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大門実紀史君 それはもう頑張ってもらいたいと思いますが。
二つ目に、これ表面に出てくるのは、年金担保融資を借りさせるという手口なんですね。これ、どういうことかといいますと、年金を担保に融資するということは年金保険法で禁止されているわけですね。唯一の例外が厚労省所管の独立行政法人の福祉医療機構ですね。ここが唯一、年金の受給権を担保に融資を行うことができるとなっているわけですね。この唯一行える、公的機関が行える、これをやみ金は利用しているわけですね。
どういうことかといいますと、例えば群馬県の高崎市で、これは七十二歳の年金で独り暮らしをしている方の例なんですけれ
ども、さっき言った仕組みで、
偽装質屋にちょっと借りたのがだんだん膨らんで、この方は二か月で三十万円弱の年金が入っていたんですけれど、これほとんど全部やみ金への、
偽装質屋への返済金で取られてしまって、もう口座が空っぽの状態と。
そのときに
偽装質屋の方から持ちかけるわけですね。おじいちゃん、年金を担保にお金が借りられるところがあるよということを言って、そこで借りてきなさいということで、借りに行かせるわけですね、この機構に。そこで、この方の場合ですと八十万円を申し込んで、それでその
偽装質屋にたまった元利を返すわけですね。
ところが、またどんどんどんどんやられていきますから、その八十万円も返せなくなって、それは年金から引き落とされますので、年金が手取りがなくなるわけですね。そうすると、また生活が苦しいから同じように借りると。
そうすると、この
偽装質屋は何をやるかといいますと、おじいちゃん、その八十万円を一遍返しなさいと、うちがお金貸してあげるから返しなさいと。それで、一遍返して、今度は百五十万円借りさせたんですね。その八十万円のお金はその
偽装質屋が出してあげると、その代わり百五十万借りさせると。それでまた元利で膨大に膨らんで、百四十三万円全部返させて、その方に残ったのは僅か数万円と。こういうことで、この年金担保融資を利用しながらもう最後まで搾り取るといいますか、こういうことをやるわけでございます。
したがって、これが彼らの一番のうまみになっておりますので、この年金担保融資、ここのところで発見をして、彼らの手口を発見して食い止めるというのが今非常に具体的に大事だというふうに思うわけでございます。
厚労省も来ていただいておりますけれ
ども、この年金担保融資というのは、大体、低年金で生活の苦しい方が多いですから、繰り返し借換えするリピーターといいますか、そういう方が多いのは確かなんですけれ
ども、そうはいっても、こういう繰り返し借りる人について、
偽装質屋、おじいちゃん、おばあちゃんですから、
偽装質屋みたいなところと関係があるかないかとかいろいろ聞いてあげるということと、本人は隠す場合もあると思います。
その場合は、この
偽装質屋がバックにいる場合の年金担保融資の借り方というのは一定のパターンがあるんですよね、パターンがあるんです。さっき申し上げたように、一遍借りさせて、一遍全部返させるんですね。次にもう最大の限度額までまた借りさせて取っちゃうというふうなパターンがありますので、ただ生活が大変で借りていくというパターンじゃなくて、やみ金はもうがばっと二回目で全部搾り取ろうとなりますので、そういうパターンを見るといろいろ分析もしていけると思うんですよね。
そういう点で、窓口で、非常に、そこでチェックしてあげないともう最後まで搾り取られますので、是非その機構の方で、年金担保融資の相談があったときに高齢者の、まあ年金生活は
皆さん高齢者ですけれど、きちっとした、ちょっと相談も含めて見てあげてほしいなと思うんですが、非常にそこが今ポイントになっていると思うんですけれど、いかがでしょうか。