○藤原正司君 国際・地球環境・食糧問題に関する
調査会の最終
報告につきまして、その概要を御
報告申し上げます。
本
調査会は、「世界の水問題と日本の対外戦略」を今期の
調査テーマとし、鋭意
調査を行ってまいりました。
我が国は世界の中でも安定的に水資源を享受できる環境にはありますが、世界では人口の増加や
経済発展に伴う水不足や水質の悪化、頻発する水災害、国際河川の流域での水をめぐる緊張など、水問題は日々深刻化し、人間の生存や
経済活動への脅威となっております。
特に、アジアでは水問題の悪化が懸念されており、その持続的な成長を実現する上で、水が最も大きな制約要因となっております。
また、水は食料やエネルギーの
確保と密接な関連を有しており、これらの多くを海外に依存している我が国にとって、世界の水問題は、食料安全保障や
経済活動にも直接影響を及ぼす重要な課題でもあります。
本
調査会は、これらの
現状を踏まえ、我が国自身が持つ水問題に関する様々な比較優位を有効かつ戦略的に
活用、展開し、世界各地の水問題を克服し、我が国のみならず、世界の安定と繁栄に寄与することが極めて重要な政策課題であるとの認識に至った次第であります。
最終
報告では、我が国が世界の水問題に対して、その知見、経験、技術を最大限に生かし、解決に向けて主導的な役割を果たすことが不可欠であるとの基本認識の下、開発援助や防災に関する国際協力、そして、水ビジネスを通じた国際貢献の充実、そのための明確な水戦略や基本方針の策定、水行政の一元化と政府における司令塔の設置、水分野の専門家の育成、また、水循環基本法と雨水利用推進法の法制化など、七分野、五十八にわたる提言を行っております。
本年は、国連が定めた国際水協力年であり、世界では今日、水問題が主要な国際的課題として注目が高まり、その解決に向けた
取組も活発化しております。
関係各位におかれましては、本
調査会の提言の趣旨、内容を御理解の上、今後の諸施策に反映されるよう、切に要望するものであります。
以上、御
報告申し上げます。
ありがとうございました。(
拍手)
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