○樽井良和君 樽井良和です。
私は、
民主党・新緑風会を代表して、
地方税法の一部を改正する
法律案及び
地方交付税法及び
特別会計に関する
法律の一部を改正する
法律案に関しまして
質問いたします。
私は、自らの政策の中心に、地域がその特性を生かして、何らかの専門分野に特化し、自立した
経済力を
確保する
地方分権、道州制を実現すべきだと掲げてまいりました。
法人の本社が東京に一極集中する
状況のままでは、
地方分権を推進すれば、
法人税の乏しい
地方財政は立ち行きません。しかしながら、一極集中は仕事の効率を上げる上で
効果があります。この矛盾を解決し、今後の
経済を喚起するためには、地域を何らかの専門分野で特化した
経済特区を先に進めていかなければなりません。
アメリカにおいては、ITはシリコンバレー、自動車はデトロイト、映画を作りたかったらハリウッドに行けばいい、金融はウォール街へ、政治はワシントンのように、専門の特区があり、連邦制が成り立ちます。何らかの分野に特化した町は、その分野の仕事の能率、営業、学びの効率を上げ、観光などの呼び水となります。特定の才能を持った人のランドマークとなり、世界から同じ分野の才能を一か所に引き付け、新しいものを生み出す化学変化に似た触媒の役割も果たします。
残念ながら、
平成二十五年度
予算を見ますと、私が政策の中心に掲げております
地方分権、特化した地域を否定し、逆行する
予算となっております。つまり、
地方交付税を削減し、一括交付金を廃止しているのです。
一括交付金は、
地方自治体が所管官庁の枠を超えて地域の実情に応じて必要な
事業を優先的に実施するための大切な
財源であり、
事業を選択する際、国の事前関与を縮小できるメリットがありました。当然ながら自治体は大いに歓迎しましたが、政権交代によって、
自民党政権は、無情にもこれを廃止、元のひも付き補助金に先祖返りさせてしまいました。
そのことに自治体の首長が一斉にブーイングし、猛反対したのは当然であります。
地方分権をあえて踏みにじる行為としか言いようがありません。うがった見方をすれば、この裏には、ひも付き補助金の復活により、かつてのように、
自民党議員と霞が関官僚の癒着、すなわち利権の甘い汁を吸う思惑があると勘ぐりたくなります。
そこで、新藤
内閣府特命担当大臣にお
伺いします。一括交付金を廃止した
理由とは何ですか。ひも付き補助金で、地域の自主、自立性をどうやって守るのですか。
また、
安倍政権が中央集権を強化する一括交付金の廃止と、各省庁の交付金などへの移行は、せっかく定着しかけた
地方分権のムーブメントに待ったを掛けるものと
考えております。
安倍政権は、
地方分権を後退させたいのですか。
総理経験者であり、
安倍政権を支える大黒柱でもあります麻生副
総理に率直な
見解を
伺います。
次に、
地方交付税削減についてお
伺いいたします。
地方交付税とは、自治体間の
財政格差を解消するため、自治体が自由に使える
財源であり、地域の特性を生かした施策の実現に取り組む重要な
財源であります。ところが、
安倍政権は、この
地方交付税を六年ぶりに四千億円も削減しました。
地方自治の根幹にかかわると自治体が猛反発しています。
一方で、
景気回復の号令の下、公共
事業のばらまきを大々的に行い、肝心の足下になる
地方の
財源をカットするのでは、果たして
景気浮上の
効果があるのですか。
地方にしわ寄せをした
理由とは何ですか。
安倍政権は、
地方の
財政需要を軽視するのですか。
地方を信用していないのですか。新藤総務大臣と麻生副
総理に答弁をお願いいたします。
地方税に係る延滞金、還付加算
金利などの引下げには同意します。
景気が悪い中、資金繰りが付かず、
地方税を延滞される
中小企業の方もいらっしゃると存じます。デフレスパイラルの下で銀行
金利も非常に低い中で、実情に反して一四・六%も延滞金を徴収していました。情報化時代では、
社会情勢に即した行政の効率化、スピーディーな
対応を民間レベルに押し上げるべきではないでしょうか。新藤総務大臣のお
考えをお
伺いいたします。
地方公務員給与削減についてお
伺いいたします。
平成二十五年度
予算案は、
地方公務員の給与削減を断行しようとしています。七月から一律に給与カットをするもので、建前は国家公務員が二年間で平均七・八%カットするのに歩調を合わせたものです。
しかし、
安倍政権が
経済界に
賃上げを
要請して、大手
企業がベースアップに同意し、満額回答の姿勢を示す中で、
地方公務員の給与削減とは、
総理と逆のアナウンスをもたらし、
安倍政権の
方針に対して逆行して
整合性がありません。
例えば、イトーヨーカ堂は定期昇給
プラスベアで月給一・五%増、イオンは定期昇給
プラスベアで月給一・八%増、トヨタ自動車は定期昇給維持
プラス年間一時金百七十八万円など、各
企業が
安倍総理の
要請を受けて
賃金アップの方向に進んできております。
そして、大
企業のベースアップに
中小企業が連鎖して
賃金を上げるか否かが今後の
日本の
経済の浮上への大きな鍵となる中で、
地方公務員の給与削減は
上昇機運に水を差すことになりかねないと思いませんか。その
見解を
麻生財務大臣と新藤総務大臣、田村厚生労働大臣にお
伺いいたします。
さらに、新藤総務大臣は、削減した給与は防災・減災
事業や地域
活性化に充てる、自分たちの給料を削った分は自分たちの町に使われるんだ、だから協力してもらいたいとおっしゃいます。
個人のお金であればあるほど思慮深く適切に
消費して、自分の腹が痛む人が見えない、公金とか経費となればなるほど無駄遣いの温床となるものです。つまり、個人のお金である給与を削減して地域の
活性化と称して公金に充てるのは、適切な出費を無駄遣いの温床となる公金に置き換えることになると思いませんか。人件費削減を反映し、地域元気づくり推進費と表向きは立派ですが、眉唾物です。ふるさと創生
事業をほうふつしてやみません。えんきょくな火事場泥棒になりかねないんです。
新藤大臣、このタイミングでの
地方公務員の給与カットは撤回すべきではないでしょうか。
私は、
安倍総理の目指すインフレターゲットと、来年四月からの
消費税引上げと給与削減は相入れない方向だと
考えます。
麻生財務大臣はいかがお
考えでしょうか。
私は、昨年十二月十三日に参議院議員として繰上げ当選をいたしましたが、以前は衆議院議員でした。衆議院議員時代、議連での
議論や
委員会での
質問など、青年の主張のごとく理想論、正論を訴えてまいりましたが、
議論ばかりで結果が変わったわけではありません。その反省により、浪人時代は、政治家であるないにかかわらず、
社会問題に
議論よりもまず改善に向けた具体的な行動をしようと、少子高齢化
対策に二つの
事業を立ち上げました。
一つは、非婚率を下げるためにオタク専門の婚活パーティーを主催し、既に二千六百九十六カップル誕生させ、毎週のように結婚したといううれしいお知らせが数々届いております。もう一つが、六十五歳以上の
高齢者しか
雇用しない会社を立ち上げ、おばあちゃんの定食屋、メニューなしレシピなしで愛情あふれた伝統的な和食、家庭料理をおばあちゃんが提供するのが好評となり、テレビ、マスコミの取材も殺到し、サラリーマンを中心として好評を博しています。よろしければ、党派を超えて食べに来ていただけたらと思います。
こうした経営の経験から、
最後に、政治家としてではなく実業家としての思いを述べさせていただきます。
経営者にとって、先月は幾ら、今月は幾らだったと一喜一憂する一か月の売上げは非常に強い思い入れのある数字です。その中で、一〇%の
消費税というのは、年間が十二か月ですから、一月の売上げを超える金額となるわけです。一生懸命働いて稼いだ一か月分の売上げ以上の
成果を
法人税以外に
消費税として支払うとなると、そのときの憤りは毎月同じ収入をもらう国
会議員には全く実感できないと思います。今から来年四月まで
消費税を上げる間に、確かな
成長路線を力を合わせて築き上げていくべきです。
震災の後のこの混乱を一つの戦後ととらえて、この後、東京オリンピックを全力で招致すべきです。私は、今がちょうどかつての東京オリンピックが始まる前の高度
経済成長期前夜と重なって見えるんです。かつての東京オリンピック後の高度
経済成長を再び、ベースアップに次ぐベースアップ、子供を育てる世代の
所得が倍増する、今日よりもあした、今年よりも来年と生活が向上し、誇りを取り戻すことこそが
日本再生への道です。
私は最近、
高齢者の
雇用に力を入れて、おばあちゃんとの接点が増え、思い出すのは亡き私のおばあちゃんが言っていた口癖です。今はいいよねという口癖です。私が子供のころ、遊びに行きたくて、出されたおすしを急いで頬張って食べていると、味わって食えとどなられました。今はいいよね、昔はおすしなんか結婚式のような晴れの日しか食えなかったんだよ、今はいいよなと。今はいいよね、昔は盲腸で亡くなっていたんだ、今は死ななくなったよねと。
考えてみれば、食うや食わずでいた食料難の時代に比べると、余分に肉が付いてダイエットに励む時代は夢のような話です。のろしを上げていた戦国武将が、スマートフォンでツイートする女子高生を見れば、まさにSFです。
未来は、今から見たら夢のような時代、SFのような時代が待っているはずなんです。
日本が急速に少子高齢化が進み、衰退局面に入ったころ、バブルのときは良かったとか、あるいは昔の政治家が威厳があったとか、今がいいというより昔を懐かしむ方向になっていました。
自分がじいさんになったら、孫にはやはり今がいいよねと言える時代にしておきたいと思います。昔はがんで死んでいた時代があったんだと、今はいいよね、すぐ治るよねと。ガソリンを燃やして自動車が排気ガスを流しながら走っていた時代があったんだと、今はいいよな、バナナのかすでも入れたら飛んでいくよねと。昔は税金を払っていたんだと、今は
地方が
活性化してもうければ、
国民に小遣いをやるような
地方自治体もあるよなと。そういうような新しい時代をつくっていこうと思います。
時代時代によって新しい問題はあるにしても、この後、iPS細胞、医療
改革、ICTによる効率化、新型エネルギーの開発、新しい技術を次々と開発し尽くし、クリエーティブクラスを育てて、世界に冠たる
日本の文化を配信する、次の時代の
日本を一体となってつくり上げていこうじゃないでしょうか。
最後に、私同様、サブカルチャーに明るい麻生副
総理に、
日本再生に向けた決意とその具体的施策を
伺い、
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣新藤義孝君
登壇、
拍手〕