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2013-05-30 第183回国会 参議院 内閣委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年五月三十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十八日     辞任         補欠選任         中西 祐介君     橋本 聖子君  五月二十九日     辞任         補欠選任         神本美恵子君     那谷屋正義君      橋本 聖子君     中西 祐介君  五月三十日     辞任         補欠選任         岡崎トミ子君     江田 五月君      藤本 祐司君     池口 修次君      伊達 忠一君     青木 一彦君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         相原久美子君     理 事                 芝  博一君                 福山 哲郎君                 岡田  広君                 中西 祐介君     委 員                 池口 修次君                 江田 五月君                 那谷屋正義君                 白  眞勲君                 蓮   舫君                 青木 一彦君                 江島  潔君                 山東 昭子君                 世耕 弘成君                 中曽根弘文君                 山谷えり子君                 谷合 正明君                 江口 克彦君    国務大臣        国務大臣     甘利  明君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       坂井  学君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君    政府参考人        内閣官房PFI        法改正法案等準        備室長      澁谷 和久君        厚生労働省健康        局長       矢島 鉄也君        国土交通省水管        理・国土保全局        下水道部長    岡久 宏史君        国土交通省航空        局航空ネットワ        ーク部長     篠原 康弘君        防衛大臣官房審        議官       吉田 正一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○民間資金等活用による公共施設等整備等の  促進に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 相原久美子

    委員長相原久美子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、神本美恵子君が委員辞任され、その補欠として那谷屋正義君が選任されました。     ─────────────
  3. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事中西祐介君を指名いたします。     ─────────────
  5. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房PFI法改正法案等準備室長澁谷和久君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 白眞勲

    白眞勲君 おはようございます。民主党の白眞勲でございます。  今日は、このいわゆるPFI法について、まず基本的な部分について少し焦点を当ててみようかなと思います。  今日、私どもがこの質疑をしております民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律の一部を改正する法律案、何の意味一般の人はぴんとこないと思います。  今まで民営化といいますと、言葉は一般に浸透していると思うんですね。例えば、以前ならば日本電信電話、NTT、民営化、あるいは国鉄の民営化というのもあったし、あるいは最近ですと郵政民営化などということで、これは要するに、国の運営していた事業というのを完全に民間に移管することによってサービスの向上を果たし、ひいては国民生活に資するという目的があったんではないかというふうに思います。  じゃ、このPFI法は何だというと、なかなか一般国民には分かりにくい部分があるんではないんだろうかというふうにも思われます。特に地方自治体皆さんも、まだまだ普及していない部分があるんではないんだろうかとも、こういうふうにも思えるので、まず甘利大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、このPFIとは一体いかなるものなのか、分かりやすく御説明願いたいと思います。
  9. 甘利明

    国務大臣甘利明君) PFI、プライベート・ファイナンス・イニシアチブというと余計分かりづらくなりますけれども、要するに何をやるかといえば、従来、公共事業公共事業というのは役所事業設計をしまして、そして、建設会社建設会社以外もあるかもしれませんが、等にその事業発注をすると、そして、その施設が完成をしましたら税金でその費用を払って、それから、維持管理についても役所税金を使って行うと、これが従来の定番の公共事業であります。  PFI事業でこれをやるとどういうことが起きるかといいますと、発注する役所の側は、こういう機能でこういうサービスを提供してほしいということを発注する、これを性能発注と呼んでいるようでありますけれども、こういうことをしてほしいということを発注すると。民間事業者の方は、その依頼を受けて設計から維持管理まで全体に実施するということで、民間創意工夫とかあるいは技術力を発揮をして、その結果、低コストで、そしてより魅力的な事業設計実施、そして効率的な維持管理を行うことができると。そういうことを通じて、実は公共事業実施するよりもより低いコストで最適なサービスが提供されると、これを期待をするわけであります。  それから、民間事業者が自ら資金調達を行いまして事業に伴う収入をできるだけ確保する工夫を行うことで、民間資金を最大限活用するということが期待をされると。PFI事業にはいろんなステージがありますけれども、ステージが深まるにつれて、本当に民間お金で、公費がかかわらないで、民間お金民間運営によって公的な事業が取って代わられるということになるかと思います。
  10. 白眞勲

    白眞勲君 甘利大臣、非常にゆっくりと懇切丁寧に御説明くださったような感じはしますけれども、ゆっくりはゆっくりなんですけれども中身についてはよく私もどうなのかなというのはちょっとあるんですが、要は、公の仕事民間ノウハウを生かしながら効率よく仕事をしてもらおうじゃないかということでよろしゅうございますよね。
  11. 甘利明

    国務大臣甘利明君) より分かりやすくなりました。
  12. 白眞勲

    白眞勲君 これを、要は自治体にどう説明していくのかというのがポイントだと思うんですけれども、この辺りは、政府参考人、いかがでしょうか。
  13. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) お答えを申し上げます。  公共団体が、まだ、PFI法平成十一年にできましたけれども、PFIを一度も実施していない自治体全国で九割に達しておりまして、まだまだ浸透していないというふうに感じております。  いろんな理由があるようでございますけれども、伺いますと、市長さんが割とその気になってPFIやりたいとおっしゃっても、市の事務方の方々が、いや、結構手続が面倒くさいんですよという、そういう話が多いやに聞いています。いろいろ更にそれを問い詰めて聞いていくと、PFI事業というのは、やはり大臣が御説明いたしましたように、民間事業者に本来公共がやるべき仕事を一部お任せするということになりますので、そこはPFIでやった方が公共事業でやるよりはお得なんですという、バリュー・フォー・マネーと言っておりますが、このバリュー・フォー・マネー計算をして、その上で実施方針を作ってその選定手続をするという、公共事業発注よりはそこは手続が多少はかさむ形になります。  そうしますと、公共団体発注する、特に小さな公共団体が小学校の耐震改修のようなちっちゃな事業PFIでやろうとすると、それはバリュー・フォー・マネーといいますか、PFIでやった方がお得かもしれないけれども、それは割と僅かなものであって、事務手続に比べるとかなり煩瑣だと、こういうような意識がかなりあるんではないかというふうに思っておりまして、ただ、そこは、例えば京都市などは市内の小中学校の耐震改修を全部まとめて包括的にPFIに出したとか、香川県のまんのう町というところは市内の六十幾つ公共施設を全てPFI事業に一括して出して年間数百万の経費節減に寄与していると、こういうような成功事例も多々ありますので、全国のそうした成功事例といいますか、うまくやっている事例をなるべく分かりやすい形でまとめて、それを公共団体の方にも周知していくと、こういうことをこれからやっていきたいと思っております。
  14. 白眞勲

    白眞勲君 今、澁谷さんおっしゃいましたように、やはり成功体験というのをいかに広めていくのかというのが一つの私はポイントだと思うんですけれども、要は、PFIというのは、初めは大変だけど後はいい思いしますよということで、それが、いい思い最初にしたまま後で嫌な思いするよりはいいでしょうというところをどう自治体皆さんに周知させてもらえるかということだと私は思っているわけなんですね。と同時に、この煩雑な仕事というものをやっぱり役所皆さんがどういうふうに、何というんでしょうね、分かりやすく逆に言うと皆さん説明をしていくかというのも一つの大きな課題だというふうに私は思うんですね。  ですから、そういう観点からいうと、ある自治体PFIを行うことによって成功したという事例、今、京都の話がありましたけれども、もっともっと分かりやすい普遍的な事例を簡単な、まとめて発注とか何かになるとまだまだ大変ですから、つまり、あの自治体だからだとか、あの特殊性があったのだからできたんだということではなくて、どこの自治体にでもでき得るようなことをPFIでやったら格段に効率化できたという事例を挙げることによってもっと増えていくというふうにも思えるんですけれども、この辺りは、じゃ、大臣、いかがでございますでしょうか。
  15. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 具体的なイメージがあればあるほど発注する側にとっては事業、対象を選定しやすくなると思いますし、いろいろなコスト計算も具体的にできるそのやり方というのが分かってくると思います。極力このPFI手法を使って、コストサービスも、コストも削減され、サービスも上がったという例を集計して、地方自治体がこの手法を取りやすくするようにいろいろ取り組んでいきたいと思っています。
  16. 白眞勲

    白眞勲君 今大臣がまさにおっしゃいましたようなことを積極的にまず進めていくと、最初から難しいハードルの高いものからやっていくというよりも、そちらの方の方が、もちろんそっちもやったっていいんだけれども、より分かりやすい普遍的なテーマについてやっていったらどうなのかというふうにも私は思っておるんですけれども。  例えば、そういった観点からすると、下水道事業というのは一つの私はパターンとしていいのではないかとも思うんですね。これは、下水道事業、どこの自治体でも絶対行われているわけです。ですから、この担当である国土交通省さん、いらっしゃっていますよね、この辺りPFI状況についてお話伺いたいと思います。
  17. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) お答えをいたします。  下水道事業分野でのPFI取組状況ということでございますが、現在、東京都、それから横浜市、それから黒部市、大阪市、この四自治体におきまして、下水汚泥処理過程で発生する消化ガス活用による発電でありますとか、あとこの下水汚泥固形燃料化による石炭の代替燃料としての発電利用、そういうものに関するPFI事業を今七件ほど実施をしてございます。民間ノウハウ資金活用を進めていると、こういう状況でございます。
  18. 白眞勲

    白眞勲君 今国交省からありましたけれども、これは下水道事業のある意味一部の部分を抽出してPFI事業にしているという部分だと私は思うんですね。これ、やはり下水道全体としてのPFI事業というのはこれからやるおつもりはあるのかどうか、あるいは、やるに当たってどういった課題があるのかどうか。例えば料金の問題も出てくるかと思いますが、その辺りについてお話の方、聞かせてください。
  19. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) 下水道事業全体についてと、こういうことでございますが、国土交通省では、昨年の十二月から下水道事業における民間活用に関する有識者検討会というのを実は設置をしてございまして、事業主体である自治体、また民間企業からPFIなどに関する意見聴取をしながら、その活用在り方について今検討してございます。  この中で、PFI事業利点につきましては、例えば、自治体からは、やはり事業執行体制の補完になるとか、あと事業効率化などに寄与する可能性があるなどの期待が寄せられておりますし、また民間企業からは、従来に比べより創意工夫を生かした効率的な事業実施できる可能性がある、そういう期待が寄せられております。  一方、課題につきましては、自治体から、効果の把握が困難であるとか自治体職員技術喪失が懸念されるなどの意見をいただいておりますし、民間企業からは、災害時のリスク対応とか、あと施設状況財務状況把握が困難であるなどの意見をいただいているところでございます。  今後のこの下水道事業におけるPFI導入につきましては、今経済財政諮問会議での御議論もございまして、そういうものを踏まえながら、さらに、官民の適切な役割分担でありますとか、あとリスク分担在り方、そういうものを含めまして、下水道事業における民間活用に関する有識者検討会の場で事業主体である自治体、また民間企業の御意見も十分にお聞きしながら引き続き検討をいたしまして、それらの結果を踏まえまして、意欲のある自治体PFI事業への取組につきましては御支援をしていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。
  20. 白眞勲

    白眞勲君 まさに私はその部分ポイントだと思いますので、是非積極的に、でも、だからといってPFIが全ていいんだということではありませんので、その辺りはより慎重に検討の方をしていただきたいと思うんですけれども。  大臣にお聞きしますけれども、今挙げましたように、下水道事業などを一つの例としまして、自治体の皆様に具体的に、このような事業だったらこのようなアイデアがあり、やってみたらこのような利点がありますみたいな単純明快な例を挙げてPFI導入促進させていくことが重要だというふうに思います。要は、隣の自治体がいい思いをしているんだということが分かれば、自治体の中には後ずさりしている自治体があるならば、それが少しでも解消できるのではないかという部分だと思うんですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
  21. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 国も地方もこれから直面する大きい課題は、インフラ老朽化をしてきて耐用年数を迎えると、その維持更新費用が掛かるわけですね。これを、従来のままだとすると公費でやらなきゃならない、財政が大変な中で、その更新維持管理等費用が重なってくると、これは国、地方共通課題だと思うんですね。これに対して、PFI手法というのは一筋の光明になると思うんです。  その際には、料金を取っている公共事業というのは割となじみやすいですよね。上下水道とかそれから高速道路等々は、インフラの中で料金を取っているというのは、コンセッション方式は速攻でできるわけであります。そういう具体的に置き換えることができるような例示というのはすぐに提示をできると思いますし、そういう事業地方自治体でも幾つもやっていると思うんですね。  そういう提示の中で、PFIにもステージがありますから、コンセッションから更にもっと進んでいくやり方もあります。その幾つかのパターンを示して、この中でおたくの自治体で取り組めるものを、この規定を当ててみると幾つか出てくるんじゃないですかということで検討をしていただけるんじゃないかと思います。
  22. 白眞勲

    白眞勲君 今大臣おっしゃいましたように、やっぱり分かりやすく分類、体系化させていくということによって自治体にお示しをしていくということを、私は非常に面白く、必要な部分ではないかというふうに思うんですね。  これは、参議院の国際・地球環境食糧問題調査会が今国会で出す予定の調査報告書でも、国内の水インフラ整備重要性ということを項目の中の提言としてありまして、これは、水道は人間の命を守る上で欠かすことのできない役割を担っており、その根幹部分は公がしっかり押さえ、最終責任は公が担うことを前提に、官民の適切な役割分担在り方民間企業の優れた技術活用するための手法などについて検討すべきであると、こういうふうになっているわけなんですね。  その意味からも、私は下水道分野におけるPFI事業についてはいろいろなアイデアを出し合って効率よく事業をするべきだと思いますが、逆に、この上水道という部分というのはちょっと下水道とはまた違って、少し慎重にしていくべきなところではあるんではないだろうか。これ、やはり人の命を守る最低限インフラです。そこを民間も参入させてやる場合には、よりこの辺の慎重さというものは求められると思いますが、上水道は所管しているのは厚労省ということで、この辺りについてどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。
  23. 矢島鉄也

    政府参考人矢島鉄也君) 上水道ですが、水は国民日常生活に欠かせないものでございまして、水道事業にとっては、安全な水を安定して供給することが最も重要であると認識をしております。厚生労働省では、安全な水の安定供給前提として、健全な水道事業運営維持していくために必要な場合に、地方公共団体である水道事業者PFIコンセッションを含む多様な形態の官民連携を選択できるものと考えておりまして、引き続き各種情報の提供などを行ってまいりたいというふうに考えております。
  24. 白眞勲

    白眞勲君 やはり上水道は、今おっしゃいましたように、これは慎重にやはりするということのお答えだというふうに思うんです。別に完全にPFIを排除するべきではないけれども、やっぱり最低限のその辺りはしっかりと押さえながらどういうふうに工夫していくかということが課題だというふうに思っているんですけれども。  そういうリスクというものを、逆に言うと、自治体にも私はきちんと説明しなければならないんではないんだろうかというふうに思うんですね。既にこのPFIというのは、法律を施行後、事業を動かし始めてからもう約十年以上たつという中ですけれども、うまくいっているところもあるならば、結果的に残念な状況になっているところもあるわけなんですね。  その残念な結果になったところは、どこで何が問題になったのか、その具体的な理由も含めてお話しいただきたいと思います。
  25. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) お答え申し上げます。  これまで全国で四百十八件PFI事業が行われておりますが、当初のPFI事業者による事業継続が困難となったケースが四件ございます。具体的に申しますと、福岡市の運動施設、タラソテラピーという、何かそういう温泉療養施設のようなものだそうでございます。それから、高知の病院、北九州市の港湾施設、名古屋市のこれは港湾管理組合観光施設、イタリア村と呼ばれていた観光施設でございます。この四件が事業そのもの継続が困難となった事例でございます。あともう一件、近江八幡市の病院というのもよく事例に挙げられます。これは発注者側都合で、何か市長さんが替わられたということがあって、発注者側都合契約を解除したというケースのようでございます。  最初の四件についてですが、私もちょっといろいろと当時の契約書などもつぶさに見たりして、報告書なんかも読んだりしたんですけれども、共通して言えることは、事業リスクというもののリスク管理について、事業者それから行政あるいは金融機関関係者事前に十分な合意なりあるいは検討というものがなされていなかったんじゃないかと。例えば福岡市の事例で申しますと、融資をした銀行が、福岡市が税金ファイナンスする部分に見合う分だけを融資しているということでして、そういう意味ではリスクが余り取っていないような状況です。  この民間金融機関PFI事業者に対してお金を貸すということで、これは諸外国ではステップインといいまして、民間金融機関が、自分の貸した金が焦げ付かないように一生懸命経営状態をチェックして、危なくなる前にいろいろ介入するというのが、まさに民間資金活用するということはそういう利点があるというふうに言われているんですけれども、最初からリスクを取らないというような形での融資の仕方というもの、これはいわゆるプロジェクトファイナンスという意味で、真の意味でのプロジェクトファイナンスと呼べないんではないかというような報告書もあるわけでございます。  今後、諮問会議なり成長戦略を踏まえまして、なるべく税財源に頼らないPFI事業を推進していくという上では、リスク管理必要性がより一層重要になるというふうに考えておりまして、関係者リスク管理に関する事前検討を十分行うこと、行政によるモニタリングを徹底すること、これは実は既にリスク管理ガイドラインモニタリングガイドラインというものを発出しているわけですけれども、これを更に徹底をしていきたいというふうに考えております。
  26. 白眞勲

    白眞勲君 今御指摘のあった四件、今挙げられた四件というのはもう完全に手を上げちゃった、いわゆる破綻したということですけれども、今おっしゃいました四百十八件の中には、当初の目的を達成せずにあっぷあっぷしながらやっている例もあるかもしれない。ですから、その辺りについてはどういうふうに把握されているのでしょうか。
  27. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 福岡市の報告書が非常に象徴的なんですけれども、福岡市の最初の破綻した、事業が困難になった事例は、一部税金が入っていますけれども、まさに利用者料金収入資金を回収するという計画であったわけです。  福岡市議会で、そのPFI事業についてこれからもやっていくのかというようないろんな議論があった中で、福岡市の担当者が、これからのPFI事業は一〇〇%税金ファイナンスする、いわゆる延べ払い型なので破綻の心配はございませんという答弁をされているんです。ちょっとこれは違うんじゃないかなという感じを持っていまして、確かに、一〇〇%税金ファイナンスするということは、そういう意味でのリスクがないわけですけれども、しかしながら、やはり民間資金が入って、民間の目利きで需要の予測ですとかそういうことをきちんと事前にチェックをして、かつ経営の仕方についても民間効率的な経営というこのPFI事業の良さを、それで結果的に税財源の負担が軽減されるという、これリスクと裏腹ではあるんですけれども、PFI事業利点を伸ばすためにはリスク管理というものが非常に重要な点だというふうに思っております。  現在の四百何件のPFI事業の大半が、七五%近くが一〇〇%税金ファイナンスするというものですので、そういう意味での破綻というものがないわけですけれども、実際は、例えば需要予測が当初のもくろみ以下であったとか、そういうものは幾つかあるわけでございまして、なるべくそういうものを民間の市場に開放して民間関係者を中に入れることで、厳しい目で需要予測をしたり、そういうPFIの良さをこれからどんどん進めていきたいというふうに考えております。
  28. 白眞勲

    白眞勲君 今、澁谷さんがおっしゃったリスク管理って非常に重要だと私も思っております。しかしながら、民間というのはえてして自分の失敗を隠そうというか、公の場合には、ある意味もう国会とかそういういわゆる議会があるわけですけれども、民間の場合には隠そうと思えば隠しちゃう部分があるわけですから、その情報公開の重要性というのはより求められる部分があるんではないかなというふうに私は思っているんですね。  ここで我々が学ばなければならない、この失敗例とかあるいは需要予測がうまくいっていないというところから学ばなければならないというのは、要するに公共事業民間手法導入することのメリットというのは一挙両得になるかもしれないけれども、逆に言えば、決して打ち出の小づちではないんだということをやっぱりしっかりと我々は認識して事業を進めていかなければならないんではないかということだと私は思っているんですね。  片や失敗すると、今もいろいろな例を挙げられましたけれども、その責任をなすりつけ合う結果となって、結局国民が、あるいは利用者が嫌な思いをする可能性もあるわけで、一見理想的に見えるものでも実際やってみるとそうではなかったみたいな事例をいかに減らすということも考え方としてあるわけなんですね。  この辺り大臣、どうでしょうか。認識としてどういうふうにお思いになっているのかをお聞かせください。
  29. 甘利明

    国務大臣甘利明君) どの部分をどう切り出して民間にこの種の事業形態として任せるか、まずその判断をするときに、公共がやるよりも民間がやった方がこれだけメリットが出るということは分かりやすく精査をする必要があると思います。その上で民間仕事発注をすると。  民間は、株式会社は当然株主に対して自身の事業全体の情報を開示する責務があります。その情報開示が適切になされていないと、それはもちろん株式会社として失格するわけでありますから、その株式会社として株主に経営の内容をしっかり開示する、正確な情報を開示するという点は、いかなる事業者であろうとも、あるいはいかなる対象事業を行おうともきちんとやってもらいたいと思っておりますし、その点はしっかり事業発注するときに、この事業の進捗について発注する当局にもしっかり情報を手渡すということはやっていかなければならないことだというふうに思っております。  いずれにいたしましても、きちっとした事業を選別し、きちっとした事業者を選定するということが肝要かと思っております。
  30. 白眞勲

    白眞勲君 大臣おっしゃいましたように、やっぱりきちっとした事業を選択してきちっとした発注者を選択するんだという中で、民間の持つものを一番能力を発揮できるような、そういう事業というのが何なんだということは、逆に言うと、これは発注者側にも重要性が私はあるんだなというふうに思うんですね。  よく民間だったら大丈夫なんだという部分があるという間違った認識が私はあると思っているんですね。具体的に申し上げますと、国とか自治体には資金はあるかもしれないけれども非効率で能力が低いんだ、さらにはコスト意識がないなどというイメージですね、イメージがある。逆に、民間は経営能力、コスト意識の高さがあるというイメージ、これもイメージですよ。確かにその部分というのは否定できないかもしれませんけれども、これ会社の性格によってまちまちであって、もっと具体的に申し上げますと、民間というのは基本的には、今株主という話がありましたけれども、やっぱり飽くなき利潤の追求というのが究極の目的であるわけで、そのためにはライバル会社よりもいい製品を作るためのコスト意識であり、そしてサービスあるいは経営能力ということだと私は思っているんですね。  ですから、そのサービスに対してお客様がどれぐらいの対価に納得してお支払いいただけるのかということがポイントだということで、もっと逆に言えば、競争相手がいるかどうかというのが一つポイント民間だと私は思っているわけなんですね。逆に言えば、競争相手のいない民間というのはこれほど恐ろしいものはなくて、独占というのがあって、これはもう逆に言えば民間のやりたい放題、サービスなんか二の次、暴利を貪るみたいな状態になってしまう可能性もあるわけですよね。  私、その辺のポイントというのは非常に重要だと思いますけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
  31. 甘利明

    国務大臣甘利明君) それはおっしゃるとおりだと思っております。  民間に任せると、民間は経営として受注をするわけですから利益を出す、出さなきゃならない、道楽でやるわけじゃないですから。その利益を出すことがどういう影響を、負の影響を及ぼしたらこれは元も子もないと。つまり、サービスの低下をすることを通じて利潤を稼ぐということにならないように、それは発注するときにその仕様はしっかりしなけりゃならないと思いますし、常に経営の効率サービスのより適切な供給というものが両立しているかどうか、それは発注者側がしっかりチェックしていくことだと思っております。
  32. 白眞勲

    白眞勲君 私、そこポイントだと思っておりまして、例えば空港について私は一つここでポイントとして挙げたいと思うんですね。  衆議院の方ではもう空港の民営化に関する法案が通ったと聞いておりますけれども、これもPFIで今後やる、そういうビル会社でしょうね、ビル会社、空港会社というか、ビル会社が出てくるというふうにも聞いているんですけれども、今でさえ空港ビル会社の中にはべらぼうに安い国有地にビルを建てて、それをべらぼうな金額、べらぼうに高い金額でエアライン側に貸していると。そのエアラインとしては家賃が気に食わなくてもしようがないんです、そこにカウンターなどを持ってこなければ商売にならないわけですから。つまり、空港ビル会社の言い値で借りるわけで、結局ビル会社は大もうけ、エアラインはそのツケを利用者、つまり乗客に転嫁せざるを得なくなるという図式が生まれてしまうんですね。  これ、よろしいですか、国交省さん。
  33. 坂井学

    大臣政務官(坂井学君) 今おっしゃったように、空港におきましてそういった面が場所によってはあるかもしれないと、こう思っておりますが、しかし、例えば国際空港等はほかの国際空港、拠点空港との競争というものを当然意識をしていかなければいけませんし、また地方空港、また国管理空港等に関しましても、その近郊にある空港と利用者の、それこそ選んでもらうために努力をしなければいけませんし、また今新幹線のネットワークもできておりますから、そういったものとの今度は競合というものも考えていかなければなりませんので、これに関しましては一概的に競争がないということはなくて、場所場所によってはそれは競争を当然意識をして運営をしていく、こういうことになろうかと思っております。
  34. 白眞勲

    白眞勲君 坂井政務官、あるかもしれないじゃないんですよ、あるんですよ、あるんですね。それは何かというと、今おっしゃいましたように、国際空港がどうのこうのというよりも国内にいっぱいあるんですね。ですから、そこはもう少し御認識をしていただきたいというふうに私は思っているんですけれども。  国際空港でいうと成田空港、一例を挙げますと、今変わりましたよ、今見違えるほど変わりましたけれど、私、議員になる前に仕事でよく成田空港を利用したんですけれども、まあ本当にでたらめな空港でしたよ、当時は。まず都心から遠いというのはこれはもうしようがないにしましても、もう鉄道の駅が、空港の地下に駅自体はあっても線路引っ張ってこなかったのね。京成電車はその手前で降ろしちゃって乗り合いバスに乗せているんですね。こういう意地悪をしていたんだね。それから、空港の目の前では、それでお客さんはトランクを降りてまたバスに抱えて載っけてなんていう、もう想像を絶するやり方から始まって、保安検査場の混雑、それから免税店の品数のなさ、レストランのひどさ、もう枚挙にいとまがなかった。さらには、発着処理能力の不足、常時の遅れ、乗り入れ希望航空会社に対するぶしつけな態度、こういったものも、もうめちゃくちゃでしたよ。  それが、日本の周辺国の経済の向上とともに周辺国のハブ空港ができて、なおかつ羽田空港まで国際線が乗り入れたということもあった、別に成田空港へ行かなくてもよくなっちゃったわけですよ、これで。だから、今では民営化もしてサービスも飛躍的に向上して、すばらしい、まだまだ改善点はあるけれども、良くなったと私は思っています。ですから、このように、やっぱり成田空港の場合は、羽田空港とかあるいは今政務官おっしゃったように周辺アジア諸国の空港をライバルとしてやっと改善されてきたわけですよね。  で、私、お聞きしているんです。だったら、関西空港の場合は、これ、伊丹と一緒になっちゃっているんですね。この辺りどのような認識か、お伺いしたいと思います。参考人で結構です、もしあれでしたら。
  35. 篠原康弘

    政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。  今御指摘いただきました関西空港、伊丹空港の関係につきましては、確かに近隣空港一緒になっておりますけれども、一つには、御指摘いただいたようなアジア近隣の空港との厳しい競争の中で、伊丹空港、関空の両方の事業価値を合わせることで日本の、関西の拠点空港としての地位を更に高めていくと、そういう厳しい緊張感の中で運営が行われているものと思っております。
  36. 白眞勲

    白眞勲君 ですから、関西空港のライバルってどこになるんですか。要は、関西の人たちは、ああ、もうやっぱり伊丹がいいなとか関西空港がいいなといっても、同じ会社になっているんですよね。その辺りで、ライバルって非常に私は設定難しいんではないか。私は、ライバルがあることによってサービスの向上というのは図られると思っているんですね。  今回、PFIというこの法案に関しても、これ、今後利用したいというような意識もあるようですから、この辺りきちっと私は詰めていきたいと思っているので、お答え願いたいと思います。
  37. 篠原康弘

    政府参考人(篠原康弘君) まず、お答え申し上げます。  関空あるいは伊丹の、関西の拠点空港になるという意味では、やはりアジアの諸国の空港との競争がまずメーンのターゲットになると考えております。その中で、伊丹空港、関空、それぞれの強みを総合して、それぞれが役割分担しながら両空港を一体として各空港に勝っていくと、こういう戦略を今、新関空会社で立てているというふうに認識をしております。
  38. 白眞勲

    白眞勲君 余りお答えになっていないんだけれども、でも、要は、私は、明確なライバル関係というのは結局このエリアとしてはない感じになっちゃうわけなんですね。  だったらどうするかと、やっぱり工夫しなきゃいけないと思っているんですよ、私は。同じ会社の中でも伊丹と関西空港で部署を別々にするとか、第一営業部、第二営業部みたいな形にして、それでお互いに競わせるという、そういう仕掛けというのも私は必要なのかなというふうにも思うんですね。その中で、頑張った方の部署に対しては人事考課に点数をあげるとか、何かほかの形でインセンティブを与えるというような形でお互いに切磋琢磨していくということが私は必要だというふうにも思うんですけれども、その辺り、政務官、いかがでございますか。
  39. 坂井学

    大臣政務官(坂井学君) ただ、まさしくその辺りが、民間に委託をして民間の知恵で経営をしていく、運営をしていく大きな一つポイントだと思います。別々にした方がより経営が上がり、そして質が上がるかということでございまして、先ほど委員も御指摘ありましたように、今はもう殿様商売では使ってもらえない状況にあります。国際的な拠点空港ということは、ほかのところからやってきて、乗り継ぎとか、そこからまた新たに国内に移動をするという、関西の方だけが使うのでなくて、ほかのところからそこを使ってもらってほかに飛ぶということも大変大きなポイント、比重を占めておりますので、そういう観点から一体的に運営をした方がよりサービスの質が上がると。  これは民間のそれこそ知恵、経営の知恵だと思いますし、また、もう一つ突っ込んでお話しさせていただいちゃいますと、今提出をさせていただいております法案でございますが、この法案に関しましては、今委員が御懸念のように、余りにもひどいような着陸料だとか余りにもひどいようなビルのテナント料金などを設定をした場合には、こういったものに関して必要な措置を講じることができると、こういう中身にいたしておりますので、適切な運営を目指していきたいと思っております。
  40. 白眞勲

    白眞勲君 まさにそのとおりだと、私、政務官、思うんですね。  ただ、今の航空法でも空港に対しては適切な措置がとれるような文案になっております。でも、今まで適切な措置が全然とられていなかったという事実もあるんですね。その辺りはしっかりとやりたいと思います。これ、今度は国土交通省の話になってしまいますから、これぐらいにしておきますけど。  ちょっと、ただ、一つだけ私気になっているのは、羽田空港の貨物です。これは、PFI事業をしてこの貨物会社というのは選んでいるわけなんですね。ところが、当初の予想どおりにはなっていない、貨物の取扱量が。何か七分の一ですか、ぐらいにしかなっていないとかいう話もあるんですけど、その辺り、何でこうなのか、その理由についてもお話聞かせていただきたいと思います。
  41. 篠原康弘

    政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘いただきました羽田空港の国際貨物の取扱いにつきまして、平成二十二年からPFI手法で独立採算型で事業をやっていただいております。当初、私ども、この事業では年間五十万トンの貨物の取扱いが見込めるというふうに考えておりましたけれども、現状、約十五万トンの取扱いにとどまっているという実情がございます。  その原因につきましては、一つには、リーマン・ショック以降の大きな経済変動の中で世界全体の国際航空貨物の物流が停滞しているということもございますが、それ以外にも、成田周辺に貨物施設が集中していることですとか、羽田の貨物便の就航がまだまだ少ないと、そういったようないろんな要因がございます。そういった要因に対して、これから的確に手を打っていく必要があると考えているところでございます。
  42. 白眞勲

    白眞勲君 これはPFIと直接は関係ないかもしれないけれども、当初の予想のやはり貨物量ができていなかったというのは、これは甘かったということは認めざるを得ないんですね。これ、今七分の一と申し上げましたけれども、七割予想よりも低かったということですから、もうこれは普通の事業会社にしてみれば大失敗ということに私はなるんではないかと思うんです。  ですから、こういう、何というんでしょうね、こういうことをやっちゃうと、今度PFI全体の事業に対するイメージというのが、特に羽田の空港の貨物だなんというのは非常に目立つんですよ、これは。そういう部分においては、ここはしっかりと国交省としても把握をしていただきたいなと。  PFIとは何の関係もないと言っちゃなんだけど、予想を下回ったということですから、これはPFIじゃなくたって一緒だったというわけですから、この辺りについてはやはり私はしっかりと把握をしてもらいたいと思うし、この貨物についてどういう原因があるのかというのも含めて、国交省ではしっかりと把握をして、今だんだん国際貨物も増えてくる傾向にこれからなると思いますけれども、片や、様々な、成田空港にしっかりとみんな根を下ろして仕事をしているということもありますから、値段の問題も含めて、貨物の取扱い、あるいはそこの、何というんですか、場所代というんでしょうか、も含めてしっかりとこれは把握したいと思うんです。  ちょっとその辺の決意表明だけ、政務官、お願いしたいと思います。
  43. 坂井学

    大臣政務官(坂井学君) 先ほどから、管理に関して大変まだ不十分だったと、こういう御指摘があります。この点に関しましても、今後しっかりとやっていきたいと思いますので、また御指導よろしくお願いいたします。
  44. 白眞勲

    白眞勲君 ここで、この法律の第五十七条に、「機構は、特定選定事業の円滑な実施促進されるよう、内閣総理大臣に対し、特定選定事業の推進に資する情報の提供を行うもの」となっておりますけれども、ここで私ちょっと聞きたいのは、この事業が円滑な実施ができていない場合はどうなるのかということですね。内閣総理大臣はこの事業の停止命令など出せるのでしょうか、お答えください。
  45. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 元々PFI事業は、公共施設の管理者である行政が定める実施方針に従って行われるものでございます。  御指摘の条文は、機構がこの事業に出融資をした場合のお話でございますけれども、管理者である所管の大臣PFIを所管している内閣総理大臣が、そこはよく連携をさせていただいて、先ほど、金融機関がきちんとした目利き能力を発揮して経営改善に向けた様々な指導を行うというようなことを申し上げましたけれども、この機構もそういう専門家集団でございますので、機構の専門家の意見も聞きながら、内閣総理大臣としてきちんと判断をして、事業が悪い方向に行かないような、そういう指導をしていくということでございます。
  46. 白眞勲

    白眞勲君 当然指導はしてもらいたいと思うんですけど、私、二つ、ちょっと気になるところがありまして、そんなに内閣総理大臣が、そんな、申し訳ないけど、忙しいのにできるのかなという、その単純な疑問が一つあるのと、それからもう一つは、最終的にこの事業うまくいかない、あるいはこれ、国民に対して非常に迷惑の掛かるような事業になりつつあるなと。今、上水、下水の話がありましたけれども、そこなんかも本当に危なくなっちゃったなんということになった場合には、これ最終的には停止命令ということも出す必要があるんではないかなと私は思っているんですけれども、その辺りについてもう一度聞かせてください。
  47. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 機構側の金融支援を行ったものにつきまして、内閣総理大臣というのは、これは政府全体の内閣総理大臣ということとPFIを所管している内閣総理大臣という、そういう内閣総理大臣の担務を分掌する、現在でありますと甘利大臣PFI担当大臣ということでございまして、甘利大臣の御指導の下、様々な関係の役所と協議をさせていただくということでございます。  事業の停止命令ということでございますけれども、その事業の停止等につきましては、元々PFI事業として実施されているものでございますので、最初実施方針の中で、どういう場合に、所管の公物管理法などの規定によって、そもそものその事業を所管する大臣の方で適切な対応がなされる、そこは、内閣総理大臣PFIを所管する大臣として担当大臣と十分な連携を図って必要な措置を行っていくと、そういう対応になろうかと思います。
  48. 白眞勲

    白眞勲君 あと、機構は第五十二条において、その七で、実施方針を定め、若しくは定めようとする公共施設等の管理者又は特定事業実施し、若しくは実施しようとする民間事業者に対する助言という業務となっているんですけれども、もし、この事業者が当初の目的に沿わない形で事業が行われた場合には、私はもう助言では済まないんじゃないかなと思うんですよね。何かやけにこの辺、何か弱々しい感じするんですよ。もうちょっと何か強い言い方してもいいんではないかなと思うんですけど、何でこれ助言というような言葉になっちゃったんだろうかなと。助言というのは、助言したって言うこと聞かないって言えばそれまでの話じゃないですかということにもなりかねないんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
  49. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 実は、英国、PFIの先進国と言われていますイギリスにおいても、昨年の十二月ですけれども、イギリスもやはり日本と同じように十年ぐらいのPFIの実績があって、やはり様々な課題があるようでございます。  実は、イギリスにおいては、これは日本とちょっと逆なのかもしれませんが、民間PFI事業者がもうけ過ぎているというそういう批判が非常にあったようでして、キャメロン内閣のPFIの大改革方針というものがPF2という言い方で発表されております。非常に興味深いのは、政府のガバナンスを事業者に対して利かせなきゃいけないと、それを規制などの手法ではなくて政府がエクイティーを取りにいくという形でガバナンスを利かせるんだと、これが現在の英国政府のPFI事業に対する新しい監督責任という、そういう方向で動いているようでございます。  やはり民間事業を、民間創意工夫を最大限に発揮して、それは単に税金を安くするだけではなくて、利用者あるいはその地域の人たちに最大のバリューをもたらすという、真の意味でのバリュー・フォー・マネーを高めるというPFI事業目的を達成するためには、余りその規制を強化するという形ではなくて、非常に効果的なガバナンスの仕方、これは、イギリスは一年間議論をしてそういう方向になったということでございます。  私どもの機構、今回の法律を成立させていただければ、機構に国費を出資をして、そういう意味でのガバナンスの利かせ方、これは、ある意味では今のグローバルスタンダードになりつつあるそういう新しいガバナンスの利かせ方という形で、まあ事業の監督は本来の事業所管官庁が行います、それとセットで連携をしながら事業の適切な運営を確保していきたいと、このように考えております。
  50. 白眞勲

    白眞勲君 やはり今おっしゃいましたように、広くやっぱり民間に対しては思いっ切りやってもらいたいというそういった部分と、逆に言えば、やっぱりあめとむちという部分というのも私は必要なんではないんだろうかというふうに思うんですね。別に、やらせないようにするためにがんじがらめにする必要はない。ただ、何か変なことをやったと、どう見てもこれは変じゃないかというときには、やはりそれなりの縛りというのを付けるのは私は当たり前だというふうに思っているんですけれども。  その中の、専門家の派遣及び助言、これは五十二条第一項六、七号ですけれども、これは有償なんでしょうか、無償なんでしょうか、お聞かせください。
  51. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 機構が設立されました後、この事業を有償でやるかどうするかというのは、また会社の方で、これは会社の事業として行っていただきますのでお決めいただくことになるかと思いますけれども、私どもの期待としては、せっかくこの機構に市場のプロ、プロジェクトファイナンスのプロが多数集まるわけでございますので、そうした人たちが日ごろのノウハウを、恐らく、最初は、特に公共団体に対しては、なるべく、有償だとしても実費程度でハードルを下げた形でアドバイスなどをしていただくと有り難いなと、こういう期待をしているところでございます。
  52. 白眞勲

    白眞勲君 防衛省にお聞きしたいと思うんですけれども、今回、打ち上げ衛星、これPFIでやるということで採用したそうですけれども、この状況について御説明願いたいと思います。
  53. 吉田正一

    政府参考人(吉田正一君) お答え申し上げます。  今御指摘のございましたXバンド衛星通信整備事業につきましては、平成二十三年六月のPFI法改正によって人工衛星が同法の適用対象となったことから、民間資金、経営能力や技術的知見などを最大限活用し、リスク管理の最適化と経費負担の軽減を図るため、防衛省としてPFI方式を採用することといたしました。  防衛省では、平成二十四年十月に総合評価落札方式による入札を行い、本年一月に本事業を落札したスカパーJSAT、日本電気及びNTTコミュニケーションズが設立した特別目的会社ディー・エス・エヌと事業契約を締結したところでございます。  今後は、受注企業による衛星製造等の後、平成二十七年十二月と平成二十九年一月にそれぞれ一基の衛星を打ち上げ、平成四十二年まで運用することといたしております。
  54. 白眞勲

    白眞勲君 私、このPFIというのは一つの大きなポイントはそこにもあるんじゃないかなと思うんですね。つまり、自治体の身近なものもあれば、空港みたいに社会的な大きなインフラもあれば、防衛省までこのPFIでやれるようになったということだと私は思っているんですね。  防衛省にお聞きします。ほかに何かやる気あるのかどうか、教えてください。
  55. 吉田正一

    政府参考人(吉田正一君) 本事業を通じまして、私どもといたしまして、例えばこの契約締結から十八年間の長期一括契約による価格抑制とか経費負担の平準化とか、こういったメリットがあるというふうに思ったところでございます。  他方、自衛隊の装備品というふうなことにつきましては、先生も御承知のように、自衛隊の装備、各種の事態への対処でございますとか厳しい環境下での訓練など、そういったものが使用の目的、態様となるというふうなことで、一般の船舶でございますとか航空機に比べてサービス購入の対象物が……
  56. 白眞勲

    白眞勲君 もういいです。
  57. 吉田正一

    政府参考人(吉田正一君) いずれにいたしましても、こういった利点にも鑑み、今申し上げたようなところも含めて、活用し得るところについては活用できないか検討していきたいというふうに思っております。
  58. 白眞勲

    白眞勲君 いや、最後のワンセンテンス言ってくれりゃいいわけです。防衛装備品まで、戦車がどうのとか、そんな話をここで議論するわけではありませんから。  ということで、私はそろそろ、一時間ぐらいでということだったのでまとめに入らせていただきたいと思うんですけれども、PFIのメリットというものについては、一つは人件費とか、いわゆるVFMと盛んに澁谷さんもおっしゃっているんですけれども、いわゆるこのVFMとぱっと言われても分からない人は分からないわけでして、要はどこが得なのというところだと思うんですけれども。  やはり、何というんでしょうね、非営利事業で、例えば図書館みたいなところでPFIをやるとなると、民間が節約できるところというのは逆に言うと限られちゃうんだと思うんです。人件費の削減しかなくなっちゃうんですよね。そうすると、いや、これはやっぱりちょっといかがなものかなというふうにも思える部分があるんですね。つまり、そのPFIが全てが、今、一番最初に、私も最初のころ申し上げたように、打ち出の小づちでどんどんどんどん削減すればいいんだという部分とはちょっと違うような部分もあるんですけれども、その辺りについては、じゃ大臣の方からこの辺りについてのお考えをちょっとお聞かせください。
  59. 甘利明

    国務大臣甘利明君) PFIに付するということは、できるだけコストを下げる、つまり、税金国民負担を下げるということでありますけれども、行政行政サービスの提供ですから、そのサービスの質を犠牲にしないでという前提があるわけです。でありますから、今図書館の例がありました。図書館はどうした方がいいのか、ちょっと即答できませんけれども、例えば、単なる運営だけを民間に委託する場合にはいろんな支障があるし、工夫の度合いも少ないと。だけれども、図書館を建て替える際にシステムを変えていく、それはもうICTを使ったシステムを導入していくとか、そういう提案まで含めるとサービスの向上にもなっていきますから、どの部分民間に委託するかというその範囲の中でどこまでの工夫ができるかと、その際にはサービスを犠牲にしないような工夫はどうあるべきかと、その辺の設計発注するときの設計が大事だというふうに思っています。
  60. 白眞勲

    白眞勲君 まさに大臣おっしゃいますとおりでして、特に非営利型の公共サービスの場合というのは、節約しろと言ったってどうにもならない。でも、どこかの図書館ではTSUTAYAでしたっけ、と一緒になってやってみたり、これPFIとはちょっと違うかもしれないけれども、何かその辺で工夫できる部分もあるんではないだろうかと。建物と、いわゆる住民というんでしょうか、そのサービスを利用する方々がそこでどういう、図書館で本を借りるということと同時に何をしているんだということも併せながら、そこに一つの知恵というものも出てくるんではないんだろうかということをトータルで私は考える必要があるかというふうにも思っております。  私はもう一つお聞きしたいのは、今回の改正案で、昨年民主党政権下において提出されたものとはほとんど同一なんですね。ただ、新たな事項として附則第四条に追加されたものがあるんですね。それは、災害の未然の防止及び災害が発生した場合における被害の拡大の防止を図るため公共施設等整備等必要性が増大している一方で、国及び地方公共団体の厳しい財政状況に鑑み、財政資金効率的使用を図る必要があることから、速やかに、道路、道路ですよ、その他の公共施設等運営等について民間資金等活用の一層の推進を図るための方策についての検討を行う、そういう文言が追加されたわけなんですね。これ、どういう意味なんですか。
  61. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 昨年の通常国会におきまして、今回の改正法案とほぼ同じ内容の法案を提出したわけでございますが、その際、自民党、公明党、民主党の三党共同による議員修正案が提出されたわけでございます。今回の法案の附則第四条の規定は、この議員修正案と同様の趣旨を当初から閣法に盛り込ませていただいたということでございます。  自民、公明、民主の三党共同でございますけれども、公明党の先生の主導で防災・減災ということが昨年かなり強く言われておりました。そうした中で、今後、老朽化しているインフラの対策、あるいはその防災・減災のための様々な公共事業財政制約の中で行っていくためにこのPFI事業活用というもの、道路というのはその一つの代表選手として入ったものと私は承知しておりますけれども、PFI事業の一層の活用方策を検討するように政府に求めるものという趣旨だというふうに理解をしてございまして、この規定の趣旨も踏まえまして、今後ともPFI事業の適切な運用に努めてまいりたいと思っております。
  62. 白眞勲

    白眞勲君 よく、これ民主党の法案にそういう形でほかの政党が載せないと条件として通さなかったということがあって我々は入れた部分があるんではないかと私は思っているんですね。逆に言えば、入れなくたっていいわけですよ、これ。入れなくたって十分通るんじゃないのかなと思うんですけれども、これによって何が変わるのかというのを私は聞きたいんです。何が、ポイントは何なんですか。それをお聞かせください。
  63. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 今後、大規模災害に備えた事前防災なり減災対策を進めていく中で、できるだけ税財源に頼らないこのPFI手法活用というものを政府としても横断的にしっかりと検討するべきであるということをこのまさに附則第四条の中で政府に対して強く求められていると承知しております。
  64. 白眞勲

    白眞勲君 この文言がなくても、災害とか何かについては十分にPFI事業でもやれるような法の立て付け方にはなっているということを私は指摘したいというふうに思います。  今、るる私もいろいろな御質問をさせていただきましたけれども、まだまだ、重要なことは、VFMといういわゆる手法というものも、実際にPFIを始めるときのVFMと、それから実際にやってみてと、やってみたらどうなんだ、最終的に二、三十年後に状況としてどうなっているんだということをしないと、本当の意味でのVFMの、これ計算方法のやり方とか算定基準というのもこれ様々だと私は思っているんですね。  ですから、どうしても役所都合のいいようにというか、企画している人はどうしてもそういうふうに、数字をそういうふうにしていく、なっちゃう場合があるんで、その辺りは逆に政府としても厳しくやっぱりこの辺は算定していかないと、PFI全体のイメージというものが、どうせこれは張り子の虎なんだよなんというようなふうに思われても嫌なんで、私は、そこはしっかりとそういう算定基準のポイント、そして情報の公開、それから失敗例。失敗例も、これもやっぱりちゃんときちっと隠さずに全部出して、こういう失敗例があるから気を付けてくださいと。ただ、失敗例だらけ、並べると駄目だから、やっぱり成功例、この辺りも含めてトータルで情報を全て検討をしている皆様にやっぱり提示をしていくことが必要だと思いますけれども、最後に甘利大臣のその辺の御決意をお聞かせください。
  65. 甘利明

    国務大臣甘利明君) ただいま委員から重要な御指摘がありました。それぞれ、このPFI法を推進していくことに対して重要な御指摘だと受け止めております。  御指摘にこたえられるようなしっかりした体制を取っていきたいと思います。
  66. 白眞勲

    白眞勲君 終わります。
  67. 中西祐介

    中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。  今日は、まさにこの法案の法案名でもございますが、民間資金活用をより促進をさせるという観点から御質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、このPFIについては、我が国では平成十一年、一九九九年でございますが、PFI法が施行いたしました。昨年二〇一二年十月には、その総事業件数は四百十二件、事業費は累計で三兆九千四百六十四億円ということで積み上がってまいりました。  ただ、この事業件数における事業費の回収方法の内訳、割合を見てみますと、サービス購入型、あるいはこれ延べ払い型と言われるような税財源のみで費用を回収をする方式というのが全体の七三・四%、三百二件あります。そのほかでございますが、独立採算型、これは言わば利用者料金収入費用を回収するというふうなやり方でございますが、こちら僅か五・一%、二十一件でございます。また、ほかには、混合型、先ほど申し上げたようにサービス購入型と、そしてもう一つ独立採算型の両方の性格を併せ持ったようなものが二一・五%ということでございます。これからこのPFIを推進するに当たって、やはり財政負担の縮減や、あるいは民間事業機会の創出を図るためには、独立採算型や独立採算部分の割合が高い混合型をより増やしていく必要があると私自身は認識をしております。  本法律案は、官民連携インフラファンドを設立をして独立採算型のPFI事業への金融支援を行おうとするものでございますが、平成十一年PFI法施行以降の事業件数の推移を踏まえて、この官民連携インフラファンドである株式会社民間資金等活用事業推進機構を設立する必要性について、改めて大臣から伺いたいと思います。
  68. 甘利明

    国務大臣甘利明君) インフラ維持管理、補修、更新等に民間資金導入していこうということがこのPFIの原点であります。民間の知恵と資金活用していくと、より効果的にサービスも向上しコストも下がり、あるいは公的な資金投入も少なくなるということだと思います。  ただ、委員御指摘のとおり、この延べ払い型というのは本当にPFIなんだろうかと問われると、PFIとはいいますけど、実は民間資金活用といったって先に立て替えてもらって後で払うと、カードで購入してリボ払いみたいな話ですから、民間資金の本当の活用ということまでは言えないんじゃないかという御指摘はあります。でありますから、それからステージツー、スリー、フォーと進んでいく、つまりコンセッション方式運営権を売却する、そうするともっと民間資金活用される、あるいは、周辺施設効率利用のプランと共々民間資金導入していけば、より公的資金導入をしないで運営維持管理から一歩進んで改修の費用まで賄えるのではないか、あるいは、更新費用までステージが進むに従って賄えるんではないかということであります。  ただし、その際に、民間のファンドがまだ日本では育成されていませんから、その先導役を果たしていくという意味で今回の法律を提案をさせていただいた次第であります。
  69. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  まさに今大臣がおっしゃっていただいたとおり、当初のPFIの想定していたイメージをよりバックアップするための今回の推進法案の位置付けであろうというふうに思っております。そしてまた、この法案で設定されます政府の出資百億円、プラス政府保証枠が三千億円ということで、より民間資金を巻き込んでいこうということを推進するに当たっては、非常に資金面でのバックアップは大変重要な役割を果たしていただけるんだろうというふうに思っております。  その上で、民間投資を促す上では、やはり本件のような資金面のてこ入れのみならず、民間の投資をより活性化させるための法環境の整備が私は重要ではなかろうかなというふうに思っております。実際、制度導入から十年以上が経過をいたしておりますが、今申し上げたように、様々な形で独立採算型や混合型、このPFI手法がなかなか進んでいないという状況で、さらには、先ほどの質疑でもありましたが、やはり地方ではPFI事業実施したことがある公共団体、全体の一割しかないというふうな統計もございます。  PFIが進まない要因の一つには、やはり各個別法の規制があるというふうに考えております。例えば、平成二十三年にPFI法改正で利用料金徴収を行う公共施設コンセッション方式導入し、言わば施設の所有権を公共主体が有したまま施設運営権を民間事業者に設定をする方式でございますが、現在、このコンセッション方式事例がないと先ほど大臣の御答弁にもございました。  この去る五月六日の日経新聞にも、水道、それから道路、空港など個別分野への民間参入を規制する別の法律、基準があるために、今後はこれらの法整備も改める必要がなかろうかというふうな主張もございました。  つい先日の衆議院の内閣委員会でも、水道施設は現行制度上でもコンセッション実施は可能であるというふうな政府側の御答弁があったわけでございますが、ただ、法律上は可能であっても、やはり民間参入を阻害する規制があるんではないかなというふうな思いがしております。例えば、水道法なんかを取りますと、まず水道事業参入は大臣の認可が必要である、民間参入を想定した認可基準や大規模な民業開放計画あるいは政府の政策指針というものがある種必要ではなかろうかなというふうな指摘もございます。あるいは、道路整備特別措置法ということで関係をしますと、純粋な民間事業者は有料道路の運営者になれない、同法に基づく政令では、料金設定の積算対象に配当利益の算入を認めていないということで営利事業はできないと、そういうふうな各法ごとの様々なやはり規制があるということでございます。  この本法のまさに趣旨を推進する上で、このような関連法の見直し、そして規制の見直しも併せて行うことがPFI事業をしっかり推進していくために必要なことではなかろうかなというふうなことを考えておりますが、政府の見解を伺いたいと思います。
  70. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) お答え申し上げます。  先生今御指摘いただいたような点につきまして、まさに現在、経済財政諮問会議でありますとか産業競争力会議で様々な議論がなされておりまして、関係省庁といろんな調整等を行っているところでございます。  公共施設等運営事業、いわゆるコンセッション事業を更に推進するために様々な制度面での課題、あるいはその実務運用上の検討というものを進めていかなきゃならないと思っておりまして、例えば空港につきましては、国が管理する空港に運営権を設定することを可能とする法案、これが今参議院の国交委員会の方で御審議されようとしているわけでございまして、この法案が成立すれば、空港についてかなり広く運営権の設定が可能になるのではないかと思われます。  水道につきましては、これも産業競争力会議等で議論されていましたが、法律上は可能であるけれども、なかなか自治体が動きが鈍いということもあって、この運営権の制度に関する、これ厚労省ガイドラインを作っているわけですけれども、水道事業におけるPFI導入の手引きというものを作っております。これがかなり実務上影響があるということで、これをコンセッション導入を踏まえた形で改定をするということで、厚労省さんの方では作業に着手されているというふうに聞いております。  また、有料道路につきましては、愛知県の方から、民間事業者による道路公社の有料道路の運営を可能とするような特区の提案というものをなされておりまして、国交省の方で前向きに検討しているというふうに聞いております。  このような様々な各省の取組を更に前に進めるために、PPP、PFIの抜本改革に向けたアクションプランを取りまとめたいというふうに思っておりまして、このアクションプランの中においても様々な制度の見直し等についても盛り込んで、しっかりと工程を管理して、各省とともに進めていきたいと考えております。
  71. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  まさに、各自治体やいろんな公共団体民間のお知恵を借りながら、より効率的な運営ができるような体制を図るべきだと思っております。  その中で、改正PFI法におきましては、民間提案制度が導入をされております。従来、国や地方公共団体の主導によるPFI事業の計画だったものを、民間事業者もこのPFI事業を計画をして、国等に対して提案をできるようになったというふうな制度でございます。行政にとっては民間アイデアが更なる活用をすることが可能になりまして、民間事業者にとっても自分たちの意見が取り入れられるということで、このPFI事業への参入のインセンティブが働くのではないかというふうな側面があろうと思います。  この民間提案制度が実際どれぐらい現状で活用されているのか、また同時に、民間提案制度が活発になるように何か政府として工夫があるのか、現状の取組を伺いたいと思います。
  72. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 御指摘のように民間提案制度、大変重要でございまして、PPP、PFIに大変造詣の深い東洋大学の根本先生は、日本のPFI幾つ課題がある中で一つの大きな課題が、やはり役所が、官の側が計画を作ってそこから始まるというのが問題じゃないかと。やはり企画段階から民間の提案をどんどん受け入れるようにしなきゃいけないということで、平成二十三年の法改正で民間提案制度というものを、元々提案ですからいつでも自由に本来できるんですけれども、提案を受けたらしっかりとその公共団体はイエスかノーかの返事をしなきゃいけないと、こういう制度を盛り込んだわけでございます。法改正後、調べましたところ、十一件の民間提案がなされたようでございますが、いずれもこれ不採用という形になったと承知してございます。  実は昨日、私どもの有識者会議でありますPFI推進委員会ガイドラインの案のお取りまとめをいただいたわけですけれども、コンセッションガイドラインと併せまして、事業実施プロセスのガイドラインというものも取りまとめていただきました。その中に、この民間提案に関する手続を充実をさせたところでございます。  二十三年に法改正をしたわけですけれども、自治体によってはちょっと制度を誤解して、この法制度によらない民間提案は受け付けないというような誤解があったりするようでございますので、元々民間提案はいつでも自由にどんなテーマでも出せるというのが本来の提案の趣旨ですので、そうした提案も受け付けるような体制をきちんと整備することとか、あるいはその提案を採用する場合に知的財産を保護するとか、様々な運用上の課題について昨日ガイドラインの案を取りまとめていただいたところでございます。  これに更に加えまして、いろんな民間の方ともお話伺っていると、いい提案があるんだけれどもどこに持ち込んでいいのかなと。自治体に持ち込んだ方がいいのか、国に持ち込んだ方がいいのかとか、あるいはかなり広域的な話だったり、あるいは場合によっては役所の縦割りを超えるような案件、一体どこに持ち込んだらいいのかというような相談を私も受けることがございます。そうしたような提案、宙ぶらりんにならないように、私ども内閣府の方でそういう提案を受け付けるワンストップのそういう窓口機能を充実させるとか、そうしたことも含めて、今後更に民間提案の拡充に向けて努力をしていきたいと思っております。
  73. 中西祐介

    中西祐介君 是非それを活用いただきたいと思いますが、現状としてどれぐらい、累積でその提案の件数というのはあるものでございましょうか。
  74. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 法制度ができたのが二十三年でございまして、この制度に基づく民間提案、先ほど申し上げましたもので十一件ということでございまして、それ以外の非公式な提案は実はちょっと調べようがないということで不明なんですけれども。  ただ、実は国土交通省が、三年前なんですけれども、三年前の九月にこのコンセッション制度というものも含めて新しいPPP、PFIの提案というものを何でもいいから出してくださいということを二か月間、九月から十一月、幅広く募集をしたところ、たった二か月なんですが、二百件も集まったということでございます。大半の内容が、提案内容を非公表にしてほしいということだったので中身は明らかになっておりませんけれども、まあやはり何というか、そういう提案をしたいというニーズがかなりあるんだなということは私自身もそれを見て感じたところでございまして、やはりそうした民間の潜在的な提案ですね、そういうものを窓口がないことで実現しない、こういった事態は何とか避けたいというふうに考えております。
  75. 中西祐介

    中西祐介君 まさに、いろんなアイデア、それがそぐうかそぐわないかはおいておいても、民間にはそうした思いもございますので、この手続の充実を図っていただくとともに、民間事業者の育成にしっかりと取り組んでいただけるよう、この提案制度を充実をさせていただきたいというふうに思っております。  続きまして、民間インフラファンド育成のための具体的な方策を伺いたいと思いますが、今回の改正で第五十六条に、条文にありますが、「機構は、特定選定事業実施状況、特定選定事業に係る資金の調達状況その他の特定選定事業を取り巻く状況を考慮しつつ、平成四十年三月三十一日までに、保有する全ての株式等及び債権の譲渡その他の処分を行うよう努めなければならない。」という規定があります。  つまり、機構は、平成四十年度をもってその役割をある程度終了をした上で民間インフラファンドを設立されていくと、そちらに言わば活用のシフトを移していくというふうな認識をしておりますが、いかがでございましょうか。この年度の設定も含めて是非趣旨を伺いたいと思います。
  76. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 御指摘のとおり、この機構は時限的な組織ということでございまして、十五年後に解散というふうに条文上規定されているものでございます。  本来、このインフラ投資市場というものは民間によって運営されるといいますか、民間インフラファンドが多数我が国に設立をされて、純粋な民間資金によってこのPFI事業等に対する出融資がなされるというのが望ましい姿、実は諸外国、PFIの先進国と言われている国は皆そのようになっているわけでございます。お隣の韓国もインフラファンド市場を育てるために、当初十年間、ミニマム・レベニュー・ギャランティーといいますけど、政府自身が一定程度のリスクを直接引き受けるという、こういう制度を持っておりましたが、インフラファンド市場が育成されて民間のファンドがたくさん出てきたということで、この制度は廃止になったというふうに聞いております。  十五年、呼び水としてのこの機構ですが、十五年もたてば日本のインフラ市場も非常に活性化して多数の民間インフラファンドが組成されていると、こういうことを想定しておりまして、十五年たてば、この機構もその時点で取得している株式とか債権を民間の多様なファンドに対して譲渡するということで、機構の果たしてきた役割民間市場に委ねるということが望ましい姿だというふうに考えております。
  77. 中西祐介

    中西祐介君 諸外国の例を含めての十五年という設定であるというふうに理解をいたしましたが、例えば、これから、附則の四条でも盛られたように、災害に対しての事業資金活用であるとか、あるいはこれから、累積で想定をされておりますが、全国インフラ、現状のインフラ更新だけでも四十兆円を上るような更新費用が掛かるということが想定されております。  こうしたところに対してこのPFIが、しっかりと使えるところは使っていくということを果たしていくためにも、この十五年という設定がいいかどうか、これは常にウオッチをしていく必要があると思いますので、都度しっかりと見直しを政府でもしていただくべき項目かなというふうな思いがしております。  もう一つ、この資金調達に関して質問をさせていただきたいと思いますが、今回の官民連携スキームを概観をいたしますと、どうしてもこのリスクマネーの調達、どこから行うかということが課題ではなかろうかなというふうなことを感じております。実際、百億円に加えまして政府保証枠を三千億円設定、これはもう根本的には民間投資家をいかに育てるか、これが重要な課題であると認識をしております。  国内の投資環境を考えると、このスキーム図でもございましたが、個人投資家やあるいは民間事業者というのは実際の問題、限定的なものじゃないかなというふうな思いは拭えませんが、やっぱり根本、柱になるのは銀行や証券会社等のプロジェクトファイナンスをいかに育てるかというふうなテーマになろうかというふうに思っております。  そこで、金融機関プロジェクトファイナンス手法融資をする際は、実際は運営権を含めて融資対象事業の資産、それから契約全体に担保権を設定して、万が一破綻の際にも、その担保を支援スポンサー企業に譲渡して、事業再生をできるような措置を講ずる必要があると考えております。  これが言わば民間のサイクルをより助長する形ではなかろうかというふうに思っておりますが、ただ、現状の市町村のインフラ施設の場合におきましては、やはり地方自治法がもちろん適用されますし、運営権譲渡には議会の承認が必要だということがあります。民間投資を育てる上でも、この主要な投資主体となり得る金融機関が多様なプロジェクトファイナンスを行えるような形にするなど、資金調達の環境整備がこれから必要になってくるんではなかろうかというふうに考えておりますが、見解を伺いたいと思います。
  78. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 御指摘のとおりでございまして、我が国はこれまで本格的なインフラファンドが一つもなかったということでございまして、これまでのPFI事業はほとんど税金ファイナンスされていたということで、実は投資家を参画させることなく実施できてきたということでございまして、ある意味、このインフラ市場において市場関係者の育成ということも重要な課題になっているところでございます。  本法案による機構にインフラ投資に関する専門的知識や実務経験、高いマネジメントノウハウを持った民間出身の専門家を集めて、運用を進めていくという中で実績をつくっていくということが非常に重要なことだというふうに考えております。  なお、いろんな市場関係者の方のお話を伺いますと、有能なファンドマネジャーが一生懸命投資家からコミットメントを取り付けてお金を集めても、投資案件がなかったというのは最悪の事態だというふうによく聞きます。各国のインフラファンド市場の草創期に当たっては、そうしたような状況がもし起きると、途端に信用をなくしてお金がさっと逃げていくということを聞いております。  したがいまして、やはりここは、ファンド市場の草創期に当たっては、政府もコミットメントの姿勢を示して、案件というものはきちんと形成されていくんだと、しかもこのぐらいの規模なんだということを、よくパイプラインというふうに言いますけれども、案件の最初から最後まで様々な形で政府が関与する形で支援を行っていくということを当初の段階は見せる必要があると思います。  したがいまして、PPP、PFIの新しい仕組みについて投資規模も含めたアクションプランというものを近々取りまとめて公表させていただくことで、内外の市場関係者に対して、アピタイトとよく言われていますけれども、投資に対する意欲を高めるような、そういう工夫も併せてしていきたいというふうに考えております。
  79. 中西祐介

    中西祐介君 これまでやはり低調であったのは、やっぱり投資をして十分見合うだけのものが得られるかどうかというところの目線がやはりそこまで届かなかったというのが民間の率直な感想であり、現状のその出資状況ではなかろうかなというふうに思っております。  加えて、民間の、特に日本の金融機関というのは、バブルの崩壊後、とにかく土地や不動産を担保にした融資というものを割と抑制的にとらえているところがございまして、今日は金融庁を呼んでおりませんが、そうした金融環境も含めて、これはPFIということを考えなきゃいけないんじゃないかなというふうな思いがしておりますので、是非、そうした観点も含めてお願いをしたいと思っております。  それでは、PFI事業の参入促進について一つ伺いたいと思いますが、先ほどの質疑自治体のプロジェクトが破綻するような事例も少し御紹介をいただきました。当然、経営体というものでございますから、経営破綻というものももちろん付き物でございまして、かといって、これがPFIの不参入の主要な要因になってはいけないんじゃないかなというふうな思いがしております。こうした破綻の危険性というものは念頭に置くものの、地方自治体PFI方式を選べるようなインセンティブをいかに付与するかということが、これから推進をするに当たって大事なことだろうというふうな思いがしております。  その中で、インセンティブを付与するという観点から、財政やあるいは税制を含めて、政府がこれからとり得る措置というものはどのようなことが想定されるか、是非伺いたいと思います。
  80. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 衆議院の内閣委員会でも同様の問題意識での議論がなされたところでございますが、できるだけ税財源に頼らない新しいタイプのPPP、PFIを最大限活用する、そのために、国の各省庁のみならず各地方公共団体の意識を変革をして新しい取組を進める、逆に、新しい取組を進めないと損をするような、頑張っている地方が報われるような、そういう工夫をすることが重要ではないかという御指摘をいただいているところでございます。  予算上の措置というものについて、これから二十六年度の予算編成、具体的な作業が始まるわけでございまして、現時点で、こういうものというのはなかなか難しいわけでございますけれども、そうした趣旨は、経済財政諮問会議でありますとか、国会の御審議の場でも御指摘をいただいているところでございまして、今後、アクションプランなどを通じてそのための工夫を具体化させていきたいというふうに考えております。
  81. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  まさに近年でいきますと、日本の主要な港湾や空港の離発着も含めて、近隣諸国、韓国や中国、あるいはシンガポールというところに、どんどんと日本の本当は取り得るべき市場が奪われていると言っても過言ではない状況があります。  私は、このPFIの推進法、これをもってしっかり日本がこうしたシェアを取り戻していく起爆剤にしなければいけないというふうな思いがしておりますので、是非しっかり取り組んでいただきたいというふうな思いがしております。  今日申し上げたような趣旨も踏まえて、言わば日本が成長戦略の大きな柱として取り組むべきこのPFIの推進について、大臣から意気込みを聞かせていただきたいというふうに思います。
  82. 甘利明

    国務大臣甘利明君) PFI手法がここで非常に注目をされてきましたのには、いろんな側面があります。民間資金活用が十二分にできていない、発注する方にしてみればお金がない中でインフラを整備していかなきゃならない、その双方の事情を通じて民間資金を使って公的な施設をより良くしていくと、サービスも良くしていくという双方のニーズがつながったものだというふうに思っております。もちろん、案件が存在すること、それから資金があること、それから制度が整備されていること、こういった環境整備ができていないと空振りに終わってしまうわけでありますし、この最初設計で失敗するともう後が続かないということになっていきます。  今日、委員を始め各議員の方々からの質疑がありました。それをしっかり踏まえて、更に制度設計でより良くすべきところはしっかりとしていきたいというふうに思っております。
  83. 中西祐介

    中西祐介君 以上で終わります。
  84. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合です。  PFIは、公共施設の整備に民間資金を入れるという手法で、国、地方財政負担を抑えていくという効果が期待されると。また、民間創意工夫で顧客目線のサービスが広がるという効果も期待されているわけでありますが、我が国で一九九九年に導入されて以降でございますが、先ほど来質問にありますが、地方自治体において一体どの程度このPFI導入が進んでいるのかと、もう少し具体的な、まずその数字の確認をさせていただきたいと思います。
  85. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 平成十一年度から二十四年度まで、内閣府が把握しておりますPFI事業の実績、事業件数で四百十八件でございますが、そのうち地方公共団体実施した件数が三百十四件、七五%になりますので、そこはそこそこであるわけでございますが、ただ、PFI事業実施したことのある地方公共自治体というのは全国自治体の約一〇%にとどまっておりまして、裏を返せば、九割の自治体PFI事業を一度もやったことがないということでございます。  こうした状況につきましては、先ほどの質疑にもございましたけれども、やはり専門家の派遣なりアドバイス、助言等を通じましてPFI事業を多くの公共団体活用いただけるような環境整備に努めてまいりたいというふうに思っております。
  86. 谷合正明

    ○谷合正明君 この点については、実はこれ、前回の法改正のときもこの内閣委員会で、地方自治体に対しての活用ということで、当時、蓮舫委員大臣をされておりましたけれども、地方自治体取組促進ということで訴えさせていただいたところでございます。取組としては、従来のやり方をしっかりやっていくということだと思いますが、小規模自治体等に対してのノウハウあるいは人材、手続の簡素化等、しっかりと進めていただきたいと思っております。  もう一つ、いわゆるメリットの一つとして財政負担を抑えていくということなんですが、現実に、これまでどの程度この財政負担というのを抑えることができたのでしょうか。また、今後どの程度抑制する効果があると見込んでいるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  87. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 私ども内閣府の方で把握しておりますPFI事業の実績といたしましては、平成十一年度から二十四年度までの累計で四兆一千百九十九億円の事業規模でございます。  この中で、先ほどの質疑にもございましたが、私どもバリュー・フォー・マネーというふうに呼んでおりますけれども、PFI事業実施する方が通常の公共事業でやるよりお得であるという、通常の公共事業でやるよりは経費が削減される、これを私どもはバリュー・フォー・マネーと呼んでおりますけれども、累計で七千八百二十六億円のバリュー・フォー・マネーが上がったというふうに、いろんな事業の調査を積み上げていきますとそういう形になります。  ただ、これは従来の延べ払い型を中心に実施されておりましたPFI事業の数字でございまして、本来ならば、公共施設等運営権の活用でありますとか、あるいはその収益施設の収益を活用することで、あるいは利用料金等を活用することで税財源をなるべく入れないで自己完結的な資金回収というもの、それが実現しますと、その分、財政負担を大幅に減らすことができるわけでございます。今後、そうした幅広いPPP、PFI事業抜本改革を通じまして、財政負担についての大幅な削減を目指してまいりたいというふうに考えております。
  88. 谷合正明

    ○谷合正明君 それでは、今回の法改正で、そのような独立採算型、及び混合型も含めてですが、PFI事業はどれだけ増えると想定しているのかという点についてお答えいただきたいと思います。また、具体的な数値目標等はあるんでしょうか。
  89. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 税財源に頼らずに利用料金を含めた様々な手法費用を回収するPFI事業、これ一定のリスクがありますので、従来のような銀行のデット、融資のみでは賄えないということがございまして、どうしても今回の法案で御提案させていただいているようなファンドのお金が必要になってくるわけでございます。したがいまして、この法案成立をいたしまして、機構を設立することで、こうした利用料金等で費用を回収する独立採算、あるいは混合型と言われるような事業、大幅に案件が拡大することが期待されるものでございます。  先ほど申しましたが、そうしたことを政府としてもきちんとコミットメントをして、今後、例えば十年間でこの手の新しいタイプのPFI案件が事業規模としてどのぐらい期待されるかということを政府としてもきちんとした形で公表することが内外の投資家に対するアピールにもなるというふうに考えておりまして、現在、アクションプランの中にそうした具体の数値目標を盛り込むことを検討してございます。大臣とも御相談いたしまして、近々取りまとめて公表させていただきたいというふうに考えております。
  90. 谷合正明

    ○谷合正明君 是非、アクションプラン等で具体的な目標を掲げていただきたいと思っております。  機構設立につきまして、機構への国の出資百億円を呼び水として、今後民間金融機関から資金を投入していくわけですけれども、これがどのぐらい入るかというのは具体的にお答えできないのかもしれませんが、国の出資百億円に対してどの程度民間金融機関から入ってくるものだと、期待しているんだということをお答えいただければと思います。
  91. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 実は、この法案、昨年の通常国会にも提出させていただいておりましたけれども、昨年閣議決定をした時点でかなりの関係者から打診といいましょうか、出資をしたい等の様々な御相談があったようでございますけれども、通常国会、臨時国会と流れてしまいまして、廃案になった時点で若干ちょっと勢いがトーンダウンしたところがございます。  ただ、その間、私ども、十二月、今年の一月にかけて全国市場関係者を集めた説明会というものを開催いたしまして、いろいろと市場関係者との対話をしてまいりますと、やはり非常に皆さん御関心が高くて、何がしかの形で参画したいといったような御希望も具体的に寄せられているところでございます。  法文上は、政府が二分の一以上の株式を保有するということになっておりますので、国の出資金が二十五年度百億円ということでございますので、民間の出資金、最大でも百億、トータルで最大二百億ということになろうかと思います。  まず、民間会社として機構を設立をしていただきますので、その際の発起人等、どのぐらいの規模でというのは、まさにこの法案が成立した後、発起人等で御議論をいただいて、御検討をいただいて具体的な作業が始まるというふうに承知しておりますので、現時点でお答えすることはなかなか難しいわけですけれども、なるべくこの機構の設立趣旨に御賛同いただける民間の方々からなるべく多く出資していただけるような、そういう努力は私どもとしてもしていきたいというふうに考えております。
  92. 谷合正明

    ○谷合正明君 昨年廃案になってしまったわけでありますが、昨年の場合は予算案では五十億円を計上していたと。今年、二十五年度予算で百億円の予算計上ということで、廃案になったとはいえ一歩踏み込んでこのPFIを推進していこうという政府の表れはこの予算としても読み取れるわけでありますが、そこで、この百億円という予算の根拠についてお答えいただきたいと思います。
  93. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) 二十五年度の国の出資額、予算百億円計上しているわけでございますが、今後、この案件としてどういうものが想定されるかということはこれからの話になります。  先ほどの御審議にもちょっとあったような関西空港のような、これはかなり大きな案件で、ちょっとこういう大きなものは除きますと、これまでのいわゆる独立採算型と言われているような実績を考えますと、大体数百億円ぐらいの規模の独立採算型の事業に対する金融支援というものが当面、初年度として想定されるところでございまして、そうしたことを勘案して百億円という出資額を設定したところでございます。
  94. 谷合正明

    ○谷合正明君 最後に、大臣にお伺いいたします。  このPFIの意義としては、今後のインフラ更新維持ということに着目せざるを得ないわけであります。国交省の試算では、二〇三〇年には建設後五十年を超える老朽化した橋、トンネルの比率というのは五〇%と、維持管理だけで年間八兆円掛かるということでございます。これは、本当に八兆円というのは、年間これ単純に出していくというのはもうほぼ無理な規模の金額でございます。  先ほど、いわゆる国や地方財政負担の軽減ということで、今日まで七千八百億円だと、単純計算ですけれども、ございました。そこで、改めて今回、事前防災などのインフラ更新必要性に着目された附則第四条の規定が盛り込まれたところでございます。改めて、最後に大臣にお伺いしますが、この意義又は期待される効果、この点をお答えしていただきたいと思います。
  95. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 昨年の通常国会におきまして、今回の改正案と同じ官民インフラファンドの設立を内容とする法案を提出したところでありますが、自民、公明、民主の三党共同による議員修正案が提出をされたわけであります。これは、公明党さんの提案に、その趣旨に自民、民主が賛同したというふうに承知をいたしておりますが、今回の法案の附則第四条の規定は、この議員修正案と同様の趣旨を内閣提出法案の中に盛り込んだものでございます。  前国会でも、政府は、政府提案をベストとしてもちろん政府というのは出すものでありますけれども、その中で議員修正が行われると、それは三党の合意が成ったわけでありますからそれが組み入れられるということになりますので、今回の政府提案はそれを加味して、最初からそれを政府提案に組み入れて提出をさせていただいたというふうに御理解をいただきたいと思います。  それは、我が国におきましては、今後、大規模災害に備えた事前防災それから減災対策を進めていく必要がある中で、この規定は、公共施設運営等についてできるだけ税財源に頼らずに民間資金活用する観点から、各種の公共施設についてPFIの一層の活用方策を検討するよう政府に求めるものでありますので、この規定の趣旨も踏まえた上で、PFI、PPPを抜本的に改革するアクションプランを早急に取りまとめていく予定でありまして、関係省庁と十分に連携を図りながら、民間資金等活用の一層の推進を図るための方策について検討を行ってまいりたいと思っております。
  96. 谷合正明

    ○谷合正明君 終わります。
  97. 江口克彦

    ○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。  甘利大臣にお願いをしたいと思います。  今回の改正というのは、国費に頼らず、料金収入によって運営していく独立採算型のPFIを支援するものと認識いたしておりますけれども、国費を投入する官民連携ファンドをつくる意味について、改めてお話、御説明をいただけないでしょうか。
  98. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 結論から言いますと、この今回の法案は、インフラファンド市場を育成をしていくための法案です。でありますから、時限が付いていて、役目を果たして、そういう市場が育ってきたら引いていくということになるわけであります。  先ほど来議論がなされていますとおり、インフラ耐用年数を迎える、しかも一斉にまとまって迎えてくる時期がこれから来るわけであります。従来どおり、その補修や更新あるいは運営等を公費でやっておりますと、これ、今の議論でもありましたとおり、相当な額が予想されると。それを一体全体今の財政状況で賄っていけるのかという問題提起等々もこれあり、従来は延べ払い型であって、それによる公費の節減額というのはそう多くはなかったと。しかし、それを、公費割合を減らしていって、民間資金がそれに取って代われるような、そういう環境整備をしていくということが必須になってくるわけでありまして、そういう環境整備をしていくために今回の法案でファンド市場を育成していくと、これが非常に重要だと考えたところでございます。
  99. 江口克彦

    ○江口克彦君 機構を設立するというと、当然のことながら、機構の人件費とか維持費等の経費が掛かってくるわけでありますけれども、その人件費あるいはまた維持費、経費はどれぐらいの額になるのか、予想されているのか。また、その分財政負担が増加するという指摘もあるわけですけれども、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
  100. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) お答え申し上げます。  まだ機構は設立されておりませんし、まずは民間の株式会社として、民間の出資者の方、共同出資者の方から会社を設立をすると。その中で、人数でありますとか管理費をどうするといったような議論がまずはなされるということで、これは現時点で幾らということはなかなか明確に申し上げられないわけでございますが、一般的にこの手のファンドにつきまして、初年度は登録免許税とか若干費用がかさみますが、管理費、人件費、出資額のおおむね数%、その数というのもそんなに高い数字じゃないというのが一般的だというふうに聞いておりまして、この機構も当初はできるだけ人員は最小限にして、専門家を集めて、なるべく専門家のノウハウ活用できるようなものにしていきたいというふうに考えております。  また、機構はそもそも株式会社でございますので、監査役の設置、コーポレートガバナンス体制の構築、国も、さらに予算の認可、指導監督、実績評価といったような、これが法案に盛り込まれておりますので、機構の業務の適正な運営が確保されるというふうに考えております。  先生御指摘のような、御懸念のような事態にならないように適切な指導を行っていきたいと考えております。
  101. 江口克彦

    ○江口克彦君 大いに懸念をします。  どうして、機構をつくるということであれば、アバウトでも具体的な数字が出てこないとおかしいと思うんですね。民間企業でも何か事業を起こすときに、何人ぐらいで取り組む、そして経費はどれぐらい、費用はどれぐらいを掛けて新しい事業をやるかというのは、経営者だったらちゃんと頭の中に入れないといけないし、それを調べるわけですよ。今のお答えだと、数%でしょうとか、あるいはまた最小限にしますとかという、具体的な数字をおっしゃらないというのは、これ極めて官僚的答弁じゃないですか。どうして具体的に、アバウトでも数字をおっしゃらないんですか。
  102. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) まだ、本来の出資者と、法案ができておりませんのでお話もできていない状況でございますが、例えば他の似たような機構、あるいは諸外国の例なども勘案いたしますと、初年度の発足の時点におきましては十数名から二十名台規模の機構になるのではないかというふうに考えております。
  103. 江口克彦

    ○江口克彦君 十数名からということで、それだったら最初からそういうお答えをされるべきだと私は思います。経営ということが全くお分かりになっておられないということを、経営をやってきた私からすると、もう本当に無残なお答えだというふうに思います。  それからもう一つPFI事業においてこれまでの破綻事例というのは何件かある、これは今まで御質問があったかと思いますけれども、もう一度、これまでの破綻事例とその原因ですね、それからまた、それによる影響についてお伺いしたい、また、破綻した場合にその責任が、どこがどのように取るのかといういわゆる責任の明確化について、併せ甘利大臣にお話をいただきたいと思います。
  104. 甘利明

    国務大臣甘利明君) これまで全国で四百十八件のPFI事業が行われてきております。その中で、先ほども若干紹介をしましたけれども、当初のPFI事業者による事業継続が困難となったケースが四件でございます。具体的には、先ほどちょっと触れました福岡市の運動施設、何か片仮名の名前が付いていましたよね、それから高知市の病院、それから北九州市の港湾施設、それから名古屋市の観光施設であります。福岡市では新たな主体が、そして高知市では病院企業団体がそれぞれ事業を引き継ぎまして、また北九州市の事例でありますけれども、港湾管理者である市が施設を買い取ることで事業継続いたしました。名古屋市の観光施設の場合は事業が終了したというふうに聞いております。いずれの場合も市当局等が市議会等に経緯を説明しておりまして、市民生活等には大きな混乱はなかったものと承知をしておりますが、今後、こうした事例の教訓も踏まえて、事業リスク管理に関する事前検討を十分に行うこと、行政による適切なモニタリングを行うこと等を通じて関係者に徹底していきたいというふうに思っております。  責任について御質問がありました。もし仮に投資に失敗をして機構が多額の損失を被った場合、経営陣は経営責任を問われるということになりますが、国としても、機構の支援決定に当たっては、内閣総理大臣による支援基準に基づいて、そして内閣総理大臣の認可を受けた支援委員会が専門的な知識に基づいて個別の投資判断を行うとともに、実際の支援に関して内閣総理大臣及び公共施設等を所管する大臣意見陳述を行うなど、機構の経営に対して適切な関与を行っていくということを予定しておりまして、これによりまして、できる限り国費の毀損等が生ずることがないように努めてまいりたいと思っております。
  105. 江口克彦

    ○江口克彦君 PFIについては私も長い間これを考えてきておりますけれども、わざわざPFIというよりも、もっと民を活用するというか、誘い水的なそういう意味合いはあると思いますけれども、要するに、民を活性化するという方向でいろいろ施策を考えた方が機構をつくって税金を投入するというやり方よりも、もっと知恵を絞った方がいいのではないだろうか。後の質問にまた関連してきますけれどもね。  ここでちょっと甘利大臣にお伺いしたいと思いますけれども、今日の日本経済の状況をどのように認識しておられるのか。順調な回復にあるというふうにお考えなのか、あるいはまた経済財政運営を預かる大臣としてどのようにお考えなのか、お話をしていただきたいと思います。
  106. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 回復の過程にあるというふうに認識をいたしております。直近のGDPの報告、GDP統計によりますと、一—三月期の実質GDP、前期比でいうとプラスの三・五%に回復をしてきました。この基調が次の四半期にも続いていくということを期待をしておりますし、そうなっていくために今我々がやっていることは、まず、第二弾の財政出動、これが実際に隅々まで行き渡っていくように進捗管理をしているところでありまして、六月の末には補正予算発注分の民間契約にまでわたるところを九〇%以上、一〇〇%近くにしていくための進捗管理をしているところであります。もちろん、それと併せて、民間資金が投入されていくという成長戦略にしっかりそれがつながっていかなければならないところでありまして、その成長戦略は六月半ばを目途に取りまとめるという作業工程に今入っているところであります。
  107. 江口克彦

    ○江口克彦君 その成長戦略についてお尋ねします、甘利大臣。  アベノミクスの失速を警戒する声も出始めている状況でありまして、三本目の矢である成長戦略の具体化が急がれているという状況にあると思います。その取りまとめが近いというふうに聞いておりますけれども、その進捗状況とそれから見通しについて、お話しできる範囲で結構ですからお話しいただけないでしょうか。
  108. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 総理からは、サミットに行くところまでに取りまとめてほしいという指示をいただいております。でありますから、来月の中旬を目途に今取りまとめ作業に入っているところであります。  アベノミクスは、第一弾が金融政策で第二弾が機動的な財政政策、そして今第三弾、成長戦略でありますが、成長戦略幾つかのパートから成っております。大まかに言いますと、まず産業の基盤強化であります。そして二つ目は、社会課題をばねにして、それを新しいフロンティアにしていくということであります。三点目が国際展開なんですけれども、その二点目の社会課題をばねにして新しい成長分野に据えるというのは、日本が抱えている課題、それは課題として見るとマイナス要因であります。しかし、そのマイナス要因を逆手に取ってその解決策を見出すことができれば、その課題というのは、日本が直面している課題は世界で一番最初に日本が直面しているのであって、これはやがて欧米や中国でも同じ課題と直面する、そのときにその解決の道筋を日本が持っていればそれは輸出戦略にもつながっていくという、そういう戦略であります。  もっと詳しく言った方がいいですか。
  109. 江口克彦

    ○江口克彦君 お願いします。
  110. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 今直面している課題というのは、例えば少子高齢化です。この問題は何が問題かといいますと、平均寿命と健康寿命の間が乖離が始まっているということです。それはどういうことかというと、寝たきり状態とか入院のままの状態、そういう状態で長寿社会が構成されてしまっていると。やるべきは、平均寿命と健康寿命をどんどん近づけていくという作業です。ですから、健康寿命の延伸ですね。そのためにどういう研究開発が必要だ、技術開発が必要だ、それをしていくためにどういう規制緩和が必要だということをとらえていく。つまり、まともに考えるとマイナス要因になるのをプラスに変えていこうということです。  さっきから、このPFIインフラもそうですね、このまままともに高度成長期のインフラ更新時期を迎えてくる、お金はない、インフラは危ない、全部マイナス要因です。でも、そのマイナス要因を新しく変えていくというのは民間資金を使って対応できないか、こういう手法がうまくできると、それが同じく欧米やよその国でも同じような課題を迎えてくる、そこのソリューションを提示できるという、そういう手法でございます。  海外展開につきましては、TPPやRCEPあるいはFTAAP、そしてトップセールスを通じて日本の良さを海外に展開をしていく、あるいは海外から日本にいろいろエネルギーを、活力を呼び込むという戦略であります。
  111. 江口克彦

    ○江口克彦君 成長戦略というのはもう規制緩和に尽きると、徹底した規制緩和に尽きるというふうに私は認識しておりますので、大いに期待をいたしておりますので、是非その方向で努力をしていただきたい。  最後に、甘利大臣に御質問しますけれども、二十五年度末に国、地方の長期債務残高というのは、これは財務省の「我が国の財政事情」の数字ですけれども、九百七十七兆円に達する見込みとあります。一方、これは日銀の資金循環統計表からですけれども、家計の純金融資産は約千二百兆円である。よく千五百兆円、千五百兆円と言われていますけれども、三百兆円負債がありますからね、差引きすると、国民の資産は千二百兆円というふうに理解をすべき。国内での財政ファイナンスの余裕を示すと、考えられる両者の差額は、ですから二百兆円になるわけですね。  言ってみれば、日本の国債というのは、結局国民が貯金している、お金持っている、それが何千兆円ある、それよりも範囲が、その以内で国債が発行されているからということで日本は信用されているわけですけれども、この今の予算の組み方の調子でいきますと、言ってみれば……
  112. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 時間が来ておりますので、端的にお願いいたします。
  113. 江口克彦

    ○江口克彦君 はい。あと五年で家計純金融資産を超えるわけですね。そうなったときに、海外からの信用というか、そういうようなものが飛んでしまうわけです。そうすると、借金というか国債は発行できなくなってしまうということ、それに対してもう今からいろいろ対策を考えておられるんでしょうか、あれば教えてください。
  114. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 今もすき間があって、そのすき間が何も利用されていないわけじゃなくて、民間の資産というのはいろんなところに利用されているわけですね。もちろん政府も使うし、企業も使うし、それから海外でもあるわけです。  もちろん、国内資金の余裕度ということがタイトになってくるといろんな心配事が出てくる。これに対する解答策は、政府がきちんと財政再建の目標を示して国債の信用度を落とさないということに尽きるんだというふうに思っております。  アベノミクスは財政再建とそれから経済成長を両立させる道を探っていくということで、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
  115. 江口克彦

    ○江口克彦君 また、続きはまた次回。これで終わります。  ありがとうございました。
  116. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  117. 相原久美子

    委員長相原久美子君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、伊達忠一君、岡崎トミ子君及び藤本祐司君が委員辞任され、その補欠として青木一彦君、江田五月君及び池口修次君が選任されました。     ─────────────
  118. 相原久美子

    委員長相原久美子君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  119. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、芝君から発言を求められておりますので、これを許します。芝博一君。
  120. 芝博一

    ○芝博一君 私は、ただいま可決されました民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     民間資金等活用による公共施設等整備等促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、上下水道、有料道路、空港等へのコンセッション方式によるPFIの具体的な事例を実現するため、必要な措置を検討すること。  二、地方公共団体PFI方式を選ぶインセンティブを付与するような、財政、税制を含めた制度上の工夫を、平成二十六年度から実施することが可能となるよう検討すること。  三、株式会社民間資金等活用事業推進機構に蓄積されたノウハウなど独立採算型のPFI事業の推進に資する情報を積極的に公表するなど、民間インフラファンドの設立が促進されるような環境整備に努めること。  四、PFI法施行から、十年以上経過していることに鑑み、この間のPFI事業実施状況を検証・評価し、国会に報告すること。その際、PFI推進委員会を積極的に活用すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  121. 相原久美子

    委員長相原久美子君) ただいま芝君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  122. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 多数と認めます。よって、芝君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、甘利国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。甘利国務大臣
  123. 甘利明

    国務大臣甘利明君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
  124. 相原久美子

    委員長相原久美子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 相原久美子

    委員長相原久美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二分散会