○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
フロン物質と温暖化というのは関係が当然あるわけでありまして、温暖化問題は、さきの
審議におきましても、人類の生存に深くかかわっているということ、これは非常に大きな
課題であるという答弁も
大臣からいただいておりますが、
先ほどほかの同僚の
委員から話がありましたように、四〇〇ppmを既に超えているという
段階であります。二〇五〇年八〇%
削減の
課題、これは各党の提出法案にも明示されてきました。物事はなかなか進まないなということで、やはり乗り越えるべき多くの
課題があるということは事実であると私は思います。
今、憲法の
議論がされているわけでありますけれ
ども、その中で
環境権が
議論がされてきております。
環境権は憲法に明示することが非常に私は大事だと思っておりまして、
環境保全等の施策展開に大きく寄与するものではないかと
考えております。
日本は、戦後、目覚ましい経済発展を遂げたわけでありますが、各地で深刻な公害が起こり、人々の生命、健康までが侵害されたと、そのような
状況の中で
環境権が主張されてまいりました。
日本国憲法には
環境権を明示的に規定してはおりません。そういう条文はありませんが、ただ、多くの学説が
環境権を認めており、根拠条文として憲法第十三条、すなわち幸福追求権等、あるいはさらに、第二十五条の生存権等が掲げられておりますが、私は、より一層明示すべきだと、このように
考えております。
そこで、
環境省の設置法というのがありますが、その中には、第三条でありますが、
環境省は、
地球環境保全、公害の
防止、自然
環境の
保護及び
整備その他の
環境の保全(良好な
環境の創出を含む。以下単に
環境の保全という。)、これを図ることを任務とするというふうに書いてございます。また、
環境基本法の「
目的」には、第一条として、この
法律は、
環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事
業者及び国民の責務を明らかにするとともに、
環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、
環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康に文化的な生活の
確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを
目的とすると、このように実は書かれているわけであります。
そこで、憲法の第二十五条を取り上げたいと思いますが、
皆さんのお手元に配付をさせていただきました。それは、
環境権については、国民の権利として明文化するとともに、国の責務を規定すべきであると。第二十五条として、全て国民は、健康が維持できる自然
環境の中で健康に文化的な最低限度の生活を営む権利を有するということで。第二十五条の第二項は、これは変わりません。国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければいけない。三項を新たに設けるということで、国は、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活を
確保するため、放射能汚染の除去、公害の
防止、自然
環境の
保護及び
整備その他の
環境の保全(良好な
環境の創出を含む。)に努めなければいけない。このように、これはあくまでも内外の方々と
議論した内容でありまして、私自身の私案、私の案ということでございます。
ある憲法学者は、
環境権の
対象を自然
環境に限定し、その保全、回復を
目的とするならば、その
環境権を憲法上の権利に格上げすることは可能であるとしております。私は、特に二〇一一年の三月十一日の東京電力福島第一原子力発電所事故以後の
日本社会では放射能汚染が深刻であったと、これも契機にしなければいけないというふうに
考えて、明示すべきであると。この放射能汚染による人的被害を個人の私権、私の権利でありますけれ
ども、私権としての人格権で処理することは不適切であり、同時に問題を矮小化しているというふうに
考えざるを得ないわけであります。放射能汚染は、福島県地域、福島に限らずでありますけれ
ども、面としての大
規模汚染であり、これは従来型の個々人の人格権の侵害だけでは処理し切れない側面を持っているという理由によるわけであります。
というのも、汚染されていない空気、汚染されていない土地と水、これは個人の利益には還元できない人間の生存条件自体だからであります。今もって約十五万人の
皆さんが避難生活をせざるを得ないと、あるいは今もって原発の第二号機でありますけれ
ども、そこの線量というのは一時間当たり七万三千ミリシーベルトということでありますので、これは一分
程度いると吐き気を催す、八分ぐらい浴びると死に至るというふうな数字であります。それから、今もって緊急事態宣言、これは解除されていないわけだと思います。そういうことを含めて、しっかりと
環境権について
考えていかなければいけないというふうに思います。
個人的な
意見として述べてまいりましたが、ただ、前提条件として私は
考えなければいけないのがあると。それは憲法九十六条でありますが、これ先行
改正などの
議論がありますが、我が党は慎重に
考えなければいけない。私個人としては変えるべきではないと、
改正はあってはならないと。三分の二をクリアするように
議論を国民との間にするべきでありまして、政党、政治家がやはり最大限の努力をして三分の二を超えるように
状況を持っていくということが極めて私は重要でないかなと思っております。
そこで質問でありますけれ
ども、憲法に明確に示す、記述するということは十分
考えるべきであるというのが私の主張でありますが、これ、明示することによって、例えば
先ほど環境省の設置法、
環境基本法を紹介させていただきましたけれ
ども、これがより一層生きてくるんではないかなと、こんなふうに
考えております。
この辺の明示することについての意義について、
環境大臣としてはどのようにお
考えでしょうか。