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水野賢一君 みんなの党の
水野賢一です。
川口順子環境委員長解任決議案に賛成の
立場から
討論をいたします。
まず、今回の問題の
本質は、
川口委員長が、私的な
外遊を優先して、
公務である
委員会をすっぽかすという前代未聞の
不祥事を引き起こした点にこそあります。
川口氏は、
訪中の
成果についてこう言っています。
ハーバード大学教授からも良い
会談だったとの
コメントをもらっている。しかし、これは明らかに論点のすり替えです。問題は、
訪中が有
意義だったか否かではないんです。今回の
川口氏の
訪中は、
国会から派遣されたものでもなければ、
委員会を代表しての訪問でもない。ましてをや、
政府の親書を持っていったわけでもありません。言わば
川口氏の私的な
外遊であります。その
外遊を優先して、
委員長自らが設定した
環境委員会をすっぽかし、それを
流会にしたことを許してよいのかという、そういう問題なんです。
当然のことではありますが、私は、
委員長たる者の
最大の務め、
公務は
国会の
委員会であると確信をしています。私事を優先して
公務をおろそかにした人が
常任委員長の職にふさわしいはずがありません。
念のため申し上げておきますが、私たちも
議員外交の
意義は十分に
理解、尊重をしています。それを邪魔したなどという事実は全くありません。
国会開会中の
議員の
海外渡航は、基本的には
議運理事会での
承認が必要となっています。今年の
通常国会が始まってから
渡航の
申請があったのは、これまで四十三人から計六十件です。これらの
申請は、
自民党からの
申請も含めてほとんど全てそれを
承認しています。
承認を得られなかったのは僅か一件のみです。今回の
川口議員の
訪中でさえ四月十八日の
議運理事会で二日間の
中国渡航として
了承しているんです。つまり、
野党が
議員外交を
妨害、邪魔しているなどという事実は全くありません。
ただ、
国会開会中である以上、
渡航に当たっての
ルールを守るのも、これまた当然のことじゃありませんか。今回の
川口氏のように、認められていた日数を
自分で勝手に
延長することが許されないのは当然のことです。もちろん、
委員会という
公務をおろそかにすることも許されません。
川口委員長は、
中国滞在を
延長する
手続を取ったと主張しています。
自民党国対の
了承を得たとも主張しています。しかし、根本的なところで間違っているんです。
海外渡航については、本
会議若しくは
議運理事会で
承認します。つまり、一
党一派が
了承すればよいのではなく、
国会の
承認が必要なんです。
自民党国対の
了承は
必要条件の
一つではあるでしょう。しかし、
十分条件ではないんです。それを
自分の党が
判断したからそれでよいという
川口氏の
姿勢は、
国会の明確な
ルール違反であり、そしてそれをかばう
自民党の
姿勢も、またおごりと断ぜざるを得ません。
現に、
渡航の
延長については、
自民党所属の
岩城議運委員長でさえ
了承を与えていないじゃありませんか。
岩城委員長がおっしゃっておられたのは、
期限内に
帰国するようにということです。
川口さん、要は、あなたは、
自民党の
許可は得たにしても、
国会の正式な
許可のないままに無断
滞在をしたんです。これが実態じゃないですか。
委員長の
海外渡航をめぐっては、一昨年、昨年と二年間続けてゴールデンウイーク前後に問題が発生をしました。こうしたことを踏まえて、
自民党も中心になって
委員長の
海外渡航について新たな
申合せを作ったばかりじゃありませんか。確かに、その
申合せの中では、幾つかの場合には
委員長の
海外渡航を容認しています。しかし、それと同時にこうあります、なお、いずれの場合も
当該委員会理事会の
了承を得るものとする。当然のことでしょう。
川口さん、あなたがやったことは、
委員長による
委員会のすっぽかしという極めて異例のことです。じゃ、あなたはそれをするに当たって、当該
委員会、つまり
環境委員会の
理事会メンバーに了解を得ましたか。もっと言えば、そのための
努力さえしたんですか。既に明らかになっている事実は、
川口委員長は
滞在延長を勝手に決めるに当たって
環境委員会の
理事会の誰に対しても相談、報告さえしていないということです。
与党の筆頭
理事に対してさえ、
中国からの国際電話一本もなかったのです。
すっぽかしという異例のことをするならば、すっぽかす
相手に対して最低限の礼儀を尽くすのが当然じゃないですか。もちろん、そうしたからといって、この行為を容認する
野党はないでしょう。しかし、異例のことをするならば、そして
自分自身で
滞在延長は
国益のために必要だと本当に信念を持っているならば、その信念で自ら直接、
野党に対しても説明するくらいの
努力をしたらどうだったのですか。そうした
努力を何もせずに自らセットした
委員会に戻ってこないというのは、一体どういう神経をしているのですか。
国会軽視も極まれりです。
そもそも、本当に
国益を守ったのかも疑問です。今明らかになっているのは、
中国側の
都合に合わせて、
川口さん、あなたが
日程を変えたというだけのことであって、国家
国民のために具体的にどのような利益があったのか、説明は全くないのです。
さて、
解任決議案に対してはこういう声もあるかもしれません。
川口委員長の
行動は問題があったとしても、謝っているのだから解任までするのはちょっと行き過ぎじゃないかという意見もあるかもしれません。しかし、私は、
野党の
対応は過剰反応どころか、むしろ抑制的なものだと思っています。
そもそも、
川口氏の取った無
許可滞在、
委員会すっぽかしという行為は、
委員長として許されないのはもちろんのこと、
国会議員としてあるまじき行為です。本当であれば、
国会議員としての懲罰にも相当する行為です。現に
国会法百二十四条には、正当な
理由がなくて
会議又は
委員会に欠席した場合や請暇の
期限を過ぎた場合を懲罰事由に掲げているじゃありませんか。そうした中、私たちは
川口順子
議員の
国会議員としての
資質を問う懲罰動議までは出していません。私たちが言っていることは、
委員会に戻ってこない人はせめて
委員長という要職からは退いてくださいというだけのことです。この要求は決して過剰なものではないと
考えます。
私は、
川口氏の能力、特に
外交や環境面での
見識には敬意を持っています。私
自身、十一年前に当時民間人
閣僚として
外務大臣に起用された
川口大臣の下で大臣政務官を務めましたから、正直そう思っています。
しかし、その十一年前にも
海外渡航をめぐって
川口大臣と私は意見を異にしました。私は、
外務大臣政務官として台湾訪問を希望し、大臣は
中国が怒るからと
判断されたのでしょう、それを却下しました。そのとき、
川口大臣はこうおっしゃいました。台湾を訪問するならば
政府の一員ではなく、政務官を辞めて一
議員として行きなさい。私は、
政府の一員が台湾を訪問することにこそ
意義があると
考えていましたから、大臣の意見には
反対であり、その結果、抗議の意思表示として政務官を辞任した
思い出があります。
私
自身は、今でも自らの主張は間違っていなかったと思っていますが、それは見解の相違ですからここでは論じません。ただ、あなたがおっしゃられた最後の部分、一
議員として行きなさいという言葉はそのまま今の
川口委員長にお返ししたいと
思います。一
議員としての
川口順子さんが
中国を訪問し、
日中関係について意見を交換すること自体には何ら
反対しません。有
意義な結果を生み出すこともあるかもしれません。しかし、あなたは
委員長なんです。
委員長の
最大の仕事である
委員会を放棄するならば、
委員長の職からは去るべきなんです。一日六千円の
委員長手当を受け取る資格もありません。
委員長を辞めた上で一
議員として
外交に力を注いだらどうですか。
これまで
参議院本
会議では、通算すると二十四回にわたって
委員長解任決議案が
採決をされてきました。結果は二十四回とも全て否決でした。その多くは強行
採決に抗議するための
解任決議案だったからでしょう。本日、本
会議の
採決によって
常任委員長が解任されるとなれば、衆参両院を通じて
憲政史上初のことになります。それは、これまで
委員会すっぽかしなどという恥知らずな事件を起こした
委員長がいなかったからなんです。もしいても、
解任決議の
採決前に自らを恥じて
辞職していたからです。
この
採決は、
党派間の争いではありません。
国会議員としての
良識が問われる
採決です。
常任委員長というのは
国会の役員です。
国会の
公務を平然と後回しにする
委員長が、
参議院の、
国会の役員としてふさわしいかどうかが問われる
採決です。
与党の
議員におかれましても、ゆめゆめ
川口委員長の擁護に回るような投票
行動を取らないよう、
国会議員としての
良識を発揮していただくことをお願いをして、私の賛成
討論を終わります。(
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