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福島みずほ君 ヨーロッパでは、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリアなどの国々において、一般市民が被った
戦争被害について、旧軍人の補償との間の国民間の平等や内外国人間の平等といった原則をしっかり位置付けた上で補償を行っています。
戦後補償といっても、本当にもう最後のチャンスなのかもしれませんが、国として何らかの救済にやはり乗り出すべきではないか。冒頭言った、
特別給付金の未受領金が累計で百四十四億円にも例えば上っている。一方で、空襲に遭われて今も苦しんでいる人たちに関して、それもやはり受忍論ではなくて
戦争被害なんだというふうに思っています。余りに甚大な被害ですが、どこかで政治は決断をすべきではないかと思っています。
この
厚生労働委員会で、シベリア抑留者の問題や例えば中国残留孤児・邦人に関する問題や、少しずついろんな問題について解決をしてきました。私は、空襲の問題は最後まで残っている問題だというふうに思っています。
東京空襲訴訟において、五月八日の最高裁判決は、原告の主張を残念ながら退けました。しかし、この訴訟の過程で、一審東京地裁判決は
戦争被害受忍論を採用しませんでしたし、最高裁判決で維持された東京高裁判決の中にも、救済は立法府の裁量と一歩踏み込んだ見解を示しています。
国会の責任かもしれませんが、この問題は実は社会党時代に空襲に関しては
法案を出しているんですよね、何度も。しかし、それが当時成立をしなかった。私自身は、やはり
戦争の被害に関して一般の人に対してもそれはやるべきだという
思いを強く持っておりまして、是非、さっき自分の省を超えるとおっしゃいましたが、是非国会の中での議論をもっとしていきたいと思っています。
反戦、平和の啓蒙施策について一言お聞きをいたします。
国は、
戦没者慰霊碑建立事業として、一九七一年硫黄島に建立以来、これまでにフィリピン、パプアニューギニア、マレーシア、インドネシアなど十二か国に十五の慰霊碑を建立しております。しかし他方で、東京大空襲に対する慰霊碑、大阪の京橋駅爆撃慰霊碑、名古屋の熱田空襲慰霊碑などは、それぞれの地域の市民有志が建立や慰霊祭を行っており、これらの事業に対する国の援助は全くありません。
日本
政府が国内外に建立した十五の慰霊碑も、その碑文は、さきの大戦において何々で戦没した人々をしのびという文言がほとんどで、
戦争全般に対する反省を述べたものは僅かにインドネシアの慰霊碑の碑文、「
戦争がもたらした全ての結果とその悲惨さを再び繰り返さないよう全人類に想起させる」というものがあるものだけです。
国は、この際、空襲被害者を始めとした一般市民の被害者救済に乗り出し、
戦争に対する全面的な反省とあらゆる
戦争被害者に対する補償を行うべきと
考えますが、いかがでしょうか。