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武見敬三君 ありがとうございました。おおよそ
共通の
認識が持てたというふうに思います。
その上で、
国際社会の
共通の
課題としての
保健医療、この問題についてお聞きしたいと思います。こうした問題は、まさに先ほど申し上げましたように、
一つ一つの国では
解決できない問題だとして、まさに
国際社会一体化された問題という理解で
グローバルヘルスというふうに呼ばれるようになってきました。昔は
国際保健と呼んでいたんですけれども、これがだんだん
グローバルヘルスというふうに呼ばれるようになってきたわけです。
この
分野というのは、もう元々は
ポリオだとかマラリアだとか、あるいはHIV、エイズだとか、それぞれ
疾患別に取り組んでいたのが主流だったんですけれども、こうした中で、例えばワクチンなんか
先進国でたくさん買って安く
途上国で使えるようにする、そして大量にそれを
途上国の港までは持っていくと。しかし、常温で保存する設備も
途上国にはない、それから
予防接種を接種する
専門家もきちんとそろっていない、結局使われないままに倉庫の中で朽ち果てちゃうということが現実にたくさん起きたりしました。
そこで、改めてこれは
保健の
システムを
強化して、それによってそうした
疾患別の取組を補い、総合的な新しい組立てでこうした
途上国の
人たちの
健康改善に貢献しようということで、
保健システム強化という
考え方が確実に広がってきました。そうなってきますと、この
保健システム強化という
考え方の
一つの象徴的な
考え方になったのがユニバーサル・
ヘルス・カバレージというやつでございまして、これは二〇〇五年の
WHOの総会で
定義が決議されています。その
定義というのは何かというと、全ての
人々が
自分の可能な負担、コストで、そして適切な
医療に、これは
予防も含む、サービスも含むんですけれども、アクセスすることができるという
定義になっています。
こういう
定義がされて、そして
保健システム強化というものに着目されるようになってきますと、今度、
日本という国を見てみますと、何と五十年前、一九六一年に既に
国民皆
保険制度を達成していて、そして、まさにおととしは
我が国にとってその五十周年を記念した、そういう年だったと。しかも、
我が国の
健康寿命というのは、何と今
男女共に、この二〇〇四年の
WHOの数値でいきますと、男七十二・三歳、女七十七・七歳、
世界一だと。
日本はすばらしい
制度、
仕組みをつくって、こんな
健康寿命を
世界一達成して、どうしてそれ可能にしたんだろうかという
関心が高まって、
日本のこうした
国民皆
保険制度、
医療制度に対する
関心が最近確実に高まっているんです。そういう中で、実際にイギリスの権威ある
医学雑誌で
ランセットという
医学雑誌も
日本特集なんというのを発刊したりするようになってきているわけであります。
そこで、
官房長官、
官房長官の指揮の下に健康・
医療戦略室設置されて、改めてこうした
分野により積極的に
成長戦略の一環として取り組むということを考えておられるようです。
これを実行しようとするときに、こうした
グローバルヘルスの広い視点と組み合わせてお考えになっているかどうか、この点についての
官房長官の御
所見を伺いたいと思いますが、いかがでございましょうか。