○林(宙)
委員 みんなの党の林
宙紀です。
大臣、副
大臣、政務官、そして
委員の
皆様、
国会閉会中は大分長かったなと思いますが、御無沙汰しております。今
国会もどうぞよろしく
お願いいたします。
端的に言いまして、今の政権の、特にこの
農林水産行政というところにおきましては、我が党としても大変今後を楽しみにしているところでございます。
というのも、私たちがずっと政策の中に入れてきた農地の集約、大規模化というのは、もう既にこの政権が成立してから取り組んでこられておられることですし、最近は、きょうの
質問の中でもさきの
質問者の皆さんが挙げられていましたが、生産調整をどのように見直していくかというような
議論も出されているようなので、私たちとしては、これをできる限りいい方向に持っていけるように、ぜひ協力をさせていただきたいなというふうに思っています。
もちろん、
TPPに関してですとか、いろいろな問題がこの閉会中にあったわけなんですが、悪いことばかりではなくて、いいニュースでいえば、
農林水産とは直接
関係ないかもしれませんが、東京オリンピックの開催も決まりました。本当に長い閉会期間だったなというふうに感じながら、しかし、いろいろなこと、いいことも悪いこともあったなというふうに思っています。
そんな中で、きょうは、非常にピンポイントな話題での御
質問をさせていただきたいと思っています。
閉会中にふと気がついたことがありまして、私の地元の宮城県も、これはもう自信を持って農業県ですというふうに常日ごろ言っているわけなんですが、全国比例の方も入れて、国
会議員が衆参合わせて十数人、とにかく地元を宮城にしている国
会議員の方ということでいいますと十数人いらっしゃるわけなんですが、そのうち
農林水産委員会にいますのが私だけなんですね。
私のような経験の浅い新人がいいのかなと思いながら、しかしながら、責任を果たしていかなければいけないだろうということで、この閉会中、いろいろ宮城県各地に行って、農業あるいは農地に関してどんな問題を各自治体でお持ちなのかなというところを、できる限り行ってきたつもりであります。
その中で、さまざま問題がある中で、今、非常に悩ましいというのが、皆さんのお手元にもお配りをさせていただいておりますが、ちょっと裏表なんですけれども、汚染稲わらという問題でございます。これは、皆さんも恐らく
報道でごらんになっている方が多いんじゃないかなと思うんです。
詳しい
内容はこの記事、あるいはこの
委員会が終わった後にぜひ調べていただいてということにしますが、簡単に申し上げますと、宮城県を含みます北海道プラス九県で、放射性物質、放射線に汚染されていますよと言われる稲わらとか牧草というのが、八月の末でまだ七万トン近く残っているわけなんですね。その左上の表にもありますけれども、そのうち宮城県がほぼ半分近い、そんな
状況になっています。半分以上と言っていいですね。
そのぐらいになっているわけなんですが、当然、地元では、この汚染稲わら、牧草をどのように処理していこうかというのが非常に懸案事項です。なぜならば、農地に影響するというのはさることなんですが、宮城県は実は牛もかなり有名なんですね、仙台牛。その牛を飼育するのに使っていた稲わらだとか牧草というのがこのように汚染されている形で、なおかつ、当然、風評被害みたいなものを恐れるところもあるので、この汚染牧草や稲わらがある近くでは農業もできないし畜産もできない、そういうことになっているわけです。
具体的には、大体、各農家さんの農地のできるだけ人から離れたようなところに集積して置いておいていただくとか、あとは、一キログラム当たり八千ベクレル以上のいわゆる指定廃棄物になっているものについては、市町村でできるだけ集められるものは集める、集められないものについては、これも同じで、農家の軒先に何とか保管をしていただくというようなことになっています。
実は、これは宮城県以外だと、例えば栃木とか岩手でも大変悩ましい問題ということで今まであったわけなんですが、とりあえず、一キログラム当たりが八千ベクレル以下の指定廃棄物ではない一般廃棄物、これは市町村で処分をしてくださいということになっています。先ほど申し上げた八千ベクレル以上の指定廃棄物は、これは国が責任を持って最終処分場をつくって、そこで処理をするということになっていますが、八千ベクレル以下だと市町村、各自治体でやってくださいということになっています。
具体的にはどうするか。各市町村にある焼却場、ここで燃やして大丈夫ですよというわけなんですね。あるいは、農地にすき込んでも構いません。こういう方法が可能なんです。ということで、岩手では焼却が進んでいて、栃木ではすき込みがその処理の主流になっているということです。
では、宮城もそれをできないものなのかなということで突き詰めていくと、宮城県はどうしてもそれができないということになりました。汚染牧草だけで二万八千トンあるわけですから、とにかく宮城県で進まないことには全体的に話がまとまってこないだろうというところはもちろんそうなんですけれども、処分場に搬入するというところで、いわゆる地元の住民の皆さんがこれは反対しているわけなんですね。要は、震災後の瓦れきの処理でもありました。東北の沿岸部の瓦れきを、いろいろなところでちょっと助けていただこう、処理をするのを助けていただこうといったときに、そういったものを地元に持ってこないでくださいという
議論が確かにありました。それに近いものですね。それは、心情としては私もかなり
理解できます。
さあ、この稲わら、牧草をどうしようかなと思っていたところに、今度は今の記事の裏側の資料になりますが、我が党の
参議院議員の中西健治議員が、この稲わらを牛の餌として活用できないかということを提案しました。当然、牛の餌といっても、通常の市場に流通する牛ではありません。
実は、福島第一原発から二十キロ圏内で、今なお殺処分されずに飼育されている牛、いわゆる被曝した牛というものが存在しています。これは、当初、国の方から、畜産家の同意を得て殺処分をする
方針ということで決めたんですけれども、同意を得られなかったところに関してはこのように残っている。これが大体七百頭ぐらい残っています。処分の前は三千五百頭ぐらいおりましたが、餓死あるいは殺処分ということで、今は七百頭ぐらいになっています。
皆さんもお聞きになったことがあるかもしれませんが、福島・浪江町の希望の牧場というところで、その七百頭のうちの半分、三百五十頭ほどを今飼育しているような状態ですということですね。この希望の牧場は、現在、居住制限区域ということになっています。
中西議員が提案し、私たちが提案をしているのは、要は、この生きている牛というのを、生体に対する放射線の影響を調べるということで、貴重な研究
対象にするべきなんじゃないかというような趣旨で
お話をさせてきていただいたんですが、この資料のとおり、実は我が党、渡辺喜美代表それから中西議員が、党を代表して、九月の六日に
大臣にこの件についての要請をさせていただきましたということになります。
ちょっと前置きが長くなりましたが、ここから
質問になります。
九月六日、要請させていただいたとき、ちょっと我が党もいろいろ大変な時期ではあったんですけれども、
報道をいろいろ騒がせてしまいましたので、久しぶりにちゃんとした政策という形で
報道に載せていただいたなということで、私も非常にうれしかったんです。
要は、九月六日に
大臣に要請をさせていただいたときに、
大臣は、福島県と相談をして、何ができるか
考えたいというようなことをおっしゃっていただきました。非常に、私としては、少しでも前向きなお答えだったかなというふうに思っています。
そして、これは直近、十月十八日、
参議院本
会議ですが、同じく中西健治議員が、代表
質問の中で
林大臣にこの件を改めて問いかけたところ、心情的には
理解できますがというような御答弁をいただいているんですね。
ですので、ある程度一定の、これはやれるものならやった方がいいんじゃないのかなと御
理解はいただいているのかなと思いますが、まずは、要請をしてからここまで、本件についてどのような進捗
状況になっているのかというのを教えていただきたいと思います。