○中曽根弘文君 自由
民主党の中曽根弘文です。
私は、自由
民主党・無所属の会を代表して、
安倍総理の
所信表明演説について
質問いたします。
まず冒頭に、この度アルジェリアで起きた
テロ事件で亡くなられた
方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の
皆様に心からお悔やみを申し上げます。
海外の最前線で働く
日本人、
日本企業がこのような悲劇に見舞われたことは痛恨の極みであり、このような
テロ行為は絶対に許されるものではありません。我々は、国際的な連携によって、
テロと断固闘っていく
決意であります。
我が国の
企業が今後更に海外へと進出していくことは間違いありません。その際に、再びこのような悲劇が起こらないようにする必要があります。
政府は、
検証委員会において今回の対応等の
検証を始めましたが、その結果を踏まえ、平時からの情報収集と危機発生時の即応体制を
強化する必要があります。
例えば、菅官房長官や石破幹事長も発言されていますけれども、米国の国家安全保障
会議をモデルに常設の
日本版NSCを設置するとともに、内閣情報調査室などの情報機関を
強化することは必須だと
考えます。いわゆる
日本版NSCの設置は、第一次
安倍内閣において法案として提出されていましたが、今こそ速やかに具体化するべきではないでしょうか。
総理のお
考えを伺います。
この度の衆議院
選挙で、
国民は、
民主党政権に終止符を打ち、我々自由
民主党を
中心とする
政権が再び国政を担うべきだという判断を下しました。
安倍総理は、
所信表明演説の中で、大きな
政治的挫折を経験した、過去の
反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯に国政運営に当たっていくと述べられました。我々が直面している数々の困難を突破するために、是非思い切ったかじ取りをしていただきたい、そうエールを送りたいと思います。
この三年三か月、
民主党政権による数々の失政によって我が国は存亡の危機に追い込まれたと言っても過言ではありません。昨年十一月、野田前
総理が解散を表明した途端に株価が上昇し始めたことは、
民主党政権がいかに我が国の
経済社会にとって重荷であったのかを端的に物語っています。
我々自由
民主党は、
国民の負託にこたえられるよう、党として最
重要課題と位置付ける
経済再生、
震災復興、外交・安全保障、
教育再生を始め、山積する国政上の
重要課題に
全力で取り組んでまいります。
我が党は、綱領で、
日本らしい
日本の確立を掲げています。我が国の伝統や文化、
家族や
地域社会の絆、勤勉な
国民性、礼節や秩序、自然との共生など、我々が先祖代々受け継いできている
日本らしさを生かしながら、国家の
自立と国際
社会への貢献を図っていくこと、これが我々自由
民主党の根本
理念であります。
そして、我が党は、真の保守
政治を行ってまいります。保守というと、古いものをひたすら守るというイメージがあるかもしれませんが、真の保守とは、守るべきものを守り、改めるべきものを改めるという思想であります。保守主義の父とも言われるイギリスの哲学者で
政治家でもあるエドマンド・バークは、保守せんがために改革するという
言葉を残していますけれども、我が党は、常に進歩を目指す保守政党として今後も改革を果断に進めてまいります。
改革を進めるに当たり大切なのは、リーダーたる
総理の国家観であります。
安倍総理は、第一次
安倍内閣発足時の
所信表明演説で美しい国を実現すると述べておられましたが、再び
総理に就任され、どういう国づくりをされようとお
考えなのか、再度お聞かせいただければと思います。
次に、
憲法をめぐる問題について伺います。
言うまでもなく、
憲法は、国家の最高法規であり、その国の国家像を表すものでもあります。しかしながら、現在の
憲法は、マッカーサー
憲法とも言われるように、GHQの主導で作られたものであります。我々
自民党は、
日本人が自らの手で我が国の
憲法を作るべきとの
考えから、自主
憲法の制定を党是として結党以来活動してまいりました。
現行
憲法には、戦後六十年以上がたった現在の
状況に合っていない規定も多くあります。
国民の生命、財産や領土を守れる
憲法になっているのか、非常
事態への対応は十分にできるのかといった観点からも、現行
憲法を見直すことが必要だと
考えます。
昨年、国家主権回復六十周年を機に、我々
自民党は
日本国
憲法改正草案を発表しました。そこでは、まず前文で、
日本国が長い歴史と固有の文化を持ち、
国民統合の象徴である天皇をいただく国家であること、和を尊び、
家族や
社会が互いに助け合って国家が成り立っていることなどを述べています。
そして、天皇は
日本国の元首であること、国旗・国歌の規定、自衛権の明記や国防軍の保持並びに国際平和活動、緊急
事態の規定、さらには、
環境保全、在外
国民の保護など、時代に対応した規定も置いています。
まさに、守るべきものは守り、改めるべきものは改めるという真の保守の
理念に立った
憲法草案だと私は思います。
安倍総理は、
自民党の
憲法草案についてどうお
考えになりますか、伺います。
衆参両院では、
憲法審査会も設置され、
憲法改正に向けた
議論が行われています。
総理も以前から
憲法改正を強く主張されてきました。今こそ、
憲法改正の
議論を更に前に進めるときだと
考えます。
総理の
憲法改正への
決意をお聞かせください。
次に、
安倍内閣の最
重要課題でもある
日本経済の
再生について伺います。
安倍総理は、我が党の総裁選以来、デフレ脱却のための方策を
提言してきています。
総理は、大胆な金融
政策、機動的な財政
政策、民間
投資を引き出す
成長戦略の三本の矢が
経済再生の柱だと述べており、マスコミ等ではこれをアベノミクスと呼んでいるようです。
安倍内閣の
経済政策は、日銀との協調関係を築き、株価や為替レートの改善など、早速
成果が上がりつつあるように思われます。この
政策はダボス
会議でも注目されたと伺っています。
総理は、最近の
経済の動きに対してどのように感じておられるか、お聞かせください。
先日、
政府が決定した来年度
予算案では、公債発行額を
民主党が作成した今年度
予算より少なくし、さらに、税収より少ない四十二兆八千五百億円に抑え、財政規律を重視したものとなっています。景気
対策と財政規律に配慮した良い
予算が編成されたと思っています。
補正予算と来年度
予算を合わせて、デフレ脱却のための十五か月
予算ということで取り組んでいるわけですが、
総理はこの十五か月
予算の意義と効果をどのようにお
考えか、伺います。
なお、最近、日銀の白川総裁が、
政府と日銀の
共同声明で明記されている二%の物価目標の達成は容易ではないという発言をされたそうですが、この発言について
総理はどう思われるか、お聞かせください。
補正予算と来年度
予算を通じて重要な
テーマとなっているのは災害に強い国土づくりです。
東日本大震災や各地で相次ぐ豪雨災害などによって、
社会インフラへの
投資を惜しんではならないことが明確になりました。最近では、笹子トンネルの
事故を契機として、既存インフラのメンテナンスの重要性も指摘されています。
社会インフラの整備は、八ツ場ダムの建設中止と再開に見られたように、その時々の都合に左右されるのではなく、
国民の利益と安全など長期的な展望に立って着実に推進していくべきものであります。
災害に強い国土づくりについて、また、そのための
社会インフラの整備について、
総理の
基本方針を伺います。
財政
政策や金融
政策と並んで中長期的な
成長戦略の柱となるのは、
企業の競争力向上のための規制改革です。
我々
自民党は、総
選挙の
政権公約で、五年間の集中改革で、我が国を世界で一番
企業が活動しやすい国、個人の
可能性が
最大限発揮され、
雇用と
所得が
拡大する国にすることを掲げました。
そのために、国際先端テストなどにより、他国の規制と比較して遅れている部分を改革し、
企業活動の障害となる国内規制を撤廃することを約束しています。規制改革によって国内での
企業活動が
拡大すれば、
雇用も創出され、
国民所得も向上します。内閣として、今後、この公約をどのように実現していくのか、具体的な
方針をお聞かせください。
次に、
安倍内閣の外交
政策について伺います。
新興国の
成長と世界全体のパワーバランスの変化に伴って、今後の国際情勢はますます多極化、流動化していくことが予想されます。中でも、人口規模、
経済状況、
政治体制、文化、宗教など、あらゆる面で多様な国家が入り乱れるアジアは世界で最も動きの激しい
地域となるでしょう。
そのような中、我が国は、日米同盟を基軸としつつ、アジアと世界の平和と安定に貢献するため、これまで以上に積極的な役割を果たしていくことが求められています。これは我々の共通
認識だと思います。
状況が刻々と移り変わる中で的確な外交を行うためには、常に基本とすべき原理
原則や
理念を持つことが重要です。外交とはこうあるべきだという、
安倍総理が大切にしている原理
原則や
理念などがあれば、お聞かせください。
我が国外交の基軸である日米同盟は、過去三年余りの外交
方針の迷走によって大きく揺らいでいます。周辺国から我が国の領土を脅かす動きが相次いでいるのも、日米同盟の揺らぎも大きな原因の
一つと
考えます。
アメリカは、オバマ大統領が二期目を迎え、国務長官もクリントン氏からケリー氏に交代するという節目の時期です。この機会に日米関係を再構築していかなければなりません。
安倍総理は、
所信表明演説で日米の絆を取り戻すと述べられました。私も麻生内閣で外務大臣を務めましたが、首脳同士、外相同士の
信頼関係が、良好な外交関係を構築、維持する上で不可欠であります。二月下旬に予定されるオバマ大統領との首脳会談は、その第一歩になると思います。
オバマ大統領の就任
演説では
日本に対する
言及はなかったと思いますが、今後、米国の対日
政策がどうなっていくであろうか、また、我が国として対米
政策をどのように進めていくか、
総理のお
考えをお聞かせください。
総理は、就任後最初の訪問先としてASEANの三か国を選ばれました。また、
総理に先立ち、麻生副
総理がミャンマーを、岸田外務大臣が東南アジアとオーストラリアを訪問しました。一連の訪問で、ASEAN諸国やオーストラリアとの協力関係を重視するという
基本姿勢は伝わったはずです。
これらの国は、中国の急速な軍備増強や海洋権益の
拡大について懸念を共有しています。
安倍総理は、こうした中国の膨脹
政策に対して、我が国としてどのように対応していくべきとお
考えか、伺います。
また、今後重要になるのは、ASEAN諸国やオーストラリアとの特に安全保障面での協力の具体策だと
考えます。
総理はこれらの国々との安全保障協力をどのように進めていかれる
方針か、お聞かせください。
総理は、ASEAN訪問の際、アジア外交の
基本方針となる安倍ドクトリンを発表する予定でした。しかし、アルジェリアでの人質事件発生のために帰国
日程が早まり、残念ながら予定されていた
演説での発表ではなく、記者会見で対ASEAN外交五
原則のみが発表される形となりました。
私は、アジア各国に対して我が国の外交
方針を公式の場で発表するというのは、非常に重要なことであると
考えます。そこで、改めて機会を設けて安倍ドクトリンを正式発表してはどうでしょうか。あるいは、二月に訪米した機会などに、アジア外交だけではなく、外交全体の
基本方針を示した
拡大版の安倍ドクトリンを発表するのもよいと思います。こうしたお
考えはあるか、お聞かせください。
次に、日中関係についてお伺いいたします。
日本の
企業も中国に多く進出し、中国は、市場としても生産拠点としても我が国にとって大きな位置を占めています。
一衣帯水の関係と言われ、文化、
経済、
政治等、幅広い
分野で良好な関係を築いていましたが、近年の尖閣諸島をめぐる問題や軍事力の増強により、我が国の
国民の対中国感情は悪化しています。日中関係の安定はアジア
地域の安定にとっても重要な意味を持つものであり、
安倍内閣として日中関係をどのように再構築していく
考えか、お伺いしたいと思います。
最も近い隣国である韓国との関係も厳しい
状況となっています。しかし、韓国では来月には新しい大統領が就任し、
状況が変わることも期待されます。
日韓の間に多くの問題が横たわっているのは事実ですが、東アジアの平和と安定のためには、日韓及び日米韓の緊密な連携が欠かせません。
安倍総理は今後の日韓関係をどう進めていくお
考えか、お聞きいたします。
次に、領土をめぐる問題について伺います。
最近、我が国の領土・領海・領空に対する脅威が急速に高まっています。特に尖閣諸島をめぐっては、中国の度重なる挑発行為により、緊迫した
状況となっています。度重なる領空・領海侵犯をこのまま放置するわけにはいきません。
海上保安庁による専従部隊の創設、巡視船の増強などの
対策を講じると報道されていますが、こうした措置や、法
制度の整備も含め、早急に
対策を立てるべきだと
考えますが、いかがでしょうか。
領土に関しては、北方領土にも動きがあります。
安倍総理は、二月に特使として森元
総理をロシアに派遣する
方針だと伺っています。森元
総理は、テレビ番組で三島返還での解決に
言及され、それに対し、翌日には菅官房長官が、従来の
政府方針に変更はないと会見されました。内閣としては、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという
方針に変更はないということですね。
総理からもお答えをいただきたいと思います。
次に、北朝鮮問題について伺います。
ここ数日、北朝鮮が核実験を近く行うというような報道があります。また、昨年十二月に発射された弾道ミサイルは、射程が一万キロ以上に及ぶ
可能性があると防衛省は報告をしています。
これらは、国連決議に明らかに違反し、国際
社会に対する重大な挑戦であります。また、北朝鮮による核とミサイルによって最も脅威を受けるのは、地理的にも明らかに我が国であります。
したがって、我が国としては、北朝鮮が核実験や更なるミサイル発射を行わないよう、日米韓だけでなく中国やロシアなど六者協議の構成国と緊密な連携を取り、強く働きかけていくことが必要です。また、もし核実験が強行された場合には、国連を
中心に更なる強い制裁を行うべきであり、我が国がリーダーシップを取っていく必要があると
考えます。
安倍総理は北朝鮮の核実験やミサイル、拉致問題についてどのような
対策、対応を取るお
考えでしょうか、お聞かせください。
次に、
教育問題について伺います。
我々
自民党は、昨年十二月の衆議院
選挙公約でも、人づくりは国づくりというスローガンを掲げて
教育の大切さを訴えました。これからの
日本には、国際
社会で活躍できる高い学力、知力とともに、確固たる道徳観や、我が国の歴史や文化を尊重する態度など、知徳体の調和が取れた人材が必要だと
考えます。
安倍総理も、前回の
総理在任時に
教育基本法の
改正を成し遂げるなど、
教育には並々ならぬ情熱を注いでこられました。今回の内閣でも、
総理直属の
教育再生実行
会議を発足させ、
議論を始めています。
私は、
教育改革と
政治改革は、誰が
総理であっても、どの内閣であっても必ず取り組むべき国政の最
重要課題であると
考えます。そこで、
安倍総理御自身の
教育観とはどういうものか、お
考えをお聞かせください。
教育問題に関して私が特に重視すべきと
考えるのは、道徳
教育の充実です。ちょうど今、大河ドラマの
テーマになっていますが、会津藩の「什の掟」の中には「うそを言うことはなりませぬ。弱い者をいじめてはなりませぬ。ならぬことはならぬものです」などというような心構えを説く
言葉もあります。我が国には昔から、今の世にも通じる大切な徳目を示した教えが各地にあります。明治以降でも、福沢諭吉の「ひびのおしえ」や明治天皇の
教育勅語、中教審の「期待される人間像」、田中角栄元
総理の「五つの大切、十の
反省」など、様々な例があります。
これらは、人として生きていく上で大切にすべき徳目、
社会の一員としての心構えを述べたものであり、単に道徳
教育という枠ではなく、人格
教育、全人
教育というべき広がりを持っています。
全国でいじめの問題が多発し、また、最近では教師の体罰による
高校生の
自殺者が出るなど、深刻な
状況となっていますが、私は、守るべき徳目を列記した現代版
教育勅語のようなものを作成すべきと
考えています。
安倍総理は、心のノートを復活させるなど、道徳
教育にも力を入れていく
方針であると思いますが、道徳
教育の充実について、
総理の基本的な
考えをお聞かせください。
参議院
自民党では、従来から、青少年の健全育成に対し、国を挙げて真剣に取り組む必要があるとの視点に立って、青少年健全育成基本法案の成立に力を注いでまいりました。いじめ問題などが相次ぐ中で、この法案の重要性はますます高まっていると
考えます。
全国の多くの自治体では様々な
内容の青少年健全育成のための条例が制定されていますが、国としての基本法はありません。そのため、全国の自治体からも、国における基本法の制定について強い要望が長年寄せられています。
また、かつては
政府に青少年
対策本部が設置されていましたが、省庁再編に伴って廃止され、今では内閣府に担当官が置かれるだけになっており、
政府全体の青少年健全育成に関する
取組が十分ではない状態です。
こうした
現状に鑑みれば、一刻も早く法案を成立させるとともに、
政府としても、
総理を本部長とする青少年健全育成本部を創設するなど、
取組を更に
強化すべきと
考えます。
安倍総理の
方針をお聞かせください。
続いて、我々自由
民主党がかねてから主張してきた幼児
教育の
無償化について伺います。
保育園や幼稚園での幼児
教育の充実は、その後の人格形成にとって非常に有益であり、大事であります。しかし、この世代の
子供を持つ親は、まだ若く、一般的に収入も多くありません。
教育費を
支援することにより、もう一人
子供を持とうと
考える人が増えることにつながり、少子化
対策としても有効と
考えます。我が党の今回の
選挙公約にも、幼稚園や
保育所、認定こども園、家庭などでの
子育て支援を充実させます、幼児
教育の
無償化に取り組みますと明記しています。
海外では、イギリスは三歳児からの幼児
教育を
無償化しており、フランスでも事実上
無償化をしています。韓国でも三歳から五歳児の幼児
教育を段階的に
無償化することを法律で決めています。OECDも、
日本に対して、
子ども手当よりも幼児
教育・保育に
投資すべきだと
提言しています。限られた財源ではありますが、費用対効果も大きく、何よりも未来への
投資という意義ある幼児
教育の
無償化は是非行うべきと
考えます。
政府においても検討を始めるやに聞いていますが、
総理のお
考えを伺います。
教育に関する
質問の
最後に、
教育基本法について伺います。
教育基本法については、前回の
改正を踏まえた
取組が
教育現場でしっかりと行われているのか、もう一度
検証が必要ではないでしょうか。
前回の
安倍政権で
教育基本法の全面
改正を行った際、私は
教育基本法
改正の特別委員長を務めました。
改正前の
教育基本法は、我が国の伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する心、公共の精神、家庭
教育の重要性など、
日本人としての大切な部分が抜け落ちたものでした。そのような
教育基本法が、
憲法と並んで制定以来長年全く
改正されずにいたのです。
改正した
教育基本法では、こうした重要な事項を明記し、その趣旨を踏まえた学校
教育法の
改正や学習指導要領の全面改訂が行われました。
教育基本法の施行から六年が
たちましたが、いま一度、この新しい
教育基本法の
理念が
教育現場で理解され、生かされているかどうか
検証し、再度徹底していくことが重要と
考えます。
総理のお
考えをお聞かせください。
教育と並んで文化の振興も重要な
課題です。
文化は人々の心を豊かにし、
社会に潤いを与える存在です。特に、古くから伝わる伝統文化は
地域社会や宗教、歴史など
日本人の心と密接にかかわるものであります。
私は、文化力も国力の
一つだと思います。世界に誇るべき文化を持っている我が国は、これらを更に振興し、
教育文化国家を目指すべきであります。そのために、文化の振興についても
政府がより積極的に
支援すべきだと
考えます。
総理の文化振興に関する基本的な
考えをお聞かせください。
総理は、
所信表明演説の中で、芦田元
総理の
言葉も引きながら、
国民に、自らへの誇りと自信を取り戻そう、今ここにある危機を突破し、未来を切り開いていく覚悟を共に分かち合おうと力強く訴えられました。
今まさに
日本は、
政治も
経済も繁栄と衰退とを分ける分水嶺に立たされていると言っても過言ではありません。
かつては、ジャパン・アズ・ナンバーワン、また
経済大国ともてはやされ、世界から注目をされていた我が国が、今では、ジャパン・バッシングやジャパン・パッシングどころかジャパン・ナッシングとまで言われるほどに存在感と誇りを喪失してしまっています。
この二十年で
社会全体は過度に自信を喪失し、
政治にも失望し、
国民の心は閉塞感の厚い雲に覆われていました。
昨年十二月の衆議院
選挙で、
国民は、
安倍総理の力強いビジョンに明るい光明を見出し、これで駄目なら後はないとでもいうような切実な思いで投票所へ足を運び、
最後の望みを託すような気持ちで、今、
安倍総理の
政権運営を見詰めています。
我々
自民党も、この三年三か月で大いに
反省すると同時に、
経済を立て直し、世界をリードする国としての力強い
日本の
再生のために大いに勉強を重ね、
政策を練ってまいりました。
今の我が国の
状況は政争に明け暮れするような場合ではありません。
経済には少し明るい展望が見えてきていますが、
政治への
信頼はいまだ回復しておりません。私はかつての
代表質問でも述べましたが、
政治に
信頼がなければ、いかに良い
政策を打ち出しても
成果は上がりません。与
野党の垣根を越えて、力強い
日本の
再生のために、我々議員一人一人が、国の将来を語り、共に建設的な真摯な
議論を重ね、
国民が未来に夢を持てる国づくりのために粉骨砕身の
努力をしていこうではありませんか。それが
政治への
信頼を回復させるための最善の道と思います。
この国会が新しい
日本のスタートの国会であったと後の人々に
評価されるような
議論が行われることを私自身も肝に銘じ、議員の
皆様にも訴え、私の
代表質問といたします。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇、
拍手〕