○難波奨二君 私は、ただいま可決されました
災害対策基本法等の一部を
改正する
法律案及び大
規模災害からの
復興に関する
法律案の両案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、生活の党及び日本共産党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
災害対策基本法等の一部を
改正する
法律案及び大
規模災害からの
復興に関する
法律案に対する附帯決議(案)
政府は、両
法律の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一 今回新設された減災等の基本理念については、国民に広くその
意味を周知するとともに、共有化を図ること。
二
災害発生時の
初動対応においては、人の生命及び身体の保護を最優先として、人的資源及び資機材を集中的に投入すること。
三 大
規模災害発生時の
政府の
対応については、必要な
対応が漏れなく、かつ、効率的に行われるよう、平素より、関係府省・部局の適切な業務分担及び密接な連携の確保に努めるとともに、
災害派遣医療
チーム(DMAT)、緊急
災害対策派遣隊(TEC—FORCE)等の既存の組織の法的位置付けの明確化、更には救難・救援その他
災害対応に係る活動を一元的に指揮及び調整する権限を持つ組織について、検討を進めること。
四
災害発生時においては、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)等により住民等から寄せられた
情報を関係する組織で広く共有するとともに、これらの
情報を救難・救援活動に活用することも検討すること。
五 地域住民の
被災状況の把握・管理、配慮事項等の
情報の共有化など、きめ細かな
被災者支援のためには、
情報通信技術の活用が有効であることを踏まえ、市町村に対し必要な支援を行うこと。
六 地域コミュニティが提案できることとされる「地区
防災計画」については、地域の
災害の
リスクを自治体と共通認識とし、
現実的な
防災対策を共同して進めることができるようにすること。
七
災害緊急事態において、生活物資をみだりに購入しないよう国民へ協力を求めることについては、平素より、その目的及び
趣旨を国民に周知するなど、国民が
理解に基づき、冷静に対処できる環境を整備しておくこと。
八
避難所の
設置及び運営については、自治体が、高齢者、難病・障がい者、子ども、女性等に必要な生活環境を確保するため、要配慮者等の意見を踏まえて
避難所の基準を設けるなど、国として適切な支援を行うこと。
九 市町村長が
避難行動要支援者名簿の
情報を消防機関等の関係者に提供する際に、遺漏や個人
情報の取扱いの問題が生じることのないよう、国としてもガイドラインの見直し等の支援を行うこと。また、
避難支援等関係者の確保についても、必要な支援を行うこと。
十 市民のボランティア参加やNPOによる活動の更なる促進に努めるとともに、
災害発生時にこれらの活動の受入れ・調整等を円滑に行うための
体制を自治体が整備できるよう、国として支援を行うこと。
十一 今後の大規模かつ広域な
災害に的確に
対応するため、専門課程を含めた大学等における
防災教育の充実、
防災に関する専門知識を有する人材の長期的な育成の促進、国及び自治体における
防災の専門家の適切な配置等により、
防災体制の強化を図ること。
十二 罹災証明書については、
被災者支援にまず必要となることを踏まえ、その発行の迅速化と証明内容の信頼性の確保を図るため、市町村に対し被害調査
体制の強化に向けた支援を行うこと。加えて、関係行政機関の間で罹災証明の取扱い等に関する広域間調整を行うなど、地域間格差が生じないよう配慮すること。
十三
災害多発時代に備え、地域
防災を担っている自治体職員や市町村消防の
体制の強化を図ること。
十四 国による
復興基本方針の策定及び
被災都道府県による
復興方針の作成並びに
被災市町村等による
復興計画の作成においては、
被災住民の意見が十分に反映される仕組みを整えておくこと。
十五
復興対策本部については、同
本部が司令塔機能を十分に発揮するとともに、省庁の縦割りを排した一元的な
復興施策を効率的に実施できるよう、東日本大
震災での取組を検証し、その在り方について検討すること。
十六 大
規模災害からの
復興に当たっては、大
規模災害からの
復興に関する
法律における一般的な枠組みに加え、
災害の規模、
被害状況、地域の特性等に応じ、かつ、
被災地の要望を踏まえ、柔軟な制度の運用に努めるとともに、法制上の措置を含めた所要の措置を講ずること。
十七 大
規模災害からの
復興に係る経費については、被害の
状況及び
被災自治体の財政等に留意し、迅速な復旧及び
復興を推進する観点から、自治体の負担を可能な限り軽減する財政措置を講ずるとともに、速やかに必要な予算編成を行うこと。
十八 近年の公共事業の削減等により自治体の土木系職員や専門的知識を有する職員が減少傾向にある
状況に鑑み、
災害復旧・
復興に資するノウハウの蓄積や人材の育成等マンパワーの強化に向けた取組に適切な支援策を講ずること。
十九 残された課題については更に検討を重ね、必要に応じて法制上の措置を講ずること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ
委員各位の御賛同をお願い申し上げます。