○津村
委員 今、最後に
大臣がお触れになった、
総合特区には数値目標がある、そしてそれを一年後に検証していく、したということが非常に重要なんです。それでいいと思います。
ただ、
総合特区に比べて、
国家戦略特区はよりGDPをターゲットにしている要素が強いわけですから、ここは、需要創出額全体の、
地域ごとではなくて全体としてどういう規模のものを狙っていくのかということをしっかり詰めるべきですし、それは
作業はこれからでもちろん結構ですけれ
ども、そういうことを行うということをしっかりとやっていただきたいと思うんです。
大臣は、前回、たしかおとといの質疑の中で、PDCAを回していくときにどういう数値目標を見ていくんですかというどなたかの御
質問に対して、KPIがあるという
お話をされました。KPIがあることに加えて、これは
コンセプトペーパー、八月二十三日の分ですけれ
ども、「
成果評価とデータ分析」という三番の項目のところで、「数値目標に基づく
成果の評価
成果のない
特区は解除」と書いてあります。これについても、それぞれの、「
提案者は、自己評価を併せて提出」というところで、「KPIへの貢献度」「
実施期間と数値目標」ということも書かれています。
大変結構なんですけれ
ども、実際にどうなっているのかというのを、ちょっと
皆さんにお配りしたんですが、これ、ドッチファイルで二つ三つの、百九十二のところから出てくるわけですから大変な大部なもので、全部を私も見られておりませんけれ
ども、代表的なところで、例えば東京都からの
提案書を
皆さんにお配りしています。今回、いわば本命視されている東京都からの
提案書がどういうものになっているのか。
確かに非常に精緻なことを書かれているんですけれ
ども、事数値目標の部分については、例えばおめくりいただいて二ページの左下には、「
外国企業が
日本企業と
ビジネスをしやすい
環境づくり (税制その一)」の効果は、単に「
世界銀行の
ビジネス環境ランキング」「対内直接投資残高」というタイトルが書いてあるだけで、何も数値目標になっていないんですよね。これはずっとそうなんです。その次のページも「海外高度人材の増加」というのが加わっているだけで、全然数値目標がないです。これでは検証のしようがないと思います。
東京都さんだけを否定したいわけじゃなくて、ほかのものもごらんいただいたらわかるんですけれ
ども、全然数値目標が載っていないんですよね。中には載っているのもありました。これは奈良市と
歴史的建築物活用ネットワーク、どちらも採用されているものを御紹介しているんですけれ
ども、十六項目に選ばれているものですが、こちらは、一番最後四ページ目、
皆さんにもお配りしているんですけれ
ども、今度は縦のA4で字ばかりのものですが、これの一番裏の下のところに、「
経済効果等の試算」といって、昭和二十五年以前に建てられた住宅が百四十九万棟あって、そのうちの約二割を対象物件にして、三十万だと。
昭和二十五年以前に建てられた住宅のうちの二割が
歴史的建造物として
外国人が見たいものだとはちょっとなかなか思えないんですけれ
ども、これは、政治家の感覚でいいますと、三百小選挙区で割ると、それぞれの選挙区に千軒の
歴史的建造物があるかと。そこに雇用が五人ずつですよ。五千人の雇用を、
皆さん、それぞれの小選挙区でなるわけですよね。幾らでも突っ込みどころがある数字なんですが、ただ、これは、そうはいっても、比較的誠実だと思います。数字的に検証できるものを出してきているわけですから。正しいかどうか、過大評価かは別として、議論ができます。
こういったことを、やはりこれから
特区を指定されるときにはきちんと数字を出していただいて、それがこのKPIなりGDPにどういうふうに寄与していくのかというのをきちんと書き込んでいただく。そして、それを一年ごとに検証していただく。その仕組みがないと、
総合特区以下のものになってしまうと、非常に信頼性を損ねるというか応援しにくくなるんですけれ
ども、そこは
総合特区以上にきちんと数値目標を置いて、これからPDCAを回していくというお考えかどうか、確認させてください。