○徳永エリ君 大変長時間にわたる
委員会での審議、お疲れさまでございました。
民主党・
新緑風会の徳永エリでございます。
私は、
会派を代表いたしまして、
平成二十五年度
予算案に反対の立場から討論させていただきます。
今、
我が国は少子高齢化、そして人口減少問題、また自殺や貧困などの多くの深刻な社会問題を抱えております。また、東
日本大震災の被災者、いまだ三十万人を超える方々が先の見えない避難
生活を強いられておられます。福島第一原発の事故は収束しておりません。多くの方々が放射能による健康への
影響や風評
被害に不安を抱きながら暮らしておられます。
そして、
政府・与党は、多国籍企業の利益拡大のために国民の権利や暮らしが奪われてしまうTPP交渉への参加を表明しました。私の地元北海道では、いまだ具体的に示されない国益のために多くの道民が犠牲を払うことになりかねません。アベノミクス効果に浮かれている場合ではないんです。
本院の一員として、参議院自民党の皆様に申し上げたいことがございます。
参議院は再考の府、良識の府であります。本来、
衆議院の審議において不足した点を補い、国益のために国民の立場に立った熟議を重んじなければなりません。最後はまとまる自民党かもしれませんが、今の参議院自民党は
政府にただ追従するだけの役割しか担っていないのではないでしょうか。
さらに、審議における
安倍総理は、特に憲法問題や
歴史認識に関する
質問に関しては大変に熱心に、時には語気を荒げて御自分の
言葉で語られますが、国民の関心の最も高い社会保障に関する
質問への
答弁には全く心がこもっていない官僚
答弁であって、都合の悪いことには答えない、このような姿勢は極めて遺憾であります。
さて、
平成二十五年度本
予算につきましては、これまで多くの
委員が様々な問題点を指摘してまいりました。とても容認できる
内容とはなっておりません。
以下、私が反対する理由を申し上げます。
第一に、
政府・与党は、
平成二十四年度補正
予算とともに十五か月
予算とすることで、経済再生と景気回復に役立てるとともに新規
国債の発行額を減らして
財政規律を守った点を殊更主張しておられましたが、実際には明らかに粉飾の
予算でありました。
財務大臣は、
国債発行額四十二兆九千億円が
税収見込み四十三兆一千億円を下回ったと何度もおっしゃっておられましたが、補正
予算に計上した五兆円の建設
国債発行額を足せば四十八兆円となり、
税収分を上回っているのが実態であります。また、景気対策に機動的に対処するための予備費である経済危機対応・地域活性化予備費九千百億円を計上させず、支出額を切り詰めたり、
借金の返済に充てる
国債費の
金利を二%から一・八%に切り下げて返済額を減らすという
財務省マジックを駆使したのがそのあかしであります。
第二に、弱者切捨ての
予算であることです。その典型が、
生活保護費の日常的な
生活費部分に相当する
生活扶助基準の見直しによる削減です。現行の水準と比べると七・三%の大幅削減、九年ぶりです。
生活保護家庭だけではなく、就学援助や住民税非課税限度額が引き下げられれば、負担増や給付カットになる制度がたくさんあります。また、申請の厳格化も検討されているということですが、究極のセーフティーネットに綻びが出るということは、命にかかわる重大な問題であります。
第三に指摘したいのは、地方公務員の給与を削減して、地方自治体の財源である地方交付税を四千億円もカットして、いわゆる一括交付金制度を廃止し、政官業の癒着や霞が関
支配につながるようなひも付き補助金を復活させるなど、地域主
権改革に逆行した
予算となっています。全国の自治体から猛反対の声が上がって当然であります。
北海道も、先日、国の要請に応じ、道職員の給与を今年七月から来年三月までの九か月間、平均七・八%削減する方針を固めざるを得ませんでした。北海道は
平成十二年度から独自に平均五・六%の給与削減を行っており、既に限界と言っていい状態なんです。地域経済にも大きな負の
影響が出るのではないかと大変に心配しています。
地方切捨て、
生活者切捨て、弱者切捨ての政治には決して戻すわけにはいかないんです。我々
民主党は、切捨ての政治が反映された
予算案には全く賛同できません。
以上の理由から、私は本
予算案に断固反対し、私の反対討論を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)