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国務大臣(
茂木敏充君) 我々の政権としても、前政権下で取り組まれたいい成果についてはきちんと引き継いでそれを発展させていきたいと、こんなふうに思っております。
エネルギー分野でクリーン、これは極めて重要であると思っておりますが、同時に、今の
エネルギーの需給状況を
考えると、いかに効率的にこのマネジメントを行っていくかと、こういったことも同時にまた重要だと思っております。
日本は一九七〇年代、二度の
石油危機を経験いたしました。当時は、全体の
エネルギーの消費量を減らすと、今の
ピークコントロールとは若干違う側面もありましたが、それでもこの石油ショックを克服する中で、
世界に冠たる
省エネ技術、
省エネ製品というのを
日本は生み出して、そして新たな発展につなげた。今回も、やはりこの新たな
エネルギー制約を克服する中で、
エネルギーの効率的な
供給の体制、さらにはそれを通じた
経済成長、こういったものを目指していきたい、こんなふうに
考えているところであります。
そこの中で、例えば
一つは、
世界に対する貢献ということでいいますと、御案内のとおり、
日本の高効率の火力、石炭、LNGのこれは効率というのは今でも
世界一であります。磯子のJパワーのあのプラントを見に行きますと、煙突から全く煙が出ていません。一番最新鋭のものを使っているわけでありまして、こういった高効率の火力を進めていきたい。
実は、この
日本の石炭火力の技術を
アメリカ、中国、インド、こういった国に適用しますと、年間のCO2の排出抑制量は十五億トンと、まさに
日本が一年間で出す全てのCO2が
日本の技術によって削減できる、地球温暖化問題にも貢献できる、そういった効果もあるんではないかなと、そんなふうに
考えております。
それから、もう
一つお触れいただいた
蓄電池、これは極めて私は重要になってくると
考えておりまして、これから再生可能
エネルギー、これを最大限導入をしていくということになりますと、どうしても風力、火力、天候に影響される、こういった中でこれを安定的に
供給していくということになりますと、これは変電側に
蓄電池を設けるということで、この安定化を図っていきたい。
今
蓄電池の
世界市場、どちらかといいますと、パソコンとかモバイル中心で一兆円でありますけれ
ども、これが二〇二〇年には
電力系統それから自動車に使われるということで二十兆円に拡大する、このようにも言われております。
日本の技術、
世界一でありますから、この二十兆円の市場の半分ぐらいを
日本が取る、そのための技術開発、そして、
コストが今大体キロワットアワー当たり四万円ですから、これを二万三千円、揚水発電の
レベルにまで下げていく、こういったことが大きな課題としてあるのではないかなと思っております。
それから、
省エネを進めるということでいいますと、
一つはやっぱりスマートな
エネルギーマネジメントを進めると。これは
電力システムの改革とも絡んでくる問題でありますけれ
ども、これまではどうしても
電力といいますと、もう需要は所与のものと決まっている、これに対して
供給量をどう積み上げていくか、こういう発想でありましたけれ
ども、そうではなくて、デマンドサイドもきちんと、デマンドレスポンスの様々な
使用メニュー、そして
料金メニューを提供することによって下げていくことができるのではないかなと。
昨年、全国四か所で実証実験を行いました。例えば北九州の実験では、
ピーク時の
料金当然高くしてそれ以外の
料金を相当安くする、こういう実証の結果によりまして、
ピーク時の
電力消費、これは二割落ちる、一方、家計が支払う
電力料金は三割落ちる、ウイン・ウインな形の
制度になったのではないかなと、そんなふうに思っております。
最後にもう一点だけ。次世代のデバイス、様々な機器の
省エネを陰で支えるパワーエレクトロニクスでありますが、これ、
電気の周波数や交流、直流の変換を効率的に実現する技術でありまして、新
材料を用いた次世代のパワーエレクトロニクスによりまして、電車の例えば
電力消費の四割削減に成功を実際いたしております、研究開発。そしてこれも、
日本だけではなくて、国際標準化、こういったものを進めていきたいというふうに
考えておりまして、この先生から御
指摘いただいた問題、今、
日本が直面する
エネルギー制約の克服に役立つと同時に、これが
日本の新しい成長にもつながり、さらには
日本らしい国際貢献にもつながっていく、こういう重要な課題だと
考えております。