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竹谷とし子君 今、過去の経緯から、
物価が上昇しているときには
賃金も上昇しているというのがお話ありました。
諸外国を見ますと、やはり
物価が二%ぐらいのときには
賃金の上昇率も三%前後であると。しかしながら、政策を誤れば、特に日本は輸入価格に大きく
影響を受けるところがありますので、
円安になればその分
物価が上昇してしまうというところがありますので、
賃金が上昇しなくても
物価が上昇してしまうという事態もあり得ると思います。そうならないように、しっかりと、
賃金が上昇する前提となる産業の成長というものを図っていかなければならないと思います。
この
金融緩和、
日銀の
金融緩和、今、力強く進めていただいていることによって、衆議院の財務
金融委員会の中での議事録を見させていただきまして、
黒田総裁は、今、
期待が先取りしていますけれども株価が上昇してきていると、そうすることによって、まず大
企業については資本
市場から株式、
社債の
発行によって資金調達ができるようになった、また、先ほど
金子委員からもありましたけれども、手元流動性の取崩しという、そういった作用が生じてくるであろうというところがあります。また、個人については、
住宅投資、これは非常に大きな
消費、
投資の拡大
効果がありますけれども、これも、長期の
金利を引き下げるということによってこれも活性化してくるであろうという話がありました。
一番重要なのが中小
企業の
金融であると思います。このことについては、
総裁は、これは
金融機関の
貸出態度いかんであるという御発言があったかと思います。私も全くそのとおりであると思います。中小
企業が、数でいえば九九・七%が中小
企業であると。そこに
雇用される人のことも
考えますと、この中小
企業を伸ばしていくということが今非常に重要であるというふうに思います。
今回の補正予算、また本予算の中でも、中小
企業の延命から再生にということで、認定
支援機関等専門家による再生計画の策定
支援、またそれとセットになったニュー
マネーの投入など、政策が、また予算が取られている
状況でありますけれども、この中小
企業、今資金繰りで苦しんでおられる方の
財政状況を見ますと、過去の土地、不動産を買うときの借金、これに非常に苦しんでいると。その担保となっている資産を売却をしても返し切れないぐらいになっていると。
これは資産価格の下落ということが大きな
要因であるというふうに思います。中小
企業の場合は個人保証を求められる場合が多いので、売却をしても結局経営者がその残りを返済をしていかなければいけない。一部債務免除をされたとしても、まだそれに苦しんでいる。債務免除をされないで、整理を行わないでまだ返し続けている、その負担に苦しんでおられる方も非常にたくさんいます。
しかし、この資産価値の下落というのがその方々だけの
責任であったとは思いません。やはり、
日銀と
政府の政策によって資産の価格下落を招いてしまったという面が私はあると思います。
大きな銀行の場合には、公的資本の投入、また低
金利政策によって低い
金利で預金者の預金を預かり、そして、また住宅のローンや、また
国債の購入など比較的安定をしたものを買ったりすることによって、貸付けを行うことによって銀行が安定的に利益を得られるような仕組みというのが提供されてきたと思います。これによって銀行も立ち直ってきたと思います。これは、国民の税金、また本来であれば得られていた
家計の利子所得、これが銀行の方に移っていったことによって立ち直った面もあると思います。
しかし、中小
企業の資産価値の下落については、個人保証をしていた経営者は自分で
責任を負っているような、そういう
状況にあることを
考えると、これから事業を再生させていくに当たっては、その資産価値の下落による差額分について早く荷を下ろしてあげるということが
日銀と
政府の
責任においても必要なのではないかというふうに私は
考えております。
今、認定
支援機関等が再生計画を作っていく基本的なスキームとしては、債権を放棄してもう事業をスリム化をして事業計画を立て直した上で、返せない借金については債権を放棄して、そして新しい事業にニュー
マネーを投入していくというような基本的なスキームだというふうに思いますけれども、法的な整理等を行わずに今の事業を継続したままスムーズにそちらの方に移行していけるような仕組みが必要だと思います。
これは、
金融政策というよりも、税制面とか様々な法律的な仕組みによって作っていくべきものだというふうに思いますけれども、私が、
日銀の、白川
総裁が御在任のときだったと思いますけれども、非常にいい政策だというふうに思いましたのが、銀行が融資を
増加させたら、その分、〇・一%の
金利で比較的長期で、かつてなかったような期間の貸付けを行います、無制限に行いますということを打ち出されました。これは非常にいいと思います。これが中小
企業の
金融にしっかりと回っていく、中小
企業の事業再生に回っていくというスキームが必要であるというふうに思います。
一つのアイデアでありますけれども、銀行が中小
企業に対して債権放棄をした場合に、それを評価をして
日銀が低利で融資をするとか、そういったこともちょっと
考えていただきたいというふうに思います。そして、中小
企業が過去の債務がなければ事業の中で利益を出していける、従業員を雇っていけるという、そういう事業を倒産をさせないで続けさせていくような、そういった方向に是非
日銀の
金融政策もお
考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。