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2013-05-30 第183回国会 参議院 厚生労働委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十五年五月三十日(木曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
五月二十九日
辞任
補欠選任
梅村
聡君
尾辻かな子
君
小見山幸治
君
大久保潔重
君
山根
隆治
君
牧山ひろえ
君
石井
浩郎
君
武見
敬三
君
寺田
典城
君
行田
邦子
君 五月三十日
辞任
補欠選任
武見
敬三
君
渡辺
猛之君 中村 博彦君
磯崎
仁彦君
─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
武内
則男
君 理 事 足立 信也君
津田弥太郎
君 赤石 清美君
高階恵美子
君
渡辺
孝男君 委 員 石橋
通宏
君
尾辻かな子
君 小西 洋之君 小林 正夫君 櫻井 充君
牧山ひろえ
君
磯崎
仁彦君
大家 敏志君 熊谷 大君 藤井 基之君 丸川 珠代君
三原じゅん子
君
渡辺
猛之君 浜田 昌良君 川田 龍平君
行田
邦子
君
田村
智子君
福島みずほ
君 国務
大臣
厚生労働大臣
田村
憲久
君 副
大臣
厚生労働
副
大臣
桝屋
敬悟
君
事務局側
常任委員会専門
員 松田
茂敬
君
政府参考人
総務省総合通信
基盤局電気通信
事業部長
安藤
友裕
君
外務大臣官房参
事官
新美 潤君
厚生労働省職業
安定局高齢
・障
害者雇用対策部
長 小川 誠君
厚生労働省社会
・
援護局障害保
健福祉部長
岡田
太造
君
参考人
全国就労移行支
援事業所連絡協
議会会長
石原
康則
君
公益社団法人
全
国精神保健福祉
会連合会
(みん なねっと)副理
事長
本條
義和
君
東京アドヴォカ
シー法律事務所
所長
弁護士
池原
毅和
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改 正する
法律案
(
内閣提出
) ○
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一 部を改正する
法律案
(
内閣提出
) ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
及び戦
没者
の
父母等
に対する
特別給付金支給法
の一部 を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
武内則男
1
○
委員長
(
武内則男
君) ただいまから
厚生労働委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日、
寺田典城
君、
小見山幸治
君、
山根隆治
君、
石井浩郎
君及び
梅村聡
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
行田邦子
君、
大久保潔重
君、
牧山ひろえ
君、
武見敬三
君及び
尾辻かな子
君が選任されました。 ─────────────
武内則男
2
○
委員長
(
武内則男
君)
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の両案を一括して議題といたします。 本日は、両案の
審査
のため、三名の
参考人
から御
意見
を伺います。 御
出席
いただいております
参考人
は、
全国就労移行支援事業所連絡協議会会長石原康則
君、
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会
(みんなねっと)副
理事長本條義和
君及び
東京アドヴォカシー法律事務所所長
・
弁護士池原毅和
君でございます。 この際、
参考人
の
方々
に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙中のところ当
委員会
に御
出席
をいただき、誠にありがとうございます。
参考人
の
皆様
から忌憚のない御
意見
をお述べいただきまして、両案の
審査
の
参考
にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。 次に、議事の進め方でございますが、まず、
参考人
の
皆様
からお一人十分以内で順次御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
からの
質疑
にお答えいただきたいと存じます。 なお、
参考人
、
質疑者共
に
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、まず
石原参考人
にお願いいたします。
石原参考人
。
石原康則
3
○
参考人
(
石原康則
君) 私は
全国就労移行支援事業所連絡協議会
の
石原
でございます。
事業所
といたしましては
社会福祉法人電機神奈川福祉センター
であります。このような場で
発言
の
機会
を与えていただき、心より感謝申し上げます。
全国就労移行支援事業所連絡協議会
は、
社会福祉法人
若しくは
NPO法人
が運営し、一定以上の実績を上げている
就労移行支援事業所
が団結した
協議会
です。
就労移行支援事業
の
重要性
をアピールし、その
ノウハウ
を
全国
に広げるべく、昨年八月に発足したものであります。現在、
全国
二十九か所の
事業所
で構成しております。ちょうど昨日も一
事業所
が入会したところでございます。
障害者自立支援法
が
施行
されてから現在までの間、
会員事業所
だけで千百九十二名の方が
就労
されています。
事業所
を運営する
法人
全体を考えれば、三千名を超える方が
一般就労
を果たしています。 私は、
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
、以下今
改正法案
に賛成の
立場
で、そしてまた、是非今国会で
成立
させていただきたいとの願いを込めて、
参考人
として
意見
を表明させていただきます。 今
改正案
は、
障害者
の
一般就労
が着実に
拡大
、前進している今日にあって、
職場
で働くに当たっての支障を
改善
するための
処置
や
精神障害者
を
法定雇用率
の
算定基礎
に加える等の
処置
が講じられており、本
法案
を評価するものであります。もちろん、
施行期日
までに解決されなければならない
課題
や問題を有していると考えられることから、
関係機関
におかれまして引き続き
努力
が重ねられなければなりません。 本日、第一に強調したいことは、今後も
障害者政策
の
中核
に
障害者雇用
が据えられなければならないという点であります。 今日までいろいろな
施策
が
実行
に移された結果、
一般企業
に
雇用
される
障害者
の数は九年連続で過去最高を更新し続けており、この事実は高く評価されなければなりません。そして、今後も
就労支援
を
障害者政策
の
中核
に据えていただき、
福祉
、
教育
、
医療
、
労働
が
連携
を取りながら、
一般就労
の
拡大
というこの流れを加速させていただかなければなりません。そのためには、私
たち
が担う
就労移行支援事業所
の更なる
努力
とともに、昨今、多くの
就労
に結び付けていただいている
ハローワーク体制
の
強化充実
、
医療
から
一般就労
への
取組
、
特別支援学校等
における
進路指導
の
取組
などの
強化
が重要であります。 第二は、就職した後の
職場定着支援
の
強化充実
が何より重要となっているということであります。
福祉
の
法律
ではございますが、四月
施行
の
障害者総合支援法
の
附帯決議
に「
就労定着
への
支援
を着実に行えるような
サービス
の
在り方
について
検討
する」とされているように、採用された
障害者
が生き生きと働き続けるためには適宜適切な
支援
を必要とします。
企業
の
雇用管理
に委ねるだけでは限界があります。
事業主
や
使用者
はそもそも
障害福祉
の
専門家
ではないからであります。また、
生活基盤
や
家庭環境
がしっかりしていなければ継続して働き続けることは困難であり、
生活面
のサポートも欠かせません。
現行制度
では
職場定着支援
の担い手は
障害者就業
・
生活支援センター
や
地域
の
就労支援機関
ですが、
業務量
が非常に多く、その
体制
は十分とは言えません。働く
障害者
が
右肩上がり
で増加している
現状
にあって、
支援機関
の陣容が乏しいことに加え、その
取組
においても
地域間格差
があることなどが既に指摘されております。 今
改正法案
を踏まえ、
障害者
が継続して働き続けるための
支援
、安心して
雇用
し続けるための
企業
への
支援
が大切になってまいります。せっかく就職できても離職してしまうというのでは、就職した
障害者
にとっても
障害者
を
雇用
する
企業
にとっても不幸な
事態
と言うべきであります。 お手元の
資料
の一や三に示しているように、
特別支援学校
や
就労移行支援事業所
においても独自に
定着支援
を行う
仕組み
をつくることが重要であり、
労働
、
福祉
、
教育
、
医療
で緊密な
連携
を取っていただき、是非この点に対する
充実強化
をしていただきたいと思います。 第三は、働く
障害者
は
労働契約
を
締結
した一方の
当事者
として
職場
でのトラブルから
保護
されなければならないということであります。 今
改正法案
は、
雇用
する
障害者
からの
苦情
を自主的に解決することを
努力義務
として課しています。
自主的解決
が望ましいことは明らかでありますが、特に
判断力
に
障害
のある
労働者
に
労働契約
の
当事者
として置かれた
状況
を十分に
理解
させ
判断
を求めるというのは、
本人
にとっても大きな
負担
を強いることにもなります。 これは
契約締結
時だけの問題ではありません。
障害者雇用
をめぐる困難な
課題
の一つが、
労働契約
に基づく広義の
法律行為
としての
権利義務関係
は
労働契約
の
締結
時だけではなく
日常不断
の
行為
だという点であります。そのため、
職場
で働く
障害者
にかかわる
職場
における日々の
法律行為
をチェックする
支援者
や
理解者
がどうしても必要となります。この点でも外部からの
職場定着支援
が重要なのでございます。 働く
障害者
の
苦情処理
、
紛争解決援助
は、その
制度
、
仕組み
とともに、適宜適切に
相談
に応じアドバイスできる
運用面
での整備がなされることが重要であります。 第四は、
施行期日
までに様々な
現場
の
意向
を踏まえた細部にわたる
取組
を要請したいと思います。
差別的取扱い
の禁止や
合理的配慮
の
提供
を法により
義務
付けるのは
意義
深いことでありますが、実践、
実行
を求められる
企業側
には戸惑いがあると思われます。その点、
企業
に伝達したり
改善
を求めたりするのはやはり
専門家
である
支援機関
や
ハローワーク等行政
の役割になってくると思われますので、
企業
を丁寧にバックアップするとの
視点
から、
施行
に向け準備に万全を期していただきたいと思います。 また、
精神障害
の
義務化
につきましては、〇六年にみなし
雇用
となって既に時間が経過したことや
激変緩和処置
が設けられたこともあり、基本、
理解
したいと考えます。懸念している点を端的に申し上げれば、
資料
二なのでありますが、
精神障害者
の
職場定着率
は
知的障害者
の半分以下との
調査
結果があるということであります。
厚生労働省
は、今年度、
医療機関
と
連携
した
精神障害者
の
就労支援モデル事業
を準備され、
調査研究
が行われようとしておりますが、私
たち
の
連絡協議会
の
会員
の中にも
精神障害
の
就労移行
に成果を上げている
事業所
があります。そこで私
たち
は、更なるスキルや
ノウハウ
の
向上
に研さんを積み、そのふさわしいありようについて今後提起していきたいと考えますので、今後の
検討
に当たりましては、
現場
の実態を踏まえた
判断
を要望しておきたいと思います。 最後に、私は、
社会福祉法人電機神奈川福祉センター
の
理事長
という
立場
でもあります。
電機神奈川福祉センター
は、
電機連合神奈川地方協議会
が
労働組合運動
の一環として
障害者雇用
に本格的に取り組むため発足させたもので、何より
労働
の
意義
と価値を
障害
のある
人たち
にも実感させてあげたいという思いで、
運動
の
出発点
から数えれば本年で四十年、
障害者
の
就労支援
に力点を置いて携わってまいりました。そして昨年には、
全国
の
就労移行支援事業所
が
連携
して
障害者雇用
に取り組もうと新たな
連絡協議会
を立ち上げました。今後、引き続き
全国
の仲間とともに、
社会的自立
を目指し
就労
したい人、
就労
できる人は一人でも多く
一般就労
できるよう
事業サービス
に更に磨きを掛け、
障害者雇用発展
の一翼を担い邁進していく決意でございます。 今
改正法案
を
成立
させていただき、
障害者総合支援法
の
附帯決議
とともに
就労支援施策
の迅速かつ更なる
充実強化
をお願いし、
参考人
としての
意見表明
といたします。 ありがとうございました。
武内則男
4
○
委員長
(
武内則男
君) ありがとうございました。 次に、
本條参考人
にお願いいたします。
本條参考人
。
本條義和
5
○
参考人
(
本條義和
君)
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会
副
理事長
の
本條
でございます。 このような
機会
を与えていただきまして、ありがとうございます。
当会
からは、
障害者雇用促進法改正案
と
精神保健福祉法改正案
について
意見表明
させていただきます。 まず最初に、
障害者雇用促進法改正案
について申し述べさせていただきます。 本
改正案
に関しましては、
平成
二十二年閣議決定された「
障害者制度改革
の
推進
のための基本的な方向について」を踏まえて、
障害者雇用促進法
の
検討
、また、
障害者権利条約
に関し、
労働
・
雇用分野
においてようやく
締結
に向けた
検討
が行われました。
身体
、
知的等障害者団体
や
関係団体
、
関係研究者等
により審議され、全員の合意が得られました。特に、
精神障害者
が
雇用義務
の
対象
と位置付けられましたことは
精神障害者
の
社会参加
を促進するものであり、
当会
はこの
法案
の
成立
を強く望むところであります。 一、
法定雇用率
の
激変緩和措置
についてであります。
平成
二十五年四月から、
身体障害者
、
知的障害者
を
対象
とした
法定雇用率
が二%となったことを鑑み、
精神障害者
を新たに追加するための
法定雇用率
の
激変緩和措置
は致し方ないものとしました。しかし、その後の五年ごとの
法定雇用率
の
見直し
につきましては、
障害者雇用
の
状況
により短縮されることを切望いたします。 二番、
合理的配慮
の
提供義務
。
障害者
に対して
職場
における
合理的配慮
の
提供
が
事業主
に
義務
付けられております。
合理的配慮
は、
障害者個々
の事情と
事業主側
の
相互理解
の中で
提供
されるものとされ、
障害特性
に基づくことが必要であります。
精神障害者
には、
人的支援
、
相談支援
が必要でありますが、今後は、
本人
の
立場
に立ち、
本人
の気持ちに寄り添うような
支援者
の養成が望まれるところでございます。 三番、
就労支援
。
精神障害者
の
雇用義務化
に伴い、
就労支援体制
の確立が必要です。
精神障害者
の
就労支援体制
は、
地域
ではないところも多く、
精神障害者
の
就労
を困難にしております。特に
精神障害者
の
就労支援
は、
職場
だけではなく
日常生活支援
も欠かせません。また、
事業主
への
支援
も必要となります。
精神障害者
への
理解
がいまだに進んでいない
現状
では
事業主
への丁寧な
支援
が必要で、一人の
精神障害者
の
就労
に関しましては
職場
と
地域
の
支援
が
連携
することが望ましいことであります。そのような
支援
の
仕組みづくり
は
実現
を強く要望いたします。 引き続きまして、
精神保健福祉法
の
改正案
について申し上げます。
精神保健福祉法改正案
の
成立
を強く要望いたします。
平成
二十二年六月に障がい
者制度改革推進会議
の第一次
意見
が閣議決定され、その中に、
保護者制度
の
見直し等
も含めて、その
在り方
を
検討
し、
平成
二十四年内をめどに
結論
を得ることとされました。
当会
としても高い
関心
を持って
各種会議
において
議論
に参加してまいりました。この度、
保護者制度
など重要な問題が焦点となって改正されますことに私
たち家族会
は高い
関心
と希望を持っており、この
法案
の
成立
を強く望むものであります。
保護者制度
の
廃止
については高く評価したいと思います。
精神障害者家族会
は長きにわたり
保護者制度
の
廃止
を要望してまいりました。この
制度
は、
明治時代
の
精神病者監護法
以来、百年にわたって
家族
に介護や
保護
を
義務
付けてきた
制度
であります。
保護者制度
は、
精神障害者
について
保護
が必要な人であるとして、一人の人間として扱わないという
差別
をしてまいりました。
保護者
には
治療
を受けさせる
義務
など、
素人
の
家族
に過重な
負担
を強いてきました。
保護者
は、
治療
を拒否する
当事者
を説得し切れず、
当事者
が何らか他人に害するような
行為
があったとき
賠償責任
を負うなど、
家族
にはとても背負い切れない重責を負わされ、そのことが時には
家族
が
退院
を拒むという
事態
を引き起こし、御
本人
の
入院
の
長期化
の原因にも結び付いてきました。この度の
改正案
は、
保護者制度
を
廃止
し、
保護者
の
義務
を全廃しており、長年の
家族会
の要望が
実現
することになります。
医療保護入院
についてでございます。
医療保護入院
について
家族等
の
同意
が必要とされたことは非常に残念であります。極めて遺憾であります。
家族等
の
同意
という文言が残ることによって、
家族
と
当事者
の対立という構図になることが解決できないことになります。
家族
への
依存体質
、
精神障害者
への
差別
が払拭されていないと考えます。 しかしながら、一方、
退院請求
には一人の
保護者
ではなく
家族等
と広がりました。
入院
に疑問がある場合、
同意者
だけではなく他の
家族
の
請求
で
精神医療審査会
が開かれることになり、
指定医
一名の
判断
という危うさを補うとも考えられます。
改正案
は三年後の
見直し
を附則に付けており、今後、他の疾患と同様に、
家族等
の
同意
を取り除いて、今回は
実現
が難しかった
代弁者
などの
権利擁護
の
在り方
を整備し、
当事者
の
権利擁護
ができるシステムに変えていくように要望いたします。 三番、
厚生労働大臣
が定める良質かつ適切な
精神医療
の
提供確保
に関する
指針
、あるいは
地域生活
の
移行促進
についてであります。
厚生労働大臣
が
精神科医療
に関する
指針
を定めると規定されていることは、今後の
精神科医療
の
向上
を進めることと期待いたします。
医療保護入院者
の早期の
退院
を
支援
することは必要なことであります。
退院先
については、安易に
家族
の下に帰すということではなく、
当事者
、
家族
の
意向
、
関係性
、
生活環境等
を十分に
検討
すべきです。
地域援助事業者
との
連携
、
居宅サービス
の
充実等
、
上記指針
にも大きく関係することだと考えておるところでございます。 四番、
精神医療審査会
の
委員
の構成について。
精神障害者
の
保健
又は
福祉
に関し
学識経験
を有する者を規定することには賛成いたします。
福祉的視点
が入ることによって
審査
の幅が広がることを期待いたします。 以上でございます。
武内則男
6
○
委員長
(
武内則男
君) ありがとうございました。 次に、
池原参考人
にお願いいたします。
池原参考人
。
池原毅和
7
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。 この度は貴重な
意見陳述
の
機会
をいただきまして、ありがとうございます。 私は、
精神保健福祉法改正案
について御
検討
いただきたい点につきまして、
法律家
の
立場
から数点申し上げさせていただきたいと存じます。 第一は、
医療保護入院
の
在り方
について、従前は
保護者
の
同意
を
要件
としていた点を、
家族等
の
同意
という形に改正する点についてであります。 今回の
法改正
で
保護者制度
の
廃止
に踏み切られることは歴史的に評価されるべき英断であると存じます。しかしながら、
医療保護入院
について、
家族等
の
同意
を
保護者
の
同意
に代えるとする
改正案
には疑問がございます。
精神保健福祉分野
では、一九九一年に
国連
で採択されました
精神障害者
の
保護
及び
メンタルヘルスケア改善
のための
原則
が国際的な
最低基準
を定めており、その
原則
十六は、
判断能力
が阻害されている
患者
についての
強制入院
の
要件
を定めています。これによると、
入院決定
の
判断
は
資格
を有する二名の
精神保健従事者
、我が国でいえば
精神保健指定医
ということになりますが、その
判断
によるべきものとされ、そのうち一名の
精神保健従事者
は、でき得れば独立した第三者であることと定められています。
医療保護入院
では、国際的な
診断基準
であるICD10に基づいて正しい
精神障害
の
診断
がされているのかどうか、その
症状
の
重症度
が
入院治療
を要するようなものであるのかどうか、
患者
の
精神症状
がその
判断能力
にいかなる影響を及ぼしているか、
入院
させない場合にどのような
状態
の悪化を招く
可能性
があるか、
入院治療
以外の
治療方法
はないのかなど、いずれも医学的な
判断
が求められます。こうした事項を正確に
判定
できるのは
精神保健指定医
であり、二名必要な
資格
を有する
精神保健従事者
の
判断
を、医学の
素人
である
家族
の
同意
で代用することはできるはずがありません。 ちなみに、
緊急措置入院
では
指定医
一名の
判断
で
強制入院
をさせますけれども、そのために
要件
を厳しくして、単なる自傷他害のおそれでは足りず、著しい
可能性
がなければならないということ、それから
入院
時間も七十二時間に限定されています。これに対して、同じく一名の
指定医
で行われる
医療保護入院
においては、その
入院期間
は定められておらず、二つの
入院制度
の
整合性
は著しく損なわれていると考えられます。 もっとも、
指定医
二名の
判定
を
理想
としながらも、現実には
指定医
の供給が不十分であり、その
理想
を現実化できないという
見解
もございます。しかし、一か月間の
医療保護入院患者数
は
全国
で約一万二千人です。一方、
指定医
の
方々
の数は約一万五百二十七人ですから、二名の
指定医
で診察をするとした場合でも、一か月に一人の
指定医
が平均二・二名の
患者
を診察することで対応が可能という計算になります。 もちろん、一万五百二十七名の
指定医
の
方々
は全てが常勤ではなく、
地域的偏在
なども考慮しなければならないでしょう。しかし、仮に実働できる
指定医数
を半数の五千人
程度
というふうに考えても、
ケースロード
は一か月に四、五人の
患者
の
判定
に立ち会うという
程度
にすぎないことになり、十分に現実的な
状態
であると考えられます。 来年は、
自由権規約
について
日本政府
が
条約
の
履行状況
を報告し
審査
を受ける年に当たっております。一九九一年の
国連原則
は、それ自体は
法的拘束力
を持っていませんが、
条約法
に関する
ウィーン条約
三十一条三項によって
自由権規約
の
解釈根拠
になるものと
理解
されています。この点では、
国連原則
に従わないことは、来るべき
政府報告
においても国際的な非難を受けることになるのではないかと考えております。
家族
の
同意
を
要件
とする
医療保護入院
の
改正案
は、インフォームド・コンセントをめぐる
国内法
の
在り方
としても非常に特殊なものになっています。確かに、
一般医療
においても、
入院
する場合に
家族
が
入院保証人
や
身元引受人
として署名を求められたり、大きな
外科手術
をする場合に
家族
が
同意
を求められるという場合はよく見受けられることです。しかし、
一般医療
においては、その
同意
が
法律
の条文として規定されているということはありません。それは、
患者本人
ではない
家族
の
同意
というものを
法律
的にどのような意味のあるものと位置付けるべきなのかということについて、
法律学者
や裁判所の
判決例
などで確定した考え方がまだできていないからです。 二〇〇〇年に
民法改正
で現在の
成年後見制度
をつくったときに、
成年後見人
に
治療同意権限
を与えるべきかどうかということが
法制審議会
で
議論
になりました。
結論
として、
成年後見人
に
治療同意権
を与えることは保留されました。その理由は、
患者
以外の者による
治療同意
の
在り方
について一致した
見解
を見出し難いということでした。つまり、
一般医療
の
臨床現場
で行われている
家族
の
同意
が公式に
本人
のインフォームド・コンセントに代わるものであると言えるかどうかについては、現在
議論
は進行中であり、将来的には
成年後見制度
の改正問題にもかかわる問題として、
結論
の出ていない問題であるということであります。 これに対して
医療保護入院
の
改正案
は、
家族
の
同意
が
医療保護入院
を正当化する要素になるとするわけですから、
一般医療
の場面では
議論
が進んでいる、進行中である問題について、
家族
の
同意
が
患者
のインフォームド・コンセントを代替し、補充できるということを公認されるに至っていない
見解
なんですけれども、それを
法律
に書き込むということになってしまいます。例えば、将来、
成年後見人
に一定の
治療同意権限
が与えられるような
法律
ができた場合、
家族
の
同意
で足りるとする
医療保護入院
は、裁判所を通じた後見人の選任手続を欠き、
同意
権者として適正であるかの
判断
なしで行われる
強制入院
ということになりますので、
国内法
的に見ても違法であると
判断
される
可能性
があると思います。 拙速を避け、
精神科医療
においても、むしろ
一般医療
と同じ水準で、
法律
には書き込まないけれども、
臨床現場
では慣行として
家族
に
入院
の保証人や
同意
を求めるとすることの方が
治療同意
に関する現在進行中の
議論
に反することにならず、さらに、
精神科医療
を
一般医療
とは異なる特殊なものとはしない、できるだけノーマルなものにしていくという
精神科医療
のノーマライゼーションにも資するものだと考えます。
医療保護入院
の
同意者
を
家族等
であれば誰でもよいとする
改正案
では、
入院
場面で様々な混乱が生じることは多くの
医療
保健
従事者から指摘されているところです。常識的に考えても、例えば五人
家族
のいる
患者
さんについて、四人が
入院
に反対しているのに一人が
同意
すれば
入院
は有効になるというのは、一般国民には
理解
し難い
制度
だと思います。
法律
上対等の
立場
にあるはずの
家族
に反対者が多数いても賛成者が一人いれば
入院
が肯定されるという
制度
は、余りにも
入院
に対して肯定的で、要は、
家族
の
同意
は
入院
を適正化する役割を期待されているものではなく、
入院
を促進することを期待されている
制度
であるというほかありません。一九九一年の
国連原則
が
指定医
二名の
診断
を条件にする慎重さを求めているのとは正反対の方向に向かう改正ということになります。 さらに、民法では、親権は共同行使しなければならないとされていますが、
精神保健福祉法
では、一方の親権者が反対していても他方の親権者が
同意
していれば
入院
ということになり、さらに、両親が離婚している場合、親権者である親が反対していても、親権者でない親が賛成していれば
入院
になってしまうという異常な
状態
を生じさせることになります。
保護者制度
の最も深刻な問題点の一つは、
医療保護入院
の
同意
をめぐった
家族
と
患者
の葛藤関係が深まるということが指摘されてきたわけですが、今回の
改正案
では、その問題はさらに、
同意
権者たり得る全ての
家族
員の利害を巻き込んで複雑な紛争の種を植え付けるということになるのではないかと危惧しております。 二点目は、
患者
の
権利擁護
者についての規定が今回の改正では見送られてしまっている点でございます。 一九九一年
国連原則
十八は、
退院請求
や処遇
改善
請求
などの手続については、
患者
自身を代理する弁護人を付け、経済的に必要であれば公費で弁護人を付ける旨を定めています。また、二〇〇二年に欧州評議会が行った
精神障害者
の
強制入院
及び非自発的
医療
、EU加盟国における法
制度
と実践報告書によりますと、
強制入院
率に有意な関連性が認められる唯一のファクターは、
強制入院
手続に独立した代理人が
義務
付けられていることとされています。 したがって、国際的な基準に従っても、あるいは実際に
強制入院
を適正に減らしていくという観点からも、
患者
の
権利擁護
者を
法律
上の
義務
として付けることは極めて重要であります。この点についても是非今国会において十分に御審議いただき、適正で有効で無駄のない
精神保健福祉法
が作られますように、先生方の御尽力をお願いしたいと存じます。 ありがとうございました。
武内則男
8
○
委員長
(
武内則男
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
からの
意見
の聴取は終わりました。 これより
参考人
に対する
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
津田弥太郎
9
○
津田弥太郎
君 民主党の
津田弥太郎
です。
参考人
のお三方の皆さんには、大変お忙しい中、本
委員会
に御
出席
をいただき、今、貴重な御
意見
、御提言を賜りましたことを心より感謝申し上げます。 早速質問に入らせていただきますが、まずは
障害者雇用促進法
に関連して、
石原参考人
にお尋ねをいたします。 私は、
障害者政策
の
中核
に
雇用
を据えて、
福祉
、
教育
、
医療
などの分野とも
連携
を取りながら、とりわけ
一般就労
の
拡大
に向けて日々
取組
を続けておられます
石原参考人
を中心とした
就労移行支援事業所
の
皆様
に心から敬意を表したいと思っております。その上で、
皆様
方の
立場
で、更に
雇用
あるいは
一般就労
を進めるために
厚生労働省
に対して何を要望されるのか、是非率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
石原康則
10
○
参考人
(
石原康則
君)
石原
でございます。 私どもとして今直面している
課題
は、今まではいかに
雇用
、就職をさせるかという入口が重視されていたわけですけれども、当然そこはこれからも重視されなければならないんですが、先ほども申し上げましたように、これからは一日でも長く
障害者
が働き続ける、民間
企業
で、この
取組
が必要で、そのために
定着支援
が必要だというふうに認識しておりまして、今までどちらかというと入口に政策の中心が置かれていましたけれども、これから是非、この
雇用
促進法の面におきましても
障害者総合支援法
の問題におきましても、うまく
福祉
と
労働
が
連携
して、
定着支援
に向けて
厚生労働省
さんがアクセルを踏まれることを私どもとしては期待している。 それから、
労働
側でいうと、いわゆる中ポツセンターとかジョブコーチに対する充実した人員配置、これも欠かせないだろうと思っています。 また、これ
企業
サイドで、とても
努力
して長く
障害者
を
雇用
している
企業
に対して、あるインセンティブというんでしょうか、今、短期、二年間ぐらいには随分厚い
支援
があるんですけど、五年、十年と続けた
企業
にはインセンティブをあげてもいいんじゃないかというふうに思います。 それから、ちょっと
視点
が変わるんですけど、私ども、事務処理、報酬の
請求
とか申請書類が、結構事務に追われておりまして、本来、
障害者
に
支援
したい、その業務が要員が少ない中で結構手間を取られているという
現場
の指摘もございますので、その辺りにも
厚生労働省
さんの方で効率的な事務が執り行われるように配慮いただければ有り難いというふうに思っております。 以上です。
津田弥太郎
11
○
津田弥太郎
君 それではもう一点、
石原参考人
にお尋ねをしたいと思います。 この四月から
施行
されました
障害者総合支援法
は、私も当時担当政務官を務めておりました
法律
でありまして、思い入れがあるわけでございます。
参考人
は、先ほど
意見陳述
の中で、この
法律
に関する本
委員会
の
附帯決議
についてお触れになりました。この
附帯決議
の中での七番目の項目、先ほど申されました。
附帯決議
というのは、その内容について政府が適切な措置を講ずることが求められるわけでありますが、
障害者総合支援法
の
附帯決議
、十項目の中でもこの七番目の項目、これは肝の一つであるというふうに私自身も受け止めているところでございます。 そこでお尋ねをいたします。
石原参考人
におかれましては、この
附帯決議
の七番目の項目についてどのようなお考えをお持ちなのか、いま少し詳しくお述べをいただきたいと思います。
石原康則
12
○
参考人
(
石原康則
君) 先ほどの質問とダブるところが出てくるかも分かりませんが、この
附帯決議
において
定着支援
というのが明記されたということはとても私どもとしては評価しておりますし、一刻も早くこの
附帯決議
に沿って
検討
が動き出すことを私どもとしては望んでおります。 かつ、総合
支援
法の中の
附帯決議
でございますけれども、
障害者雇用促進法
との絡みはとても大きいものがございますし、
定着支援
という意味では学校側の問題もございますので、そういった垣根、省庁の垣根を越えて、あるいは省内の垣根を越えて、この
附帯決議
に対する連帯した
取組
、
検討
、これを早急にやっていただいて
結論
を見出してほしいというのが私どもの要望でございます。 以上です。
津田弥太郎
13
○
津田弥太郎
君 次に、
精神保健
法に関連して、まず
本條参考人
にお尋ねをしたいと思います。 実は、今回のこの
法案
につきまして、私
たち
民主党内でも様々な
議論
が行われました。おとといの本
委員会
で質問に立った我が党の質問者からも
法案
に対する懸念点が示されたことも事実でございます。そうした中で、最終的には、全体として本
法案
を一歩前進と受け止めるかどうかということで、
法案
についての賛否の決定もしていくわけでございます。恐らく、
本條参考人
を始めとした
家族会
の
皆様
方も、本
法案
の立案段階から今日まで様々な思いを抱かれてこられたと思います。先ほどもその点お述べになりました。基本的には、本
法案
についてその
成立
を求めるというお
立場
になられたのかなというふうに先ほどの
本條参考人
の陳述の中では感じたわけでございます。 本
法案
が参議院で可決した後、衆議院で
法案
審議が行われるわけでございますが、率直に本案に対して懸念を示している方も衆議院の中でも少なくありません。そのような
状況
において、ある意味で
法案
の重要な
当事者
、関係者である
皆様
方がそうした懸念を払拭していく
努力
というものがかなり大きな意味を持つというふうに私は考えるわけでございますが、先ほどもお述べになりましたけれども、この点について、率直な
本條参考人
の御
意見
を賜りたいと思います。
本條義和
14
○
参考人
(
本條義和
君) 先ほども申し上げましたように、この
法案
そのものは、百年続いてきました
保護者制度
が
廃止
されるという点においては大きな前進ではないか、このように評価しております。 ただし、
医療保護入院
において、
家族
の
同意
というところが私
たち
も懸念を持っているところでございますが、先ほど
池原参考人
から、その疑問点といいますか問題点については
参考
意見
を述べられましたが、私どもも同様な考えを持っておりまして、
家族
がそれを
同意
するということは非常に難しい、困難が伴うのではないか、このように思っております。 ただし、そういうものが全くないままに、引き続き非自発的
入院
といいますか
医療保護入院
というものが続きますと、
権利擁護
を代弁する人が全くなくなってしまいますので、できましたら、要望といたしましては
代弁者
制度
というものを取り入れていただきたいのはやまやまですが、時間的な制約等もありましょうから、取りあえずということで賛成を表明したところでございます。
津田弥太郎
15
○
津田弥太郎
君 続きまして、
池原参考人
にお尋ねをしたいと思います。
池原参考人
は、まさに御自身の
法律
事務所が
東京アドヴォカ
シー法律事務所
ということで、まさに
代弁者
、アドヴォケーター、こういう名称を事務所にも付けられているわけでございます。ある面では、
代弁者
の
重要性
について先ほどもお述べになりましたが、誰よりも認識をされているというふうに思います。 今回の
法案
に盛り込まれなかったこの
代弁者
の
仕組み
については、
患者
御
本人
の
権利擁護
のためにも大変重要な役割を果たすものであるというふうに思いますが、具体的にどのような場面あるいはどのような働きがこの
代弁者
が期待され得るのか、
池原参考人
の思い描かれる
代弁者
の
在り方
について御
見解
を伺いたいと思います。
池原毅和
16
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。 既に福岡県
弁護士
会では二十年近い経験が蓄積されていまして、
精神医療
当番
弁護士
というシステムが行われています。これは、病院に強制的に
入院
させられた
患者
さん等が
弁護士
会に
弁護士
を派遣してほしいという申込みをされますと、数日以内には
弁護士
が病院に駆け付けて、
患者
さんの御
意見
とか御希望を伺って、もし
退院
をしたいということであれば
精神医療審査会
に
退院
申請をするとか、あるいは処遇上問題があるということであれば処遇
改善
請求
をするというようなことで動いていて、これは実は福岡県の病院協会の
方々
とも非常にある意味で良好な関係ができていて、むしろ、
権利擁護
者が入らない段階ですと精神科のお医者さんと
患者
さんが真っ正面から衝突してしまうわけですけれども、
権利擁護
者が入ることによって、むしろ、不満とか不服があるのであれば、あるいは疑問があるのであればしかるべき手続を通じてやってくださいということで、
医療
環境としても非常に良好になっているということが評価されていて、これは
厚生労働
科学研究でも報告をされています。 こうしたものが
全国
の
弁護士
会単位会でかなりの数行われるようになってきていまして、私としては、具体的なイメージとしては、
強制入院
をさせられた場合には数日以内に
弁護士
が面会できるようにするとか、あるいは少し
入院
が
長期化
した場合には必ずもう一度チェックを入れるとか、そういう少なくとも外部の
弁護士
を中心とした、もちろん
精神保健
福祉
士の方などの御協力も当然必要なわけですけれども、そうした
専門家
の
立場
で様々なアドバイスとかあるいは
権利擁護
の手続を取れるということが非常に重要だと思っています。
津田弥太郎
17
○
津田弥太郎
君 ありがとうございました。 今、本
委員会
の中でこの当
法案
についての修正についての協議をいたしておりまして、附則の八条に、今先生がおっしゃった、
入院
中の処遇あるいは
退院
等に関する
精神障害者
の意思決定及び意思の表明についての
支援
の
在り方
について
検討
項目に加えようというような今協議をさせていただいているところでございます。今先生がおっしゃったような御
意見
をこの中に込めたというふうに
理解
をいたしておるわけでございますけれども、そのような
取組
を進めていきたいと思っておりますので、また御
理解
をお願いを申し上げたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
大家敏志
18
○大家敏志君 おはようございます。自由民主党の大家敏志です。 与党という
立場
で臨む初めての国会であります。いろんな経緯がありました。そんな中で、残す会期も僅かとなったんですけれども、連日精力的に審議が進んでいること、これは、
委員長
そしてそれぞれの党の理事、また各
委員
の熱意のたまものだと思っております。 そのような中に、今日は大変お忙しい中、
本條
さん、
石原
さん、
池原
さん、三人の
方々
に
参考人
という
立場
で御
出席
を賜りました。心から感謝を申し上げたいと思います。 まず、
精神保健福祉法改正案
について、みんなねっと副
理事長
の
本條参考人
にお伺いをしたいというふうに思います。 先ほども詳しく
本條
会長の
意見
についてはお伺いをしました。そのような中で、改めて数点についてお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、現行の
精神保健福祉法
の
保護者制度
は、他の疾病や
障害
にはない、
精神障害者
特有の
制度
だと言えます。今回の
精神保健福祉法改正案
では、この
保護者制度
の
廃止
が盛り込まれています。 先ほどの話にもありましたけれども、長年の
家族会
の悲願であったともお伺いをしています。
明治時代
の
精神病者監護法
以来百年
義務
付けられてきた
制度
の
廃止
について、この点の所感を改めてお伺いをしたいというふうに思います。
本條義和
19
○
参考人
(
本條義和
君)
委員
御指摘のありましたように、この
保護者制度
というのは、他の
障害者
等には見られない、
精神障害者
だけに対する
制度
といいますか、そういう法でございまして、本来二十歳を過ぎますと一人前の人間でございますので、
保護者
が付けられるということ自体問題であります。また、そういう
入院
、あるいは
医療保護入院
等もそうなんですけれども、
本人
が選択すべきものを、親とか
家族
とはいえ、他人がその
本人
の選択権を制限するということは非常に問題があるのではないかと、このように考えておりますし、先ほど言いましたように、
家族
とそれから
本人
との相克といいますか葛藤といいますか、そういうものが生じるという点で非常に問題があるのではないかと思っております。 しかしながら、今回、私
たち
の長年の要望であります
保護者制度
が
廃止
になるということで、非常に前進であると、このように受け止めておるところでございます。
大家敏志
20
○大家敏志君 ありがとうございました。 この
保護者制度
が
廃止
された後、
精神障害者
の御
家族
の
方々
は、
精神障害者
御
本人
の
治療
や
地域生活
においてどのような役割を果たされるとお考えでしょうか。
本條義和
21
○
参考人
(
本條義和
君) やはりこれは
一般医療
と同等にすべきではないかと、このように思っております。 先ほど
池原参考人
からもお話がありましたように、
一般医療
においても、大きな手術でありますとか
本人
が意思表示ができない場合には、やはり
家族
のそういう
同意
といいますか、インフォームド・コンセントといいますか、そういうものが必要にはなってくると思いますから、それと同様であれば、私
たち
も当然のこととして受け入れるつもりではおります。 したがいまして、そういう
法律
で定めた
義務
といいますか、そういうものが規定されている以上は、やはりそういう
法律
的な素養といいますか、
権利擁護
についての知識のある方が第三者として、
代弁者
としてそれはいろんな対応をすべきであると、こういう具合に考えております。
家族
としては、
一般医療
と同等の責任の範囲であるべきであると、こういう具合に考えております。
大家敏志
22
○大家敏志君 ありがとうございます。 また、続いて、今回の
改正案
では、
医療保護入院
について、
精神保健指定医
一名の
診断
に加え、
保護者
の
同意
の代わりに
家族等
のうちのいずれかの者の
同意
が
要件
とされています。この件についてもお考えを改めてお聞かせいただきたいと思います。
本條義和
23
○
参考人
(
本條義和
君) これも
議論
の分かれるところではございますが、先ほどと同様に、
保護者
という
法律
で規定されている者ではなく
家族等
となったことについては一歩前進ではないかと、こういうように思っております。 確かに、
家族等
ということになって、一名が
同意
すれば多数が不
同意
の場合問題が生ずるのではないかという御
意見
があることは承知しておりますけれども、そういう点も、今後、審議時間も短いとは思いますが、是非とも前向きに御
検討
いただいて、
代弁者
ということを何とか取り入れていただきたいというのが要望でございますけれども、これがなければ
法案
が
成立
しないということであれば、私
たち
の百年間望んできた
保護者制度
が
廃止
になるという、それが一番の眼目でございますので、非常に悩ましい問題ではあると考えております。
大家敏志
24
○大家敏志君 一歩前進ということですかね。ありがとうございます。 今回の
改正案
による改正後においても、
入院
患者
の
退院
に向けての環境整備や
退院
後の
治療
継続の観点から、
医療保護入院
は可能な限り広い範囲の
家族等
の
同意
を得た上で行われることが望ましいと考えます。この点について、御
家族
の
立場
からの所感をお聞かせいただければと思います。
本條義和
25
○
参考人
(
本條義和
君) 全く
委員
のおっしゃるとおりだと思います。 ただ、そういう
権利擁護
という意味におきましては、私、三月にイギリスに行ってまいりました。イギリスでは、精神科医が複数、
入院
が妥当であると
判断
しましても、日本でいえば
精神保健
福祉
士ですね、そういう方が、やはり
入院
ではなく
地域
で
医療
をすべきが適当であるというような御
意見
があれば、それは
入院
をさせることができないといいますか、ストップが掛かるというような
制度
になっているようでございます。 やはりそういう、もちろん
医療
的な
立場
が一番大事なんですけれども、やはり
権利擁護
という意味においては、
医療
関係者だけではなく第三者の御
意見
が是非とも必要ではないかと、こういう具合に考えております。
大家敏志
26
○大家敏志君 ありがとうございました。 また、
改正案
では、
厚生労働大臣
が
精神科医療
の方向性を示す
指針
を策定することとされていますが、御
家族
の
立場
からこの
指針
の内容についての御
意見
があればお伺いしたいというふうに思います。
本條義和
27
○
参考人
(
本條義和
君) これからいろいろ
議論
がされていくと思いますけれども、そういう第三者の
意見
を取り入れていくということにつきましては、先ほど言いましたような
権利擁護
の
視点
とか、そういう意味からも非常に重要なことではないか、こういう具合に考えております。
大家敏志
28
○大家敏志君 ありがとうございます。 続いて、
障害者雇用促進法改正案
について、これもまた
本條参考人
にお伺いしたいと思うんですけれども。
障害者雇用促進法
の
改正法案
において
精神障害者
の
雇用義務化
が盛り込まれていますが、これもまた長年
家族会
の
方々
から要望されてきた事項だと伺っています。
精神障害者
の
雇用義務化
の
意義
についてどのように評価されておられるか、
意見
をお聞かせいただきたいと思います。
本條義和
29
○
参考人
(
本條義和
君) やはり
雇用義務
ということは非常に重要ではないかと思っております。
障害者雇用促進法
において、最初は
身体障害者
だけが
雇用義務
対象
者になっておりました。それが
知的障害者
も
雇用義務
の
対象
者になったことにより、非常に
就労
が進んでおります。 例えば、特例子会社という
制度
があるんですけれども、それによりますと、ちょっと詳しい
資料
は手元にないものですからあれですけれども、
知的障害者
が実に第一番になりまして、四八%が知的
障害
、それから
身体障害者
が四七%ぐらいというように逆転現象が起こっております。それはやはりいろんな法
制度
の効果もあると思うんですけれども、私は、
義務化
にしたことによる効果が一番大きいのではないか。そういう意味で、
精神障害者
の
雇用義務化
がうたわれるということは非常に大事なことであると、こういう認識をしております。
大家敏志
30
○大家敏志君
本條
さん、ありがとうございました。 次に、
石原参考人
にお伺いしたいと思います。 今回の
障害者雇用促進法
の改正に当たり、
障害者雇用
に取り組む
企業
に対しての
支援
が今後重要になると考えます。今後の
企業
支援
の
在り方
や、また
就労支援機関
が今後果たすべき役割、これについて
石原
さんの考え方をお聞かせいただきたいと思います。
石原康則
31
○
参考人
(
石原康則
君) 先ほどもお話がございましたですけれども、知的
障害
が
義務化
になって、今度
精神障害
が
義務化
されるという中におきまして、知的に
障害
のある方と精神に
障害
のある方と、その特性という意味ではやはりそこには違いがあるだろうと思います。 したがって、一律的な対応とかそういうことはなかなか難しいだろうというふうに思っておりまして、私どもの加盟の
事業所
の中でも既にもう精神に特化して
就労支援
等に、みなし
雇用
でも
精神障害者
が
現場
に入っていますから
雇用
もされていますので、そういう精神に特化した
支援
事業所
もございまして、そこでいろいろ
知的障害者
と違う
ノウハウ
等を研究しておりまして成果を上げてきている。それらを横展開することによって、今後、本格的な
義務化
になったときに
精神障害
に対するサポートをきちっとやっていかないといけない。 だから、知的と精神ではやはり同じように扱うということではいけないので、
企業
に対しても、私どもの
事業所
に対しても、その特性に合った
支援
の
在り方
というのを、まあ実績もありますし、あるんですが、これからも更に
雇用
が進めば私どもの
努力
も重ねていかなければいけないというふうに思っています。
大家敏志
32
○大家敏志君
本條参考人
、
石原参考人
、貴重な
意見
、ありがとうございました。
池原
さんには聞く時間がありませんでしたけれども、これで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
渡辺孝男
33
○
渡辺
孝男君 公明党の
渡辺
孝男でございます。 今日は、お三方より貴重な御
意見
そしてまた提言等をいただきまして、心から感謝申し上げたいと思います。私からは、まず
石原康則
参考人
に対してお伺いをしたいと思います。 まず、お話の中では、
障害者
の
職場定着支援
が非常に大事だということでありまして、その
強化充実
をすべきだというお話がありました。 先ほどいただいた
資料
二の方で、
知的障害者
そして
精神障害者
の
方々
の
就労
継続率の比較で、やはり
精神障害者
の
方々
は継続率が低いという
資料
でございました。それで、
知的障害者
と比較した図表でございますけれども、
精神障害者
の
方々
が
就労
を継続をするに当たってこのような差が出てきてしまうということの原因といいますか、その点お伺いをしたいと思います。
石原康則
34
○
参考人
(
石原康則
君)
現場
から私どもが報告を聞いている点で、精神に
障害
のある方の、日々業務に就いたときに、今日は立派な成果を出したけれども、翌日なかなか体調が維持できずに
就労
の成果が出ないとか、そういう波というんでしょうか起伏が
知的障害者
よりは精神に
障害
のある方の方が多くて、その点における
雇用管理
がとても大事になってくるということでございます。 したがって、その辺りを
企業
の経営者だけに委ねるわけにはいかないわけですから、きちっと
支援
事業所
あるいは就業・
生活支援センター
のいわゆる
就労支援
のプロがしっかりとサポートするということが、ゆえに非常に大事になってくるというふうに認識しております。その起伏、波、そういったものに対してサポートしてあげるということが大事じゃないかと思っています。
渡辺孝男
35
○
渡辺
孝男君 そういう
支援
の機関があるわけですけれども、
現場
に
障害者
の方、特に
精神障害者
の方に寄り添ってそういう
就労
を
支援
するというようなことも、ジョブコーチさんの中ではそういう活動もしていただいておるのでしょうか。 そういう場合に、やはり能力の
向上
といいますか、ジョブコーチの能力の
向上
、あるいは
精神障害者
の
方々
に対する、より特性を知った上での対応というのが求められるというお話を聞いておりますが、そういう点で、ジョブコーチのこれから資質
向上
あるいはそういう特性を踏まえての対応に関して、何か御要望とか提案がございましたら教えていただければと思います。
石原康則
36
○
参考人
(
石原康則
君)
就労支援
事業所
の職員あるいは就職先の
企業
におけるジョブコーチでのサポート、これらは当然必要な形で
支援
をしているんですけれども、その
体制
は決して十分ではないと。今後
義務化
されてまいりまして、例えばそういう精神に
障害
のある
方々
が
職場
で数多くなってまいりますと、ここでの
体制
強化
は当然必要になってくるだろうというふうに思いますので、しっかり
定着支援
できるような援助、御
理解
をお願いしたいというふうに思っています。
渡辺孝男
37
○
渡辺
孝男君 次に、
本條義和
参考人
にお伺いをしたいと思います。
本條参考人
のこれまでの
資料
を見させていただきましたらば、
家族会
によるそういう
精神障害者
の
方々
の
相談
事業ですかね、そういうものを一生懸命やってきておられたということでありまして、いただいた
資料
では、そういう同じ
精神障害者
の方を
家族
に持つ方が
相談
に応じますと、やはり親身になって、自らの体験もございますので、
相談
者のお話をきちんと聞いてあげて、よくその方の
家族
の
相談
者の
方々
に寄り添った
支援
とかアドバイスができるという、そういうお話でございましたけれども、この点に関して、今までの御経験等を教えていただければと思います。
本條義和
38
○
参考人
(
本條義和
君)
家族
相談
事業でございますけれども、兵庫県でその
制度
の創設を要望していましたときに、既に公務員の方が、主に都道府県職員の方が
精神保健
福祉
相談
員となって
相談
をしているということと、やはりそういう
家族
相談
あるいは
当事者
相談
においても、
精神医療
、
精神保健
あるいは精神
福祉
等の非常に専門的な知識が必要ではないか、そういう難しい
相談
に
家族
が応じられないのではないかというような御
意見
がありました。しかし、私
たち
は、やはり同じ体験をした者が、
家族
ならではの
相談
があるのではないかということを強く要望してこの
制度
が、兵庫県独自の
制度
でございますけれども、県知事の委嘱による
相談
員
制度
というのができたわけなんです。 やはり同じ体験を持つということによって安心してお話を言っていただける、
相談
を掛けていただけるという、そしてまた、聞く
相談
員といいますか、
相談
される、応じる方の
立場
の方も、やはり自分もそういう経験をしてきておりますから、すんなりとその困った
状況
でありますとか、そういう不安でありますとか、そういうものが受け入れられるということによって、共通の土壌にいますから、
相談
が円滑に進むのではないかと、こういう具合に思っております。 やはり傾聴といいますか、そういうものが一番大事になってくると思うんですけれども、やはり傾聴、お話を聞くといっても、自分より、自分よりといいますか、全然体験も知識もない人には人は
相談
しませんし、余りにも懸け離れた存在という方にも
相談
はしにくいものでございますけれども、同じような
立場
にいるということで
相談
を掛けやすい。また、話を聞いていただいたということによって、非常に不安とかそういうストレスが解消するのではないかと、こういうようにも思っております。
渡辺孝男
39
○
渡辺
孝男君 非常にすばらしい活動だと思うんですが、恐らく兵庫県だけではなくてほかの自治体からも、そういう経験をした御
家族
による
相談
者への
相談支援
、
支援
というようなことがやりたいというようなお話もあるんだと思うんですけれども、まあなかなか
全国
的にそういうところまで進めることが難しいという事情もあるのかと思うんですが、その点、ほかの自治体とか、あるいは国にも何度か要望はされていると思うんですが、なかなかできにくい、そういう
状況
というのはどう克服していったらいいのか、また、ほかの県ではどうそういうものを
実現
しようと
努力
しているのか、その点の情報がいただけましたら有り難いと思います。
本條義和
40
○
参考人
(
本條義和
君) 兵庫県のように県知事の委嘱による、ある
程度
法律
上といいますか条例といいますか、それで認められた
制度
というのは余りありませんけれども、
全国
の
家族会
では
家族
が
相談
に応じている、
相談
事業をやっている都道府県連の方が多いと思います。今数字的なものは持ち合わせておりませんけれども、多いと思います。 それで、是非とも、やはりこれも法制化しないとなかなか難しいのではないかと思います、是非とも
実現
していただきたいと、こういう具合に思っております。
渡辺孝男
41
○
渡辺
孝男君 そういう意味では、
相談支援
のそういう実績等もございますので、そういうものを私どももしっかり勉強して、
皆様
の要望が
実現
できるような、そういう
全国
的な
制度
になるように
努力
をしていきたいと思っております。 それでは次に、
池原毅和
参考人
にお伺いをしたいと思います。
池原参考人
から前にいただいていた
資料
だと思うんですけれども、精神科の
保護
入院
あるいは措置
入院
等に関しましてこのように述べておられました。
法律
論として言えば、一方には
患者
の適時適切な
医療
を受ける利益あるいは権利があり、他方に
患者
が自分の生活や人生の
在り方
を自分なりに決めていける存在としての自己決定権がある、この両者をどう調和していくかということが
課題
であると。病識や
判断能力
が損なわれているときに自己決定権だけを重視してしまうと、適時適切な
医療
を受ける利益が損なわれる
可能性
があると。しかし、適時適切な
医療
を受ける利益のみを重視してしまうと、その人なりの生き方や生活の
在り方
を自分なりに決めていくという人間の尊厳にかかわる権利を否定することになってしまうということで、非常に難しい精神科の
医療
があるわけでございますけれども。 その中で、もう一つこういう御指摘もございました。
医療
の介入というものは必要な範囲にとどめ、できるだけ短期間、
入院
の場合ですね、短期間に限って行うべきであると。しかし、往々にして、
医療
チームの方はいろいろ自己検証しながら
治療
を続ける
努力
はされている、当然ながらされていると思うんですが、そのことに関しまして、危機介入は、医師、看護師、
保健
師、
福祉
関係者、行政関係者などの複数の関係者がチームを形成して相互検証しながら進めることが必要であると。こうしたチームはどちらかというと介入に傾斜する危険性があり、
患者本人
の
立場
を代弁する役割を欠きがちであると。 そうした面では、
患者
の
立場
を代弁できる
患者
権利擁護
者が関与することも必要であるというふうに述べておられるわけでありますが、そういう
医療
チームがどうしても介入に傾斜する危険性があると。要するに、やはり
治療
をしっかりするために少し長く
入院
してしまうというようなことがあるのかもしれませんが、こういう現実というのはやはりどう
改善
を図っていったらいいのか、御
意見
を賜れればと思います。 あと、
患者
権利擁護
者というものはどういう形で整えていけばいいのか、どういう方がすべきか、この点に関しての御
意見
も併せていただければ有り難いと思います。
池原毅和
42
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。 今先生に非常に重要なところを御指摘いただいて、ありがとうございます。 具体的なシステムのつくり方というのはまた様々
議論
をしていかなければならないところがあると思いますけれども、やはり先生が御指摘していただいたような、片方には適時に適切な
医療
を受ける利益というものがあり、片方には
本人
の自己決定権を保障しなければいけないと。この二つをある一人の人とか一つの
立場
の人が決めるということは非常に難しいところがあって、したがって、適時に適切な
医療
を受けさせるという利益をある意味では重視する
立場
が恐らく
医療
チームになるでしょうし、
患者
の自己決定権の方を尊重するという方はむしろ
権利擁護
者の役割になって、そこがしっかりとした
議論
をして、今何が必要で何がすべきなのかということを決めていけるようなシステムというのが抽象的に言えば必要なんだと思うんですね。 具体的に言えば、恐らく
入院
の時点、あるいは
入院
して例えば三日とか一週間とか、場合によれば十日とかと、こういうある一定の長さのところで事後検証ができるといいますか、つまり
患者
の
権利擁護
者の方が
患者
の
立場
で、一旦
入院
は決定されているけれども、このままでよかったのかということを検証できるようなシステムは非常に有益だと思います。特に、最近の
精神科医療
では、一か月ぐらいで
退院
されるという方がかなり多くなっていて、もう半数以上の人は三か月以内には
退院
するというような
状況
も出てきていますので、やはり
入院
した後で、その
入院
後の
治療
の
状況
も踏まえながら、しっかりとした
権利擁護
がそこで行われるということが現実的に必要なのかなというふうに思っております。
渡辺孝男
43
○
渡辺
孝男君 ありがとうございました。 以上で終わります。
川田龍平
44
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。 本日は、
石原参考人
、
本條参考人
、
池原参考人
、大変お忙しい中、御
意見
をいただきましてありがとうございます。 〔
委員長
退席、理事
津田弥太郎
君着席〕 早速質問させていただきます。まず、
障害者雇用促進法改正案
について、
石原参考人
に質問いたします。
企業側
が
合理的配慮
をどこまでするべきなのか、今後政府がガイドラインを作るということになっておりますが、
検討
していくということですが、
企業側
そして
労働者
側として、どのような点に留意しながらガイドラインの策定の
議論
を進めていくべきと考えていますでしょうか。
石原康則
45
○
参考人
(
石原康則
君) 今の、どういう点に
合理的配慮
をということでございますけれども、正直、正鵠を得た答弁をする用意はできていません。むしろ、合理的というこの用語、どういうように
現場
の中で配慮を加えていくのかというのは、これからやはりガイドラインができて、そのガイドラインに基づいて私ども
支援
側がそのガイドラインをどう具体化していくかという、そういう、何というんでしょうか、かみ砕き、
検討
が必要だというふうに思っておりますので、どういう
処置
が必要なのかという点について答弁を求められますと、ちょっと自信はないということですね。
川田龍平
46
○川田龍平君
石原参考人
は、
就労
促進や定着のためには、この
施策
には幾つもの省庁や部局がかかわっており、二重行政の弊害を排して専門性を持つ役割分担と
連携
の
仕組み
を
検討
せよとの指摘をされておりますが、ワンストップで垣根を越えた
施策
を実施するには、具体的にはどのような
体制
が必要だとお考えでしょうか。
石原康則
47
○
参考人
(
石原康則
君) 二重行政という意味で私は申し上げているんではなしに、お手元に
資料
を配付させていただいていますが、
資料
三でございますが、
障害
のある人が働くというプロセスにおいてどういう
支援
が必要か、それを、あるべき姿を図示したものなんですけれども、この一番下にあるミクロネットワーク、今これが、二重行政という意味ではなしに、ある意味それぞれの役割、機能を果たしていて、それがある意味連帯できていないんじゃないかという思いがあるということで、それぞれ役割を持って取り組んでいるんですけれども、ここをもう少しシステム的に連帯を持ってネットワークとして取り組んでいただきたいという、そういう要望を申し述べたということです。ここに当然ハローワークさんとかそういう行政のかかわりも出てまいります。 以上です。
川田龍平
48
○川田龍平君 それでは、引き続き
石原参考人
に、
就労
している
障害者
と
企業
との紛争解決について、裁判にまで持ち込まなくても解決をできるようにするためには、国がどのような
制度
を準備すべきと考えていますでしょうか。
石原康則
49
○
参考人
(
石原康則
君) 国は今は
苦情処理
機関における調整機関を流用していくというその
仕組み
で、私はその
仕組み
は是としたいというふうに思います。 〔理事
津田弥太郎
君退席、
委員長
着席〕 問題は、
障害
のある人が、自分が不法
行為
を受けているとか基準法違反に置かされているとか、その認識がない、あるいは認識はあっても、仮に認識があっても、私は基準法違反ですということが意思表示できないでいるケースがある、そういうように思っていて、そこを非常に懸念しているんです。 御案内のとおり、
労働
審判事件は、
全国
で一年間三千数百件、
労働
局への
相談
件数も二十数万件と報道されています、
全国
で。その中で、
障害者
の
人たち
がじゃそういう
労働
審判
制度
とか
相談
制度
を有効に使われているかというと、意思表示できないとか、そういう悩みを抱え込んでしまっているとか、
保護者
に
相談
しても、
保護者
は、就職をせっかくしているんだからそんなクレーム付けちゃ駄目よとか、そういうスタンスになっちゃっているんじゃないか。そこをサポートするには
定着支援
、そういう意味では
就労支援
事業所
とかジョブコーチさんもかかわってまいりますけれども、そこの
定着支援
を外部からサポートしてあげることが必要だ、そういうふうに思っています。
川田龍平
50
○川田龍平君
労働契約
がない生活
保護
、またそして
労働契約
がある
福祉
サービス
というのがありますが、この
労働者
性は非常に大事な
議論
だと考えております。
石原参考人
が提言している
福祉
的
労働
法を策定するにはどのような論点整理をする必要があるのか、御教示ください。
石原康則
51
○
参考人
(
石原康則
君) 〇七年通達ですか、
労働
省ですか、施設における
労働者
性についての通達がありますけれども、そこで
労働者
だというふうに認定すれば、それは当然
労働者
にすべき。しかし、それが
労働者
でないという
判定
にもかかわらず、そこを社会的、
福祉
的な
就労
に持ち込むというのが、
労働
という概念に持ち込むのが正しいのかなという私に疑問があるということで、そこを、もう近い
労働
なんだから
労働
というふうに認定して、例えば最低賃金まで税金で賃金補填してもいいじゃないかという
意見
がありますけれども、なかなかそこには私としては賛成できない。 それは、そこで一つの
福祉
的
事業所
の中で
労働者
性を持ち込んで最低賃金なんかで環境をつくっちゃうと、まさに生活
保護
法と同じで、働きに出るよりは、
一般就労
するよりは、そこの施設で
福祉
的
就労
をしている方が楽だねということになりはしないかと。だから、
一般就労
にブレーキを掛けちゃうんじゃないかという、そこを懸念しているということでございます。 以上です。
川田龍平
52
○川田龍平君 ありがとうございました。 それでは、
精神保健
法
改正案
についての質問に移らせていただきます。 まず、
池原参考人
に質問いたします。 今回の
改正案
では、
医療保護入院
手続における御
本人
の
権利擁護
が不十分なまま、すなわちほぼ手付かずのままであると認識をしております。こうした極めて不十分な
権利擁護
体制
を存続したまま今回の
法改正
を行った場合の人権的、
法律
的な問題点について、国際的
現状
とも照らし合わせながら御
意見
をお聞かせください。
池原毅和
53
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。 国際的な基準から申し上げますと、先ほど
意見
で申し上げさせていただいたように、日本法でいえば少なくとも
精神保健指定医
二名の
判断
で
入院
をするというシステムが必要であるということですね。つまり、入口の部分でまず一つしっかりとしたチェックができなければいけないということがあります。 それから、入った後で、やはりどういうふうにして
退院
をしていけるのかという部分について、やはり
権利擁護
者が是非必要であり、その部分については
弁護士
であるとかあるいは
精神保健
福祉
士の方のようなある種の専門性を持った
人たち
が
患者
さんの
意向
を聞いて必要な
退院請求
の手続を取るとか、あるいは
医療機関
と話合いをしながら
退院
に向けての手続を進めるというようなことが最低限必要になるだろうというふうに思います。
川田龍平
54
○川田龍平君 ありがとうございます。 次に、
本條参考人
に質問いたします。
精神障害
をお持ちの御
本人
を最も近くで支えておられる御
家族
が、長年にわたりこの
精神保健福祉法
を始めとする関連法
制度
の不十分さによって大変な御苦労を重ねてこられたのだと認識をしております。 その上で、今回の
改正案
では、
医療保護入院
手続において
同意
する
家族
の範囲が
拡大
され、一方で御
本人
の
権利擁護
に関する
制度
については極めて不十分なままでありますが、こうした改正によって、
医療保護入院
手続をめぐるこれまでの御
本人
と御
家族
の葛藤は解消されるとお考えでしょうか。
本條義和
55
○
参考人
(
本條義和
君)
結論
から申し上げまして、なかなか、今の
状態
であれば、そういう
本人
と
家族
の葛藤というものが
法改正
によって
改善
されるとは考えておりません。早急にやはり
代弁者
といいますか、
権利擁護
をしていく人を
制度
として設けるべきだと、こういうふうに考えております。
川田龍平
56
○川田龍平君 ありがとうございます。 引き続き
本條参考人
に質問いたします。 現在の
入院
医療
を主とするこの
精神科医療
体制
、すなわち御
本人
や御
家族
が安心して
地域
での生活を継続していくための
地域
支援
体制
、
地域
医療
体制
が不十分なままでは、幾ら
法律
を改正したとしても、実質的な御
本人
、御
家族
の苦労は変わらないのではないかと思われます。御
本人
にとっても御
家族
にとっても不本意な
強制入院
の
機会
をできる限り減らすことのできる
地域
医療
モデルの本格的な
推進
が求められると思われますが、この点について、御
家族
の
立場
からの御
見解
をお聞かせください。
本條義和
57
○
参考人
(
本條義和
君) 先生のおっしゃるとおりであると考えております。ただ、私
たち
は、
家族
に対して非常に重い
義務
が課せられておりました。それが幾分でもこれで解消されるということも思っております。 今後の
課題
として、そういう
障害
があっても
地域
で健常者の方と変わらない生活ができるように、法
制度
も含めていろいろな
施策
を講じていく必要があるかとは存じているところでございます。
川田龍平
58
○川田龍平君 次に、
池原参考人
に伺います。 日本の精神科
強制入院
率は四二%と国際的に見て異常に高いわけですが、こうした
強制入院
の乱発を防ぐための
制度
や
サービス
の開発、普及は国際的にはどのようになっているのでしょうか。
池原毅和
59
○
参考人
(
池原毅和
君) 先ほど、ヨーロッパ評議会でEU加盟諸国の
強制入院
を比較
検討
した研究結果によると、
強制入院
にブレーキを掛けるシステムというのは、例えば自傷他害のおそれとか
判断能力
の喪失というような
要件
をより厳しくする方法であるとか、あるいは裁判所が
判断
して初めて
入院
になる方法とか、幾つかのファクターがあるわけですが、その研究結果によると、唯一
強制入院
率を減少させるファクターになるのは
権利擁護
者が付いているということであるということが実証的に分かっていて、その意味では、ある意味で無駄な、過剰な
入院
を抑制して、
医療
費も節減するという意味も含めて、
権利擁護
者を付けるということは極めて有効性が高いというふうに考えています。
川田龍平
60
○川田龍平君 引き続き
池原参考人
に伺います。 各国では認知症の人を、
判断能力
をできる限り尊重し、統合失調症をモデルにした
精神保健福祉法
の適用外とする、又は極めて限定的な条件の下でその適用とするという方針が政策的に取られております。 この
医療保護入院
によって
入院
されている認知症の人の数が急増している
現状
において、早急にこの認知症の人の
権利擁護
を重視した新たな
強制入院
に関する
制度
設計が求められています。そうした
制度
設計をこの三年間で具体化し、三年後にはその
制度
を
施行
できるようにと思いますが、こうした認知症の人の人権を守る新たな
強制入院
制度
の枠組みについての御
意見
をお聞かせください。
池原毅和
61
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。 認知症の方も一つ典型的に
判断能力
を失いやすい
状態
にある
人たち
ですが、基本的には、これは
精神障害
の方も含めて、
判断能力
をどう補充していくか、つまり、他人が頭越しに決めていくということを第一次的な選択とするのではなくて、むしろ御
本人
の意思をどういうふうに周囲が読み取れるような、あるいは
本人
の
判断
をどう補充してあげられるかという、いわゆる自己決定の
支援
ということが、認知症を中心として、さらに
精神障害
の人にとっても必要なことだと思うんですね。 ですので、まず
強制入院
ありきではなくて、まずは見かけ上
判断能力
がなさそうに見える
状態
に対してどうその自己決定を
支援
していくかと、このシステムをつくっていくことが心理学や社会学の
専門家
の協力を受けながら必要になってくるだろうと思います。 その上で、認知症の方の場合の大きな問題というのは、実は認知症で現れる精神的な
症状
というのは、通常、周辺
症状
と呼ばれていて、認知症そのものの中心的な
症状
ではないわけですね。ただ、その周辺
症状
があるために精神科に
入院
させられることが多いわけですが、しかし、むしろ認知症の方の場合には、もっと生活的な能力のリハビリテーションであるとか
身体
的なケアということが非常に重要であって、この点については必ずしも精神科病院は十分な技能を持っているわけではないということなので、認知症の方が老後を安心して暮らせるような生活環境を
提供
できるような施設とか場所というものが精神科病院とは別に恐らく必要になるのではないかと思います。
川田龍平
62
○川田龍平君 ありがとうございます。 終わります。
田村智子
63
○
田村
智子君 日本共産党の
田村
智子です。 本日は本当にありがとうございます。 私、まず
精神保健福祉法
の方からお聞きをしたくて、
池原参考人
からまずお聞きをしたいと思います。 おとといの
質疑
の中で、やはり代理人がなぜ法
制度
の中に盛り込まれなかったのかということが一つの審議の焦点になりました。その中で、
厚生労働省
の側の答弁としては、どのような人を代理人として指定していくのかということがいまだまとまらない、
検討
の段階だというような答弁もあったんですけれども、その点についてのお考えをお聞かせください。
池原毅和
64
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。 その点は、私はちょっと
厚生労働省
の
方々
の御答弁についてはやや
理解
し難いところがあって、先ほども申し上げましたように、既に二十年来、福岡県
弁護士
会では
退院請求
や処遇
改善
請求
のための
弁護士
の代理人システムというのを動かしていまして、これはその
地域
では非常に高い評価も受けて現実的に動いているわけです。こうした似たようなシステムは大阪でも岡山でも、さらに愛知県でも行われていて、日本
弁護士
連合会では
全国
的にそれを展開するというための今パイロット事業を進めているところです。 ですので、少なくとも
強制入院
との関係でいうと、
権利擁護
者というのは、まずは
本人
が
退院
したいと言えば
退院
できるための手続を代理できるシステム、あるいは処遇が不当だと言えば処遇
改善
を求めることができるシステムが必要であって、そのために適応した職種とすれば、
法律
の
専門家
である
弁護士
か、あるいは
福祉
的なことについても精通している
精神保健
福祉
士という
人たち
がその
権利擁護
をすることができるということはそれほど疑問のある話ではなくて、決して
代弁者
とか
権利擁護
者という概念がまだ曖昧であるということにはなっていないというふうに私は思っております。
田村智子
65
○
田村
智子君 ありがとうございます。 もう一点、
保護者制度
を
廃止
したけれども、
家族等
の
同意
で
医療保護入院
が引き続きできると。このときの
家族等
が、おじさんやおばさんでもいいと、一緒に生活をしていない方も
同意
の
対象
になり得るわけですね。このことによってどのような
状況
が想定されるのだろうかと。
患者
さん
本人
にとっての前進面と言えるのか、
家族
の方にとってはどうなのか、率直な御
見解
をお聞かせいただきたいと思います。
池原毅和
66
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。
保護者制度
の非常に大きな問題点の一つとして、
家族
である
保護者
が
強制入院
に
同意
するということをしたがために、
患者
さん
本人
とその
保護者
との間の葛藤関係が深まってしまうということがずっと指摘されていたわけですけれども、その
同意者
の範囲を
家族等
という形で広めてしまうということになりますと、先生御指摘のように、むしろ同居していた
家族
、例えば親は
入院
に反対しているんだけれども、
本人
の兄弟が別のところに住んでいて、いや、もう
入院
させた方がいいんだということで
同意
してしまったというようなことになると、その
同意
をした人と反対していた親との間の更に葛藤が深まったりとかいうことが当然起こってきて、かつ同居をしていない、
本人
の
状況
がよく分かっていない人でも
同意
をしてもいいということになるわけですから、必ずしも適切な
同意
がされるかどうかも分からないということになって、むしろ
事態
は非常に複雑化していくだろうと。 そしてさらには、最近の
医療保護入院
の増加傾向の一つは、認知症の
患者
さんを
医療保護入院
をさせているということがありますけれども、特に高齢者の方の
強制入院
に関しては、私ども
法律
の実務家としてしばしばぶつかるのは、かなり相続だとか財産関係に絡んで
入院
ということが行われるということも必ずしも珍しくはないということがありまして、非常に複雑な問題が生じてしまうと。逆に、
医療機関
の側としても、そういう
家族
間のかなりどろどろしたような
議論
に巻き込まれていくということになって、これは決していい結果にはならないだろうというふうに私は思います。
田村智子
67
○
田村
智子君 ありがとうございました。 次に、
本條参考人
に、本当に今御
意見
をお聞きしていても苦渋の思いがにじんでおられるなというふうに感じているんですけれども、同じことをちょっとお聞きをしたくて、
家族等
の
同意
ということについてどのようなお考えをお持ちか、まずお聞かせください。
本條義和
68
○
参考人
(
本條義和
君) 先ほど
池原
先生からもお話がありましたように、これは
家族会
としても非常に問題視しておりまして、かねて、やはり
一般医療
と同じように
法律
的な
義務
とかそういうものが生じないような
同意
であれば、それは当然、御
本人
がそういう
判断能力
といいますか、そういう意思決定が難しいという
状態
においては、それは当然
家族
がしていかなくてはならないと思うんですけれども、それによって権利
義務
が生じてくるとかそういうことになると問題が大きくなると、こういう具合に
判断
しておりまして、できましたらそういう代理人と申しますか、
代弁者
というものを早急に
制度
化して
法案
に盛り込むか、それとも附則で入れていただくかしていただきたいというのが要望です。
田村智子
69
○
田村
智子君 もう一点、
医療保護入院
の場合も、措置
入院
や緊急
入院
ではないということで、やはりこうした
本人
の意に反した
入院
というのはできる限り減らしていくような
努力
というのが求められていると思うんです。 例えば、
家族
への
支援
がもっとこういう面で充実させられていたらとか、
地域
での
支援
があれば
入院
しなくてもいいような場合もあるんじゃないかとか、あるいは、
入院
は必要だけど
本人
が拒まれているその要因ですね、
精神医療
に対するマイナスのイメージであるとか、長く続いてきた
医療
の貧困さからの、何というんですかね、
入院
したくないと、一度入っちゃったら出られないんじゃないかとか、そういういろんな外的な要因というのを、
本人
が拒む外的な要因、これを取り除いていくような
努力
というのが求められているんじゃないかと思うんですけれども、その点での御
意見
をお聞かせください。
本條義和
70
○
参考人
(
本條義和
君) 全くそのとおりだと思います。やはり日本は非常に
入院
患者
が多いですね。それは、やはりできるだけ
地域
でいろんな人が支えてあげながら、御
本人
の
本人
選択の選択権を担保しながら、
地域
で生活し、そして
医療
を
医療機関
から届けていくと、
福祉
もそうなんですけれども、そういうシステムにしていかないといけないなと、こういう具合に思っております。
田村智子
71
○
田村
智子君
医療機関
に対する御要望などもありましたら、せっかくの
機会
ですので、お聞かせください。
本條義和
72
○
参考人
(
本條義和
君) それは先ほど申し上げましたように、今までは
医療
というものが病院に
家族
が連れていってそして始まるというのがほとんどだったわけです。やはり諸外国を見てみましても、今主流は、もちろん
入院制度
もありますけれども、
地域
で支えていくということが主流になりつつあります。やはり
医療
を
医療
側から、また
福祉
にしましても
福祉
の側から、
サービス
を
提供
する側から届けるということが必要ではないかと、これが
医療
及び
福祉
に対する要望でございます。
田村智子
73
○
田村
智子君 ありがとうございました。 それでは、
障害者雇用
のことで
石原参考人
にお聞きをいたします。 いただいた
資料
を見てみまして、確かに
職場
定着というのが一つ大きな
課題
になっていくんだなということを感じたんですけれども、特にやはり、やはりと言ってはいけないですね、
精神障害
の方の定着率が六年後には二割台になっていると、いただいた
資料
のところでですね。一方、知的
障害
の方は六割超える、七割近いような定着率だというのを見たときに、
精神障害
の方がいかにその
職場
に定着していくかというところで、まだまだ、まあ始まったばかりといえばあれなのかもしれないんですけれども、でも、
施策
の充実が求められているんだということを痛感したところなんですが、その点について御
意見
をお聞かせください。
石原康則
74
○
参考人
(
石原康則
君) ありがとうございます。 認識については全く一緒で、
精神障害者
の
人たち
がみなし
雇用
から今度は
義務化
されて、
精神障害
の
方々
が
職場
で働いている姿が多くなる中で、どういう形でケアしていけばいいのかという、ここの
ノウハウ
、スキル、こういったものは、先ほども申し上げましたけれども、今も熱心に取り組んでいる
事業所
もあるんですけれども、これから数も増えていくわけですから、
皆様
方の御
支援
をいただいて、
定着支援
に対して要員をもっともっと充実させていけるのであれば、そういう点に対する
強化
を図っていくことができるのではないかというふうに思っています。
田村智子
75
○
田村
智子君 やっぱり
人的支援
が非常に大切になってくるということなんでしょうかね。
事業所
にも出向いていって
理解
も広げたり、こういう、何というんですか、やり方にしてみたらどうでしょうかとか、
相談
に乗ったりとか、そういう面の充実が求められるというふうに
理解
してよろしいでしょうか。
石原康則
76
○
参考人
(
石原康則
君) まず、そういう要員不足というのは、これは知的
障害
の部分でも感じていまして、決して十分ではないと。何でもかんでも人をよこせという話ではないんですけれども、今、学校から卒業されて
職場
に入って、そういう
人たち
が
就労移行支援事業所
なんかに登録される、その数がどんと増えているわけですね、今。学校からの就職者も増えている、ハローワークからの就職者も増えている。そういうサポートに対して陣容が十分かというと、十分ではないと。そこに
精神障害者
の
方々
がまた加わってくるだろうと。新たな対応を求められる、新たなスキルを研究していかないといけない、そういうことになれば、そういう対応できるような陣容の
強化
、こういったものはお願いしたいなというふうに思いますけれども。
田村智子
77
○
田村
智子君 最後になんですけれども、私、就業・
生活支援センター
、おとといの質問の中でも取り上げたんですけれども、大変多岐にわたる、
職場
開拓から、
家族
の
相談
にも乗って、まさに
就労
したいという意欲を引き出すような
支援
から、大変多岐にわたるものを僅かな人員でやっていることに驚いたのと、予算が委託事業だから単年度予算で、正規
雇用
が難しいという問題を抱えているんだということも分かって、ちょっと驚いたんですね。この就業・
生活支援センター
の
改善
といいますか、どうやっていけば、まあ予算が足りないというのが一番はあるとは思うんですけれども、例えば役割分担であるとか、安定的な運営にするためにはどうしたらというようなことで御提案ありましたら、お聞かせ願いたいというふうに思います。
石原康則
78
○
参考人
(
石原康則
君) 増えている要因には、先ほど言いましたように、学校からの就職者とか、私どもの
就労移行支援事業所
からの就職者とかハローワークからの就職者、それらがどんと
就労
・
生活支援センター
に行っちゃうと、パンクしている、今そういう
状況
にあるんですけれども、先ほども申し上げましたように、
就労移行支援事業所
から就職した人は生涯私どもが、
就労移行支援事業所
がサポートしていく。だから、中ポツセンターに登録替えしちゃうのじゃなしに、私どもがサポートすることで定着率は高まっている。学校からの卒業生は学校にある
地域
就労支援
センターのような、その学校が
相談
に応じてあげる、
障害者
も母校に
相談
する、そういう方が信頼関係があるわけですね。 だから、登録替えして中ポツセンターに面倒見させるのはいいんですけれども、そこではまた新たな信頼関係を構築しないといけない。だから、できるだけ中ポツセンターの負荷を掛けないように、私どもの
就労移行支援事業所
とか、できれば学校の
皆様
方も、就職させたらおしまいではなしに、学校もずっと働いている限りサポートしてあげるような
体制
が組めないか。そうすれば定着率も高まっていくだろうし、中ポツセンターの負荷もパンクする
状態
は
改善
できるんじゃないかというふうに思っています。
田村智子
79
○
田村
智子君 どうもありがとうございました。 終わります。
福島みずほ
80
○
福島みずほ
君 どうも今日は、三人の
参考人
の皆さん、本当に貴重な御
意見
を本当にありがとうございます。 社民党の
福島みずほ
です。 まず、
池原参考人
にお聞きをします。 先日行われた
国連
の拷問等禁止
条約
の中で、日本の長期
入院
や待遇などについて
委員
の皆さんからやはり懸念や問題、たくさんの質問が出ました。この日本の
状況
について、問題点、そしてどうすればいいのか、お願いいたします。
池原毅和
81
○
参考人
(
池原毅和
君) 実は、今回、拷問等禁止
条約
の
日本政府
の報告
審査
について、私もジュネーブに行って少し参加してまいりました。 その中で、一つは、例えば
判断能力
がないということについての
判定
を民間の医師一名がしているというのは驚きであるということ。これは実は、むしろ世界的な基準では通常裁判所が
判定
する事柄で、
成年後見制度
を見ていただければお分かりのように、通常は裁判所がかかわるべき問題ではあるわけですね。 それから、
医療保護入院
に関して言えば、既に
国連
から
日本政府
が指摘を受けているのは、措置
入院
は都道府県知事の
判断
で決定がされているわけですが、
医療保護入院
に関して言うと、民間の病院の管理者が決定しているかのようなシステムになっていて、実はその強制権限の根拠というのが非常に曖昧であるということがあって、この点についても人権上重大な問題があるということが指摘されています。 さらに、強制的な
入院
が行われているにもかかわらず、
権利擁護
者というものについて
義務化
されていないと。
本人
が選びたければ選ぶことができないわけではないですけれども、
制度
としてそれがつくられていないという点についても国際的な基準を到底満たすものではないというような指摘がされていると思います。
福島みずほ
82
○
福島みずほ
君 それを
改善
するには、その逆のことだと思うんですが、何かアドバイス等、今これはやれというのがあればお願いします。
池原毅和
83
○
参考人
(
池原毅和
君) 最低限度必要なことは、少なくとも
権利擁護
者を
義務化
する、少なくとも強制的な
入院
をするについては
権利擁護
者を
義務化
するということと、
精神保健指定医
二名の
判定
で
入院
を決めるということは最低限度必要であろうというふうに思います。
福島みずほ
84
○
福島みずほ
君 今日は
本條参考人
と
池原参考人
が、
保護者
を削除することはいいんだけれども、
家族等
ということになることについての懸念をそれぞれお話をされたというふうに思っています。今日それぞれ
本條参考人
、
池原参考人
の方から、
権利擁護
者、
代弁者
というのをきちっと入れて、例えば
入院
するときもその人がやっぱり付いているということが大事だと思うのですが、
権利擁護
者、
代弁者
についての言及がありました。 残念ながら、今度の
法律
にはそれが、
法案
にはないんですよね。
法案
に入れるべき、でも入らないんであれば、例えばガイドラインの中にこれはきちっと、
代弁者
が、
権利擁護
者が一番初めの段階から、
入院
の段階から必要だとか、やっぱりせっかくですから
改善
をここでかなりやるということが必要だと思いますが、
本條参考人
、
池原参考人
、よろしくお願いします。
本條義和
85
○
参考人
(
本條義和
君) 福島先生のおっしゃるとおりだと思います。
法案
に入れられなくても、ガイドライン等にそういう趣旨を明記していただきたいと、こういう具合に要望いたします。
池原毅和
86
○
参考人
(
池原毅和
君) 例えば、現在でも、
厚生労働省
で出している
精神医療審査会
運営マニュアルの中には、
退院請求
あるいは処遇
改善
請求
の手続について代理人を付けることができる、あるいは
弁護士
が代理人の場合には
精神医療審査会
に提出されている
資料
などについて見ることができるというような規定は僅かに存在しているんですけれども、それが
原則
的な形態にされていないということがありますので、
精神医療審査会
の運営マニュアルは
改善
するとか、それから、措置
入院
や
医療保護入院
についての新たな基準として、
入院
に際しては
権利擁護
者の立会いとか、あるいは少なくとも
権利擁護
者に連絡を取る権利があることを告知するとか、そういう幾つかの
改善
をすべきだろうというふうには思います。
福島みずほ
87
○
福島みずほ
君
池原参考人
にお聞きします。 先ほど、認知症の人が精神病院に
入院
することについて御
意見
をいただいたんですが、認知症の人で入っている人は一八%、社会的
入院
が二二%。今後、高齢社会になると、本当に認知症の方が精神病院の中で
入院
で、しかも非常に長期になり、
退院
がなかなか、
家族
がいなかったり
家族
の引取り手がいないととにかく
退院
できないという
事態
が起きるのではないか。でも、それは本来の趣旨からすれば違うわけで、その観点からも
権利擁護
者、
代弁者
、あるいは
福祉
の観点から、総合的な観点からの
判定
がやっぱり必要だと思いますが、いかがでしょうか。
池原毅和
88
○
参考人
(
池原毅和
君) おっしゃるとおりだと思います。 元々、精神科病院は
医療
を行って
治療
をすると。逆に言えば、それは
治療
をすることによって健康
状態
が回復していくという、言わば病気を治していくという場所なわけですが、残念ながら現在の
医療
水準では認知症を治すということはできない
状態
にあって、これはまた時代が変われば少し違うかもしれませんけれども、
現状
でいくと、むしろ認知症の方については、なるべく日常生活の環境に近いような環境を整えて、その中でリハビリをしながら生活をしていただくということが重要なんですけれども、精神科病院では残念ながらそういう
状況
ではないと。 しかも、
判定
すべき事柄というのも、統合失調症を典型的なモデルとする
精神保健福祉法
と認知症というものはどうしても一致しないところがあって、それについては、やはり先生がおっしゃるように、医師とかあるいは
法律家
あるいは
福祉
の
専門家
、そういう
人たち
がある
程度
チームを組んで
判定
をし、最も適切な環境がどういう場所であるのかということを決めていくということが必要だと思います。
福島みずほ
89
○
福島みずほ
君 先ほど
池原参考人
が、
全国
的に
権利擁護
者を持ちながらやっている福岡の例や、いろいろ紹介をしてくださいましたが、大阪でも例えば
精神医療
オンブズマン
制度
などがあり、そういうきめ細かにいろいろ
権利擁護
をしていくということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
池原毅和
90
○
参考人
(
池原毅和
君) その点、まさにおっしゃられるとおりでして、大阪のオンブズマン
制度
も、これもまた非常に有効な機能をしていまして、特に
精神医療審査会
は
退院請求
とか処遇
改善
請求
というある意味では非常に大きな問題を取り扱うわけですが、例えば大阪のオンブズマンの試みでは、病院のカーテンの色がこんな色でいいんだろうかとか、あるいは居室の環境がもうちょっと快適なものにならないだろうかという、もう少しきめの細かい、日常生活のQOLにかかわるようなことまでいろいろと指摘をしたり助言をしたりして、それによって実は大阪の病院協会の
方々
も内部では気が付かないことを外から言っていただいて、
患者
さんにも非常にいい効果があってよかったということが言われているというふうに聞いています。
福島みずほ
91
○
福島みずほ
君
本條参考人
にお聞きをします。 私自身も、精神病院で働いていらっしゃる
労働者
の皆さん
たち
と行政交渉をしたり、何ができるかというのをやってきたりして、例えば公衆電話、全部やはりテレホンカードで掛けられるようにやるべきだとか、そういう交渉もしているんですが、精神病院がこう変わってほしいとか、
家族
の
立場
からするとこういうところが変わると本当にいいんだけれどもという、通院、
入院
、両方を含めてアドバイスをお願いします。
本條義和
92
○
参考人
(
本條義和
君) 適切な回答にならないかと思いますけれども、今までの
障害者
施策
というのは、やはり
障害
のある方を変えて健常者に近づける、御病気の方であれば病気を回復させて何とか健常者に近づけるという
施策
が中心だったと思うんです。
就労
でもそうだと思うんですけれども、環境を変えていくということがやっぱり非常に大事になってくるんじゃないかと思いますから、具体的には申しませんけれども、
当事者
の方、また
家族
の方の
意見
を聞いて環境面で整備していく、応援していく、
支援
していくということが必要になってくるんじゃないかなと、こういう具合に思っています。
福島みずほ
93
○
福島みずほ
君 もしよければ、具体的にどういうことをやればというのがアドバイスがあればお願いします。
本條義和
94
○
参考人
(
本條義和
君) やはり、
本人
の
退院
したいとかそういう気持ちを表明できる、代わって言っていただける、それこそ
代弁者
、そういうものがやはり必要だと思いますし、そのほかのことについてもなかなか
意見表明
がといいますか、それができにくい環境にあるんじゃないかと思いますから、
本人
の選択権というのが尊重されるべきだと思っております。
福島みずほ
95
○
福島みずほ
君
雇用
のことについてお聞きをいたします。
石原参考人
がいろんな、本当に
現場
で頑張っていらっしゃることに心から敬意を表します。
障害
のある方の
雇用
率、
精神障害者
の方の
雇用
率がずっと上がってきている、九割ぐらいになっているということは非常に歓迎すべきだと思うんですが、この上がってきた要因というのを
石原参考人
自身はどういうふうに分析をされていらっしゃるでしょうか。こういう点はいい、こういう点はもっと足りないとかいう点を率直に教えてください。
石原康則
96
○
参考人
(
石原康則
君) ちょっと質問の趣旨がとらえ違えているかも分かりませんけど、
雇用
が進むということは、
企業
の
努力
、これはやはり大きいと思います。先ほどもお話がありましたけど、特例子会社にもいろいろ御
意見
がありますけど、
障害者
のための
職場
環境、こういうのを構築するという意味で特例子会社の果たす役割、これはとても大きいと思いますし、
障害者
自身が働くというときにも、一般の
職場
に配属されるよりはそういう特例子会社の中でみんなと一緒になって働けるという、そういう環境がつくられている、構築できている、そういう
努力
がされているということが一つ。 それから、私どもが担っている
就労移行支援事業
、自立
支援
法からいろんな
課題
が指摘されましたですけど、
就労移行支援事業
の果たした役割、これはとても大きいと私は思っています。 以上です。
福島みずほ
97
○
福島みずほ
君 そうしたら、最後に
池原参考人
に、
障害者
差別
解消
法案
の審議会で
議論
をずっとされていた
委員
でいらっしゃいますので、とりわけ
雇用
、精神の
障害
のある方に対してのこれからの
施策
について、私の時間は十二時までですので、存分に語ってください。存分の時間って、ちょっと余りないかもしれませんが、お願いします。
池原毅和
98
○
参考人
(
池原毅和
君) ありがとうございます。 今回、
障害
差別
解消法で
合理的配慮
についての規定ができたり、あるいは
障害者雇用促進法
にも
合理的配慮
の規定が入って、これはそれなりの大きな進歩ではあるとは思います。 ただ、国際的な動きとの関係でいうと、通常は民事法の中にその規定が盛り込まれていて、言ってみれば、
障害
のある人がもし自分で必要な
合理的配慮
がしてもらえないような
状態
のときに、民事法というか
差別
禁止法の規定に基づいて裁判を提起することができるわけですね。 ただ、日本の
法律
制度
は、今のところ、
障害者雇用促進法
にせよ、
障害
差別
解消法にせよ、これは一定の行政法規的な
法律
だというふうに考えられるので、民法の九十条の公序良俗だとかあるいは不法
行為
という規定を介して間接的に裁判を起こすということも可能ではあるわけですけれども、なかなか具体的にどういう
合理的配慮
を求められるかということがはっきりはしないというところがあって、今後も更にそういう部分について、
法改正
とか、より詳細な規定を作っていくということが求められるのかなというふうに私は思っております。
福島みずほ
99
○
福島みずほ
君 どうも、三人の
参考人
の皆さん、本当にありがとうございました。
武内則男
100
○
委員長
(
武内則男
君) 以上で
参考人
に対する
質疑
は終了をいたしました。
参考人
の
方々
には、長時間にわたり貴重な御
意見
をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
委員会
を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
武内則男
101
○
委員長
(
武内則男
君) ただいまから
厚生労働委員会
を再開いたします。
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の
審査
のため、本日の
委員会
に、理事会協議のとおり、
厚生労働省職業
安定局高齢
・障
害者雇用対策部
長小川誠君外三名の
政府参考人
の
出席
を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
武内則男
102
○
委員長
(
武内則男
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
武内則男
103
○
委員長
(
武内則男
君) 休憩前に引き続き、
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の両案を一括して議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
石橋通宏
104
○石橋
通宏
君 民主党の石橋
通宏
でございます。 おととい百分の時間をいただいておりましたが、今日も六十分の時間をいただけるということでしたが、若干諸事情により質問時間を短縮する運びとなりましたので、答弁者の
皆様
方は簡潔明瞭な御答弁に御協力をいただきますよう、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。 今日、最初に、議題になっております二
法案
の締めくくり総括ということですが、その議題に入ります前に、一つ大変懸念のある情勢で、中東、そしてヨーロッパで今、MERS、新型コロナウイルスということで、今日の最新の情報をチェックしましたところ、WHO発表で感染者が四十九人にまで
拡大
をしていると、そして死者が二十七人ということで、大変致死性の高い非常に危険なウイルスだということで、どうも人から人への感染も疑われているようですし、そういうことからしてWHOも、世界を脅かす存在になりつつあるというような発表も今日の時点であるようです。 この情勢に対して、
厚生労働省
として既に具体的な対応なり措置なり情報収集、進められていることと思いますが、
現状
について御説明いただければと思います。
桝屋敬悟
105
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 御苦労さまです。お答えを申し上げます。 昨年九月からアラビア半島諸国を中心に発生が報告をされております、今
委員
からお尋ねがございました新種のコロナウイルス感染症であります中東呼吸器症候群、いわゆるMERSでございますが、本時点で、
委員
の方から今四十九名と、こう言われましたんですが、私ども確認している数字が、感染者数五十名、うち死亡者数が二十七名と過半になるわけであります、報告されております。ただ、持続的なヒト・ヒト感染はまだ確認はされていないと、こういう
状況
でございます。
厚生労働省
といたしましては、各自治体に対して、アラビア半島とその周辺諸国からの帰国者でMERSの
症状
を示す
患者
についての情報
提供
を依頼するとともに、
患者
に対する検査
体制
を
全国
的に整備したところでございます。さらに、検疫所では、ポスターやホームページ等を通じてアラビア半島諸国への渡航者や帰国者に対して注意喚起を行っているところでございます。 引き続き、WHO等を通じてMERSの発生動向を注視するとともに、国民への情報
提供
、情報収集等適切な対応を行っていきたいと考えてございます。
石橋通宏
106
○石橋
通宏
君 ありがとうございます。 ヨーロッパ、今、イギリス、フランス、ドイツで感染者が出ているという
状況
です。ヨーロッパ、我が国との行き来も大変多い
地域
でございますので、その辺しっかりと今後の推移モニターしながら、対策を十分に取っていただければというふうに要請をしておきたいと思います。 それから、済みません、もう一点、本題に入ります前に、これ通告していませんが、今日の新聞でまた、この間、先日、今日福島先生おられませんが、政府の規制改革
会議
等が最近秘密
会議
になってしまって、情報が全然出てこないじゃないかというような御指摘もおとといの
委員会
でありました。今日の新聞でも、昨日の規制改革
会議
の
雇用
ワーキング・グループでまた、限定正社員、派遣
労働
規制緩和、裁量
労働
制の
拡大
、これ新聞発表ですが、何せ秘密
会議
なので情報が出てこないものですから、具体的にどういう中身でどういう具体的な話があったのか全く分かっていないということで、ここでちょっと指摘をさせていただきたいのは、我々が聞いているところによると、これだけの大きな
労働
の問題についての
議論
が行われながら、昨日の
会議
では
厚生労働省
、
大臣
含め一切呼ばれていないし、含められていないという
状況
だというふうに
理解
をしております。 これまで政府の答弁でも、安倍総理も、
労働
、
雇用
のことを話をするときは
厚生労働省
を代表して
大臣
に同席をいただいて
意見
もいただいているんだというふうな御説明をいただいていたわけです。もうこれはおとといもやりましたし、今ここに入る前に
大臣
とそこで鉢合って、三者構成主義の大切さ、大事だよねと言っていただいた。全然違うじゃないですか。こういう大事なことを話をしているときに、
大臣
も呼ばれていない、
厚生労働省
の担当も呼ばれていない、秘密
会議
で何話されたかも分からない、それでこういうことがばあんと出てくる。 今日、本
会議
をやっておられるそうですが、そこに
厚生労働省
呼ばれているのかどうか分かりませんけれども、
大臣
、これは大変憂慮すべき
状況
だと思いますが、
大臣
御自身どうなんですか、この
状況
。
田村憲久
107
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) それぞれの
会議
でそれぞれのいろんな御
議論
をいただいているんだというふうに思いますが、この中である
程度
方向性が出てきたものは当然我が方に話が来るわけでございまして、いずれにいたしましても、この
労働
分野、これに関しましては最終的に
判断
をするのは我が省でありまして、我がじゃない、私、
厚生労働大臣
でございます。そういう意味からいたしますと、我が省に来た時点で、先ほど来、おトイレでもお話をさせていただきましたけれども、しっかり三者構成主義というものを、これを我々は守るということでございまして、もうそこは絶対に外すわけにはいきませんので、それだけはしっかりと申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
石橋通宏
108
○石橋
通宏
君 もうこれ政府が出されると聞いておりますが、成長戦略の中に具体的に盛り込まれるという方向であれば、成長戦略、これは政府として閣議決定もされることになると思いますが、そういうところにももう盛り込まれるわけでしょう。そうしたら、それを盛り込まれて、じゃ、後でという話にはならない。そこは
大臣
しっかりと、本来であればやはりこういうところにしっかりと三者構成主義を取り込んでいくということこそが、これ繰り返しますけれども、三者構成主義の理念、
原則
です。そのことは是非踏まえて政府内で改めて対応いただきたいと。これは本当に我々としても憂慮すべき
事態
だというふうに思っておりますことをこの場をお借りして是非記録に残しておきたいと思います。 それでは、早速ですが、議題となっております二
法案
、午前中、
参考人
の
皆様
方から大変貴重な御
意見
いただきまして、改めてこの最後の総括的な
質疑
ということになると思いますが、最初に
障害者雇用促進法改正案
につきまして、これ、おとといの
質疑
でかなり問題点なり不明な点、クリアにさせていただいたと思っておりますが、追加的に残された
課題
について確認をさせていただきたいと思います。 まず最初は、これまで
雇用
促進法、
差別
解消法の枠組みの中でどういうふうにこの
差別
の禁止というものを規定していくべきなのかという話の中で、これまでいわゆる
差別
の類型的な
議論
が結構ありました。これは、例えば直接
差別
、間接
差別
、関連
差別
と、様々に
差別
の類型というのがありますねと。じゃ、それをどうこの
差別
禁止の中に取り込んでいくのか、
法律
で規定していくのかという
議論
があったわけです。 最終的に今回こういう
法律
、
法案
、法文になっているわけですけれども、これまでのいわゆる類型に基づいた
議論
というのが最終的にこの
法律
の中で、
差別
の禁止、
合理的配慮
義務
、ここにどういう形で具現化されているのかということについて、改めて政府の御説明をお願いしたいと思います。
田村憲久
109
○国務
大臣
(
田村
憲久
君)
障害者権利条約
第五条第二項で
差別
の禁止というものをしっかりとうたっておるわけでありまして、それに基づいて今回、
差別
の禁止というものを盛り込んだわけでありますけれども、今
委員
おっしゃられた、例えば、直接
差別
はこれは当然の話なんですけれども、間接
差別
というものは一体どういうものが当たるんだということを分科会でもいろいろ御
議論
をいただいてきたわけでありまして、なかなか間接
差別
なるものが具体的に今思い浮かばないと。多分、概念としてはあるわけですよね、それは。男女
雇用
機会
という意味からすれば、その中においては間接
差別
というものがあるわけでありまして、概念としてはあるわけでありますけれども、そういう意味からしますと、そういう概念はあるんだけど実態がなかなか見えないという問題と、もう一つは、
合理的配慮
というものでかなりのものが解消されていくわけでありまして、結果的に今回は、そういう意味では具体的なものが思い浮かばないという中において、あえてこの
法律
の中には書き込まなかったということでございます。 しかし、
差別
という概念は、これはあってはならないことでございますから、当然
差別
は禁止でありますけれども、今回は、そういうような形で具体的なものが当てはまらないということでございまして、この
法律
の中には書き込まなかったということでございます。もし今後そういうものが出てくるようであれば、そのときには
議論
をいただいた上で適切な対応を
法律
の中でさせていただくこともあるということでございます。
石橋通宏
110
○石橋
通宏
君 ちょっと確認ですが、今、具体的なものが思い浮かばないのでという表現、
大臣
いただきましたけれども、具体的なものが思い浮かばないというよりは、様々に事例があるんだけれども、それが明確に、これが直接でこれが間接でという明確な規定ができないので、
法律
に書き込む、
法律
事項として書き込むことは非常に難しいという形でこういうふうになった。しかし、まさに
大臣
言われたように、今後事例を積み重ねることによって様々な事例が、それはひょっとするといわゆる間接かもしれないしと。ただ、事例を今後重ねることによって、例えば今後作っていただくガイドラインとか
指針
、そういう中でそういう事例も盛り込んでいけるようにしていくんだと、そういうことで私は
理解
しておったんですが、それは違うんでしょうか。
田村憲久
111
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) ここで分科会の
意見
書を正確に読まさせていただきます。こういう御
議論
であります。 間接
差別
については、どのようなものが間接
差別
に該当するのか明確でないこと、直接
差別
に当たらない事案についても
合理的配慮
の
提供
で対応が図られると考えることから、現段階では間接
差別
の禁止規定を設けることは困難である、将来的には、具体的な
相談
事例や裁判例の集積等を行った上で、間接
差別
の禁止規定を設ける必要性について
検討
を行う必要があると、こういうことでございます。
石橋通宏
112
○石橋
通宏
君 今改めて
大臣
から答弁いただきましたので、その方向でしっかり今後具体的な事例を積み重ねながら対応いただくということで確認をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 続いて、紛争の解決について、おとといの
議論
でも、紛争解決についてはできるだけ自主的な解決を目指していくんだというような方向も含めて
質疑
をさせていただきましたけれども、ちょっと不明瞭な点があるといいますか、具体的には、第七十四条の六の二、それから七の二、ここにこういう規定があります。
障害者
である
労働者
が紛争解決の援助や調停を申し出たことを理由として解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないと。これは明示的に不利益な取扱いをしてはならないという規定があるわけです。しかし、これが七十四条の六の二と七の二だけに掛かっている規定であって、これが例えば七十四条の四の
苦情処理
機関のところには掛かっていない、そこには規定されていないわけです。つまり、
労働者
がこういう
課題
があるということを
職場
の
苦情処理
機関に対して申出を行ったときには、この明示的な規定は当てはまらないというふうな
法律
構成になっています。 これはなぜこうするんですか。
小川誠
113
○
政府参考人
(小川誠君) 先生御指摘の七十四条の六の第二項とそれから七の第二項につきましては、
障害者
差別
等に関する紛争が生じた場合に
労働者
が都道府県
労働
局長による助言等の措置を求めることができるという旨を規定した上で、そういうことをやった
労働者
がそういう措置を求めたことを理由として不利益な取扱いをしてはならないということを規定しております。 一方、七十四条の四につきましては、具体的な紛争が生じる前にできる限り
企業
内で
苦情
の自主的な解決が図られるよう
事業主
に
努力義務
を課すものであるということでございまして、七十四条の六とか七十四条の七とは趣旨が違うということでございます。したがって、条文上、
労働者
に対して不利益な取扱いをしてはならない旨を規定することは困難であると考えております。 しかしながら、いずれにいたしましても、
障害者
差別
に関しまして
障害者
が
事業主
に対して適切に
相談
できることが非常に重要であるというふうに考えておりますので、法の趣旨の周知等を適切に行ってまいりたいと考えております。
石橋通宏
114
○石橋
通宏
君 まあそういうお答えになるんだろうなというふうに思いますが、これ現実問題として、
職場
で、これは
障害
あるなしにかかわらず、
職場
で
労働者
が権利の主張をしたり
使用者
に対して様々な
改善
の要求をしたり、それによって解雇されたり、それによってというのは結構あるわけです、事例としては。まして、今回、この
法律
の目的に鑑みて、
職場
でより
障害者
の皆さんに
発言
をしていただいて、
職場
の
改善
をまさに
職場
で、
苦情処理
機関でやっていただく。しかし、それにおいて、
現場
では、言い出した、せっかく勇気を持って
発言
していただいた
障害
ある方がそれによって不利益を被る
可能性
というのは現実の社会ではあるわけです。 だからこそ、これ明示的な
法律
の規定はできないという今の御説明ですが、しかし、
法律
的には明示的にしないまでも、そういうことがあってはならないということで、これはしっかりと
現場
の指導をしていただくということが必要だと思います。それ、しっかりやっていただくということでもう一回確認させてください。
小川誠
115
○
政府参考人
(小川誠君) 先生御指摘のとおり、
差別
等に関して
障害者
が
事業主
に
相談
をできるということが非常に大事だと思っておりますので、ちゃんとそれにつきましては、法の趣旨について周知をしてまいりたいと考えております。
石橋通宏
116
○石橋
通宏
君 それによって不利益を被らないんだということを改めてきちんと徹底をしていただきたいということなので、そこのところを是非よろしくお願いいたします。 それで、七十四条の七の調停ですが、これ、紛争調整
委員会
に
労働
局長から委ねるという構成になっています。これは
理解
するところですが、今、紛争調整
委員会
そのものが任意の調整ということで
事業主側
に出頭が
義務
付けられていないということで、かなりこれ現実的には出頭率が悪いということも聞いております。 そうすると、具体的な今回の構成にしていただいて紛争調整
委員会
に委ねても、残念ながら
事業主
が出頭してくれない、そこから先に調停が進まない、問題の解決が進まないと。いや、そうすれば、じゃ裁判に行けばいいじゃないかと言われるのかもしれないけれども、なかなか
障害
ある
労働者
の
方々
がじゃ裁判に行こうというふうには、これはかなり難しいことです。 であれば、やはりこの紛争解決の手段として、調整
委員会
、よりきちんと役割を果たしていただけるような何らかの措置が必要だと思いますが、具体的な措置、
検討
されるんでしょうか。
小川誠
117
○
政府参考人
(小川誠君) 調停
制度
そのものが
当事者
間の合意によって紛争の解決を図るということを基本とするものでございます。したがって、調停
制度
による紛争解決を望まない人に対して紛争について強制的に参加させるということを行っても、結局のところ調停による解決の見込みが立たない、結局最後は調停の打切りになるというふうになりますので、参加を
義務
付けるということ自身はなかなか難しいんではないかというふうに考えております。 ただ一方、法の実効性を保つという観点からは、結局この調停
制度
が積極的に活用されるということは重要だと考えております。したがって、この
施行
に当たっては、関係
当事者
に対して積極的な活用を呼びかける等、適切に対応してまいりたいと考えております。
石橋通宏
118
○石橋
通宏
君 これ、是非ちゃんとモニターして
状況
を見て、本当にこれは機能するのかどうか、そこは確認をしていただきながら、もし
現状
のように
事業主
がなかなか出頭しない、これは具体的な対応なり措置を講じていただく、
検討
いただくということでよろしくお願いしたいと思います。 次に、今回の
差別
禁止、そして
合理的配慮
義務
、これとにかく全ての
事業主
に適用されて、そうすると全ての
雇用
関係にある
労働者
に適用されるというふうに
理解
をいたしますが、その意味で、確認ですが、非正規
雇用
の
労働者
、具体的には有期
雇用
、契約、嘱託、またパートという様々な
雇用
形態、非正規と言われるところがあるわけですが、こういう非正規という
方々
にもこれはもちろん当てはまるんだ、適用されるんだということでよろしいでしょうか。
田村憲久
119
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 募集、採用時の均等な
機会
の確保、それから、今言われた不当な
差別的取扱い
、こういうものの禁止、さらには
合理的配慮
の
提供
というものに関しまして、まさに
労働契約
でございますので、あらゆる形態にこれは適用されるわけでありまして、今
委員
がおっしゃられたような非正規
雇用
型の
労働者
の
方々
、中でもパート
労働
でありますとかいろんな形態あると思いますけれども、それ全てに当てはまるということでございます。
石橋通宏
120
○石橋
通宏
君 御確認をいただきました。全ての
雇用
形態に当てはまるんだということですので、とりわけ非正規というのは一般的に言っても非常に
立場
の弱い
状況
に置かれているということですので、とりわけ本
法律案
、
改正案
の趣旨を鑑みれば、この非正規
雇用
の世界においてもきちんと
差別
禁止、
合理的配慮
義務
、徹底されるように、引き続きしっかりと対応いただければというふうに思っております。 続きまして、ちょっと
視点
が変わるかもしれませんが、昨今、募集、採用の
現場
ではいわゆる民間の職業紹介
サービス
を様々に利用する
事業主
が増えております。これ、直接的にいわゆるハローワークの民間版という意味での民間の職業紹介
サービス
というのもあれば、いわゆる具体的にマッチングを行うところもあれば、一方で、いわゆる
事業主
の出す求人情報をある種単にそのまま仲介して流すような、そういう、あれ具体的に何という名称か分かりませんが、求人情報
提供
サービス
のようなものも今非常に
拡大
をしていると。多くの求職者がそこを通じて求人情報を得ているという
現場
があります。 このような民間の職業紹介
サービス
若しくは求人情報
提供
サービス
、この
法律
の
差別
禁止、
合理的配慮
義務
というのは、こういう民間の事業者に対しては何らかの法的効果を発するんでしょうか。
桝屋敬悟
121
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) お尋ねの民間の職業紹介事業者につきましては、職業安定法によりまして、求人及び求職の申込みの受理等におきまして人種、信条等を理由とする
差別
的な取扱いが禁じられておりまして、その
対象
には
障害者
であることを理由とする
差別
も含まれているという、この措置が既に講じられているというふうに
理解
してございます。 また、職業安定法においては、民間の職業紹介事業者は、申込みの内容が法令に違反するときは、普通は受けなきゃいかぬのですが、法令に違反するときはこれを受理しないことができると定められておりまして、今回の改正によりまして、
障害者
であることを理由とする
差別
的な申込みは法令に違反することが明らかになると考えてございます。 なお、さらにお話がございました、例えばリクナビとか求人情報あるいは求職などの情報
提供
事業者、これを利用して
事業主
が募集を行う場合ということも最近は多々あろうかと思うんですが、この場合は、当該
事業主
に対して直接
障害者雇用促進法
の規定が適用されるということになるわけでありまして、
障害者
であることを理由とする
差別
的な募集、採用は禁止されるということになるわけでございます。
石橋通宏
122
○石橋
通宏
君 今の御説明でかなりクリアになっていると思いますので、是非そこの辺、募集、採用に、この間、おとといも言いましたけれども、入口の部分でいかに
機会
の均等というのを確保できるかというのがまさに今後の
障害者雇用
の
拡大
、促進に向けても非常に重要なポイントだと思っておりますので、是非こういう職業紹介
サービス
、情報
提供
サービス
においてもきちんと今御説明のあったような趣旨が守られるように、今後しっかりとチェックをしていっていただきたいというふうに思っております。 続いて、ちょっと時間の関係もありますので、今日午前中の
参考人
の
質疑
の中でも、やっぱりしっかりやっている事業者に対しては何らかのインセンティブがあってもいいのではないかというようなお話がありました。これ、既に
障害者雇用
の促進という観点で、例えばここは積極的に行っていただいているような
事業主
に対して何らかの表彰
サービス
というか、顕著に、一般的に周知をするとかいうのがあると思うんですが、今回のこの
差別
禁止、そして
合理的配慮
義務
、今後様々にいろんな
事業主
の
取組
をいただくわけですが、そこにやはり具体的に何らかのインセンティブを付与していく、奨励していく意味合いでですね、というのはあってもいい対応かなというふうに思うんですけれども、厚労省として本法の趣旨の促進に向けてそのような具体的な措置を
検討
されていくのかどうか、御説明いただければと思います。
小川誠
123
○
政府参考人
(小川誠君) 先生御指摘のとおり、そういったいろいろ頑張っている、
努力
している
事業所
に対して表彰するということは重要であると考えております。現在でも
厚生労働省
では、
障害者雇用
に関する好事例を募集して、優秀事例を
職場
改善
好事例として
厚生労働大臣
表彰を始めとした表彰を行っております。 今後とも、数多くの事例が応募があるように募集の周知を図りますし、また、そういった
合理的配慮
なんかにつきましても、好事例があったらそれを集めて表彰していくということによって優秀事例の周知に努めてまいりたいと考えております。
石橋通宏
124
○石橋
通宏
君 先ほど
差別
の類型のところでも
大臣
からも御答弁ありましたけれども、やはりしっかりと好事例の蓄積をしていただいて、それをただ持っていてもしようがないので、広く周知をいただいて、より
全国
でみんなで協力しながら、しっかりと
差別
禁止、具体的には
合理的配慮
義務
、これを
職場
で進めていただけるような、それを促進していただけるような措置を是非とっていっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 今日これも
参考人
質疑
の中で、
支援者
がやっぱり必要だし、継続的に
障害
ある方の
雇用
継続を図るその意味でも、改めて、例えば
障害者
の皆さん御自身に対する就業前そして就業後の継続的な職業訓練の
機会
の
提供
というのは、これ今まで以上に恐らく重要になってくるというふうに思います。 この点について、これまでにも
障害者
の皆さんに対する職業訓練の
機会
というのはあるわけですが、今後これを
機会
にそこを更に拡充をする、そして
就労
後も、もちろん
企業
にも訓練の
提供
をいただくというのは、これはまさに
法律
の中にも書いていただいているわけですが、国としてもしっかりと
就労
後も
企業
と協力しながら公的な職業訓練の
機会
を持続的に
提供
する、そういうことが必要だと思っておりますけれども、その点について具体的な措置が
検討
されるでしょうか。
田村憲久
125
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 今
委員
おっしゃられましたとおり、
障害者
の
方々
が希望したやはり職業に就いていくという意味ではしっかりと職業訓練をやっていかなきゃいけないわけでありまして、現在も
障害者
職業能力開発校、ここでしっかりと訓練をいただく、それから一般の職業能力開発校でも御訓練をいただく、そういうプログラムがあります。さらには、
障害者
委託訓練ということで、委託をして訓練をいただくということで、これ二十三年度の離職者訓練でありますが、八千三百四人中、
障害者
職業能力開発校で千九百四十八人、一般校で七百十九人、それから
障害者
の委託訓練で五千六百三十七人というふうになっておるわけでありまして、そういう意味ではこのような訓練はこれからもしっかりと我々は力を入れてまいりたいというふうに思っております。 あわせて、こういうところを使いながらでありますけれども、一回就職された後も訓練を継続していくというような形で、それは長い期間というわけではありませんけれども、訓練できるようなそういうプログラムもございますので、そういうことを含めて能力を高めていただく、そして自分の求める仕事というものにしっかりと就いていただきながら、また就いた場合でもその能力を生かしていただいて、更に伸ばしていただいて、より重い仕事をしていただくというようなことを我々も目指しておるわけでございますので、言われますとおり、しっかりとこの点に関しましても取り組んでまいりたいというふうに思っております。
石橋通宏
126
○石橋
通宏
君 ありがとうございます。 とりわけ中小零細
企業
なんかは、独自に自前で継続的に
就労
後も訓練
機会
を
提供
していくというのは、これはなかなか難しいということがあります。ですから、そういう公的な場を
地域
の中小零細
企業
の皆さんのためにもしっかり持っていただいて、そこで継続的な
障害者
の皆さんのスキルアップのためにやっていくというのは非常に重要な
取組
だと思いますので、
雇用
促進そして
定着支援
に向けて是非しっかりとやっていただきたいということをお願いをさせていただきまして、ほかにもたくさんありましたが、
雇用
促進法については、今日そして火曜日、答弁いただきまして、かなり明らかになったと思います。 是非ともこの
法律
の
成立
を契機に、
差別
の撤廃とそして
合理的配慮
の
義務
の促進によって、
障害者
の皆さんの
雇用
が本当の意味で促進されるようにしっかりと対応いただきたいと、そのことをお願いをさせていただきたいと思います。 それでは、
精神保健
及び
精神障害者福祉
法
改正案
について、残りの時間で
質疑
をさせていただきたいと思いますが、今日の午前中の
参考人
質疑
でも改めて、火曜日に本
委員会
で様々に問題点指摘をさせていただきまして、答弁いただいたんですが、なかなかすとんと落ちないなと。まさに、今日の午前中の
参考人
の皆さん方の御
意見
を聞きながら、やっぱり改めて問題は多いなという思いで個人的にはいっぱいであります。 特に、改めて今日、私、この場でも、
強制入院
としての
医療保護入院
、今、大変残念ながら、この
強制入院
、
医療保護入院
が数としてはどんどんどんどん増えていっている、
入院
が
長期化
をしている、これ事実です。世界の中で比較しても断トツ、圧倒的な数、これは事実です。 おととい
大臣
に答弁いただきました。これはやっぱり
強制入院
ですから、これはもう最低限、本当に最小限にしなきゃならないんだ、人権擁護の観点からも、これはもう本当にそれをしなければ
患者
さんの命にかかわる、
医療
を受ける権利を侵害してしまう、そういう、本当に究極の
判断
の下でこれはやるものなんだという、これは
大臣
も答弁で確認をいただいた点だというふうに思っています。しかし、その最小限、究極のものがこれだけ増えているんだ、これだけ世界的に見ても断トツ多い数になっているんだというのが厳然たる事実であります。 まずそのことを認識をすると、じゃ、本当にこれをどう最小限にしていくのか。入口の部分も、本来であれば、より厳格な規定を適用させていただいて、そして
入院
後も、
大臣
の言葉を借りれば、より早期に
退院
できるように最大限の
努力
を、
治療
の面でも、そして
地域
への
移行促進
の面でもしっかりとやっていくんだというお話であったと思いますが、それがなかなか、本当にそうなっているのかなというところだと思うんです。 一つ、おとといの答弁で、今回
保護者制度
を
廃止
をしたと。これはもう本当に今日の
参考人
の皆さんもよしとしたいと、歓迎するというお言葉でした。しかし、
家族等
の
同意
ということで、むしろ
同意
できる
対象
者を広げてしまったという御説明があったと。その他全員が反対しても、中の一人が
同意
をすれば
強制入院
が可能になってしまうということに対しては、本当に懸念を表明をされておりました。人権
保護
の観点からも懸念を表明されておりました。 改めて確認をさせていただきますが、これによって、今申し上げた、これまでにも進めて増えてきた
医療保護入院
は、明らかにこれからもっと
医療保護入院
は増えると。つまり、
入院
が認められる件数は今まで以上に増えることになると。だって、これどう見ても
要件
緩和ですよ。なので、増えるという前提で様々な
施策
を講じていかなければならないんですが、
厚生労働省
、おとといの答弁では、いや、変わらないと。これは明らかに認識がおかしいと思いますが、改めてこの点、
大臣
、答弁をお願いします。
田村憲久
127
○国務
大臣
(
田村
憲久
君)
保護者制度
自体を
廃止
するというのは、一人の方に過度な
負担
が掛かるという部分もあるわけでございます。そういう
家族会
のいろいろな御
意見
をいただく中で、これ自体を
廃止
をしようと。そのときに、
指定医
お一人の御
判断
でもいいんではないかという御
意見
もございましたが、そこは一方で
権利擁護
という意味から考えれば、やはり御
家族
のどなたかかが
同意
をするということも必要であろうということで、このような形にさせていただいたわけであります。 いずれにいたしましても、
指定医
というプロの方の
診断
でこれは
入院
が必要かどうかということを
判断
をする基準があるわけでありまして、そのような意味からすれば、本来
入院
をする必要のない
方々
がどんどんどんどん
入院
になる、
医療保護入院
になるというような形ではないわけであります。 一方で、
委員
のおっしゃられる懸念というのは、今までは
保護者
の方がお一人が
判断
をされて、そして
指定医
と
相談
して、言うなれば
入院
になるわけでありますけれども、それが誰か一人でいいということになれば、多分
保護者
の人一人であるよりも、賛成者が複数の中に一人でもいれば、まあどちらの方が確率論として賛成だという
判断
を下す
可能性
が高いかという話なんだろうと思うんですけれども、確率論でこれを言うのがいいのかどうなのかちょっと私も疑問もありますが、そういう意味では、御
家族
の中でどなたかというのを、お一方でいいわけでありますから、増えるというようなそういう
結論
に至られたんだと思うんですが。 ただ、そこはお連れになられる方ですよね、基本的には。遠く離れた
家族
がうんと
同意
したところで、実際、
指定医
との間に人間関係もなければ会話もないわけでありますから。そこはやはりお連れになってこられる方が
同意
をされるという話でございますので、そういう意味では、今までの
保護者
の方とこれが変わっただけの話でありますから、そう極端に御心配をいただくような増え方というのはないのではないのかというのを先般、我が省の方は答弁をしたというふうに御
理解
をいただければ有り難いというふうに思います。
石橋通宏
128
○石橋
通宏
君 なかなか
理解
できないのは、今回、厚労省の説明でも、
保護者制度
の
廃止
は、これまでは
保護者制度
の下で
保護者
として認定された方がノーと言えば、本当は
医療保護入院
が必要なのに、その
保護者
の方がノーと言うので早期の
入院
が図られなかったと。だから、今回
保護者制度
を
廃止
をして、
家族等
の
同意
で早期に
入院
ができるようにするんですという説明があるわけです。 とすると、今まで
保護者
の方が様々な御事情で
同意
ができなかった。しかし、今回、
家族等
にすることによって早期に
入院
を図るわけでしょう。とすると、今まで
医療保護入院
が図られなかった
患者
の方も今回の措置によってむしろ早期に
入院
ができるようにするというのが
厚生労働省
の方針だということになれば、当然に増えるわけですよ。それが、促進するというのがむしろ
厚生労働省
の方針でしょう。促進をして早期に
治療
をするんだと。早期に
治療
をすれば、早期に
医療保護入院
が解除できると。だとすれば、素直に、いや、それはむしろ増えるんです、増えるけれども早期の
退院
を図るんですということをしないと、適切な措置が図られないのではないかというふうなことを我々はすごく懸念をしているわけです。 済みません、時間がないので答弁求めませんけれども、先ほども
権利擁護
のために
家族
一人と言われましたけれども、それでは
権利擁護
にならないというのが、これはもう多くの、今日の
参考人
の皆さんも口をそろえて、それでは
権利擁護
になりませんと。 本当に
大臣
、
権利擁護
を考えるのであれば、やはり、例えば
指定医
を二人にして、当該精神病院の
指定医
だけでは駄目で、そのほかの所属の第三者の専門医の
同意
を得られるようにするというのがまさに
権利擁護
の観点からも必要なんだ、国際法上の要請からも必要なんだと。これでは
権利擁護
にならないというのが御指摘だし、もう一点は、ずっと
議論
をしております
代弁者
ということを設けることこそが
権利擁護
なんだというのも、これも皆さん御指摘をなさるところで、今回、
代弁者
制度
を設けていないことで
権利擁護
には全くなっていないというのがこれは共通した認識なんです。 とすると、
大臣
、先ほど来、火曜日の答弁から、
権利擁護
は大事だ、
権利擁護
は最大限やらなければいけない。しかし一方で、今回、結局は
指定医
一人、それもどこの
指定医
でもいいわけで、それになってしまったこと、
代弁者
制度
が導入されなかったこと、これは物すごい大きな、権利の擁護という観点からいけば、引き続きこれまでと同じような、残念ながら権利侵害のレベルが残ってしまったということなんです。このことは
大臣
としても御認識はされるということでよろしいですね。
田村憲久
129
○国務
大臣
(
田村
憲久
君)
入院
が促進されるのが目的でしょうと言われると、そうだとはなかなか言えないわけでありまして、まず
医療
にアクセスしていただくということが重要であろうと思います。
治療
というもの、
治療
が必要な
方々
がまず
医療機関
にアクセスしていないということ自体はその病状を悪化させるわけでありますから、その結果、
入院
が必要である、
医療保護入院
が必要であるという方が
医療保護入院
になるわけでありまして、そこは、誰でも
入院
をさせようなんということは一切我々は考えていないと。 ですから、あえて申し上げれば、本来必要な
方々
で
入院
されていなかった
方々
が
入院
になるということは確かにそれは事実でありますから、そういう形の中で必要な
医療
を受けていただく、その上で早急に、早く
治療
をしていただいて
地域
社会に戻っていただこうというのがこの
法律
の改正の趣旨であるということでございます。 その上で、
権利擁護
の問題でございましたが、確かに、
指定医
二人付けて、そこで
判断
していただくということができればそれは
理想
なのでありましょうけれども、なかなか
現状
、そういうような
現状
ではないという部分が一つございます。 これは先般の
議論
の中でもいろんな人員の問題等々で、そういう問題もあるというお話でございましたからあえてここでは申し上げませんが、一方で、
代弁者
という形も、これも
議論
をいただいたわけでありました、
検討
会の中で。それもそれで一つの方向性として重要な方向性であるとは思いますが、一方で、足下ですね、本当にどういう
方々
がやるのか、実施主体は何なのか、またどういうものを担っていただくのか。実際問題、準備してスタートということになればいろんな問題も起こってくるわけでありまして、そこがまだ十分に検証されていないということで、方向性は確かに我々も
理解
するところはあるんですが、今般の
法律
改正には間に合わなかったというのが本当のところだと思います。 そこで、今度
見直し
のときにそういうことも含めていろんな御
議論
をいただいて、必要なものはそれに対しての対応をしていくということでございますので、
委員
のおっしゃられておられるその
視点
というものは我々も十分に
理解
はさせていただいております。
石橋通宏
130
○石橋
通宏
君 指摘をしておりますことについては十分に御
理解
をいただいているということです。
指定医
二人は現実的に難しいというような御説明を繰り返しいただいておりますけれども、例えば今日も
参考人
の方からは、いや、二人は十分可能であるという御指摘でした。今現在の
指定医
の皆さんの数、それから
患者
さんの数を鑑みれば、十分に対応が可能であると。むしろ、おととい私が指摘をさせていただいたように、よっぽど、今、
審査
会の数、合議体の数から、いわゆる
入院
についての報告、
審査
の数、これがもうほぼ不可能なぐらいにアンバランスになっているということの方が実態としておかしいのであって、
指定医
の数から、今日の御指摘では、一人の
指定医
が月五人
程度
の
患者
さんの
審査
ができれば十分にそれは可能なんだという御指摘でした。つまり、物理的に可能なんです。 つまり、なかなか厚労省の説明では説明が付いていないということだと思いますし、
保護者制度
についても、既に
検討
チームの中でこれは明らかにほぼ一定の方向性は出ているし、そして現実的に
地域
では、例えば
弁護士
さん
たち
がチーム組んで様々に
代弁者
的な
制度
をやっておられるという事例も既に日本の中ではあるんだと。にもかかわらず今回整っていないというのは、これは明らかに
厚生労働省
、説明がおかしいというふうに言われているわけです。 なので、今
大臣
、今後の
検討
の中で
代弁者
制度
はもうやるんだというぐらいの勢いで今言っていただきましたので、今回
法律
の中に
法律
事項としては入りませんでしたが、これは
権利擁護
のために絶対に必要なんだという観点から、これはしっかりと
法律
施行
後に、まあ
法律
の改正という意味では三年間いろいろやっていただくのでしょうけれども、それに類するような様々な
取組
というのは、
弁護士
さん
たち
含めて様々に御協力をいただきながらいろんな形で
実行
はできると思うんです。 より
権利擁護
を、権利
保護
というのを実態的にしっかりやっていただくための
取組
というのは、これは法
施行
後にすぐに様々に
取組
をいただけると思いますので、この点については具体的に早急にできるところから取り組んでいただいて、一刻も早くこの
医療保護入院
の
患者
さん
たち
の
権利擁護
が守られる、それによって早期の
退院
が促進されるような
体制
を早急に取っていただくということも含めてお願いをし、最後に
大臣
から答弁をいただきたいと思います。
田村憲久
131
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) しっかりとまず御
検討
をいただかなきゃいけないということが前提でございます。
代弁者
制度
自体、実際問題動くかどうか。もちろん、今
委員
言われたとおり、うまくやられているところも、それはまあ、それを担当されている
方々
が
ノウハウ
を持っていたりだとか意識が高いだとか、いろんなことがあると思います。 しかし、これを
全国
展開をしなきゃならぬわけでありまして、そういう人材は本当にそろうのかと。それから、そもそもどこまで
代弁者
の
方々
がその権利を擁護するための職務を担うのかということも含めて、いろいろとこれから
検討
をしなきゃこれはいけないわけでありますよね。 ですから、今のところはそれはボランティアでやられているのだろうと思いますけれども、ボランティアでやられているということであれば、その範囲というものはあくまでもボランティアの範囲でありますから、限られてくるわけでありますけれども、
制度
の中に入れてくるとなれば、そこは精緻な詰めをしなきゃいけないわけでありまして、そういうことも含めて
検討
をさせていただきながら、最終的にどうするかというような
結論
を得ていくということでございます。
石橋通宏
132
○石橋
通宏
君 終わります。 ─────────────
武内則男
133
○
委員長
(
武内則男
君) この際、
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
武見敬三
君及び中村博彦君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
渡辺
猛之君及び
磯崎
仁彦君
が選任されました。 ─────────────
川田龍平
134
○川田龍平君 座ってお話をさせていただきます。済みません。みんなの党の川田龍平です。
障害者雇用促進法改正案
について質問いたします。
合理的配慮
の中身がどうなるかが決め手ですが、どこまで詳細な
指針
を作成する方針なのでしょうか。また、一昨日の
委員会
では総合的な
判断
が必要だと答弁されていますが、具体的にどのような
判断
項目があるのかの御説明をください。
小川誠
135
○
政府参考人
(小川誠君)
合理的配慮
につきましては、過重な
負担
にならない範囲で
事業主
に
提供
を
義務
付けるものでございます。 その過重な
負担
につきましては、
企業
規模でありますとか
企業
の置かれている財政
状況
等が考慮要素となると考えておりますが、過重な
負担
の考え方につきましては、具体的には公労使障の四者構成である
労働
政策審議会の場で
議論
をした上で策定する
指針
の中でお示ししたいと考えております。
川田龍平
136
○川田龍平君
精神障害者
の
雇用
の伸び率は今後どのくらい上がると見込んでいるのでしょうか。
小川誠
137
○
政府参考人
(小川誠君) 最近の
障害者
の
雇用
の
状況
は伸びているわけでございまして、九年連続で過去最高を更新しているという
状況
でございます。特に、
障害
種別に見ますと、
精神障害者
の伸びが大きくなっているということでございます。 また、ハローワークの
精神障害者
の就職件数につきましても、
平成
二十四年において二万三千八百六十一件と、前年度に比較して二六・六%の増加というふうに高い伸びで推移しております。 このような推移とともに、今回の
制度
改正でございますとかハローワークにおける
支援
体制
の充実、
医療機関
との
連携
の
強化
などにより、今後とも民間
企業
での
精神障害者
の
雇用
が一層
推進
されるものと考えております。そのため、その
支援
体制
の充実について図っていきたいと考えております。
川田龍平
138
○川田龍平君 今回の改正で、
雇用分野
においては、
障害者権利条約
の批准の条件整備は整うと考えてよろしいのでしょうか。
田村憲久
139
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 今般のこの
法律
で、
障害者
の
差別
の禁止それから
合理的配慮
の
提供
ということ、これが位置付けられるわけでございまして、今おっしゃられましたとおり、
雇用分野
ということに限れば、これで
障害者権利条約
の批准に向けた環境整備というものは、この部分は整うということでございます。
川田龍平
140
○川田龍平君 この
合理的配慮
は三年後、
精神障害者
の
法定雇用率
組入れは五年後と時間が掛かりますが、
障害者権利条約
の批准に向けたスケジュールの中できちんと間に合うのでしょうか。批准のスケジュールをどのように考えているのかをお示しください。
新美潤
141
○
政府参考人
(新美潤君) お答え申し上げます。 政府といたしましては、
障害者権利条約
の
締結
に先立ちまして、
障害者
に対する
施策
の充実のために国内
制度
の整備に努めているところでございます。その中で、既に行われました
障害者
基本法の改正及び
障害者総合支援法
が既に
成立
しておりまして、現在、
差別
解消法、そして今御
議論
いただいている
障害者雇用促進法改正案
が今次通常国会に提出されているわけでございます。 これらの
国内法
の整備は
条約
の実効的な運用の観点から大変有
意義
なものだと思っておりまして、これらの国内
制度
の整備の進捗
状況
も踏まえた上で、可能な限り早期に
条約
を
締結
したいと考えております。
川田龍平
142
○川田龍平君 次に、
精神保健
法
改正法案
について質問いたします。
精神保健
法は、
現状
の
入院
医療
を主とする
精神科医療
供給
体制
を前提としており、かつ統合失調症をモデルに
制度
設計をされています。しかし、今や認知症
患者
への適切な
医療
供給
体制
として
制度
設計するべきではないでしょうか。一昨日の政府の答弁でも、精神科病院の
入院
患者
中の認知症
患者
の割合は一八%とのことで、外国との比較もできていないとのことです。足立
委員
からも、実際はもう少し高いのではないか、トレンドとしては増えているのではないかと懸念を示されています。 政府の
精神保健
に対する
施策
がこのままでよいのか、桝屋副
大臣
にお尋ねいたします。
桝屋敬悟
143
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 今御指摘がありましたとおり、従来の
精神科医療
は主に統合失調症を中心としました
入院治療
、これが中心であってきたわけであります。しかし、近年の
医療
技術等の進歩によりまして統合失調症の
入院
患者
は減少傾向にあると、こういうことでございます。一方、今御指摘がありましたように、認知症
患者
、
平成
二十三年度で五十万人を超える
状況
にございまして、介護
福祉
サービス
と
連携
しつつ適切に対応する必要があると考えております。 今後の
精神医療
の
提供
体制
につきましては、
委員
からもお話がございましたが、統合失調症あるいは認知症だけでなく、摂食
障害
あるいは発達
障害
などの児童思春期の
精神医療
、あるいはアルコール、薬物などによる依存症疾患への
医療
など、求められる
医療
が多様化している
現状
がございます。それに対応できるように、今回の改正法に基づき、
精神科医療
に関する
指針
を策定する中で
検討
してまいりたいと思っております。 認知症につきましては、本年三月、
精神科医療
及び介護関係者で構成されました研究会を設置いたしまして、精神科病院に
入院
が必要な認知症の人の病態像の明確化、あるいは認知症の人の
地域
在宅生活継続を可能とするための
支援
条件などについて
検討
を進めているところでございます。
権利擁護
についても、
成年後見制度
それから虐待防止法など、さらには、昨年六月でしたっけ、オレンジプランという認知症
施策
推進
五か年計画でも重要な柱として日常の
権利擁護
に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
川田龍平
144
○川田龍平君 認知症
患者
の
権利擁護
については、様々な国際的な知見や実践があります。それらを
参考
にして、是非
検討
を進めるべきではないでしょうか。 一昨日の答弁でも、外国との比較ができない理由を各国ごとの
医療
システムや
福祉
システムの
制度
が大きく異なっておりと説明されていますが、なぜ違うのか。日本が間違っているのかもしれない、なぜイタリアに精神病院がないのか、そういう視座からの
検討
が全くされていないということではないでしょうか。桝屋副
大臣
、いかがでしょうか。
桝屋敬悟
145
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) この点については、今年一月に開催をされました認知症国家戦略に関する国際政策シンポジウム、この内容も、私も参加できませんでしたが、各国の
状況
等も十分聞かせていただきました。川田
委員
も十分その内容を御承知のことだと思います。こうしたシンポジウムで紹介されました諸外国の知見等も
参考
としながら、認知症
施策
の
推進
に改めて取り組んでまいりたいと思っております。
川田龍平
146
○川田龍平君 先月になりますが、桝屋副
大臣
は、日本にも本格的な認知症の国家戦略をと題する大討論会にパネラーの一人として参加されていました。私も客席で討論会を聞かせていただきましたが、若年認知症の
当事者
のお二人のトークがメーンで、それぞれがしっかりと自分を分析され、自己決定の下に自分の生き方を決めていたことを桝屋副
大臣
も御記憶だと思います。また、日本各地、そして諸外国での実践例についても紹介をされていました。 国としても、認知症
当事者
の
立場
から、
当事者
の
意見
も聞きながら政策立案をする必要があるのではないかと考えます。私は医師ではありませんが、
患者
としての
当事者
性を大事にして、
患者
の
立場
で
医療
政策をつくっていく必要があると、自分自身の体験からも強く思い、国会で仕事をさせていただいております。 桝屋副
大臣
御自身のお言葉で今後の
精神保健
の
在り方
のビジョンを語っていただけないでしょうか。
桝屋敬悟
147
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 先ほど
委員
から御紹介いただいた、認知症対策を国家戦略として取り組むようにと、こういう大きなシンポジウム、確かに私も出させていただきました。 この点は、認知症の対策というのが我が国の
医療
、介護の中でやはり極めて大きなテーマになっている、避けて通れない
課題
であると。そういう意味では、民主党政権のときでありましたが、この対策を前面にとらえて対策の方向性を打ち出され、それが五か年戦略として発表されたということは、私は高く評価したいと思いますし、そうした方向性を、政権交代になりましたけれども、
精神科医療
の
在り方
という中でもしっかり意識しながら取り組んでいかなきゃならぬというふうに思っている次第でございます。
川田龍平
148
○川田龍平君 是非進めていただきたいと思います。 続けて、一昨日の時間切れによって質問できなかった具体的な事項について、一つ一つ確かめさせていただきたいと思います。 厚労省としては、
家族
同意
を
要件
とするのは次善の策であり、本来は不要だと考えているのでしょうか。また、今後、
家族
同意
を
廃止
して別の
要件
とするために必要な
体制
整備はどのようなものになるのでしょうか。
岡田太造
149
○
政府参考人
(岡田
太造
君) 今回の
改正案
で規定いたします
家族等
の
同意
につきましては、
精神障害者
の
家族
などに対するインフォームド・コンセントの
重要性
、それから
精神障害者
本人
の
権利擁護
といった観点から必要であると考えているところでございます。 一方で、
家族等
の
同意
を設けることについては様々な御
意見
がございます。
医療保護入院
の
入院
手続の
在り方
につきましては、改正法の
施行
の
状況
などを勘案し、
施行
後三年を目途として
検討
を行うこととしています。その中で、必要に応じまして、
家族等
の
同意
に代わるほかの
要件
や必要な
体制
整備などについても
議論
してまいりたいというふうに考えているところでございます。
川田龍平
150
○川田龍平君 非自発的
入院
である以上、
本人
の意思を尊重するための
権利擁護
の
制度
は不可欠であるはずなんですが、今回、
代弁者
制度
を見送るのはなぜなのでしょうか。また、
代弁者
制度
を法制化し、予算化することができない理由は何なのでしょうか。そのための
調査研究
をしているそうですが、どんな
調査
結果が出ているのでしょうか。
岡田太造
151
○
政府参考人
(岡田
太造
君) 昨年六月の
検討
チームの報告では、
本人
の
権利擁護
のための
仕組み
として、
入院
した人は、自分の気持ちを代弁し、病院などに伝える役割をする
代弁者
を選ぶことができる
仕組み
を導入すべきであるという提言を受けたところでございます。 しかしながら、この
検討
会の場でも、例えば
家族
がなるであるとかピアサポーターであるとか、いろんな、どういう方が
代弁者
になるのかということについては様々御
議論
がございます。
法律
上に
代弁者
を位置付けるためには、やはりその実施主体であるとか活動内容、どういうことをやってもらうか、誰がどういうことをやってもらうかということをやはり明確に規定する必要があるというふうに考えておりまして、そういう観点からしますと、
現状
ではその実施主体、活動内容について関係者間で様々な御
議論
がある、
意見
の違いがあるということから、今回の
法改正
には盛り込まなかったところでございます。
代弁者
制度
の実施主体、それから活動内容につきましては、
平成
二十四年度におきまして
精神障害者
のニーズに関する
調査研究
を行ったところでありまして、今年度はさらに
制度
の具体化のために詳細な
調査研究
を行うことにしているところでございます。
川田龍平
152
○川田龍平君 この昨年度の結果についての報告はされているということですよね。されているということですが、この
代弁者
制度
がないことは、
障害者
の権利
条約
上の問題はないのでしょうか。また、
国連
の
精神障害者
の
保護
及び
メンタルヘルスケア改善
のための諸
原則
との
整合性
は取れるのでしょうか。
岡田太造
153
○
政府参考人
(岡田
太造
君)
障害者権利条約
におきましては、
代弁者
制度
を必須とするような規定は置かれていないと承知しております。 また、精神疾患を有する者の
保護
及び
メンタルヘルスケア改善
のための諸
原則
におきましては、法的能力を欠く者の代理される権利に関する規定がございますが、この代理
制度
は、昨年六月の
検討
チームの報告で提言されました
代弁者
制度
とは必ずしも同一のものではないというふうに考えております。 また、現行でも、
入院
中の
精神障害者
の
退院請求
、それから処遇
改善
請求
ができるという
仕組み
が現在でもございます。そういった
仕組み
の中で、
弁護士
さんを基本として、代理人となる者を幅広く認めて活動していただいているというようなことでございます。したがいまして、
障害者権利条約
、
精神障害者
の
保護
及び
メンタルヘルスケア改善
のための諸
原則
との
整合性
は問題ないと考えているところでございます。
川田龍平
154
○川田龍平君 欧州では
権利擁護
がきちんとできていますが、日本にもそうした
制度
が必要なのは、
国連
の
自由権規約
第九条第四項が定める適正手続の保障を満たすために必須であることからも明らかです。そんな
状況
下で来年の
国連
人権規約の
審査
は通ると考えているのでしょうか。
岡田太造
155
○
政府参考人
(岡田
太造
君)
代弁者
制度
は
検討
チームの報告で提言を受けたものでございますが、国際人権規約におきまして、
精神障害者
に
権利擁護
者を付けることを必須とするような規定は置かれていないものと承知しています。 したがって、今回の改正で
代弁者
制度
を盛り込まなかったことで国際人権規約の
審査
上支障が生じるとは考えていないところでございます。
川田龍平
156
○川田龍平君 それでは、
医療保護入院
について、具体的に幾つかの確認をさせていただきます。
家族等
いずれかの者の
同意
との
要件
について、同居親族が
入院
不要だと言っており別居親族が
入院
が必要だと言った場合、
入院
は
成立
するのでしょうか。
家族
間で紛争が起こり、まして医師が
医療
の必要を認めていることから、医師としてもどちらの
家族
の声を聞いたらよいのか分かりません。裁判が起こされることも予想できますが、どのように対処するつもりでしょうか。
岡田太造
157
○
政府参考人
(岡田
太造
君)
医療保護入院
の
対象
になるような精神疾患の方は、御
本人
に自分が病気だという病識がないというケースでございますので、同居する
家族
がその病識のない
精神障害者
に付き添って診察を受けるケースが実際上ほとんどであるというふうに考えています。 御指摘のように、別居する親族が
入院
に反対する同居
家族
の了解を得て診察に付き合うというのは例外的な場合に限られるんじゃないかというふうに考えているところでございます。 なお、今回の
法改正
におきまして、
医療保護入院
の
同意
は、
保護者
ではなく、
家族
などのいずれかの者が行う
仕組み
になっていることから、
制度
上は、同居の有無にかかわらず、
家族
などであれば
医療保護入院
の
同意
の
判断
を行うことが可能でございます。
川田龍平
158
○川田龍平君 この紛争の場合にはどうなるんでしょうか。
岡田太造
159
○
政府参考人
(岡田
太造
君)
家族
間でいろいろと御
意見
が違うことに対しましては、まず、その
入院
の
判断
をされました
精神保健指定医
の方が
家族
に御
理解
を求めるように御説明いただく、できるだけ多くの
家族
の方に御
理解
いただくようにしていただくというのが一つ大きなことだと思っています。その上で、どうしても反対だということであれば、それは
審査
会の方に
退院
の
請求
をすることができるというのを今回新しく
法律
上その権利を設けたところでございます。
川田龍平
160
○川田龍平君 ガイドラインや運用上の通知で解決できるというふうに思わないのですが、私、薬害エイズの
当事者
として厚生省とも闘ってきましたけれども、法制化されていないということで、厚生省が国民の命を守ることよりも保身に回ってしまって、
当事者
が裁判をして
家族
がばらばらになったりとか大きな傷を負うんではないかということで、大事なことをやっぱり先送りにして、三年後に問題が出たらまた
検討
を行って、通知やガイドラインで運用することを
当事者
や
患者
や
家族
が本当に望んでいるんでしょうか、私には疑問です。
田村
大臣
のお考えをお聞かせください。
田村憲久
161
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 一つは、十分に
医療
というものを受ける必要のある方が受けない、受ける環境にないということがあります。 今、自らが疾患をお持ちだということに気付かない、そういう
方々
がどうしてもこの疾患に関しては多いわけでありまして、そういう意味では、まず
医療機関
にアクセスをしていただくと。これは多分
家族
の方がお連れをいただいたりなどして受けるわけですね、診療を。 その上で、これは
入院
の必要性があるという場合に関して
家族
の
同意
、つまり、普通は連れてきた方の
同意
を得て、それで御
本人
はやっぱり入るべきであろうと、
家族
がそのような
同意
を得た上で
入院
という、そういう段に至るわけでございまして、今
委員
がおっしゃられた、逆に、別居されている方は賛成で同居されている御親族は反対だという場合は、多分ノーという答えを出されるんだというふうに思うんです。ですから、その場合には
同意
がありませんから
入院
ということにはならないわけでありますが、一方で、もしかしたら別居の方が
本人
を連れて病院に来られて、同居の方との意思疎通がないままにそこで
同意
入院
というような話になった場合に果たしてどうなるんだろうというのが多分今の
委員
の御質問であろうというふうに思います。 ですから、ふだんいる同居の方は要するに知らないと、知らない中において別居の親族の
方々
がお連れになられて
同意
しちゃったと。これは形は
入院
になるわけでありますが、その場合は例えば同居の方がこれに対して
退院
の
請求
をできるようになっておるということでございますので、その上で
審査
会の方で御
議論
をいただいて、入
退院
どうなるかということを御
判断
をいただくというような
仕組み
になっておるということであります。
川田龍平
162
○川田龍平君
指定医
の
判断
と
家族
の
判断
が異なる場合、別の医師の
判断
を参照することが必要ではないでしょうか。
岡田太造
163
○
政府参考人
(岡田
太造
君)
医療保護入院
の
診断
を行います
精神保健指定医
は、その
精神障害者
の
入院
の必要があるかどうかについて医学的な観点で
判断
をするものであり、
家族等
の
同意
の有無はその
判断
に影響を及ぼすものではないというふうに考えております。 別の医師の
判断
を参照するということにつきましては、これは
精神保健指定医
の二名で
判断
すべきという御提案に近いものだと思いますが、これにつきましては、
現状
の
医療保護入院
の
患者
さん、
入院
患者
は約十四万にも上っているという
現状
で、
精神保健指定医
はほかにもいろいろと仕事を持ちながらやっていただくというようなことでございますので、現実的にはやっぱり二名でやるというのは非常に難しいということで、現時点では困難だという
判断
をしているというところでございます。
川田龍平
164
○川田龍平君
患者
と利益相反関係にある
家族
の
同意
による
医療保護入院
を精神科病院の管理者は断ることができるんでしょうか。従来であれば、
保護者
順位を司法により変えることができましたが、同様の
権利擁護
の
仕組み
をどう担保するのでしょうか。
岡田太造
165
○
政府参考人
(岡田
太造
君) 現行の
医療保護入院
につきましては、精神科病院の管理者は、
精神障害者
について、
指定医
の診察の結果、
入院
の必要が認められ、かつ
保護者
の
同意
があるときは、
本人
の
同意
がなくても
入院
させることができると規定されておりまして、精神科病院の管理者は
患者
の不利益が予想される場合などにおいて
入院
を断ることも可能であります。この点につきましては、改正後の
家族等
の
同意
においても変更はございません。 また、現在の
保護者制度
におきましては、
精神障害者
に対して訴訟をしている者などについて
法律
上
保護者
になることができないこととなっておりまして、この点も改正後の
家族
などにおいては変更はないところでございます。
川田龍平
166
○川田龍平君
家族
全てが
患者
を見放していて
治療
に協力しない場合、
保護
が必要な場合でも
入院
させることができなくなるおそれがあるのではないでしょうか。
岡田太造
167
○
政府参考人
(岡田
太造
君)
家族
全員が
医療保護入院
の
同意
を行わない場合は
医療保護入院
を行うことができませんが、現行においては、一人の
保護者
の
同意
が得られなければ
医療保護入院
はできないというのが現行法でございます。 なお、
精神障害者
に
医療
又は
保護
の必要があることが明らかな場合で
家族
などの全員が
医療保護入院
の
同意
を行わない場合は、
保健
所が
医療
につながるよう
本人
や
家族
に働きかけを行うことになるというふうに考えているところでございます。
川田龍平
168
○川田龍平君
退院請求
について、
入院
に
同意
していない
家族
が
退院請求
をした場合、
精神医療審査会
は
入院
に
同意
した
家族
の
意見
を聞くのでしょうか。また、
患者
が
退院請求
した場合はどの
家族
の
意見
を聞くのでしょうか。
岡田太造
169
○
政府参考人
(岡田
太造
君) 現行、
保護者
から
退院請求
があった場合の
審査
の具体的手続につきましては、
精神医療審査会
運営マニュアルというのをお示ししております。 今回の改正で、
家族
などが
退院請求
を行った場合の手続や
患者
が
退院請求
した場合の
意見
聴取についてもマニュアルを改正してお示しをしたいというふうに考えております。 改正の具体的内容については、今後関係者の御
意見
も聞きながら
検討
していきたいというふうに考えておりますが、
同意
した
家族
は一般に
入院
患者
を身近で支える
家族
であると考えられることから、その方の御
意見
は聴取することが適当ではないかというふうに考えているところでございます。
川田龍平
170
○川田龍平君 この今までのやり取りを聞いていて、
田村
大臣
は、日本の
精神保健
をつかさどる最高責任者として堂々と自信を持ってこの
法改正
を
患者
さんや
当事者
の
方々
にお示しできるのでしょうか。 私の議員会館の事務所には、この
法案
が閣議決定されて以来、たくさんの陳情やファクスが送られてきました。こうした陳情のファクスは、大抵の場合団体でまとめて定型文のファクスが大量に送られてくることが多いんですけれども、しかし今回は違うんです。
皆様
それぞれ
当事者
の実情を長文で切々と書いてこられ、住所やお名前や携帯電話の番号まで書いて、まるで私が一昨日と今日質問させていただいたような内容の疑問点を指摘されているわけです。そうした声は
大臣
にも届いているのでしょうか。
当事者
の
方々
への
大臣
のメッセージをお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
田村憲久
171
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 一つは、やはり
精神障害
をお持ちの方がしっかりと
治療
をしていただいて社会で生活をしていただくということがこれは第一でございます。だから、我々はこれは
地域
にどうやって移行していくかということを念頭に置いております。
委員
が今ほど来ずっとおっしゃっておられた、例えば長期
入院
になっていると、これは確かに世界と比べても大変長い
入院期間
になっているわけでありまして、こういうものをどう是正するんだと。一方で、本来
医療
を受けなきゃいけない方が
医療
を受けていないという実情もあります。ですから、あくまでも
医療保護入院
をする場合は、
指定医
の先生方の医学的な見地から必要だということで
入院
をされるわけでありますけれども、その
入院期間
をなるべく短くすること。ですから、我々は、
医療機関
に対しても、精神科病院に対しても、これは早く
退院
をさせる、そういう
義務
を課していますよということをこの
法律
の中に入れておるわけであります。 そして、そのためには、お医者様だけじゃ駄目であって、看護師やPSWの
皆様
方や、いろんな
方々
と
連携
しながら、やはり
地域
移行する準備もしていかなきゃいけないわけでありまして、それは外来の
強化
もそうでありますし、それから訪問
支援
という形も必要であります。
地域
の受皿も必要である。これはまた一方で、総合
支援
法の方で
相談
事業でありますとか
地域
支援
事業でありますとか、そういうものの受皿も必要であるわけでありまして、あくまでも、やはりこれからは
地域
で御生活をいただくんだということがこの
法律
の精神であるわけでありますが、
委員
がおっしゃられましたとおり、まだ確かに十分でないところがあります。 ですから、なかなか、三年をめどと言っているけれども、そんなに待てないという話おっしゃられますが、三年たってから
議論
するのではなくて、
法律
が通った後いろんな問題点はしっかりと
議論
もさせていただきながら、三年後の
検討
期限のときに至らぬ点はしっかりと整備をするための
努力
をしてまいるということでございますので、いろんな御提案はあろうと思いますけれども、ひとつ御
理解
をいただきますように、よろしくお願いをいたします。
川田龍平
172
○川田龍平君 ありがとうございました。
田村智子
173
○
田村
智子君 二十八日の
委員会
に続けて、
精神保健福祉法
の
法案
についてお聞きをいたします。 前回、私、
保護者制度
を
廃止
する一方で
医療保護入院
に
家族等
の
同意
を必要とする新たな法整備をしたということは、
家族
の苦しみや
本人
とのあつれきなどをつくることになるということを指摘をいたしました。これに対して桝屋副
大臣
は、インフォームド・コンセントあるいは
精神障害者
本人
の
権利擁護
の観点から
家族等
の
同意
というのは必要だと、こういう
判断
だというふうに答弁をされたんですね。 ただ、これ、答弁聞いていると、大変ちぐはぐ感が拭えないわけですよ。インフォームド・コンセント、それから御
本人
の
権利擁護
ということだったら、やっぱり代理人、
代弁者
を置くということが求められたわけですし、そっちはやらないと。だけど、インフォームド・コンセントだから
家族
の
同意
は必要だと。非常にちぐはぐ感を私は感じるんです。 昨日の答弁や今の答弁の中でも、どういう方を置くのかということはこれからもっと
調査
や
議論
が必要なんだ、午前中の
参考人
にこのことをぶつけてみたんです、どうなんですかと。そうしたら、
池原毅和
弁護士
は、もう長年取り組んでいると、
現場
では。大阪や愛知などでは
弁護士
が
権利擁護
者となって、事実上
代弁者
としての
取組
というのを広げているんだと。それだけ大掛かりに取り組んできているのに、なぜ今回法整備に盛り込まれないのかということは、非常にこれは納得ができないというふうにも
意見
をいただいているんですね。いかがでしょうか。
桝屋敬悟
174
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 今日、午前中の
参考人
質疑
の
状況
もあらあら伺わせていただきました。 確かに、
代弁者
の
制度
については
全国
的には先駆的に取り組まれている事例があるのかもしれません。また、あるということも知らないわけではありませんけれども、先ほど
大臣
が申し上げたように、これを
全国
的な
制度
として整理するということになりますと、やはり確かに限られた
状況
の中で、限られた人材で今の
制度
の中で大きな効果を発揮しておられるという
状況
はあるにせよ、これを
制度
化するについては、やはり
大臣
が申し上げたとおり、様々な問題があるわけでありまして、ここは時期尚早というか準備不足ということもあって、
検討
会で是非導入をという提言をいただいていることは十分認識しつつも、
全国
的な
制度
として仕込むには時間が及ばなかったと、こういうふうに考えている次第でございます。 なお引き続き
検討
していきたいということでございます。
田村智子
175
○
田村
智子君 一緒に今日審議されている例えば
雇用
促進の
法案
でいいますと、
精神障害者
の方のその
雇用
率の算定基準に入れるのは、まずは法文に書き込んで、その上で五年とかというふうにやっているわけじゃないですか。今回、ところが、法文の中にそもそも入ってこないというのは、やっぱりそれは私はおかしいと思うんですよね。
医療保護入院
というのは、自傷他害のおそれがあるとか緊急性があるなどの措置
入院
ではないわけで、やっぱり
治療
として
入院
が必要だけど
本人
の
同意
が得られていない、こういう場合はやっぱり
本人
に対して丁寧な説明を行うし、それはそういう意思疎通がなかなか難しいような
状況
があれば、やっぱりその
本人
の
意向
を代理、代弁する
立場
で
権利擁護
を行う代理人を置くという、その
法律
上の整備は、確かに
施行期日
いつにするかというのは
検討
が必要になることが出てくるかもしれませんよ、だけど、法整備としてはきっちりそのことを書き込むということが私は必要だったということは、改めて強く申し上げたいというふうに思うんですね。 それで、こういう、だからちょっと私、ちぐはぐという言い方言いましたけど、矛盾のあるような法整備になっているので、これ代理人というのが法の整備上置かれないと、実態としては
家族
の方が
本人
の生育の
状況
も分かっている、病気の様子も一番知っている、それでまた
入院
中もやっぱり一番
本人
と接触する
立場
にあるので、事実上
本人
の代理人であり、
代弁者
という
立場
になるわけですよね。 だけど一方で、その方が
本人
の意にそぐわない
入院
の決定をせざるを得ないという、本来はこういうことは通常はあり得ないわけですよ。
本人
の
意向
に全て寄り添うような、
本人
の
意向
をそんたくして代弁する
立場
というのと、
本人
の意に反した決定をするというのは、本来相入れないわけですよね。 そうすると、やっぱりこれが、こういう矛盾を抱えて
家族
にあつれきを法整備上つくってしまうということが、そちらは
退院
急ぐと言うんですけれども、これやっぱり入れたのは
家族
じゃないかと、逆に
地域
に移行するときの問題点をこうした法整備によってつくってしまうんじゃないのか、
地域
移行
支援
、
退院
促すということを逆に阻害するような要因になってしまうんじゃないのかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
桝屋敬悟
176
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) 今いろんな事例をお話しいただきましたけれども、先日の回答の中では、今回は今までの
保護者制度
を
廃止
して、その代わり
医療保護入院
に当たっては
指定医
師の
判断
と、そして
家族
のいずれかが
同意
するということを形として整理するわけでありますが、
家族
の
同意
と、それから、先生は
代弁者
のお話を両方比較
検討
されておっしゃっているわけでありますが、先生がおっしゃった、
地域
移行を妨げる要因になるんじゃないかと、こういうことは決して我々そう思っているわけではなくして、今回の改正に当たりまして、ここは
大臣
が何度も答弁をしておりますけれども、
精神障害者
の早期
退院
を促すための様々な
仕組み
を今回は導入しているわけでありますから、
地域
移行を決して阻むということよりも、むしろ進めるために今回の
法改正
をするということでございまして、
委員
がおっしゃったように、例えば
保護者
間で
意見
が食い違うと。あるいはもっと大事なことは、今先生がおっしゃったけれども、主治医は
入院
は必要かもしれない、必要だという
判断
、同居
家族
は逆に
退院
をさせてもらいたい、逆の
判断
もあるかもしれない。 そんな中で、
精神科医療
の
現場
はそれでもなおかつ
地域
移行に向けて様々な関係者が
努力
しているわけでありますから、その関係者の
努力
をできるだけ阻害しない方向で、形付ける方向で今回
法改正
をするという私は
制度
だというふうに
理解
をしてございます。
田村智子
177
○
田村
智子君 その
家族等
の
同意
のことで、先ほど
大臣
の答弁聞いていてちょっと一点確認したいんですけど、これは民法に規定する扶養
義務
者を指していて、つまりは
本人
から見て三親等の範囲の中のお一人が
同意
をすれば法整備上は
入院
が可能であるということでいいわけですよね。
桝屋敬悟
178
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君) それで結構でございます。そのとおりです。
田村智子
179
○
田村
智子君 そうすると、離れて暮らしている人が連れていくことは難しいから、なかなか近しい人の
判断
がやっぱりなければという御答弁だったんですけども、法整備上は違うんですよね。
法律
上は離れている人が
同意
でもいいわけですよ。そうすると、近しい人の
判断
を排除し得るという改定にもなってしまうということなんですけど、どうなんですか。
桝屋敬悟
180
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君)
委員
は首をかしげておられましたけれども、近い、同居の
家族
の方と遠くの
家族
の方、その近い
家族
は
入院
はさせたくないと。しかし、遠くの
家族
から見ると、やはりこれは
入院
加療が必要ではないかと。で、
指定医
がこれはやはり
入院
加療が必要だというケースについて、まあそういうケースがあるかどうかですが、やはり遠くの
家族
の方がおいでになって地元の
家族
の方と
相談
をされて、近くの
家族
の方と
相談
をされて、この方が、どうしても地元の、近くの
家族
は
同意
しないけれども、今おっしゃった三親等以内の遠くの
家族
が
同意
ということであれば
入院
はあると。 ただ、
大臣
がさっきお答えを申し上げたのは、遠くの
家族
が来て
入院
をさせるというケースはそんなにないのではないか、やはり
患者
に付き添って
医療
へのアクセスをするということが一般的な形ではないかというふうにお答えをさせていただいたんだと思います。
田村智子
181
○
田村
智子君 やっぱり
法律
がどういう形になっているかということが重要なわけですよ。午前中もやっぱり
弁護士
からの指摘がありましたけれども、例えば相続絡みの、認知症の方の
入院
をめぐって相続絡みでというようなこととか、親戚同士、
家族
同士の様々なあつれきやどろどろとした問題が、これは
法律
がそれを起こし得るような作りになってしまっていると。これはやっぱり、むしろ
事態
を、
家族
間のあつれきという問題では実に複雑な問題を、そこに病院も絡んだ複雑な問題を起こしかねないということが指摘をされているんですね。私、それは重大な指摘だというふうに思っています。 それで、
家族
の方、特に同居の
家族
の方というのはやっぱり
治療
を受けさせるという
努力
も現に行っていると思いますし、
保護者制度
を
廃止
したとしたって、もちろん財産上の利益の
保護
など
家族
の利益のためにというふうに
努力
をされていくことになると思うんです。やはりそういう
家族
に寄り添って、
本人
も
家族
も
入院治療
を納得できるような
相談支援
の
体制
をどうつくっていくかと、ここに本当に力を入れていくことが必要だと思うんですよ。そこを考えたときに、今回の遠い方でもオーケーというふうにしちゃったことが果たしてどういう影響を及ぼすかということなんですよね。 これ、午前中、やっぱり
当事者
家族
の方がおっしゃっていましたけれども、
家族
の
理解
があったり、あるいは生活への
支援
があれば
入院
が避けられるケースもあると。そうなんですよ。例えば近しい
家族
がそうやって
判断
する場合だってあるわけですよ。もうちょっと時間掛けて
本人
と話をしたらとか、もうちょっと
支援
の手だてがどこにあるかということを探したら、
本人
の意に沿わない
入院
は避けられるかもしれないと、こういう場合だっていっぱいあり得ると思うんです。だけど、遠い方でオーケーと。 そういうのを聞いたときに、おとといの答弁の中で、桝屋副
大臣
、例えば
入院
の必要性があるという場合、これは今までは一人の
保護者
が、
保護
義務
者がどうしても
入院
はさせないということであればなかなか
医療
にアクセスできなかったというケースもあると。どなたか一人が
同意
すればアクセスできるようになると。アクセスって
入院
ですよ、これはもう、
入院
しかないわけですよ、でしょう。だって、
入院
なんだもの、
医療
保護
の
同意
なんですから、ですよね。 そうすると、せっかく意に沿わない
入院
を避けようという
努力
が薄められて、いいじゃないかと、もう
本人
の
同意
取れたからというので
入院
させられちゃう、こういうことだって私は起こり得るんじゃないかと。 先ほど、
医療保護入院
増えるんじゃないかという指摘を否定されましたけど、やっぱりそういういろんなことを考えると、
医療保護入院
じゃない別の手だてという選択肢を、安易という言葉は使ってはどうかとは思うんですけど、でも、近しい人じゃない方の
判断
によってその
努力
が途中で中断させられて
医療保護入院
が増えるということは、これは私はやっぱり否定できないんじゃないかというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
桝屋敬悟
182
○副
大臣
(桝屋
敬悟
君)
精神科医療
、とりわけ
医療保護入院
のケースについては、私は、
家族
の思いというのは様々な形であるんだろうと思います。 したがって、
医療保護入院
のケースで一番大事なことは、やはりまずは
指定医
、主治医、お医者さんの
判断
というものがまずここは大事だろうと思います。
委員
おっしゃったように、これは
入院
加療、
入院
での
治療
が必要ないというケースもあるでしょうし、やはり
状況
によっては
入院
した方がいいと、こういう
判断
がなされる場合もある、そこはまずは一義的には私は
医療
上の医師の
判断
、
指定医
の
判断
がまず大事だろうと思います。その上に立って、
家族
間で、その医師の
判断
がなかなか
家族
の間で合意できないというような場合は、
委員
いろいろなケースを言われましたけれども、それは確かにいろんなケースがあるでしょう。 ただ、
大臣
が先ほどから申し上げているのは、それによって現在の我が国の
精神科医療
の
現状
が一気に
入院
が増えたり減ったりというようなことではないんだろうと。むしろ、今回の
制度
で期待をしておりますのは、今まで
入院
へのアクセスがたった一人の
保護
義務
者によって、いや、
治療
はさせない、
入院
はさせないというようなことで
医療
へのアクセスができないというような事例は、これはやはり
医療
へのアクセスを容易にするようにした方がいいし、あるいは、そうは言いながら、
家族
全体で、一人でも多くの
家族
の方に、その
治療
、当該
患者
が
入院
はできるだけ短い方がいいわけでありますから、最近は三か月あるいは六か月で社会復帰される、社会へ出ていかれるというケースも多いわけでありまして、そういうことを想定をし、一人でも多くの
家族
の方にその
治療
について
理解
を得るという意味で、インフォームド・コンセントといいましょうか、やはり
家族
の方の
同意
も併せて必要だと、こういう
判断
で今回の
制度
ができ上がっているというふうに考えてございます。
田村智子
183
○
田村
智子君 危惧は本当に拭えないというふうに言わざるを得ないと思うんです。 それで、先ほど、だから
地域
移行を本当に
支援
して、
入院
も短期で終わるようにという御答弁だったんですけれども、じゃ、その
地域
移行の
支援
策についてお聞きをしたいんです。
厚生労働省
は、
精神障害者
アウトリーチ事業をモデル事業として打ち出して、現在二十四道府県三十七か所で実施されていて、今回の改正法が
施行
される来年度にはこれを一般事業、モデル事業から一般事業に移行して
全国
展開するというような説明を受けています。 このアウトリーチ
推進
事業は、在宅生活をしている
精神障害者
の方あるいは病気の疑いのある人も含むんですけども、こういう人を病院スタッフと
相談
員や
精神保健
福祉
士などがチームを構成して
支援
するというものなんです。例えば通院が中断している
患者
さんとか、受診が必要だけど受診に結び付いていない方とか、
退院
したけれども病状が不安定な方とか、こういう方を訪問看護とか
障害福祉
サービス
の利用につながるように
支援
していこうというものなんです。また
入院
に戻らなくなるようにとか、
入院
せざるを得ないような
状態
にしないようにしていくと、非常に重要だと思うんです。 このモデル事業なんですけれども、電話
相談
や
家族等
の
相談
を受ける
体制
というのは、あるいは
医療
や
福祉
サービス
につながっていない段階での訪問などは、これ診療報酬では評価されなくて、今は十分の十の国庫補助なんです。じゃ、これはモデル事業から一般事業になったときにどういう補助体系になるんでしょうか。
岡田太造
184
○
政府参考人
(岡田
太造
君) 御指摘のとおり、
平成
二十四年度予算で六億八千万円を計上して、二十四自治体三十七機関で
精神障害者
アウトリーチ
推進
事業というのを実施しているところでございます。この事業は、先生御説明ありましたように、精神科病院などにチームを設置しまして、受診の中断者などの在宅の
精神障害者
やその
家族
に対して二十四時間三百六十五日
支援
を行い、
精神障害者
の在宅生活の継続や病状の安定を図るものでございます。 このアウトリーチを含めました
精神科医療
の診療報酬上の評価につきましては、今後、必要に応じて中央社会保険
医療
協議会
で御
議論
いただくということになっているところでございます。今後、どういう形でその診療報酬の中に組み込まれるかによりますが、御指摘のように診療報酬で対応できない部分につきましては、今行っています事業の効果の検証も踏まえて、どういう形で対応することが適当か、どういうことができるかということを
検討
してまいりたいというふうに考えているところでございます。
田村智子
185
○
田村
智子君 これは来年度一般事業化ということなんだけれども、まだそれをどうしていくのかが分かっていないということなんですよ。先ほどの
大臣
の答弁とちょっと距離感があり過ぎるなというふうに感じるんですね。 もう一点、
精神障害者
地域
移行・
地域
定着支援
事業、これ、例えば
地域
移行
推進
員というのが補助金事業から個別給付に移ったと。
障害者
総合
福祉
法の個別給付に移ったということはあるんですけれども、余りに補助金の額が予算ベースで減っているんですよ。二〇一一年度は前年度マイナス十億円で六・七億円、一二年度はマイナス三・五億円で三・二億円、本年度は更に二億円削って一・二億円と。これ
地域
移行を進める
支援
事業が、こうやって予算が次から次へと減らされているわけですね。 これは中身を見てみると、例えば
地域
体制
整備コーディネーターというのが、病院に人を派遣して長期
入院
になっている方に
相談
に乗って、御
本人
の
退院
の計画を立てる前段階ですよ、
退院
の
意向
を育てていくような、こういう
制度
は事業仕分で
廃止
になってしまって、そもそもなくなっちゃったと。それで、代替というわけではないでしょうけれども、高齢
入院
患者
地域
支援
事業を立ち上げたけど、これはちょっと時間ないので言っちゃいますけど、これは全然もう全都道府県にも広がってないわけですよ。今
廃止
した事業と比べても規模が余りに小さいわけなんです。これで果たして本当に
地域
移行を進めていくことができるんだろうかと。 特に、この
地域
体制
整備コーディネーターというのは、元々は全都道府県に配置ということでやってきたし、二次
医療
圏区域の九割近くの
事業所
で実施がされていたと。ところが、
廃止
になって、補助金もなくなって、これは、一生懸命困難事例をやろうとすればするほど
事業所
は持ち出しになって、もう続けることが難しいと、こういう声も聞こえてくるわけですよ。これは先ほど
大臣
、
地域
移行を頑張るんだと言ったけど、予算これだけ削って事業仕分で
廃止
もしちゃって、それで本当に
地域
移行進んでいくのかどうか、これをお答えいただきたいと思うんです。
田村憲久
186
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 今
委員
おっしゃられましたとおり、確かに、この
地域
体制
整備コーディネーターですか、これは行政レビューで二十五年度から
廃止
ということになったわけであります。一方で、診療報酬の方では、医師や看護師や、また作業療法士等々、こういう
方々
が共同して、PSWもそうでありますけれども、
相談支援
事業所
等と
連携
をいたしまして、
退院
後における
医療
サービス
や
福祉
サービス
等に関する計画を作成する、また指導するということに対して評価をするわけであります。 ですから、そういうものを全体としていろいろなものを利用しながら、とにかく
地域
移行に対しての計画等々を組む中において対応していくわけでありますから、
医療
、
福祉
、これ両方が
連携
をするわけですよね。総合
支援
法の中のいろんなメニューもあるわけでありまして、そちらの方も
地域
移行をしっかり
支援
していくために、例えば
相談
事業もありますし、それから
地域援助事業者
ですか、等々の事業もあるわけでありますから、そういうものも含めながら、これは
連携
しながら総合的に
地域
移行を図っていくということでございまして、このコーディネーターがなくなったというのは、これはもういかんともし難いことでございますので、その前提の上でちゃんと
地域
移行が進められるような、そんな
仕組み
をつくっていかなきゃならぬと、今も整備してきておりますから、それを更に
強化
しながら
地域
移行が実施できるようにしてまいりたいと、このように思っております。
田村智子
187
○
田村
智子君 終わります。
福島みずほ
188
○
福島みずほ
君 社民党の
福島みずほ
です。 まず二十八日、足立理事への答弁に対して、
厚生労働省
がOECDの平均在院日数が百日以内と言ったのは間違いではないでしょうか。デンマークは四・一日、フランスは五・九日、スイスは三十日、イギリスは五十二・八など、アイルランドは十一・一、とても短いんですね。日本の三百日に比べると、もう雲泥の差なんですが、この百日以内というのは虚偽答弁じゃないですか。
岡田太造
189
○
政府参考人
(岡田
太造
君) 私が答弁したと記憶していますが、OECD諸国の各国の平均在院日数を比較してみますと、その中で一番長いのが韓国が約百日強ということでございますので、そういう趣旨でOECD各国の平均在院日数が約百日以内という形で答弁させていただいたつもりでございます。単純平均すると、先生御指摘のような、まだもう少し短くなるということだと思います。
福島みずほ
190
○
福島みずほ
君 ですから、百日以内、でも、これは多くの方から、これ違うんじゃないか、やっぱり誤解を招くのでという
意見
が出ましたので、日本が断トツに多いと。つまり、韓国の百日だって大きいわけで、あとはぐんと少なくて、計算したら日本以外の平均は三十一日になりました。ですから、その意味では百日以内というのはちょっと、もう少し正確であるべきではなかったかと思います。 次に、精神科病院における公衆電話設置について一言お聞きをします。
精神保健福祉法
や厚労省告示によって精神科病院の閉鎖病棟に公衆電話設置が
義務
付けられているにもかかわらず、二〇一一年十一月時点で七十二施設百五病棟で未設置が確認をされております。外部との意思疎通は極めて重要です。刑事施設における受刑者に対しては、現在一定の条件があるものの、施設の中から公衆電話が掛けられることができます。また、入管施設においては、各施設によって違いはありますが、日中の一定の時間帯に施設内の公衆電話を自由に使う権利が保障されています。入管や刑務所も変わってきている。 精神病院の中でやっぱりカードで自由に電話が掛けられる、これは絶対に必要だと思いますが、いかがですか。
田村憲久
191
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) それはおっしゃるとおりでございまして、閉鎖病棟等への隔離のような
状況
になっているわけでありますから、そういう意味からいたしますと、行動の自由というものが制限されておるわけでありますので、一定の範囲の中においてでもやはり外部との接触というものができなければならないということはそのとおりでございます。 そういう
家族等
々との接触は、これは
治療
上も意味のあることでありますし、一方で、
権利擁護
の観点からもこれ重要な点でありますから、そういう意味では公衆電話を設置することを
義務
付けているわけでありますけれども、ただ一方で、代替措置がございまして、公衆電話となりますとなかなか
企業
との関連性もあるわけでありますね、これは。ですから、そこで代替措置等々で、例えばそのような電話、いつでも掛けられるような電話が置いてあればいいでありますとか、それから、本当は病棟に一つずつなきゃいけないんですけれども、それも病棟一つずつでなくても自由に使える電話が例えば二病棟に一つ置いてあってもいいというような、そういうような代替措置があるということでございまして、結果的には今
委員
がおっしゃられたような
状況
があることも事実であります。 ただ、一方で、自由なアクセスというものが阻害される、これは駄目なわけでありますので、その点もし我々そういう案件が確認できれば、それは適切に指導させていただいております。
福島みずほ
192
○
福島みずほ
君 これはナースステーションの電話で代替できるのでもいいというふうにしているんです。ただ、実際、虐待を受けたり問題があるときにナースステーションに行けない、あるいは電話を掛けるときに見張られているというふうに思えば電話できないですよね。 私は、刑務所や入管施設が変わり始めているので、精神病棟にこれはやっぱりきちっと、共通の場所とかではなくてちゃんと置くようにしていただきたい。これはどこにも電話が掛けられるようにしていただきたい。 今日は総務省に来ていただきました。 これは精神科病院から公衆電話の設置を要請されたNTTが使用率や売上げの低さを理由に設置を断ったなどの事例が報告されています。でも、刑務所にだってあるんだから、入管施設にだってあるんだから、これ是非総務省、必要なものだという形で電話の設置をお願いします。
安藤友裕
193
○
政府参考人
(安藤
友裕
君) お答え申し上げます。 公衆電話につきましては、電気通信事業法令上、あまねく日本
全国
において役務の
提供
が確保されるべきものとされている基礎的電気通信役務として
提供
されている公衆電話というものは、第一種公衆電話として、その役務の趣旨に鑑み、その設置について地理的観点から一定の面的基準が設けられているところでございます。 他方、精神科病院の閉鎖病棟に設置されている公衆電話はこの第一種公衆電話ではなく、NTT東西の経営
判断
に基づき設置されているものであるということでございます。 いずれにしましても、総務省といたしましては、電気通信事業法に基づきまして、電気通信事業の公正な競争を促進するなどによりまして、精神科病院の閉鎖病棟の
患者
さんを含む広く国民の利便の確保を図り、公共の
福祉
の増進に寄与してまいる所存でございます。
福島みずほ
194
○
福島みずほ
君 じゃ、やってくださいよ。 そして、
大臣
、これは代替手段では駄目なんですよ。 私、何十年か前なんですが、スウェーデンで、刑務所で公衆電話のボックスがあるのを見て、やっぱりちょっとカルチャーショックでした。でも、日本も変わってきたんです。精神病院で中にいる人が困っている、虐待を受けている、こんな目に遭っているとテレホンカードで電話をできるというので、人権侵害をやっぱり、外部と交通権があるというのが人権侵害をなくすんですよ。 厚労省は通知出してくれているけれど、代替手段じゃなくて、全てやっぱりこの通知どおり、公衆電話の設置をする。総務省も、さっきの、もうちょっと心のある、踏み込んでください、お願いします。刑務所と入管施設と精神病院、それぞれ違いますが、ちゃんと電話ができる。 厚労
大臣
、今日ちょっと決意を示してください。
田村憲久
195
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 公衆電話と言われますと、我が省の所管じゃない部分でございますのでなかなか難しい部分でございますが、
委員
の言われている意味は私も
理解
をいたしておりますので、やはり
入院
されている
方々
がちゃんとプライバシーが守られるような形で電話ができるような、そんな指導はしていかなきゃならぬというふうに思っておりますので、人権が侵害されることのないように、その点は対応はしていくように指導してまいりたいというふうに思います。
福島みずほ
196
○
福島みずほ
君 宇都宮病院のときですか、中から紙飛行機を飛ばして侵害を訴えたというふうに私は聞いていて、電話、重要ですよ。
大臣
、これ、徹底するように、さっきの決意はそうだろうと思いますので、よろしくお願いします。
医療保護入院
に当たり、
同意者
がその意思を取り消した場合、当該
医療保護入院
は直ちに中止すべきと考えますが、いかがでしょうか。
田村憲久
197
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 申請をされた方が取消しをということになれば、当然
請求
を出されるという形になりますので、
審査
会の方で御
議論
をいただいた上でどうされるか
判断
をすると。若しくは、その前に
指定医
の先生と話をいただいて、十分に戻れる環境であるということであれば、そのときにはその
判断
の下で
退院
をされるということになろうというふうに思います。
福島みずほ
198
○
福島みずほ
君 しかし、
本人
の意思に反して行われた
強制入院
で、
同意者
がその意思を取り消した場合、
入院
は取り消されるのは当然で、納得できないと。というのは、
退院
するのにやっぱり時間が掛かってしまう、取り消せばやっぱりそれで
退院
できるようにやるべきだと思いますが、いかがですか。
田村憲久
199
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) そこはやはり
指定医
の先生が
判断
をされて、
入院
が必要だということで、御
家族
の
同意
を得て
入院
という形になるわけでございますので、どういう
状況
の下でその御
家族
が
退院
を求められるかどうか、取消しをされるかどうかというのは分かりませんが、内容は。 また御自宅の方にお戻りになられる、
地域
にお戻りになられても、それは十分に対応ができると、通院で対応ができるというようなものであればそれはそれでいいと思いますけれども、
治療
が必要だというときに、御
家族
が戻すというような意思を発せられて
退院
をするということになりますと、
治療
をせっかくして、途中でもう
退院
が間近である者も、
退院
をさせてしまってまた悪化をさせてしまうということもあり得るわけでありますから、そこはやはり
指定医
の先生の御
判断
というものが重要であろうというふうに思います。
福島みずほ
200
○
福島みずほ
君 ただ、
同意
要件
が一つの
要件
であったわけで、それがなくなった以上、
入院
の
要件
がなくなったというふうにも思います。 また、先ほども質問ありますが、
指定医
がいつも一人で
判断
するというのも問題で、本来ならやっぱり
代弁者
がいるとか、そういうことは必要だと思います。今日も二十八日もそうですが、今日、
本條参考人
と
池原参考人
のお二人は共に、
保護者
というのが削除されることは歓迎だが、
家族
の
同意
についてはお二人とも問題だというふうにおっしゃいました。私自身も、国際的な標準、基準からいっても
代弁者
を設けるべきだと、今回設けなかったことは本当に残念だと思っています。 ガイドラインをこの後、厚労省は作るやに聞いているんですが、できれば、例えば、百歩譲って、
家族
全体の総意が望ましいというふうにするとか、
代弁者
というのを徐々にでもどんどん入れていくというようなことを是非やっていただきたい。どうでしょうか。今日、
家族会
の方も
代弁者
、
池原
さんも
代弁者
のことをおっしゃいました。どうですか。
田村憲久
201
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 先ほど来、副
大臣
も答弁されておりますけれども、確かにうまくいっている事例が今日お話があられたということでございますから、その
地域
ではその
ノウハウ
を持っておられる
方々
、それからその熱意等々でうまくいっている部分があるんだというふうに思います。 ただ、これを
全国
的に
制度
化しようと思うと、まず、そもそもそれができる人材がいなければならないわけでありますし、どこまでその権利を擁護するための役割を担うんだということも、これ明確に決めなきゃいけないわけですね。 これ
議論
の中で、もう
委員
も御承知だと思いますけれども、そもそも今、
弁護士
の先生方が中心になってと言われるところもあれば、ピアサポートのような形態を主張される
方々
もおられる。そして、それぞれが、権利を擁護する役割、どこまでやるのかということも違っているわけでありまして、合意がまだなされていない。合意点がない中において
制度
化というのはなかなかやっぱり難しいわけでありまして、これからやはり
見直し
、
見直し
といいますか、
検討
規定の中で三年間見るわけでありますけれども、その間に、じゃ、どのような形で実際問題できるのかということも含めながら、もちろん費用の問題もあろうと思います、それは。 そういうことまで含めて
議論
をしないと、それは、もう何もこれ
議論
が固まっていない中でこの
法律
でこれを導入するというわけにはいかないものでありますから、
議論
の中でどのような形で導入ができるのかできないのか、いろんな問題点も含めて御
議論
をいただくということであります。
福島みずほ
202
○
福島みずほ
君 でも、私は、
家族
、つまり今日のこの
法案
ですと三親等内の親族、扶養
義務
があるから、おい、めいにまで、遠く離れた
家族
だって、みんなが反対していてもその人の
同意
があればいいとするぐらいだったら、私からすれば、それはやっぱり
強制入院
の規制緩和なんですよ。みんなが反対していても、遠い
家族
の一人がオーケーと言えばいいやという形じゃないですか。 ですから、これは、そういう
保護者
をやめて
家族
の誰かだったらいいというのではなく、やっぱり
強制入院
の当初から、サポーターじゃないけれども、
代弁者
という
制度
を是非考えていただきたい。
大臣
、いかがですか。
田村憲久
203
○国務
大臣
(
田村
憲久
君)
代弁者
もいろいろとお考えあるみたいで、
入院
される前から
代弁者
を付けた方がいいというお考えもあるし、
入院
してからというお考えもあるので、そこの整理も必要なんだというふうに思いますけれども。 もちろん、御
本人
の意思を代弁される方がおられるということは、我々も悪いとは言っていないんです、それはもう
理想
の姿であるわけでありますが、それをするためのいろんな環境整備というものも必要でありましょうし、先ほど言いました、費用をどうするんだという大きな問題もありますよね、これ。 そういうことも含めて、これは
議論
が煮詰まってまいりませんと、何も固まっていなくて、さあ、やりましょうと書いちゃったら、後、大変なことになるわけでございますから、
委員
の思いというものは私は重く受け止めさせていただきますが、すぐにやれというのはなかなか難しいと。 それと、
家族
の話がありました。同居されている
家族
は反対、だけど、別居されている親族が突然やってきて、同居されている
家族
に例えば黙って
本人
を連れて保険証を持って
医療機関
に行って
診断
していただいて、そのまま
同意
をして
入院
というようなことになった場合どうする。まあ、そんなものがあるかどうかは別でありますけれども、その場合も、同居されている
家族
が
指定医
の先生に、いや、こういう
状況
でこうこうこうだとお訴えになられれば、いや、あなたがいるのならばそれは十分に自宅でも
治療
できますねということであれば
退院
ができるわけでありますし、
審査
会の中においてそういう御
議論
があることもあるわけでありますから、それは常識の範囲内の中において対応いただけるというふうに思っております。 でありますから、話を戻しますが、思いは受け止めさせていただきますが、なかなかすぐに導入というわけにはいかないということは御
理解
をいただきたいというふうに思います。
福島みずほ
204
○
福島みずほ
君
代弁者
をどの段階で入れるかという、どういう
代弁者
を入れるかも重要なんですが、やっぱり、さっきから済みませんが、刑務所であれ入管であれ、いろんなところであれ、閉鎖的なところにきちっとサポーターを入れていくというのはとても人権上重要なことですので、重く受け止めるという部分を私は重く受け止めて、今後それが
議論
になるように、本当によろしくお願いします。 それで、
強制入院
当初より、
障害者総合支援法
にある一般
相談
、
地域
移行・
地域
定着支援
の個別給付が行われるようにできないかという点についてはいかがでしょうか。
岡田太造
205
○
政府参考人
(岡田
太造
君)
入院
当初からというのは、
入院
中からという御趣旨でございましょうか。 それは、やっぱりちょっと、給付がどういう性格でというか、
医療
保険で出ている給付と、それから総合
支援
法で出ている給付をどう調整するかという重複の問題もございますので、ちょっと簡単ではないなというのが率直な感想です。
福島みずほ
206
○
福島みずほ
君 ただ、今回のこの
委員会
でのテーマは、やはり
入院
が長い
強制入院
の
人たち
をどうやって早く
地域
へ、できれば帰すことができるかという中での
地域
移行は、やっぱり実は
入院
のときから始まっている、そこからケアをすることで
退院
ができるんじゃないかと思っていますので、岡田部長、ちょっとこれ、宿題というか、
検討
していただけないですか。
岡田太造
207
○
政府参考人
(岡田
太造
君) 今回の
法案
の中では、精神科病院の管理者に、まず
退院
後の生活環境に関する
相談
及び指導を行う者を設置を
義務
付けるであるとか、それから
地域援助事業者
ですね、例えば
入院
患者本人
や
家族
の
相談
に応じて必要な情報
提供
を行う
相談
事業者との
連携
、
家族
がそういうことを希望される場合にはちゃんとつないであげるというようなことを精神科病院の管理者にお願いすることにしていますので、そういう中でそういうような対応をしていきたいというふうに思っています。
福島みずほ
208
○
福島みずほ
君 非自発的
入院
者に対して、これをどう減らしていくかという
施策
が見えるように、そして具体的な応援ができるようにお願いします。 政府の規制改革
会議
の
雇用
ワーキング・グループが、正社員より解雇しやすい限定正社員や派遣
労働
の規制緩和、ホワイトカラーエグゼンプションなどの提言案を固めたというふうに報道されています。 限定正社員、職種、
地域
、特に職種を決める、その職種がなくなったらその限定正社員は首なんということになれば、今の解雇の四
要件
や、それから正当な理由がなければ解雇できないというのが全く揺らいでしまう。限定正社員、何のために入れるんですか、解雇するためですというような、こういう構図、毎回、規制改革
会議
、問題だと言っていますが、
厚生労働大臣
、こんな派遣の規制緩和、これからやるんですかということで、こういう規制改革
会議
に関して
厚生労働省
は断固闘うという決意表明をお願いします。
田村憲久
209
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) 闘うとか闘わないのではなくて、私は、
労働者
の権利を擁護するというのが大きな役割であるというふうに思っております。
地域
限定になるか職種限定になるのか分かりませんが、限定正社員という話が出ておるというのは今回に限ったことではなくて、これは様々な
会議
でそういう御
議論
もいただいておりますが、正直申し上げまして、これは
委員
も
法律
の
専門家
でございますのでもうよく御承知のとおり、権利の濫用というもの、これは許さないわけでありまして、解雇権の濫用というものも、これは許されないわけであります。 これは権利というものに内在する法的な要請でございますから、そういう意味からいたしますと、結果的に、限定というようなことがあっても、これは解雇権の濫用法理というものは適用されるわけでございまして、ただ、今よりも、今も実は限定されている職種あるわけでありまして、それは裁判でいろんな判例が出ているわけですよね。それが、こうやって新しい、新しくもないんです、今もある形態ですからね、限定契約というのは。そういうものが生まれたから、今までの裁判の判例よりも簡単に解雇しやすくなるなんてことがあるわけがないんで、そこは変わらないというふうに我々は
理解
をいたしております。
福島みずほ
210
○
福島みずほ
君 ただ、これ、限定正社員が解雇のルールと絡めて
議論
が出ているところが極めて問題だというふうに思いますし、派遣のルールの規制緩和など許せないというふうに思っています。 これは、
厚生労働省
そして
厚生労働委員会
が、やはりディーセントワークを
実現
するために規制緩和は許せないという
立場
で
厚生労働省
はこれ頑張ってほしいと。そして精神病院の問題については、オンブズマン
制度
や
代弁者
などの件でしっかり取り組んでくださるようお願いいたします。
武内則男
211
○
委員長
(
武内則男
君) 他に御
発言
もないようですから、両案に対する
質疑
は終局したものと認めます。
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の修正について
田村
君から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
田村
智子さん。
田村智子
212
○
田村
智子君 私は、ただいま議題となっております
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対し、日本共産党を代表して、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。 これよりその趣旨について説明いたします。 この修正案は、
精神障害者
の
法定雇用率
の
義務化
について、
施行
後五年後から来年度に前倒しし実施するものです。
精神障害者
に対する
雇用
率
制度
の適用から既に七年が経過し、
精神障害者
の就職件数も急速に伸びている中、
精神障害者
だけが
法定雇用率
の算定の基礎に入っていないという他の
障害
種別との格差をこのまま五年間も放置すべきではありません。 五年間の経過措置の間に、特に中小
企業
を中心とした
事業所
への
支援
策や、ハローワーク、
障害者就業
・
生活支援センター
を始めとする行政
支援
体制
を
強化
し、
法定雇用率
の達成に向けて後押しをすべきです。 また、今回新たに設けられた
事業主
が負う
障害特性
に配慮した措置の
義務化
に関しては、
事業主
に過重な
負担
を及ぼす範囲に限って免除することをより明確にし、
指針
で過重な
負担
について明らかにすることとします。これは、
事業主
が経営等を理由に
合理的配慮
を全く行わないといった
事態
を防ぎ、条文上明確にされていない過重な
負担
の範囲を
指針
に定めることを規定することによって、
事業主
の責任を最低限担保するためです。 最後に、
差別
禁止の法的効力を高めるために、
差別
の禁止に係る規定及び均等な
機会
の確保等を図るための措置に係る規定に違反した
事業主
に対して、勧告を行っても従わなかったときに公表することができる規定を追加します。 いずれも
障害者権利条約
批准に向けて必要な措置と考え、本修正案を提出いたします。 何とぞ
委員
各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
武内則男
213
○
委員長
(
武内則男
君)
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の修正について足立君から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。足立信也君。
足立信也
214
○足立信也君 私は、ただいま議題となっております
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及びみんなの党を代表して、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。 その趣旨について御説明申し上げます。 修正の要旨は、この
法律
の
施行
後三年を目途として
検討
を加えるべき事項に、精神科病院に係る
入院
中の処遇、
退院
等に関する
精神障害者
の意思決定及び意思の表明についての
支援
の
在り方
を追加することであります。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
武内則男
215
○
委員長
(
武内則男
君) これより両案及び両修正案について討論に入ります。 御
意見
のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
田村智子
216
○
田村
智子君 私は、日本共産党を代表して、
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に賛成、
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に反対の討論を行います。 以下、反対する
法案
について、その理由を述べます。 理由の第一は、
保護者制度
は
廃止
するものの、
医療保護入院
の
要件
に
家族等
の
同意
を加えることで、実質的に
保護者制度
を温存するものとなるからです。
保護者制度
は、
家族
に過重な
負担
をもたらす、
家族
に強制的に
入院
させられたと受け取り
家族
関係が悪化する、
保護者
の反対によって
入院
が
長期化
する場合もあることなどの問題点が指摘されてきましたが、本改正はこれらの問題点を引き継ぐことになります。 また、社会的
入院
の解消が求められているにもかかわらず、
医療保護入院
要件
の緩和によって、解消すべき社会的
入院
が増加することも懸念されます。
当事者
、
家族
が強く求めていた
代弁者
の導入も見送っています。 第二の理由は、本改正が精神科病床の機能再編を進めようとしているからです。 昨年の
検討
会の
議論
では、急性期
精神医療
は一般病床並みに職員配置を引き上げる一方で、それ以外は精神科特例を維持し、長期
入院
患者
は更に基準を引き下げる方向が出されています。長期
入院
者は
医療
、看護の後退を招きかねません。
地域
移行促進
のため、精神科病院に
体制
構築を
義務
付けましたが、財源が診療報酬で手当てされるかどうか不透明です。仮に診療報酬で手当てしたとしても、
退院
を希望する者に対する
支援
は評価されますが、長期
入院
者の働きかけなど困難な事例に係る活動への手当てはありません。一方、長期
患者
等に働きかける事業に対する補助は大幅に削減されています。精神科病院の
入院
増加が懸念される一方で、
地域
移行促進
の事業が後退するのは問題です。 なお、
精神保健
法
改正案
に対する民主党、自由民主党、公明党、みんなの党の共同提出の修正案は
当事者
家族
からの要望にこたえるものであり、賛成します。
障害者雇用促進法改正案
は、不十分ながらも
精神障害者
の
雇用
を
義務
付け、
雇用
における
障害者
差別
の禁止やそのための必要な措置の
義務
付けなどを行うものであり、賛成ですが、より早期に実効性を持って
施行
するために修正が行われることを希望し、討論を終わります。
福島みずほ
217
○
福島みずほ
君 私は、社民党を代表し、
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に反対する
立場
から討論を行います。 今回の改正は、
医療保護入院
における
保護者
の
同意
を削除したこと自体は評価できますが、問題点が余りにあります。
保護者
の
同意
から
家族等
の
同意
への変更は、
強制入院
の一形態である
医療保護入院
のハードルを下げることにより、人権侵害のおそれが極めて高い
医療保護入院
を更に助長する危険性があります。このような
強制入院
の数を減らし、できるだけ
地域
の中で暮らしながら
治療
できる
体制
を整備すべきです。 厚労省は、
医療機関
へのアクセスを確保し、早期
入院
、早期
治療
で
入院期間
の短期化が見込まれる旨の説明を行っていますが、全く納得できません。
強制入院
そのものが
国連
の拷問等禁止
委員会
などから極めて厳しい批判を受け続けていることを
日本政府
はしっかりと反省すべきです。
医療機関
へのアクセスについては、
患者
が
地域生活
を営みながらしっかりと通院
治療
を受けられる
施策
こそ
推進
すべきです。 今回創設される
家族等
の
同意
は、
患者本人
と
家族
の間の、また
家族
間の対立やあつれきを深めるおそれもあります。
患者本人
の意に反した
入院
の
同意
を
家族
から得るわけですから、
患者
がその
家族
に対して不信感を抱く
可能性
もあり、その場合、
地域
社会への速やかな復帰が阻害されるおそれも生じます。また、
医療保護入院
の是非をめぐって
家族
間の対立が生じたり、扶養
義務
や遺産相続にまつわる紛争を深刻化させることにもつながりかねません。
家族
同意
で
医療保護入院
の間口を広げるのではなく、人権侵害の一典型ともなりかねない
強制入院
そのものからの脱却に向けて方向転換すべきです。 同時に、
代弁者
の法的創設や
権利擁護
のための
弁護士
選任費用を公費で賄うなど、
患者
の側に立った法整備や
施策
を
推進
すべきです。また、人権擁護にかかわる市民の参画を促すことは、
患者
が
地域
の中で暮らしていく上でも非常に重要です。オンブズパーソンなどの設置にも積極的に取り組むべきです。 以上、
改正案
反対の理由といたします。
武内則男
218
○
委員長
(
武内則男
君) 他に御
意見
もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について採決に入ります。 まず、
田村
君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
武内則男
219
○
委員長
(
武内則男
君) 少数と認めます。よって、
田村
君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
武内則男
220
○
委員長
(
武内則男
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、足立君から
発言
を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
足立信也
221
○足立信也君 私は、ただいま可決されました
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による
附帯決議
案を提出いたします。 案文を朗読いたします。
障害者
の
雇用
の
促進等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対する
附帯決議
(案) 政府は、本法の
施行
に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、本法の目的を十分に考慮し、
障害者
に対する
差別
の禁止及び
合理的配慮
の
提供
が、募集、採用、
就労
のいずれの段階においても早期に
実現
し、
障害者雇用
の一層の促進が図られるよう、
当事者
である
障害者
の
意向
を最大限に考慮しながら、具体的
施策
の
取組
を進めていくこと。 二、
合理的配慮
義務
の適用が猶予される「過重な
負担
」の基準設定については、その水準が本法の趣旨を不当に歪めることのない合理的な範囲で設定されるべきであることを念頭に、
障害者
団体を含む四者による
労働
政策審議会の協議を通じて
指針
を定めること。その際、
合理的配慮
の
提供
に対する財政的
支援
措置の
在り方
についても併せて
検討
すること。 三、
障害者
に対する
雇用
上の
差別
禁止規定に違反する個々の案件に対する私法上の効果については、民法上の規定に則って個々の案件ごとに
判断
されることから、その適切な周知を図ること。 四、公務部門における
差別
禁止と
合理的配慮
義務
の遵守については、本法で適用が除外されている規定についての法令上の措置を確保するとともに、本法の目的を率先して
実現
し、
障害者雇用
の促進に寄与していく観点から、必要な財政上の措置に関する
検討
を含め、積極的な対策を講ずること。 五、
障害者
に対する
差別
の禁止及び
合理的配慮
の
提供義務
に関する紛争については、まずその
自主的解決
が促進されるよう具体的な
施策
を講ずることとし、その上で、都道府県
労働
局長による助言、指導又は勧告、及び紛争調整
委員会
による調停が実効性あるものとなるよう、必要な対策を講ずること。 六、
労働者
派遣契約の下での
障害者
の
差別
の禁止及び
合理的配慮
の
提供義務
については、現行の
労働者
派遣法に基づき適正な対応が図られるよう周知徹底を図ることとし、必要に応じて、具体的な措置を講ずるよう
検討
すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
武内則男
222
○
委員長
(
武内則男
君) ただいま足立君から提出されました
附帯決議
案を議題とし、採決を行います。 本
附帯決議
案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
武内則男
223
○
委員長
(
武内則男
君) 全会一致と認めます。よって、足立君提出の
附帯決議
案は全会一致をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、
田村
厚生労働大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
田村
厚生労働大臣
。
田村憲久
224
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) ただいま御決議になられました
附帯決議
につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして
努力
いたす所存でございます。
武内則男
225
○
委員長
(
武内則男
君) 次に、
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について採決を行います。 まず、足立君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
武内則男
226
○
委員長
(
武内則男
君) 多数と認めます。よって、足立君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
武内則男
227
○
委員長
(
武内則男
君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 この際、足立君から
発言
を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
足立信也
228
○足立信也君 私は、ただいま可決されました
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及びみんなの党の各派共同提案による
附帯決議
案を提出いたします。 案文を朗読いたします。
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対する
附帯決議
(案) 政府は、本法の
施行
に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、
精神障害
のある人の
保健
・
医療
・
福祉
施策
は、他の者との平等を基礎とする
障害者
の権利に関する
条約
の理念に基づき、これを具現化する方向で講ぜられること。 二、
精神科医療
機関の施設基準や、精神病床における人員配置基準等については、
精神障害者
に対する
医療
の
提供
を確保するための
指針
の内容を踏まえ、
一般医療
との
整合性
を図り、
精神障害者
が適切な
医療
を受けられるよう、各規定の
見直し
を
検討
すること。 三、
精神障害者
の意思決定への
支援
を
強化
する観点からも、自発的・非自発的
入院
を問わず、
精神保健
福祉
士等専門的な多職種
連携
による
支援
を
推進
する
施策
を講ずること。また、非自発的
入院
者の意思決定及び意思表明については、代弁を含む実効性のある
支援
の
在り方
について早急に
検討
を行うこと。 四、非自発的
入院
の減少を図るため、「
家族等
いずれかの
同意
」
要件
を含め、国及び地方自治体の責任、
精神保健指定医
の
判断
等、幅広い観点から、速やかに
検討
を加えること。 五、精神疾患の
患者
の
権利擁護
を図る観点から、
精神医療審査会
の機能
強化
の
在り方
を
検討
し、必要な措置を講ずること。 六、非自発的
入院
の特性に鑑み、経済面も含め、
家族等
の
負担
が過大にならぬよう
検討
すること。 七、
医療保護入院
等の
患者
の
退院
後における
地域生活
への移行を促進するため、
相談
対応や必要な情報の
提供
、アウトリーチ
支援
など、その受け皿や
体制
整備の充実を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
武内則男
229
○
委員長
(
武内則男
君) ただいま足立君から提出されました
附帯決議
案を議題とし、採決を行います。 本
附帯決議
案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
武内則男
230
○
委員長
(
武内則男
君) 多数と認めます。よって、足立君提出の
附帯決議
案は多数をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、
田村
厚生労働大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
田村
厚生労働大臣
。
田村憲久
231
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) ただいま御決議になられました
附帯決議
につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして
努力
いたす所存でございます。
武内則男
232
○
委員長
(
武内則男
君) なお、両案の
審査
報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
武内則男
233
○
委員長
(
武内則男
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
武内則男
234
○
委員長
(
武内則男
君) 次に、
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
及び戦
没者
の
父母等
に対する
特別給付金支給法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。
田村
厚生労働大臣
。
田村憲久
235
○国務
大臣
(
田村
憲久
君) ただいま議題となりました
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
及び戦
没者
の
父母等
に対する
特別給付金支給法
の一部を改正する
法律案
について、その趣旨を説明いたします。 戦
没者
の妻及び
父母等
に対しましては、これまで特別給付金として国債を継続して支給してきたところでありますが、これが最終償還を終えるため、今回、これらの
方々
に対し改めて特別給付金を支給することとし、関係の
法律
を改正するものであります。 以下、この
法律案
の内容について、その概要を説明いたします。 第一に、
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
の一部改正であります。これは、国債の最終償還を終えた
戦没者等
の妻に対し、特別給付金として、二百万円、十年償還の無利子の国債を改めて支給すること等の措置を講ずるものであります。 第二に、戦
没者
の
父母等
に対する
特別給付金支給法
の一部改正です。これは、国債の最終償還を終えた戦
没者
の
父母等
に対し、特別給付金として、百万円、五年償還の無利子の国債を改めて支給すること等の措置を講ずるものであります。 以上がこの
法律案
の趣旨でありますが、
平成
二十五年四月一日から
施行
することとしておりました改正規定につきましては、衆議院において、公布の日から
施行
し、
平成
二十五年四月一日に遡って適用することとする修正がなされております。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。 以上でございます。
武内則男
236
○
委員長
(
武内則男
君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する
質疑
は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十三分散会