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国務大臣(
古屋圭司君) ただいま議題となりました
災害対策基本法等の一部を改正する
法律案及び大
規模災害からの復興に関する
法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
まず、
災害対策基本法等の一部を改正する
法律案について申し上げます。
本
法律案は、
東日本大震災から得られた
教訓を生かし、今後の
災害対策を
充実強化するための
災害対策法制の見直しの一環として、昨年六月に公布、施行された
災害対策基本法の改正に引き続き、同法の附則及び附帯決議等も踏まえ、更なる法制化を図ることを目的とするものであります。
以上が、この
法律案を提出する理由であります。
次に、本
法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、
災害に対する即応力の
強化等についてであります。
災害緊急事態の布告があったときにおいて、
災害応急
対策のみならず、
被災地外も含めた国民生活、国民経済等の重要課題について、
政府が対処基本方針を定め、
内閣総理
大臣の指揮監督の下、
政府が一体となって対処する仕組みを創設するとともに、
内閣総理
大臣は、物資の買占めの自粛等についての
協力を国民に要請できることとし、要請を受けた国民は必要な
協力をするよう努めることとしております。また、
災害により地方公共団体の機能が著しく低下した場合、国が地方公共団体の
災害応急
対策を応援し、又は応急措置や広域一時滞在に係る協議を代行できるようにすることとしております。さらに、
被災者の救助、救援等のため特別の必要がある場合は、平常時における各種の規制の適用除外措置を講ずることとしております。
第二に、住民等の円滑かつ安全な避難の
確保についてであります。
市町村長は、
防災施設の
整備の
状況、地形、地質その他の
状況を勘案して、安全性等の一定の基準を満たす
施設又は場所を、洪水、
津波その他の異常な現象の種類ごとに、指定緊急避難場所として指定しなければならないこととしております。また、市町村長は、高齢者、障害者等の
災害時の避難に特に配慮を要する者についての名簿を作成するとともに、本人の同意を得て、
消防機関、民生
委員等の
関係者にあらかじめ情報提供するものとするほか、名簿の作成に際し必要な個人情報を利用できることとしております。さらに、市町村長は、迅速かつ的確な住民の避難を図るため、屋内での待避その他の屋内における避難のための安全
確保に関する措置を指示できるものとするほか、避難指示等を行うに際し、市町村長が国又は都道府県に助言を求められることとし、この場合において国又は都道府県は、必要な助言を行わなければならないこととしております。このほか、市町村長は、指定緊急避難場所、避難路その他の事項を住民に周知させるための印刷物の作成、配布その他必要な措置を講ずるよう努めるものとするほか、非常
災害のおそれがある場合において、
内閣総理
大臣が、予想される
災害の
事態及びこれに対してとるべき措置について、国民に対して周知させる措置をとらなければならないこととしております。
第三に、
被災者保護
対策の改善であります。
市町村長は、
災害の発生時における
被災者の滞在先となるべき適切な
施設の円滑な
確保を図るため、生活環境等の
確保に関する一定の基準を満たす
施設を、指定避難所としてあらかじめ指定しなければならないこととしております。また、
被災者支援のための情報基盤の
整備として、都道府県知事又は市町村長は、照会に応じて
被災者の安否情報を回答できることとするほか、個々の
被災者がその
被害の程度等に応じた適切な
支援を受けられるよう、罹災証明書の交付及び
被災者に対する
支援状況等の情報を一元的に集約した
被災者台帳の作成を市町村長の事務として制度化することとし、安否情報の回答及び
被災者台帳の作成に際しては、必要な個人情報を利用できることとしております。さらに、
被災者の広域避難のための運送の
支援に関する仕組みを創設することとしております。このほか、
災害救助法について、都道府県間の救助の応援に要した費用を国が立て替える仕組みを創設するとともに、同法の所管を厚生労働省から
内閣府に移管することとしております。
第四に、平素からの
防災への取組の
強化であります。
災害対策に関する基本理念として減災の考え方等を明確化するとともに、
災害応急
対策等に関する
事業者の責務を定めるほか、国及び地方公共団体とこれらの民間
事業者との協定の締結を促進することとしております。また、地域の
防災力の向上を図るため、住民の責務として、生活必需物資の備蓄を明記するほか、市町村地域
防災計画において、一定の地区内の居住者等が共同して行う
防災活動に関する地区
防災計画を定めることができるものとし、居住者等は、市町村
防災会議に対し、地区
防災計画を定めるよう提案できることとしております。さらに、国及び地方公共団体の努力義務として、ボランティアとの
連携を規定することとしております。
このほか、異常な現象の種類ごとに指定緊急避難場所を指定することに伴い、
災害の定義の例示として、崖崩れ、土石流及び地すべりを追加することとしております。
また、特定非常
災害の
被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律において、相続の承認又は放棄をすべき期間に関する民法の特例を設けることとしております。
その他、所要の規定の
整備を行うこととしております。
次に、大
規模災害からの復興に関する
法律案について申し上げます。
本
法律案は、
東日本大震災から得られた
教訓を生かし、今後の
災害対策を
充実強化するための
災害対策法制の見直しの一環として、昨年六月に公布、施行された
災害対策基本法の改正に引き続き、同法の附則及び附帯決議等も踏まえ、
災害からの復興の枠組み等について、あらかじめ法制化を図ることを目的とするものであります。
以上が、この
法律案を提出する理由であります。
次に、本
法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、復興に関する組織等についてであります。
大
規模災害が発生した場合において、当該
災害からの復興を推進するため特別の必要があると認めるときは、
内閣総理
大臣は、閣議にかけて、
内閣府に復興
対策本部を設置することができることとしております。また、
政府は、当該
災害からの復興のために復興基本方針を定めることとしております。
第二に、復興計画等における特別の措置についてであります。
大
規模災害を受けた市町村は、土地利用の再編等による円滑かつ迅速な復興を図るために、
政府の復興基本方針等に即して、単独で又は都道府県と共同して必要な復興
整備事業等を内容とする復興計画を作成できることとしております。また、復興計画が所要の協議等を経た上で公表されたときは、土地利用基本計画の変更等がなされたものとみなすとともに、復興
整備事業に係る許認可等の要件を緩和する特例等のほか、復興の拠点となる市街地を
整備するために一団地の復興拠点市街地形成
施設に関する都市計画を設けることとしております。
第三に、
災害復旧
事業等に係る国等による代行についてであります。
国又は都道府県は、
被災した地方公共団体の長等から要請があり、かつ、地域の実情を勘案して円滑かつ迅速な復興のため必要があると認めるときは、その事務の遂行に支障のない範囲内で、当該地方公共団体等に代わって自ら
災害復旧
事業等に係る工事を施行すること、また、復興を図るために必要な都市計画の決定等に必要な措置をとることができることとしております。
このほか、国は、大
規模災害が発生した場合において、当該
災害からの円滑かつ迅速な復興のため特別の必要があると認めるときは、別に法律で定めるところにより、復興のための財政上の措置その他の措置を速やかに講ずるものとする等の所要の規定の
整備を行うこととしております。
以上が、二法案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いをいたします。