○森田高君 森田でございます。
新藤大臣、どうもお疲れさまでした。今日も長丁場でしたが、これで最後ですから、どうぞ御安心ください。
冒頭、昨日、広島高裁の判決というのがありました。今日は岡山の支部でも違憲、無効という判決が出ているそうです。大阪でも違憲というのが出ていて、それは無効ではないのかもしれませんけど。かつては、衆議院だったら二・五倍、参議院だったら五倍まではセーフティーゾーンと言われたのどかな時代もありましたらしいんですけれども、今般の裁判の結果見ていますと、二・三から二・四と、これもうどんどん違憲、無効が出ていますね。これはもう
大臣の見解は求めませんが、思うに、これは、外交とか安全保障とかあるいは憲法改正発議とかがホットイシューになってくればくるほど、このストライクゾーンはどんどん狭くなってくるように思います。
これは衆議院の方でしっかり議論がなされると思いますし、参議院は先般四増四減でまとめたばっかりなんですが、まとめた結果四・七四とかその程度の
数字だったと思いますので、二・三の二倍は四・六ですから、今年改選ということをお
考えの議員もたくさんいらっしゃると思うんですが、参議院でも選挙無効、変えた、四増四減やっても選挙無効まで行っちゃう、高裁レベルで判決が出る
可能性はもうあると思うんです。しかも、参議院の場合は、分母、分子の鳥取県の人口が減り続けていますから、大変残念ながら四増四減では力不足だったと司法の方が喉元にやいばを付けてくる
可能性が高まってきたなというふうに昨日今日の判決を聞いて感じておりますので、そういう問題意識を持っていただければというふうに思っておりますし、これは参議院の問題として非常に大事なことになるだろうと思います。
それで、本題に入りますが、
地方公務員の
給与、交付税のこと、もうかなり議論が午前から白熱して、出尽くしてきたように思うんです。
私は、日切れだということもありますし、基本賛成というふうに思っておりますが、もう
一つ、やっぱりこれは
新藤大臣だけ責めても駄目なことで、ゼロサムの議論をしても何も生まないし、感情的になっても駄目だし、
新藤大臣は多分、多分ですよ、そんたくしますに、財務当局から相当の
プレッシャーを掛けられた中で押し戻された
役割を果たしていらっしゃるんだろうというふうに思います。ですから、九か月という適用
期間も含めていくと
役割は果たされているんじゃないかなというふうに思います。
ただ、これは今始まった話じゃないです。前の政権のときでも同じことを言った
政治家というのはいたんですね。
平成二十三年の十月、
国家公務員の
給与を
大震災に合わせて減らそうという議論が大体固まってきたころに、当時の五十嵐財務副
大臣は記者会見で次のように言ってられます。「私どもは、
地方に対する仕送りに当たります交付税につきましては、これは当然、国との並びで
考えるという
考え方がございます。したがって、
基準財政需要額に
算定する際の人件費の見積もりについては、国並びの
ラスパイレス指数一〇〇ということを
基準に
考えるべきという
考え方が
一つにはあると思います。」と。
この
発言は、当然、その後の衆参の
総務委員会で批判を受けることになるんですね。引退された重野先生とか横の又市先生とかは冗談じゃないよというような
発言をもう当時もなさっていたんで、今回突然出た
考え方ではない。それだけ
総務省に対する財務当局のカウンターパートのやっぱり
プレッシャーというのはずっとあっていて、交付税率を上げるということは
総務省の悲願と
大臣はおっしゃいましたが、財務当局の悲願はむしろそれを骨抜きにするということももしかすればあるのかもしれない。
ですから、これは五十嵐副
大臣の個人的見解でこんな記者会見を多分僕はされているわけじゃないと思うんです。これは、交付税とか
地方財政に対する、これはただ額面どおり見れば思い上がりになりますわね。
地方に対する仕送りって何ですかという話になりますから、そんな錯誤を、幾ら副
大臣といえども、それは個人的見解で言うはずがない。それだけやっぱり言わすだけの勢力なりそういう人
たちがおられたんだろうというふうに
考えます。それが多分妥当だと思います。
ですから、この議論をするに当たって、いい悪いはありますが、ちゃんと
総務省側として論点整理しないと、多分続きます、こういう話は。また来年は来年で別の特例という話がぞろ出てくる
可能性もありますから、どういうふうに整理をされるかということは、地に足を着けて長丁場でお
考えいただければいいと思うんです。
それともう
一つは、午前中、
水岡先生が経済効果は実はどうなんだというふうな
発言をされていらっしゃいました。これは、もちろん、数百万人の給料を減らせば消費性向の減退がありますから、マクロ経済から見ればそれはマイナスの要素には違いありません。
一方で、見合いがあります。大変恐縮なんですが、五十嵐副
大臣のときには、見合いというものが全く提示されないで給料だけ減らせというふうに言われていたんです。今次の話では見合いがありますから、それが減災・防災とか、あるいは元気づくりとかというもので乗数効果がプラスになるということがあるならば、オーバーオールで
考えていけば経済はプラスという結論にマクロ経済モデルなんかで計算すれば出る
可能性はゼロじゃないと思います。
それが道義的に、あるいは
制度的にいいかどうかというのはまた別ですが、ただ、整理するに当たってファクトを積み上げていくということは議論をする前提ですから、やはり
水岡先生言われたようにある程度の
数字は持っておいていただきたいというふうに思います。
ただし、これはマクロ経済モデルもいろいろありますんで、何を使うかということは大切だと思うんです。例えば、
内閣府のよく使われる経済モデルは、もうこれはずっと財務省が公共事業を減らすというやっぱり命題の中で使ってきたモデルですから、乗数効果が非常に出にくくなっています。それを見て与謝野
大臣なんかが、幾らやっても公共事業はプラスにならないとかって言っていたんですが、ただ、健全な経済モデルというのは世の中いろいろあって、参議院にも経済モデルありますし、日経新聞とか東洋経済とか
民間系の経済モデルの方が一般的な公共投資に対する見合いというか、乗数効果はポジティブに出るものが多いです。
ですから、どういうモデルを使ってどうやって
総務省なりのやっぱり見解を持つかということは大切になってくると思うんです。それがないとやっぱり議論していけないし、それは道義的な問題がありますから手放しでいい話にならないんだけど、ただ、やっぱり議論をする前提というものはしっかりつくっていただきたいと思います。
大臣、いかがでしょうか。