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鈴木寛君
義家政
務官は、もちろん全ての政策について、あるいは価値観について共有しているわけじゃありませんが、少なくとも今日の
いじめの
現場の深刻さということについて、御自身も非常に向き合ってこられましたし、この
文教科学委員会でも、
与党であったり
野党であったりいろいろ
立場はそれぞれ変わってはおりますけれども、本当に共に問題の深刻さについて共有してきた我々の仲間なんですね。
要は、副
大臣を除く今日の
委員の
皆さんの違和感を少し代弁させていただくと、もちろん、校長
先生が伝記を引いていろいろな集会で
お話しいただくこと、大変いいことだと思います。あるいは、担任の
先生が一分でも二分でも朝
お話しいただくこと、大変すばらしいことだと思います。そして、多くの担任は、そういう、文字どおりそのことをやっているかどうかは別として、何とか
いじめをなくしたいという強い強い思いの中でいろんな御努力を一生懸命されています。あるいはそういうことを応援しようとしています。
しかしながら、そして、これまで二十年、三十年ずっとこの
いじめ問題については問題が深刻化し、そして歴代の、伊吹
大臣も始めいろいろな
大臣が御努力をされて、与
野党問わずですよ、あるいは各、
政権交代の前、どの
政権であっても。しかしなお、またこういう問題が起こってしまう。
本当に大変な難問でありまして、やっぱりその難しさ、深刻さということをとらまえて、そして我々こうした仕事を預かる者として知恵を絞り全力を傾けていこうと。その思いにおいて、副
大臣も思いを持っておられるということを私は否定するまでもありませんけれども、しかし、現状
認識について少し我々と異なるのかなと。
もちろん、
先生が毅然とその
いじめに対して向かっていくこと、これ大変大事なことです。しかしそれは、もちろんボクサーの
皆さんにも武道家の
皆さんにもそういう毅然とされた方は大勢いらっしゃると思いますけど、しかし、背は決して大きくないけれども、女性の大変勇気のある校長
先生で、自分より背の大きい中学生と、しかし毅然と敢然と向かい合って、そして心の底から
いじめは駄目なんだということをきちっと諭して、そして何度も何度も本当にきめ細かく、そして繰り返し誠意を持って臨んでおられる、そしてその中で
いじめが解決するあるいは緩和する、こういうこともあって、これも私はすばらしいことだと思うし、
義家政
務官というのは昔そういうことを
現場でやってこられた、そういう現役の、
現場の
先生のお一人でいたわけです。
そういうことをみんな一生懸命頑張っているけれども、まだなお足らないところ、あるいは
時代の変容、それからもちろんNHKも、NHKは私は害悪な番組はやっていないと思いますけど、一部民放では何か
いじめを助長するような、あるいはそういうことをやゆするような番組が割ともてはやされていて、そしてそのことが
子供たちの成長や学びにとって悪影響を与えていると、その
認識も我々は共有しています。しかし、そのことが必ずしもうまくいっていなくて、頑張っているんだけれども、それを上回る深刻な
状況があって、それに我々は向かっていかなきゃいけないと。
こういうことをみんなで共有しながら、みんなで心を合わせながら最善を尽くしていこうというところに、副
大臣の御
答弁の基になっている現状
認識において、いろいろ見ておられるし、いろいろ
お話を聞いておられるんだと思いますけれども、そこはコミュニケーションの問題なので受け取り方の問題の
部分もあるかもしれませんけれども、そういう印象をみんなが持っていて、少なくとも我々は持っていて、副
大臣にもっと更に、いや、それはどんな人でも全国で起こっている
いじめの全ての現象を分かっている人は誰もいません、いませんけれども、しかし更に向かい合っていただきたいなと、こういう思いでありますので、是非、
義家政
務官、よろしく
お願いをしたいと思います。
お願いだけしておきます。
それで、先ほどの
幼児教育の
無償化の件なんですけれども、
大臣。私も
幼児教育の
無償化、大賛成です。それから、我々
民主党も二〇〇六年の日本国
教育基本法案で
幼児教育の
無償化を入れました。そういう意味で、安倍
政権がこのことを真剣に取り組んでくださって、あるいは先日の
下村文部科学大臣の所信でもおっしゃっていただいたことは大変評価します。しかし、これを実現するためにも、やっぱり議論は、
選挙のキャンペーンとかテレビ向けのキャンペーンはそれはいろいろありますけど、ここはやっぱり
文教科学委員会ですから、やっぱり正確な
制度設計、あるいはそれの前提となるいろいろな
認識についてはやっぱりちゃんと議論しておきたいと、こういうことですね。
先ほどの議論でほとんどは尽きているわけですが、しかしやっぱり御
指摘をしておかなきゃいけないことは、平均値で
幼児を抱える御
家庭の
所得が六百五十三万円で
高校が七百九万円、そのとおりです。しかし、
所得制限というのはそういう話じゃなくて、例えば一千五百万円の
所得の家にも幼稚園児はいます。
所得制限を掛けないということは、この一千五百万円、二千万円の
所得の
子供にも
無償化を適用すると、こういう話ですね。要するに、
幼児教育の
無償化の話と
高校教育の
無償化の話で言葉の定義や
制度設計の
考え方が少しずつすり替わっているので、それはすり替えずに、もちろん価値判断はあるのは当然です。私
たちは、
高校無償化も堅持、
幼児教育無償化も是非やるべきと。今回の第三子からの措置は評価しています、はっきり申し上げて。これを何とかやっていきたいと、後は
財源の話ですねと、こういう
考え方です、我々は。
それで、我々は
高校無償化も
幼児教育無償化も両方やりたいと思いましたけれども、なぜ
高校教育の方を優先したかというと、理由は二つあります。
一つ目は、先ほど林
委員から申し上げましたように、
子供が
高校、大学に上がるに従って家計の
教育費負担というのはうなぎ登りになってくると。その辺りから、ピーク時全
所得の三割とか四割とか、こういうふうに
教育費が上がっていくので、そこを
軽減するというまず
実態面に即した緊急性。
それからもう
一つは、国際人権規約というのがありまして、十三条ですが、そこには中等
教育無償化、そして高等
教育の漸進的
無償化という条項があります。これについては、長きにわたる
自民党政権下ではここは留保していましたね。これは、我々が
高校無償化法案やるときに、与
野党の
皆さんの御協力をいただいて成立をさせ、そして
無償になりましたので、昨年の九月に国際人権規約十三条の留保を撤回をし、国連に直ちにそれが受理されて、今現在、国際人権規約十三条留保をしていない、要するにそれもちゃんと含めて批准をしているという、まともな国というか普通の国になることができたわけであります。
国際人権規約は、もちろん
幼児教育も重要ですが、人権規約上は、まず中等
教育の
無償化があって、次に高等
教育の漸進的
無償化があって、そこまでです。
幼児教育については人権規約は触れていません。もちろん、
子どもの権利条約の
考え方とかそういうことを推進していきますと、
幼児教育の
無償化というのもその延長線であるんですけれども、明示的な、国際的な条約ベースでいわゆる
無償化ということが明記されているのはこれ中等
教育無償化なので、まずそれを第一義的にやったと、こういうことなわけでありますけれども。
ですから、さっきの不整合はやはり
考え方としておかしいんじゃないですかということを申し上げていて、そこは
大臣はよくお分かりだと思いますけれども、やはりそれは重要な整理すべきポイントだということを
指摘をしておきたいと思います。
それで、今日、お手元に資料をお配りをしておりますが、これも
大臣個人は分かった上でおっしゃっているんで、なぜ分かった上でそうおっしゃるのかということを後で
質問をしてみたいと思うんですけれども、
ばらまき、効率、
効果を
考えずに見境なく多数に金銭を配ることと、こういう御定義がありました。この定義に私も賛成します、
ばらまきの定義として。
私どもが
政権にありましたときに導入しました
高校無償化は、
効果、効率を
考えずに見境なく多数に金銭を配っているわけではありませんということを御説明をしたいのがこの一ページ目でございます。
高校無償化は一律に十一・八万円、
公立ではですね。あるいは、
私立は、これ二枚目でありますけれども、二十四万円、十八万円、そして十一万八千円と、こういうふうに就学支援金を給付するわけでありますが、と同時に、先ほど一律画一に十一万八千円をとおっしゃいましたが、それは誤りです。
つまり、私
たちは同時に特定扶養控除の縮減ということをやっています。つまり、この表の見方ですが、一ページですが、まず薄い青色のところは、
無償化による便益、
公立十一・八万円。これはまず一律にもらえます。しかしながら、この点線でもって、特定扶養控除縮減による
負担増というのがありますから、AマイナスBの実線ですね、実線、これが今回の、今回のといいますか、我々が
政権のときに導入したいわゆる
高校無償化制度の実質的な
効果であります。
つまり、この表を見ていただいたらお分かりのように、三百万円、
所得、年収の
方々には約九万四千三百円、それが逆勾配で、実質的な手取りというものは右下がりになっていくと、こういうことであります。最高年収ゾーンについては、差し引きいたしますと六千八百円のプラスにしかなっていないと、こういうことでありますので、私
たちも、きちっと限られた
財源の中で
効果、効率を
考えてこういうふうな逆勾配、実質手取りにすると、こういう
制度にいたしたということは、
大臣は実は昨年の三党
協議のときの責任者でありますからよく御存じなわけでありますが、副
大臣におかれましては、こうした事実、今まで御存じでしたでしょうか。