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政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
御
質問のありました
福島県外の三県における甲状腺超音波検査を実施することとなった経緯でございますけれ
ども、元々、今御
質問の端々にございましたけれ
ども、県民健康管理
調査の一環といたしまして甲状腺超音波検査を実施しております。これは、事故当時十八歳以下であったお子様方全員ということになっておりまして、
福島県内に一学年二万人おられますので、十八倍しまして大体三十六万人ぐらいを対象にいたしまして、先ほどから言っておりますが、浜通り、中通り、大ざっぱに言うと会津と、こういう三グループを一年ずつ、一年計画ずつでやって三年程度で一巡をしようという計画で実施をしておりました。
この県民健康管理
調査の甲状腺超音波検査ですけれ
ども、極めて精度の高い機械を使いまして、技術、能力の優れた
先生方に実施をしていただいたという経緯もありまして、結果をまとめるわけですけれ
ども、まとめる際に、小さな嚢胞と言われる袋のようなもの、それから結節と呼ばれる粒のようなもの、塊のようなもの、そういった小さなものについても、今後成長していくのか、しかも成長していく過程でがんに変化するかもしれないということで、こういう極めて小さなものであっても記録としてとどめておこうということで、これをちょっと
専門的に言いますとA2グループという形で記録をして、お母様方にも、保護者の方にもお知らせをしたということです。
このA2判定の割合が四〇%前後だったということで、保護者の一部では非常に心配だという声が出ました。それで、言うまでもなく、こうしたこの四〇%のA2判定となった方は取りあえず記録にとどめて今後の推移を見ていこうというものでありまして、急いで精密検査や治療を必要とするということではないんですが、いずれにしても、
住民の方が不安であるという声が聞こえたものですから、そうした不安の解消の一助になればということで、この超音波検査自身の実施方法の妥当性等を
検証しようということで、
福島県外の三県
調査がスタートしたわけです。
具体的には、青森、山梨、長崎というところで、合計で四千五百名の方の御
協力を得まして、ほぼ同じような年齢構成の方に御
協力をいただきまして、同様の検査を行いました。その結果、A2と言われます小さな嚢胞や結節などの出現率といいますか、発見率といいますか、これについてもおおむね
福島と同様か、やや高いぐらいだったかもしれませんけれ
ども、そうした結果が出ました。
そういうことで、引き続きこの三県についても、いわゆるBという判定の方がどういう割合で出ていて、その後どういう最終診断まで至るのかというようなことは丁寧に進めていかなければなりませんし、また
調査対象の年齢構成をもう少しマッチングさせて分析するという必要があろうかと
思いますが、こうした一連の作業を経て、
福島で今実施している、精度の高い検診と言っていいと
思いますが、その検診の妥当性をきちっと明確にして、繰り返しになりますが、保護者の皆様にもしっかりとした検査が行われているんだということを御
理解いただくということを目的としております。
以上です。