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辻元委員 民主党・無所属クラブの
辻元清美です。
本日は、
交通政策基本法につきまして
質問をさせていただきます。
まず最初に、第一条の「目的」には、「
国民生活の安定向上及び
国民経済の健全な発展を図ることを目的とする。」と
定められております。この
交通、人と物を運ぶ、その基本的なインフラをしっかり
整備し、守り育てることは、多くの
人たちの命を守る、そしてさらには、社会、そして人の人生を謳歌する、その基本インフラであると私は
考えております。
そんな
観点から、今回、
交通政策基本法という、最も社会にとって大事な
一つの基盤である
交通についての憲法のような大きな
法律、これは一日も早く成立をさせたいと私自身も思っておりましたし、今回、
民主党、社民党も
提出しておりましたが、
政府が
交通政策基本法ということで、今まで私
たちが求めてきた
法案、さらに補充もしていただいて御
提出いただき、賛成の
立場で、一日も早く成立をさせたいという思いで
質問させていただきたいと思います。
私は、
東日本大震災のとき、総理補佐官を務めておりまして、ボランティア担当、被災者
支援ということで被災地に入りました。そのときも実感をいたしましたけれ
ども、たった一台の
バスが避難所と避難所の間を人を乗せて運ぶ。そしてさらには、当時、食料や水が
不足するだけではなく、燃料、そして多くの犠牲者が出ましたが、御遺体の搬送など、多くのトラックが
全国から東北に集結をする。そしてさらに、夜中に体調を崩した人、たった一台のタクシーが残っていた町は、夜中にそのタクシーが避難所に来てくださって、病状が悪化した人を運んでくださる。
日常から私
たちは、
交通というのは何だか空気のように、いつも電車が走っているじゃないか、そして
バスも走っているじゃないかと思われがちなんですが、非常時になったときには、本当に一台の
バス、タクシー、そして、当時、鉄道も全部流され、また、とまってしまうという
状況の中で、これは私自身の体験ですが、岩手県の花巻から遠野を抜けまして釜石までの鉄
道路線が復旧したとき、どれほどうれしかったか。
ちょうどその遠野がボランティアの基地になっておりましたけれ
ども、鉄道を使って多くのボランティアの
人たちを運ぶこともできました。また、被災地に親戚がいる
方々が、その御親戚が、多くのリュックに荷物を抱えて、その花巻から釜石に抜ける鉄道で、たくさんの
人たちが避難所を目がけて人と物を運び、
移動されていた。
私は、そういう
意味でも、この
交通というのは、命や、そして非常時にはなくてはならない。また、今回、大島で大きな
災害がございました。
離島航路も
経営状態が非常に苦しいところがたくさんありますけれ
ども、一隻の船が、
災害時、また多くの
人たちの日常を支えている。ここに、もちろん
事業者が主体的に
経営を安定していただかなければならないわけですが、それだけでは立ち行かない
状況の中で、国や
地方自治体そして
住民までもがどういう
役割を果たしていくのか、それを整理したのが今回の
交通政策基本法であり、私は、社会を支える土台をつくる
法案だと思っております。
さて、そんな中で、この
法案自身は、思い起こせばボトムアップの
法案でした。十一年前になります。この
法案の
必要性、
現場で働く
労働者の
方々からまず声が上がったんです。フランスなどではこういう
法律があると。そして、さらに声が大きかったのが
障害者の皆さんです。障害をお持ちの皆さんも、
移動弱者として、いろいろなところに行きたい、旅もしたい、そんな中で
交通体系をどうしていくのかというようなボトムアップで、十一年前に初めて
民主党と社民党で、
交通基本法と名前は異なりますけれ
ども、
国会提出。その後、何回か
国会提出をいたしましたが、残念ながら廃案。
そして、
政権交代が起こり、私
たち民主、社民、
国民新党で
政権を担わせていただき、私は
国土交通副
大臣につかせていただき、先ほどの
三日月委員が政務官として、この
交通基本法の担当を担わせていただくことになりました。
そのときに、
国交省を挙げてやろうということで、一回目の
検討会では、単に運輸
関係だけではなく、
まちづくりと
交通は一体化だろうということで、建設
関係も含めて省を挙げての
検討になりました。
そのとき、
一つの合い言葉、それぞれ、ここにいる
交通行政などに携わる者が、自分が八十歳になったときにどんな町に住みたいか、自分が八十歳になったときに困りたくない、そのために
交通はどうあるべきかということを自分の問題に引きつけてこの
法案をつくろうじゃないかというようなことを合い言葉に
検討会を進め、そして今日に至っております。
この
公共交通、
東日本大震災という苦しみも乗り越えて、
与野党また
政権がかわっても必要である。そして、さらには、それだけ
公共交通が今危機に瀕しているのではないかという危機感も共有しながら、
政権を超え、そして党派を超え、今日の
審議に至っていると
考えております。
そこで、今、
大臣として本当に御尽力をいただきました
太田大臣、どのような政策効果があるのか、先ほどからお話をいただきました。改めてお聞きしたいことと、そしてさらに、これから、
関係の
法律も微調整、または、この
基本法ができたことでさらによいものにブラッシュアップしていただかなければいけないと思います。この点もぜひ、この
法案が成立いたしましたら、速やかに
関係する
法律の点検をお願いしたいと思います。そして、
財政上の
措置もお願いしたいと思いますが、この点についてのまず御決意をお聞かせください。