいますかドネーションというのはかなりふえてきて喜ばしい限りだなとは思うんですけれ
ども、問題は、卒業後そういったサービスを受けられずに普通の
奨学金制度の中で過ごしてきた、そして、七百万、八百万の借金を背負って働いている人にどうやって返してもらうか、そのスキームづくりをどうやって
考えるかということなんです。
私、
二枚目の資料なんですけれ
ども、そこでおもしろい記事といいますか、
奨学金肩がわり
制度の企業の取り組みを見つけました。
もう二年前のことなので御案内かもしれませんけれ
ども、ノバレーゼというウエディングプロデュース、レストラン経営の会社なんです。社員が返済している
奨学金の残余額に対し最大二百万円を
支給する
奨学金返済
支援制度を設けたと。勤続十年以上の社員を毎年旅行でねぎらう等々の
制度も設けているらしいんですが、五年勤めると百万円、さらに五年、トータル十年勤めるとさらに百万円というふうに
給付して、
奨学金を返済していない人に特化した、これはボーナスというんですか、そういった賞与がもらえるという
制度を始めたということなんです。
非常におもしろい
制度だなと。こういった
制度がどれぐらい日本にあるのかお聞きしてもちょっとわからないということだったものですから、この一例だけを軸にして話を進めさせていただきます。
そこで、こういった、企業がお金を出す場合、まずいろいろな税制上の諸問題を
一つ一つクリアしていかなきゃいけないと思うんですけれ
ども、まず、こういった
奨学金返済型
支援金の税制上の取り扱いはどのようになるんでしょうか。
つまり、
給付型の
奨学金を出すという場合は損金に算入できると思うんですが、この場合は純粋にボーナスとして出していますから、これは、企業側は税制上どのように扱われるのか。そして、もらう方は、これは
奨学金返済をするお金なんですが、ボーナスとしてもらっていますので、一般的に
所得として認められてしまうのかどうか。お願いします。