○原
政府特別補佐人 人事院は、八月八日、国会と
内閣に対しまして、国家
公務員の
給与等に関する報告を行い、あわせて国家
公務員制度改革等に関する報告を行いました。また、同日、一般職の
職員の配偶者帯同休業に関する法律の制定についての
意見の申し出を行いました。
このたび、その内容につきまして御説明を申し上げる機会をいただき、厚く御礼を申し上げます。以下、その概要を御説明いたします。
本年も昨年に引き続き、国家
公務員の
給与の改定及び
臨時特例に関する法律に基づき、
給与減額支給措置が実施されている
異例の
状況のもとで、
人事院として、国家
公務員の
給与改定について
検討を行いました。
月例給につきましては、行政事務を行う国家
公務員と、
企業規模五十人以上の
民間事業所で事務・技術等の業務を行う
従業員の四月時点の
給与を精確に
調査し、比較いたしました。その際、昨年に引き続き、
給与減額支給措置による減額前の官民較差を算出し、あわせて減額後の官民較差を算出いたしました。その結果、減額前では、公務が
民間を七十六円、〇・〇二%下回っており、減額後では、公務が
民間を二万九千二百八十二円、七・七八%下回っていました。
その上で、
給与減額支給措置が東日本大震災に対処するためのものであり、二年間の
臨時特例であることを踏まえ、勧告の前提となる官民比較は、減額前の
給与月額を基礎として行うことが適当と考えました。その結果、月例給については、較差が極めて小さいことから、改定を行わないことといたしました。
特別給につきましても、同様に減額前の公務の
支給月数と
民間の昨年冬と本年夏の賞与を含む直近一年間の
支給割合を比較することとし、それらを比べたところ、ともに三・九五カ月と
均衡していたことから、改定を行わないことといたしました。
以上により、本年は
給与水準の改定に関する勧告を行わないことといたしましたが、
労働基本権制約の代償機関としては、
給与減額支給措置が終了する
平成二十六年四月以降の
給与につきましては、
民間準拠による
給与水準が
確保される必要があると考えており、国会及び
内閣に対して
要請をしたところでございます。
一方、我が国の経済社会情勢の急激な変化のもと、国家
公務員給与について一層の
取り組みを進めるべき諸課題が生じてきていることから、本年の報告では、俸給表構造、諸手当
制度のあり方を含めた
給与制度の総合的見直しを行うことを表明し、
給与減額支給措置終了後に実施できるよう準備を進めることといたしました。
具体的には、官民
給与の実情を踏まえた
地域間の
給与配分の見直しや、特に五十歳代後半層の
水準を中心とした
給与カーブの見直し、職務や勤務実績に応じたより適正な
給与の実現などについて、早急に結論を得るべく、
検討してまいります。
また、国家
公務員制度改革等に関する報告におきましては、国家
公務員制度改革についての本院の基本認識と、今後の
検討に当たっての論点等をお示しいたしました。国家
公務員制度は、各分野の行政を安定的、継続的に支える基盤となる
制度であり、その改革は、長期的に国民生活に対して大きな
影響を与えるものであるため、広く関係者の合意に基づいて実施していく必要があると考えています。
以上のほか、
人事院が現在取り組んでおります人事行政上の諸課題について、
人事院の基本的な認識と
取り組み状況を報告しております。
既に
内閣から法案として提出されております配偶者同行休業
制度は、仕事と子育て等の両立支援の一環として、公務において活躍することが期待される有為な
職員の継続的な勤務を促進するため、配偶者が外国で勤務等をする場合に、配偶者とともに生活をすることを希望する
職員に対し、三年の範囲内の期間、
職員としての身分を保有しつつ職務に従事しないことを可能とするものです。なお、その間、
給与は
支給しないこととしています。
以上、本年の報告及び
意見の申し出の概要を御説明申し上げました。
委員長初め
総務委員会の
委員の皆様におかれましては、
人事院勧告
制度の意義や役割に御
理解を賜り、
民間準拠による適正な
給与を
確保されるよう、
お願い申し上げます。また、配偶者同行休業
制度に関しましては、速やかに導入していただきますよう、よろしく
お願い申し上げます。
以上でございます。