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有田芳生君 それでは、少し具体的な問題に入りたいと思うんですが、
ハーグ条約の第二十八条二項、
返還拒否事由にかかわってなんですけれども、
暴力的な問題などについての
議論は前回の
法務委員会でもテーマになりましたけれども、宗教的な問題についてどうなのかということについて少し具体的にお聞きをしたいというふうに思います。
私がここで
指摘をしたいのは、世界基督教統一神霊協会、いわゆる統一教会、皆様方御承知のように、例えば歌手の桜田淳子さんが合同
結婚式に参加をされたのは一九九二年でした。一九六〇年からずっと合同
結婚式というものが行われていて、そこに
日本人女性も参加をするということがあります。
この間、
外務省あるいは
文科省の方にもお聞きをしたんですけれども、
日本人女性信者が韓国で韓国人男性とどのぐらい
結婚をしているかということをお聞きをしましたら、そういう
統計は
把握していないというふうにおっしゃっておりました。だから、この
委員会でも聞いても分かりませんということになりますよということですので、私が結論だけをお伝えしますと、統一教会の
日本人信者の
女性が韓国人の男性信者と合同
結婚式で結ばれた人
たちというのは今七千人を超えているんです、七千人。そして、実際にお子さん
たちがどのぐらいいるかというと、一万人を超えております。
そして、これは皆さんもう御承知のように、一九八〇年代に
国会でも統一教会による霊感商法というのが問題になって、各種の悪徳商法の中でも最も悪質であるというような警察庁の答弁があったように、
日本にとっては、統一教会というのは霊感商法などの社会問題を引き起こしている団体だという理解が広まっているというふうに思います。
しかし、そこに
加入をされた
日本人信者の皆さんは、さっき言いましたように、韓国でもう七千人以上の方が嫁いでいて、一万人以上のお子さん
たちがいる。私も何度も韓国に行って取材をしました。農村地帯に多くの
日本人女性たちが行っております。非常に貧しい中で信仰を持って頑張っている方々がいらっしゃいます。
と同時に、これはなかなか知られていないんですけれども、韓国においては、統一教会に入ればお金を持った
日本人女性が
結婚してくれるということで、信仰がないのに韓国の男性
たちは合同
結婚式に参加をして、信仰の厚い
日本人女性信者
たちと
結婚をするというケースが圧倒的に多いんですよね。その中で様々なトラブルが起きているというのが現実なんです。去年は合同
結婚式で、参加をした
日本人女性が向こうの信仰のない男性信者とのトラブルで残念なことに殺人
事件まで起きてしまうというようなことまで起きておりますように、様々なトラブルが韓国でも起きているんですよね。
そういう中で、
子供を連れて
日本に戻ってくる
女性たちもいらっしゃいます。あるいは、
子供が生まれていなくても
日本に戻ってくる人
たちがいる。そうした場合、韓国も
ハーグ条約に
加入をしておりますから、今後、
子供の連れ戻しについてやはり日韓の間で問題が出てくる可能性がこの統一教会をめぐってでもあるというふうに私は考えているんですよね。
そうした場合、
法務省にお聞きをしたいんですけれども、宗教上の評価の違いが子の
返還拒否事由、二十八条第二項の中でどのような評価をされるんでしょうか、教えてください。