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国務大臣(
田村憲久君) ただいま議題となりました
生活保護法の一部を
改正する
法律案及び
生活困窮者自立支援法案について、その趣旨を
説明いたします。
まず、
生活保護法の一部を
改正する
法律案について申し上げます。
生活保護
制度は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき生活に困窮する全ての国民の最低限度の生活を保障するとともに、その自立の助長を図るものとして重要な役割を担ってまいりました。しかしながら、法の制定から六十年以上の間、抜本的な見直しが行われておらず、近年の生活保護
受給者の急増や、不正事案が発生する
状況の中で、幅広い観点からの見直しを行う必要があります。
今回の
改正は、最後のセーフティーネットとして必要な人には確実に保護を実施するという生活保護
制度の基本的な
考え方を維持しつつ、今後とも
制度が国民の信頼にこたえられるよう、生活保護
受給者それぞれの状態や段階に応じた自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の
適正化等を行うための所要の措置を講ずるものであります。
以下、この
法律案の内容について、その概要を
説明いたします。
第一に、就労による自立の促進を図るため、安定した職業に就き、保護から脱却することを促すための給付金を創設することとしております。
第二に、不正・不適正受給対策の強化のため、福祉事務所の調査権限を強化し、就労活動等に関する事項を調査可能とするとともに、官公署に対しては回答義務を創設することとしております。また、罰則の引上げや不正受給に係る返還金の上乗せ等を行うこととしております。
第三に、医療扶助の
適正化のため、指定医療機関
制度について、指定や取消しに係る要件を明確化するとともに、指定の更新制を導入することとしております。また、医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、生活保護
受給者に対し後発医薬品の使用を促すこととしております。
最後に、この
法律案の施行期日については、一部の規定を除き、平成二十六年四月一日としております。
次に、
生活困窮者自立支援法案について申し上げます。
近年、生活困窮者が増加する中で、早期にその支援を行い、自立の促進を図ることが重要な課題となっています。このため、生活困窮者に対する就労の支援を含む自立の支援に関する相談等を実施するとともに、住宅の
確保に関する給付金の支給等を通じ、その自立を支援することを目的として、この
法律案を提出した次第であります。
以下、この
法律案の内容について、その概要を
説明いたします。
第一に、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、就労の支援を含む自立の支援に関して、生活困窮者からの相談に応じる等の生活困窮者自立相談支援事業を行うこととしております。
第二に、都道府県等は、離職等により経済的に困窮し、居住する住宅を失った者や賃貸住宅の家賃の支払が困難となった者であって、就職を容易にするために住居を
確保する必要があると認められるものに対し、生活困窮者住居
確保給付金を支給することとしております。
第三に、都道府県等は、地域の実情に応じて、生活困窮者就労
準備支援事業、生活困窮者一時生活支援事業、生活困窮者家計相談支援事業及び生活困窮者である
子どもに対する学習の援助を行う事業等を行うことができることとしております。
第四に、国は、生活困窮者自立相談支援事業及び生活困窮者住居
確保給付金に要する費用の四分の三を
負担するとともに、その他の事業に要する費用の
一定割合を補助することができることとしております。
第五に、雇用による就業を継続して行うことが困難である生活困窮者に対し、就労の機会を提供するとともに、就労に必要な訓練等の事業を行う者は、当該事業が
一定の
基準に適合していることについて、都道府県知事の認定を受けることができることとしております。
最後に、この
法律案の施行期日については、一部の規定を除き、平成二十七年四月一日としております。
以上が二法案の趣旨でありますが、
生活保護法の一部を
改正する
法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
以上でございます。