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2013-05-23 第183回国会 参議院 総務委員会 第10号 公式Web版

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  1. 地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出 (会議録情報)

    平成二十五年五月二十三日(木曜日)    午後零時二十分開会     ─────────────    委員異動  五月二十一日     辞任         補欠選任      有田 芳生君     吉川 沙織君  五月二十二日     辞任         補欠選任      山根 隆治君     谷  博之君      宇都 隆史君     衛藤 晟一君      熊谷  大君     山本 一太君  五月二十三日     辞任         補欠選任      谷  博之君     山根 隆治君      吉川 沙織君     小川 敏夫君      衛藤 晟一君     青木 一彦君      山本 一太君     中原 八一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松 あきら君     理 事                 加賀谷 健君                 藤末 健三君                 藤川 政人君                 山本 順三君                 木庭健太郎君     委 員                 江崎  孝君                 小川 敏夫君                 樽井 良和君                 難波 奨二君                 水岡 俊一君                 山根 隆治君                 青木 一彦君                 片山さつき君                 金子原二郎君                 小坂 憲次君                 中原 八一君                 二之湯 智君                 寺田 典城君                 主濱  了君                 山下 芳生君                 亀井亜紀子君                 又市 征治君                 片山虎之助君                 森田  高君    国務大臣        総務大臣     新藤 義孝君    副大臣        総務大臣    坂本 哲志君    大臣政務官        総務大臣政務官  北村 茂男君    事務局側        常任委員会専門        員        塩見 政幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件地方公共団体情報システム機構法案内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告をいたします。  本日までに、有田芳生君、宇都隆史君及び熊谷大君が委員辞任され、その補欠として中原八一君、青木一彦君及び小川敏夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) この際、新藤総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。新藤総務大臣
  4. 国務大臣(新藤義孝君)(新藤義孝)

    国務大臣新藤義孝君) 五月二十一日の参議院総務委員会における地方公共団体情報システム機構法案審議において、主濱委員との質疑の中で、番号法案に係る個人情報情報連携について答弁をいたしました。  これについては、番号法案において、行政機関間の情報連携基盤として導入される情報提供ネットワークシステムを活用した情報連携においては、個人番号カードの保有の有無にかかわらず、社会保障給付支給等、申請を始めとする何らかの本人の関与があって初めて行政機関情報連携を行うこととなる、そういう趣旨で申し上げたものでございます。  以上、私の答弁趣旨について補足をさせていただきたいと存じます。     ─────────────
  5. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) 地方公共団体情報システム機構法案議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。──別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  6. 主濱了君(主濱了)

    ○主濱了君 生活の党の主濱了であります。私は、地方公共団体情報システム機構法案反対立場から意見を申し述べます。  一九六〇年代に、政府国民背番号制導入を目指しましたが、結局頓挫しております。頓挫した理由は様々あろうかと思われますが、この度提案のいわゆるマイナンバー制につきましては、次の問題点があり、反対せざるを得ません。  マイナンバーと各省庁が保管している個人情報法人データとの結び付けには、間違いがあってはなりません。極めて重要な要素であるマイナンバー個人法人データ結び付けは、納税に関するデータ社会保障給付に関するデータを保管している各省庁任せになっております。また、結び付けに間違いがないかのチェック体制も十分でないこと、すなわちマイナンバー制構築されたとしても、人為的なミス等により正しくないデータマイナンバーに結び付く可能性があること。  国民利便性が強調されてはいますが、国民利便性向上具体的内容が明確でないこと。加えて、マイナンバー制度で実現される利便性は果たして国民のニーズに沿ったものなのか、また、想定しているサービスだけで国民にとって十分なのか、極めて疑問であること。むしろ、政府にとって都合のいい利便性向上を中心に構成されており、この代償として個人情報法人情報が危険にさらされるおそれがあること。  システム構築に当たっては、当面は納税社会保障、災害の各分野に限定されたシステムですが、巨大なシステムであります。年金システム開発の遅れや特許庁のシステム開発の失敗に見られるように、この巨大なシステム構築が構想どおりできるのか、甚だ疑問であること。  先行している米国や韓国において、成り済ましが顕在化しています。しかし、本制度において、成り済ましの防止やデータ漏えいに対する対策が十分であるとの確証が得られないこと。  マイナンバー制度については四十七都道府県で説明をしたとしていますが、国民への説明は不十分で、理解納得は得られていないと感じられます。むしろ、本国会での議論をスタートとして、今後、さらに国民も一緒になって議論を深め、国民理解納得を得る必要があると考えられること。  マイナンバー制度システム構築には多額の費用を要しますが、一方において、行政効率化に関して定量的に示されていないこと。  以上の理由から、地方公共団体情報システム機構法案を含めて、この度のマイナンバー制度反対をするものであります。  以上です。
  7. 亀井亜紀子君(亀井亜紀子)

    亀井亜紀子君 私は、みどりの風を代表し、地方公共団体情報システム機構法案について賛成立場から討論を行います。  国家国民番号を振って情報管理するという構想は、かつて国民背番号制度とやゆされ、社会のあらゆる分野IT化が進んだ現在であっても、国民感情として漠然とした不安があることは否定できません。それは、根本的に、情報管理主体者が国か民間かという違いによるもの、つまり、情報管理なのかサービス提供なのかという個々の受け止め方の問題と、国に対する信用の低さに由来していると思います。また、住基ネットのように、つながない、様子を見てからつなぐという選択肢が見当たらないことも不安材料の一つです。  当委員会では、諸外国事例がある成り済ましの問題、情報漏えいハッカー対策等、数々の懸念が表明されました。また、安全保障の観点から、システム成長戦略の主軸、一大国家プロジェクトとして国産で構築すべきであり、外国資本に依存したシステムをつくるのであれば反対です。WTOに抵触しないよう知恵を絞り、海外技術コンサルティング等、脇役にとどめるよう強く要望いたします。  本来、当法案は更に審議を深めるべき案件、非常に重い法案であり、本日の採決は拙速であると思います。それでも私が賛成する理由は、みどりの風が歳入庁設置法案提出しており、社会保障と税の分野に限って、つまりお金の流れの管理個人所得の捕捉については番号を振って管理することに同意しているからです。  現在の社会は、正直者がばかを見る、つまり税も社会保険料も納めている者が滞納者の分を増税されて補うような構造になっています。社会保障に掛かる費用が増大する今、税と社会保障について実情を正確に把握することは必要だと思います。その意味で、マイナンバー法案だけが先行し歳入庁設置法案審議されないのは問題であり、マイナンバー導入は国の機構改革と並行して行われるべきです。現在の縦割り行政のままマイナンバーシステムだけ構築しても、結局無駄遣いに終わるでしょう。  また、他分野への利用拡大については、三年ではマイナンバー制度の検証さえできませんから、当面見送るべきと考えます。医療分野への拡大民間による利用については、更に問題が山積していると思います。  以上のとおり、この法案はいまだ不安材料を抱えており、総論賛成という立場から賛成するというのが正確なところです。党議拘束のない我が党においては非常に懸念が強いことを申し添え、私の賛成討論といたします。
  8. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、地方公共団体情報システム機構法案に対する反対討論を行います。  本法案は、現在、住基ネットワーク管理運営している財団法人地方自治情報センターを衣替えして地方公共団体情報システム機構を設置するものであります。この機構は、住民基本台帳番号に基づいて個人共通番号を生成する機関となるものです。機構共通番号情報総務省に設置される情報提供ネットワークシステムによって国や地方行政機関に提供されることになります。このように、機構は、共通番号制度に不可欠な基盤運営を担うものです。  本法案一体である番号法案は、国民一人一人に原則不変個人番号を付番し、個人情報を容易に照合できる仕組みをつくるものです。個人プライバシーが容易に集積され、プライバシー侵害や成り済ましなどの犯罪が常態化するおそれがあります。政府は、成り済まし犯罪などの対策として、利用範囲の限定、番号の変更などを挙げています。ところが、番号法案では、適用範囲拡大が検討され、番号を変更しても、民間企業が保有するものまで自動的に切り替わるものでもないことが審議を通じて明らかになりました。このように、犯罪などの対策は最初から空文化しているのであります。  また、番号システムは、初期投資が三千億円という巨額プロジェクトであるにもかかわらず、その具体的なメリットも費用対効果も示されないままであります。さらに、共通番号所得把握が正確になるかのように言われています。しかし、民主党政権の大綱でも、番号利用しても事業所得などの把握には限界があるとされていました。  一方、この制度は、税や社会保障分野では徴税強化社会保障給付の削減の手段とされかねないものであります。個人プライバシーが関係のない第三者によって集積され、個人の人格まで丸裸にされる、その情報が売買されたり不正利用されるなど犯罪が多発する、この制度導入によってそんな気味の悪い社会をつくっていいのでしょうか。  このように、番号制度には、憲法が保障する基本的人権侵害にも直結しかねない重大な問題が含まれています。我が党は、個別分野での番号利用自体を否定するものではありませんが、今回の共通番号制度導入は将来に重大な禍根を残すものであります。  以上、指摘しましたように、番号法案一体である本法案には反対であることを述べて、討論を終わります。
  9. 又市征治君(又市征治)

    又市征治君 社民党の又市です。私は、社会民主党護憲連合を代表して、地方公共団体情報システム機構法案反対する立場から討論いたします。  マイナンバー法案は、国民背番号制になるという批判を浴びて、何度か出ては消えた経緯があります。旧政権法案も、政府独法自治体の持つ個人のあらゆるデータを結合し、全ての官庁が本人承諾なしに利用できるもので、私は、昨年三月、本委員会事例を述べ、個人権利全般にわたる重大な危惧を述べました。  ところが、今国会の新マイナンバー法案は、それに加えて、三年後には安倍総理の言う企業が一番活動しやすい国づくりに開放する。個人病歴、財産、職歴などを侵す危険が一層強まるものであります。この情報システム機構法案は、その媒体として全国民個人ナンバーを振らせ、他のデータと結合できるシステム機構自治体の責任でつくらせる法案ですから、以下の理由から反対をいたします。  第一に、強制加入であり、脱退もできない点です。アメリカのSSNはオプトアウト方式犯罪が多発し、個別ナンバーの分離へ向かっています。日本マイナンバーは、政府個人承諾なしに取っていろいろなデータとつなぐ言わば強制インシステムで、個人はオプトアウトする自由すらありません。  第二に、漏えいの危険と企業等利用についてです。自治体が持つ個人データ漏えいについては、どこの機関も全貌を把握していません。政府独法の保有するデータは、総務省報告で年に三十四ファイル、つまり私の推計で三百四十万人分が漏えいしている可能性があります。民間漏えいは、消費者庁把握だけで年に一千百八十四万人分以上です。企業は既に膨大な個人データを蓄積しています。これをマイナンバーで確認すれば、税金や社会保険からの職歴病歴など精密で完璧になり、営利目的利用されます。経済産業省がガイドラインを研究していますが、それは企業悪用だとの批判にしり込みせぬよう利用を励ますための内容だそうです。さらに、悪用犯罪です。企業といっても会社とは限らず、電子的な成り済ましやおれおれ詐欺、名誉毀損などに使われる道を開きかねません。  第三に、低所得者への給付付き税額控除をやるためにマイナンバーが必要という話でしたが、今や全く聞こえてきません。暫定的に簡素な給付金制度を取るマイナンバーは必要ないし、消費税緩和対策上、二〇一四年にも二〇一六年にも間に合いません。国民を惑わす宣伝はやめて、やるなら高額所得把握、税制の公平に限定したシステムをつくるべきです。  最後に、医療個人情報は、患者のためなら医療機関同士本人又は家族の同意を得てデータを共有すればよく、政府が介入して吸い上げ、マイナンバーで大掛かりな連結をすることは不要だし、漏えいや偽造の危険性が高いと言わねばなりません。厚生労働省も、マイナンバーとの連結はデメリットもあると慎重です。連結は三年後のその先も行うべきではないと考えます。  以上を申し上げ、反対討論といたします。
  10. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  地方公共団体情報システム機構法案賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  11. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) 挙手多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、加賀谷健君から発言を求められておりますので、これを許します。加賀谷健君。
  12. 加賀谷健君(加賀谷健)

    加賀谷健君 私は、ただいま可決されました地方公共団体情報システム機構法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及びみんなの党の各派並びに各派に所属しない議員森田高君の共同提案による附帯決議案提出いたします。  案文を朗読いたします。     地方公共団体情報システム機構法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。  一、社会保障税番号制度の安定的な運用に資するため、地方公共団体情報システム機構においては、その運営する住民基本台帳ネットワークシステムに関し、専用回線利用ファイアウォールによる通信制御等、外部からの不正侵入情報漏洩等を防止するための万全のセキュリティ対策を引き続き講ずるとともに、情報通信技術進展等を踏まえながら、本人確認情報を保護するために必要な高いセキュリティレベルを確保すること。  二、代表者会議及び経営審議委員会委員選任に当たっては、情報システム開発運用セキュリティ対策等の業務を担う地方公共団体情報システム機構の適切な運営を図るため、可能な限り情報システムに関する高度な専門的知識を有する者を選任するよう配慮すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  13. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) ただいま加賀谷健君から提出されました附帯決議案議題とし、採決を行います。  本附帯決議案賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  14. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) 挙手多数と認めます。よって、加賀谷健提出附帯決議案は多数をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、新藤総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。新藤総務大臣
  15. 国務大臣(新藤義孝君)(新藤義孝)

    国務大臣新藤義孝君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
  16. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 委員長(松あきら君)(松あきら)

    委員長松あきら君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十七分散会